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INTERVIEW

2024.04.17

富田美憂が表現する新たな『デート・ア・ライブ』の歌世界――TVアニメ『デート・ア・ライブV』OPテーマ「Paradoxes」リリースインタビュー

富田美憂が表現する新たな『デート・ア・ライブ』の歌世界――TVアニメ『デート・ア・ライブV』OPテーマ「Paradoxes」リリースインタビュー

声優/音楽活動の中で見つけた富田美憂が考える“自分らしさ”

――シングルのカップリング曲「Golden Rain」は、一転して明るくて柔らかい雰囲気の楽曲になりました。

富田 「Paradoxes」は温かみもありますけど、どこか冷たい印象もあって、私の中ではガラスみたいな曲という印象があるのですが、そのカップリングということで、あえて温かさに全振りした楽曲にしました。5~6曲の候補があったのですが、この曲のイントロの入り方が印象的だったことと、全部の候補曲を「Paradoxes」と続けて聴いてみたうえで音的に一番バランスが良かったこと、それと「Paradoxes」はゆったりしたロックバラードだったので、カップリングは音符の数が多めでリズミカルかつキャッチーな曲が欲しくて、この曲を選びました。

――サウンドやメロディ的にも華やかな躍動感がありますよね。歌詞はどんなイメージで書いてもらったのですか?

富田 歌詞は完全にお任せでお願いしたのですが、このシングルの発売タイミングが4月ということもあって、新しい環境に身を置く学生さんや新社会人の方に向けて、ただ「頑張れ!」とエールを送るだけではなく、「君は君のままでいい」「自分らしさは私が肯定するから、自分らしさを武器にして一緒に頑張っていこうよ」という応援の仕方をしている楽曲になりました。新生活が始まって気持ちが落ちてしまう人もいるこの時期に、皆さんの心の支えになれたらいいなと思いながら、聴き手側を包み込んであげるような温かさを目指して歌いました。

――たしかにこの曲の歌声を聴いていると、優しい気持ちになれます。

富田 とにかく軽やかに、私の声自体も明るく弾む感じで、聴いた皆さんが「ふふっ」と笑ってしまうような温かさを込めました。「Paradoxes」は“あなた”に向けて歌うことを意識しましたけど、この曲は大勢の人たちを前に私が「頑張れ!」と歌っているビジョンが浮かんだので、この2曲を聴き比べていただくと声の感じも全然違うと思います。

――今回のシングルの2曲に限らず、富田さんは楽曲ごとに多彩なアプローチで歌われていますよね。

富田 これは声優の強みと言いますか、演じ分けに近い感覚で、楽曲ごとで違う人になるような気持ちで歌っています。例えば、今回のシングルと『Fizzy Night』(2022年リリースのミニアルバム)を聴き比べたときに「同じ人が歌っているの?」と思われるくらい幅が出ればいいなと思いますし、「白って200色あんねん」じゃないですけど、「富田美憂って200人おんねん」みたいな感覚になるのが理想です(笑)。

――ちなみに「Golden Rain」というタイトルはどのように受け止めていますか?歌詞の中にも“金色の雨”といった言葉が登場しますが。

富田 雨にはマイナスなイメージがあると思うんですけど、この曲の歌詞には“黄金色”、“太陽”、“大海原”といった明るい印象のワードが多いので、聴いている人に幸せな気持ちが降り注ぐようなイメージで捉えています。歌詞を見なくても情景が頭に浮かんでくるような歌を目指していて、この曲でも例えば“鯨みたく 世界中の好きな場所へ”のところは目の前に大きなクジラがいるような風景が浮かぶように、音のピッチが上がるところで高音が突き抜ける感じを意識しながら歌っています。

――なるほど。先ほどお話しいただいたように、自分らしさを肯定するメッセージも込められていますが、富田さん自身は今、アーティストとしての“自分らしさ”についてどのように考えていますか?

富田 世の中には歌が上手な方はたくさんいますし、人の心に響く歌というのは色んなものがあるなかで、なんでファンの皆さんは私のことを応援してくれるんだろう?ということを考えることがよくあって。でも、自分で自分の良さというのはよくわからないじゃないですか。そんななかで、声優のお仕事を通じて、自分の持っている声の音色は特別なものだということを、色んなところで皆さんに気付かせてもらえる機会があるんです。

――そうなんですね。

富田 これはよく話していることなのですが、私は元々自分の声があまり好きではなかったんですね。学生時代も「変な声」と言われたり、声が特徴的ということで放送委員にしぶしぶ入らされたことがあって。世の中にはたくさんの声優さんがいて、声がかわいくてきれいな人がたくさんいるなかで、私の声はジャミジャミしていてかわいくもきれいでもないと思うので(笑)、アーティストデビューするときも、正直受け入れてもらえるか不安があったです。でも、それを好きと言ってくれる人がたくさんいて。今では皆さんのおかげで胸を張って自分の声が好きと言えますし、この声、この音色こそが“私らしさ”であり、一番の武器だと思います。なので両親には「ありがとう」を伝えたいです。

――富田さんの声は唯一無二の魅力がありますからね。自分も『アイカツスターズ!』の虹野ゆめ役で初めて知ったときから、すごく惹かれる声だと思いました。

富田 それこそ『アイカツスターズ!』の当時に(エルザ・フォルテ役の)日笠陽子さんが「美憂のその声は本当に宝物だと思うから大事にしなよ」と言ってくださって。その後も別の作品でご一緒する機会があったときは、日笠さんがラジオで私のことに触れて「あの子の声は特別だから」ってずっと言い続けてくれてるんですよ(笑)。だからきっとこの声はギフトなんだと思います。

――素敵なお話をありがとうございます。改めて今回のシングルはご自身にとってどんな作品になりましたか?

富田 これは毎回言っていますけど、今回も渾身の出来になりました。オープニング曲はアニメの最初に流れるものだからこそ、その作品を背負っている部分があると思うので、まだ『デート・ア・ライブ』に触れたことがない方も、この楽曲をきっかけに作品に入っていただけると嬉しいですし、そういった役割を果たせる楽曲になると嬉しいです。それと今回のアーティスト写真やジャケット写真と、前作の「Silent Beat」(2023年11月にリリースされた配信シングル)のビジュアルはリンクしていて、「Silent Beat」のときに私の足元に散らばっていた花びらが、今回は花束になって私が持っていたりもするんです。なので、ぜひセットで聴いてほしいです。

――この夏には2ndアルバムのリリースも決定していますし、今回のシングルはそれに繋がる部分もあるかもしれないですね。

富田 はい。2ndアルバム用の楽曲も集まってきていて、とても良い感じなので、ぜひ期待していてほしいです!

――それともう1つ聞きたいことがありまして。富田さんは最近ギターを始めたそうですね。

富田 はい。元々楽器の演奏に興味があったのですが、音楽活動もしているので新しく挑戦してみようと思って。打楽器系とかピアノで弾き語りもいいなあと思ったんですけど、うちの父がギターを弾いていて、自分の楽曲にもロックでかっこいい系の楽曲が多いので、ギターを始めることにしました。

――SNSでギブソンのレスポールタイプのエレキギターを購入したことを報告されていましたが、一目惚れだったとか。

富田 そうなんです。実はその時点でギターのレッスンも受けていたので、その先生の意見も聞きつつ、楽器屋さんに何度も通ってギターを探していたのですが、あのギターがどうしても欲しいなと思って。毎週仕事の帰りに楽器屋に寄っては「やっぱり良いな……!」っていうのを繰り返していました(笑)。でも、初心者が最初に買うギターとしては正直値段がかなり高かったんですよ。ただ、これだけ見ても欲しいということは、やっぱり自分はこれが欲しいんだろうなと思って、マネージャーさんやレーベルスタッフの方たちにもお伺いを立てて、あのギターをお迎えしました。父からは「俺のギターより良いギターを買ってる。初めてなのに生意気な!」みたいなことを言われました(笑)。

――お父様に教わったりもできそうですね。

富田 でも、うちの父は昔、インディーズでバンドをやっていたらしいんですけど、ゴリゴリのメタルなので私とはちょっとジャンルが違うんですよ。たしかに、昔から家で聴いていたギターの音は激しめだった印象があって(笑)。

――アハハ(笑)。ギターの名前を考えているという話でしたが、名前は決まったのですか?

富田 まだです。楽器をやっている人は自分の楽器に名前を付けるものだと思っていたんですけど、SNSの反応を見ていたら「ギターに名前を付けるのは『けいおん!』くらいです」みたいな意見が多かったので、ひとまず保留にしています(笑)。

――練習中だと思いますが、弾けるようになりたい楽曲はありますか?

富田 Fのコードが上手く弾けなくて、先生に「Fなんてできません……!」と言っていたら、先生は私が椎名林檎さんを好きなことを知っているから、Fのコードが弾けるようになったら「丸ノ内サディスティック」(椎名林檎)が弾けることを教えてくれて、今はそれをモチベーションに練習しています。いずれ何かの曲を皆さんに聴いていただく機会も作れたらと思っているので、これからさらに頑張ります!


●配信情報
「Paradoxes」
先行配信中
※ハイレゾ配信は4月17日より開始

配信リンクはこちら
https://tomita-miyu.lnk.to/Paradoxes

●リリース情報
富田美憂 5th シングル
TVアニメ『デート・ア・ライブⅤ』OPテーマ
「Paradoxes」
4月17日(水)発売

【初回限定盤(CD+DVD)】

品番:COZC-2083/4
価格:¥2,090(税込)

【通常盤(CD)】

品番:COCC-18199
価格:¥1,430(税込)

<CD>
M1.Paradoxes
作詞:渡部紫緒 作曲・編曲:坂部 剛
M2.Golden Rain
作詞・作曲:栗山健太 編曲:APAZZI
M3.Paradoxes (Instrumental)
M4.Golden Rain(Instrumental)

<DVD>
「Paradoxes」ミュージックビデオ
メイキング映像

●作品情報
TVアニメ『デート・ア・ライブⅤ』

AT-X:4月10日より毎週水曜日23:30~(リピート放送:毎週金曜日11:30~/毎週火曜日17:30~)
TOKYO MX:4月10日より毎週水曜日25:00~
BS11:4月10日より毎週水曜日25:30~
KBS京都:4月10日より毎週水曜日25:30~
サンテレビ:4月10日より毎週水曜日25:30~

配信情報
dアニメストアにて地上波先行・単独最速配信
dアニメストア:4月10日より毎週水曜24:30~
その他サイトも4月15日(月)24:30~以降、順次配信予定
※放送開始日・放送時間は変更となる場合がございます。予めご了承ください。

【STAFF】
原作:橘 公司/原作イラスト:つなこ(株式会社KADOKAWA ファンタジア文庫刊)
監督:中川 淳
シリーズ構成:志茂文彦
キャラクターデザイン:中村直人
音楽:坂部 剛
音楽制作:日本コロムビア
アニメーション制作:GEEKTOYS
製作:「デート・ア・ライブⅤ」製作委員会

【CAST】
五河士道:島﨑信長
夜刀神十香:井上麻里奈
鳶一折紙:富樫美鈴
五河琴里:竹達彩奈
四糸乃:野水伊織
時崎狂三:真田アサミ
八舞耶倶矢:内田真礼
八舞夕弦:ブリドカット セーラ 恵美
誘宵美九:茅原実里
七罪:真野あゆみ
本条二亜:生天目仁美
星宮六喰:影山灯
崇宮澪:遠藤綾

©2023 橘公司・つなこ/KADOKAWA/「デート・ア・ライブⅤ」製作委員会

関連リンク

富田美憂
Official Home Page
https://columbia.jp/tomitamiyu/

YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCvLYHd1gVyZP7txA_vL89Ng

X(旧Twitter)
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TVアニメ『デート・ア・ライブⅤ』公式サイト
https://date-a-live5th-anime.com/

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