REPORT
2024.03.28
2024年3月16〜17日に開催されたVTuberグループ・ホロライブによる5度目の全体ライブ“hololive SUPER EXPO 2024 & hololive 5th fes. Capture the Moment”。なかでも、彼女たちとHoneyWorksとのコラボレーションで行われたのが、音楽プロジェクト・hololive × HoneyWorks(ホロハニ)をフィーチャーした企画ステージ「HoneyWorks stage」だ。ここでは本ステージの模様をレポートする。
TEXT BY 杉山 仁
元々ホロライブメンバーは、記念ライブや配信の歌枠など様々な場面でHoneyWorksの楽曲をカバーしてきた。2022年には、彼らからのオファーで湊 あくあと紫咲シオンが「告白実行委員会 -FLYING SONGS- 恋してる」にボーカル参加。以降は湊 あくあの「君の最推しにしてよ!」や、「ホロライブ・サマー2023」のメインテーマとなった「青春アーカイブ」、紫咲シオンの「シンデレラ・マジック」といった楽曲をHoneyWorksが担当した。
このホロハニでは、架空の学園「ほろはにヶ丘高校」を舞台に、学生ならではの爽やか&賑やかな青春をバラエティ豊かな音で表現。新たに書き下ろされたオリジナル曲やカバー曲で、ホロライブメンバーたちが通う学校で巻き起こる賑やかな日常が描かれている。楽曲の歌詞はすべてほろはにヶ丘高校のキャラクター設定と連動していて、設定資料も公開されているため、時に「VTuber界の日常系アニメ」とも表現されるホロライブと、HoneyWorksらしい音楽で物語を伝える手法の魅力がぎゅっと詰まったプロジェクトになっている。
ライブは冒頭、観客をほろはにヶ丘高校の世界に誘う教室をモチーフにした映像を経て、白上フブキ、夏色まつり、不知火フレア、白銀ノエルによる「ファンサ」でスタート。MCやコール&レスポンスにも学校の要素を取り入れながら進んでいく。メンバーそれぞれに異なる魅力を伝えるようだった5th fes.のほかのステージと比べると、全編ポップで甘酸っぱい、爽やかな雰囲気で統一されていて、コンセプチュアルなライブならではの楽しさがある。
なかでも印象的だったのは、ホロハニでの役回りを活かしたステージングの数々。先生役の戌神ころねによる「かわいこちぇっく!」、ホロハニでは姉妹に扮するクレイジー・オリー&アーニャ・メルフィッサの「シス×ラブ」、新人アイドルを演じる姫森ルーナ&猫又おかゆの「アイドル十ヶ条」、憧れのときのそらをライバルたちと取り合っている桃鈴ねねの「同担拒否」など、様々な楽曲で観客を盛り上げるためのMCや煽りにほろはにヶ丘高校の設定が取り入れられていて、序盤からいつものライブとは一味違う世界観が広がっていく。
統一感のある物語性の一方で、音楽的には様々な振り幅が用意されているのも大きな魅力。「はい!はい!」とコールが起こった百鬼あやめの「うたげ☆独壇場!」やムーナ・ホシノヴァの「決戦スピリット」があると思えば、がうる・ぐらの「Tokyo Wabi-Sabi Lullaby」ではメランコリックな歌とともに花火が打ち上がり、ハコス・ベールズの「パクパク成敗」などでは得意のダンスが存分に活きるガールクラッシュ風のクールなモダンR&Bも披露。ほかにもダンサブルなバンドサウンドで熱気いっぱいに盛り上がったさくらみこの「motto☆いちごオレ」など、楽曲ごとにポップス、ロック、スカ、R&Bなど様々なサウンドが飛び出してくる。この辺りの雰囲気は、ホロライブの音楽活動すべてに通じる部分でもある。
後半で印象的だったのは、さくらみこ&ラプラス・ダークネスが観客に聞いた「今日カップルで来た人ー?!」という質問に歓声が上がり、「リア充かー!撲滅だー!」と叫んだMCに続いて披露した紫咲シオンの「リア充撲滅宣言」や、普段はお姉さん的な魅力で人気を集める3人が後輩目線の歌を歌うAZKi、大神ミオ、雪花ラミィによる「センパイ。」、そして3期生コンビの兎田ぺこらと宝鐘マリンによる“ぺこマリ結婚ソング”として話題になった「ブライダルドリーム」での会場一体となった盛り上がり。秘密結社holoXの5人がミクスチャーロック風のサビで揃いの振り付けを踊った「アウトサイダー計画」や、角巻わためと常闇トワの4期生コンビによる「イノコリ先生」でのコール&レスポンスにも会場が湧いた。
また、ホロハニステージでは、2曲で出演予定がなかったメンバーたちのサプライズ登場も話題に。まずは中盤の「可愛くてごめん」に、元々出演者として名前があった猫又おかゆ、宝鐘マリン、桃鈴ねね、ラプラス・ダークネス、博衣こよりに加えて、ロボ子さん、アキ・ローゼンタール、癒月ちょこ、パヴォリア・レイネ、セレス・ファウナがサプライズ参加して会場は大盛りあがり。また、終盤にはときのそら、白上フブキ、星街すいせい、天音かなた、ムーナ・ホシノヴァ、小鳥遊キアラ、がうる・ぐらに加えて、湊 あくあとアイラニ・イオフィフティーンがサプライズ登場し、「青春アーカイブ」を披露して大歓声が起こった。
ライブを締めるラストを担当したのは、ときのそらと星街すいせいの2人。まずはときのそらが登場して「誇り高きアイドル」を歌うと、ホロライブのアイドルの原点ならではのパフォーマンスに会場がエモーショナルな雰囲気に包まれる。星街すいせいは、 Google Pixel | au 「#さぁ何やる青春」のCM ソングにもなった「教室に青」を披露。「愛してるー!」と観客に伝えて会場を盛り上げつつ、余韻を感じさせるような雰囲気でライブを終えた。
ホロハニの最大の魅力でもある、泣いたり笑ったりするからこそ生まれる青春の輝きは、そのまま普段のホロライブの魅力にも繋がっている。コンセプチュアルなステージの中で、ホロライブとHoneyWorksとがお互いを引き立て合うような雰囲気が魅力的なライブだった。
●ライブ情報
hololive 5th fes. Capture the Moment Supported By Bushiroad
会場:幕張メッセ「国際展示場1-3ホール」
・hololive stage1 : 2024年3月16日(土)
・hololive stage2 : 2024年3月16日(土)
・HoneyWorks stage : 2024年3月17日(日)
・hololive stage3 : 2024年3月17日(日)
【主催】
カバー株式会社 / hololive production
■配信チケット情報はこちら
https://hololivesuperexpo2024.hololivepro.com/tickets
©️ 2016 COVER Corp.
Hololive × HoneyWorks公式サイト
https://hololive-honeyworks.hololivepro.com/
ホロライブプロダクション公式サイト
https://hololivepro.com/
ホロライブプロダクション公式Xアカウント
https://twitter.com/hololivetv
ホロライブ公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCJFZiqLMntJufDCHc6bQixg
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