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REPORT

2024.03.26

デビューから20年の軌跡を刻む、名曲連なるライブに――!玉置成実、20周年イヤーを締め括る“Nami Tamaki 20th Anniversary LIVE -Focus-”レポート

デビューから20年の軌跡を刻む、名曲連なるライブに――!玉置成実、20周年イヤーを締め括る“Nami Tamaki 20th Anniversary LIVE -Focus-”レポート

ジャネット・ジャクソンに憧れた少女は、地元・和歌山から歌手になるためのオーディションのファイナルステージに出場するために東京の地に立っていた――少女こと玉置成実は当時13歳、もうすぐ14歳になる中学2年生だった。そのオーディションでデビューの切符を掴み、歌手としてメジャーデビューを果たしたのは2003年4月のこと。デビュー曲はTVアニメ『機動戦士ガンダムSEED』のOPテーマとなった。彼女の名を轟かせた1stシングル「Believe」の発売から間もなく21年、昨年から続く20周年イヤーを締め括るライブ“Nami Tamaki 20th Anniversary LIVE -Focus-”が2024年3月17日に東京・渋谷WWW Xで開催された。ソールドアウトとなったこの公演をレポートする。

TEXT BY えびさわなち

ファンとの絆を感じさせるアットホームなアニバーサリーライブに

照明が消え、大きな拍手に包まれたライブ会場。「Before Dawn」――夜明け前。その文字が映し出されたステージと客席を隔てるスクリーンから響きだした少女の声。「今日は朝から新幹線で和歌山から東京に来たんですけど、大きい建物がいっぱいあったり、ゆりかもめがあったり、すごいなって思いました」、それは13歳のときの玉置成実。オーディションのファイナルでステージに立ったときの姿だった。幼さが残りつつも、今と変わらない声にオーディエンスはじっと映像の少女を見つめている。そこからMVの撮影風景、ジャケット制作の様子などデビューまでの道のりが、その後の今日までの姿が映像で彼女の歩みの軌跡として流れ、そして再び文字が浮かぶ。

「Dream in progress」――夢は今も進んでいる、と告げると「Nami Tamaki 20th Anniversary LIVE -Focus-」と銘打たれたライブは幕を開けた。もちろん1曲目を飾るのは「Believe」。大歓声に迎えられた1曲はTVアニメ『機動戦士ガンダムSEED』のOPテーマであり、20年前に玉置成実が音楽シーンに彗星の如く現れたときに放ったデビューシングルである。ダンサーと共に登場すると、スピード感に溢れるエレクトロロックが会場を震撼させる。

「今日は来てくれてありがとう!声が枯れるまで盛り上がっていってねー!」という玉置の声に応えるようにイントロから大きなチャントの声が上がり、ライブ開始早々に熱気がフロアを席捲したのは「-Fly Away-」。アグレッシブなビートと煌めきの音とで紡ぐドラマティックな1曲にフロアではピンクのペンライトの光が揺れる。「Believe」では男性ダンサー4人とダイナミックなパフォーマンスを見せたが、「-Fly Away-」では女性ダンサー2人と共にしなやかなダンスでフロアを魅了していく。続けて、ファルセットがアッパーなエレクトロサウンドの中で印象的に響く「Destiny」へ。ステージへ向けられた光が風のような熱気を生み出していった。

「今日はリハからすごく楽しかったんですけど、皆さんはどうですか?3曲で、盛り上がってる?」と言うとフロアから大きな声が上がる。その声に向けて笑顔で手を振る玉置。ライブ中のクールな表情から一転、とてもアットホームな空気が会場を包んでいた。20周年の始まりとなった2023年4月23日は浅草の歌劇場でアニバーサリーライブを行った彼女。そんな20周年の締め括りとなるこのライブも満員御礼となったことへの感謝を述べると「今回のセトリは3日間くらい体力的に引きずるかなという、楽しい、新旧織り交ぜたセットリストを組みましたので、ここで(楽曲を)好きになって、過去の曲も聴いてもらいたいです」と笑みを見せた。

そんな曲紹介に続いて、美しいイントロから激しく渦を巻くビートとエッジの効いたギターリフと煌めくシンセの音が印象的な「Speedway」が響く。そして、2008年にリリースされたアルバム『Don’t Stay』収録のアッパーチューンに続いたのは、TVアニメ『D.Gray-man』のOPテーマである「Brightdown」だ。「オイ!オイ!」と分厚く声がビートに重なる中、熱くグルーヴするサウンドにオーディエンスは高く腕を上げて応えた。女性ダンサーと共に広がりあるサビで軽快なダンスを見せた「Fortune」では、フロアとステージ一体となり、ポジティヴなメッセージに声を重ねていった。

デビューから20年の軌跡を刻む名曲連なるライブの熱はただただ上昇!

「久しぶりに『Fortune』やったんだけどさ、みんな(振付を一緒に踊れて)、大優勝でした。ありがとう!『Speedway』知ってた人!(会場から手が上がり「懐かしい」という声も聴こえると)懐かしいよね。今回ライブをやるってなったときに、X(旧Twitter)で皆さんから聴きたい曲を聞きつつセトリを作らせてもらったんです。20周年ということもあったので、去年も歌えていない、自分でも歌いたいなっていう曲でセトリを作らせていただきました」と語りかける。ファンが一緒に踊ってくれる姿を久々に見ることができてすごく楽しかった、と声を弾ませていた。そんなMCのあとには「わたしの趣味のコーナーです」と予告をし、盛り上がりすぎに気を付けて、と笑顔を見せて“カッコいいメドレー”の時間に。

まずはラテンの粒子を散りばめたような妖艶なダンスミュージック「EDEN」で魁皇を赤く染め、大沢伸一プロデュースのテクノポップチューン「LADY MIND」では軽やかなパフォーマンスで会場を沸かせた。メドレーのラストを飾るのはビッグビートとカラフルなコーラスワークとで軽妙に聴かせる「Do Ya Wanna Dance」だ。玉置の真骨頂ともいえるダンスパフォーマンスで圧倒したメドレーのあとには『機動戦士ガンダムSEED DESTINY スペシャルエディション』でエンディングを飾った「Result」へ。イントロから“玉置成実×機動戦士ガンダムSEED”を感じさせる硬質なエレクトロロックチューンで伸びやかな歌声を放つ。

「Don’t Stay -intro-」でダンサーのパフォーマンスを見せると、鮮やかな赤の衣装から一転、黒を中心に据えたメタリックなカラーでの衣装へチェンジ。下ろしていた髪をハーフアップにまとめて力強く歌い出した「Resolve」は、遊戯機の「Pフィーバー機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」に搭載されていたガンダムソング。勢いが加速するように紡がれるエレクトロサウンドでヴォーグダンスさながらダイナミックなパフォーマンスで魅せた。続くのは「Prayer」、ステージには月が浮かぶ。夕暮れ、夜、夜明け。色を変える空に浮かぶ月に向けて祈りを捧げるように歌い上げる玉置の姿が印象的だ。エモーショナルなナンバーから放たれるファルセットが胸に迫るように響く。

「皆さん、楽しんでますかー?知らん曲あった人―!(複数人からの「はーい!」の返事に)お?いるぞ、いるぞ?でも今日、出会ってくれて、たくさん聴いてくれたことが嬉しいです」と声を弾ませた。20周年を迎えられたこと、支えてくれた人たちへの感謝やファンへの想いを口にすると、大きな拍手に包まれた会場。「“ありがとう”では伝えきれないくらい、感謝しています」と今日という日を迎えられたことへの想いが語られた。そんな想いの結晶を届けるように「Promised Land」へ――2004年リリースのシングル「Reason」に収録されたカップリング曲を、20年を経た今、紡いでいく玉置。10代ぶりに歌うという1曲はイントロから大歓声を浴びる。ミディアムチューンでしっとりと聴かせる1曲に、ペンライトを振るファンもいればじっと聴き入るファンの姿も。そんなオーディエンスを前に、玉置は色褪せない1曲を透明感ある歌声で歌い上げた。

彼女の背後のスクリーンに翼のような光が映し出されると、特撮ドラマ「ウルトラマンZ」のEDテーマ「Connect the Truth」のアグレッシブなビートがフロアを席捲していく。力強いメロディがエモーショナルな歌詞と重なり、ハートを熱くする1曲で会場の熱を上昇させると、続いたのは玉置自身の作詞曲であり『機動戦士ガンダムSEED』シリーズとも繋がるアッパーなエレクトロチューン「IDentity」だ。歓声が上がり、「オイ!オイ!」とビートに声が重なり、フロアもヒートアップしていく。

「みんな。疲れてない?大丈夫?今、久しぶりに歌った『Promised Land』!知らない方もいると思うんですけど、歌っていると“すごい名曲じゃん”と大人になって改めて思いました」と玉置。この曲は最後まで主題歌を「Reason」にするか「Promised Land」にするかと悩み抜かれたほどの楽曲だったという。「Connect the Truth」も近年の玉置成実の良さを詰め込んだ曲であり、続いた「IDentity」は反抗期の頃に書いた歌詞なのだと解説を入れると、会場からは大きな歓声が沸いた。「気になる方は“IDentity 玉置成実”で検索してもらって、玉置成実は10代のときにこんなことを考えていたのか、と……世の中に反発しながらも、強く逞しく生きていました。玉置少女。そんな感じの、ちょっと反抗期混じりの歌詞になっております(笑)」と語った。

そしてライブは佳境へ。大ヒット中の劇場アニメ『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のオフィシャルサポーターソングにして久々のタッグとなった「Reborn」を披露する。フリーダムの機体が、空が、浮かんでくるようなスピード感ある疾走のエレクトロミュージックを伸びやかに歌い上げると、続けてTVアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のOPテーマである「Reason」へ。再びスクリーンに白い翼が映し出される。ウィングバインダーを思わせるその翼を背に踊る玉置の姿に、フロアの熱はさらに上昇していく。物語の展開と相まって、キラやアスランの表情が浮かんでくるようなライブのラストスパートを締め括ったのは彼女にとって『機動戦士ガンダムSEED』と二度目のタッグとなったOPテーマ「Realize」だ。辿り着く場所さえわからないと歌っていた10代の玉置が、20年を経て辿り着いたステージ。歌い続けた人にしか見えない景色を前に、軽やかに歌い上げる珠玉ナンバー。時を経ても色褪せず、『機動戦士ガンダムSEED』と共に歩んできた1曲は続編映画が生まれた2024年にも熱い想いで作品に寄り添っている。高まる熱を抑えきれないとばかりに声を上げるフロアのオーディエンスと共にステージの熱気も高まっていき、熱い想いによって一体となったライブはこうして本編の幕を閉じた。

アンコールの声にステージへと再びあがった玉置。ラクス・クラインにインスパイアされた玉置の言葉が綴られた「Affection」、さらに2004年リリースのシングル曲「Shining Star☆忘れないから☆」という新旧の玉置成実の楽曲を響かせたこの時間を持って、20周年のアニバーサリーイヤーから21周年へと向けて足を踏み出す彼女。ここから30周年を見据えていくという玉置の活動から目を離せない!

■Nami Tamaki 20th Anniversary LIVE -Focus-
<セットリスト>
M-1 Believe
M-2 – Fly Away –
M-3 Destiny
M-4 Speedway
M-5 Brightdown
M-6 Fortune
M-7 EDEN
M-8 LADY MIND
M-9 Do Ya Wanna Dance
M-10 Result
M-11 Don’t Stay -inst-
M-12 Resolve
M-13 Prayer
M-14 Promised Land
M-15 Connect the Truth
M-16 IDentity
M-17 Reborn
M-18 Reason
M-19 Realize

EN01 Affection
EN02 Shining Star☆忘れないから☆


●ライブ情報
Nami Tamaki Billboard Live 2024 “Gemini”

【ビルボードライブ横浜】(1日2回公演)
2024/6/1(土)
1stステージ 開場14:00 開演15:00 / 2ndステージ 開場17:00 開演18:00

【ビルボードライブ大阪】(1日2回公演)
2024/6/15(土)
1stステージ 開場14:00 開演15:00 / 2ndステージ 開場17:00 開演18:00

■チケット情報
サービスエリア¥7,500-
カジュアルエリア¥7,000-(1ドリンク付)
※ご飲食代は別途ご精算となります。
※別途指定料が必要な席種がございます。

発売日:
2024/3/26(火)正午12:00=Club BBL会員・法人会員先行(ビルボードライブ)
2024/4/2(火)正午12:00=一般予約受付開始(ビルボードライブ/e+/ぴあ)

*公演のご予約はビルボードライブWEBサイトおよびプレイガイド(e+・ぴあ)にて行います。ビルボードライブ予約センターでの電話受付はございませんので予めご了承ください。なお、ビルボードライブWEBサイトからのご予約は無料のゲスト登録が必要となります。

ビルボードライブWEBサイト:http://www.billboard-live.com/

関連リンク

玉置成実オフィシャルサイト
http://www.tamaki-nami.net/

Nami Tamaki Music Channel
https://www.youtube.com/channel/UCt_yRA4KGB6ONBBLXmlLS1w

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