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INTERVIEW

2024.03.20

やなぎなぎ、憧れの新居昭乃から楽曲提供を受けたニューアルバム『ホワイトキューブ』で第2期スタート!

やなぎなぎ、憧れの新居昭乃から楽曲提供を受けたニューアルバム『ホワイトキューブ』で第2期スタート!

憧れの新居昭乃との楽曲制作は「証を残したい」思いから

――さて、9曲目の「Partie de ton monde」は、やなぎさんが敬愛される新居昭乃さんとの共作楽曲です。改めて新居昭乃さんはやなぎさんにとって、どういった存在でしょうか?

やなぎ もう何年聴いてきたんだろう……。中学生くらいのときから、昭乃さんの楽曲を聴いて育ってきた憧れの方ですね。10周年記念ライブ(Roundabout- Vol.9 -)にゲストで来ていただいて、その後プライベートでも仲良くさせていただいています。でも、それだけ近づいても、私の中の昭乃さん像は全然変わらないんです。「本当に同じ星に生まれた人なのだろうか?」と思うくらい別次元の存在というか(笑)。音楽に関して、私の中でこれ以上の方はいないと思えるくらいの憧れの方ですね。

――やなぎさんとしては、どんな思いでご依頼をされたのでしょうか?

やなぎ 昭乃さんの曲って、昭乃さんご本人が作って、歌って、伝えるのが私の中で一番なのですが、やっぱり自分の音楽人生として外せない存在なので、生きている間に1曲、証として残してみたいという思いもあって、10年頑張ったし、その新しい一歩を踏み出す上でお願いしたいっていう気持ちが勝り、ついに……という感じですね。昭乃さんが歌った方が絶対に良いという思いと、証を残したいという自分との戦いでした。

――新居さんの反応はいかがでしたか?

やなぎ とても喜んでくださいました。編曲をしてくださった保刈久明さんも、「いつかこういう機会があったらいいなと思っていた」と。本当にお二人ともすごく優しくて、「作っていて本当に楽しかったです」ともおっしゃってくださいました。

――新居昭乃さんへの憧れはファンの皆さんにも周知されています。アーティストに対して影響を受けたことを聞くのはときに憚られる思いがあるのですが、この件に関してはもういくらでもストレートに聞けてしまいます。それは、やなぎさんのファンにとっても喜ばしい化学反応になることは間違いないので。

やなぎ ライブにゲストで昭乃さんが来てくださったときも、私のファンの方も「良かったねぇ~」みたいな感じで喜んでくださって(笑)。それが私も嬉しくて。

――楽曲の制作はどんなふうに進められましたか?

やなぎ 昭乃さんが楽曲を書くうえで風景があると助けになるとおっしゃったので、1本のショートストーリーと絵を描いてお渡ししました。昔の絵画で、描いた人の気持ちを想像することしかできない、時代の違う遠い憧れみたいなテーマで、そこに「Partie de ton monde」=「あなたの世界一部になりたかった」という一節を書き添えました。想像することしかできない憧れ、それはまさに私の中の昭乃さん像なんです。そこから昭乃さんが曲を書いてくださいました。

――歌詞の方もこのストーリーがベースに?

やなぎ そうですね。今回は歌詞を共作で書かせていただいたんです。最初にお渡しして感じていただいたものを、言葉にして戻していただき、それを受けて私が書き足したりしながらやり取りして、書かせていただきました。

――新居さんの歌詞を受け取っていかがでしたか?

やなぎ 最初の一節がすごく好きなんです。“まるで通りかかった 知らない人のようなのに 突然出会った誰かになる瞬間”――これだけで様々な情景が浮かぶんですよ。昭乃さんはご本人も風景から曲を書かれるとおっしゃっていたんで、それがすごく強くあるのかもしれないです。昭乃さんのほかの楽曲でも、一節からバーっと風景が浮かぶ感じがあって、それがこの楽曲の最初の一節からある。やっぱり昭乃さんの言葉だなと感じました。

――言葉と音でのフォトグラファーみたいな。場面の切り取りの鋭さというか鮮やかさというか。

やなぎ まさに。言葉と音に込めるのが本当にそうですね。私の好きな昭乃さんだなという感じです。

――やなぎさんのファンの方のために、やなぎさんが書かれた歌詞の部分を教えていただきたいです。

やなぎ 最初のサビまでは昭乃さんが最初に提案してきてくださったところで、後半部分が主に私が書いたところになります。昭乃さんが物語を最初に表現してくれて、そこから私が遠い憧れの部分を主に出せるようにと書いていきました。

――そして、歌入れはいかがでしたか?

やなぎ 最初に昭乃さんが仮歌を入れてくださっていたんですけど、もうそれがすごい良くて、これでいいんじゃないかと思ったくらいなんですけど(笑)。でもやっぱりそこは頑張って、自分らしさも交えながら昭乃さんの楽曲の魅力を私もパワーアップできるように頑張ろうと思って歌いました。レコーディング当日も昭乃さんが来てくださってパートやコーラスを入れ替わりで録ったりと、緊張もしたんですけど(笑)。でも歌詞も一緒に書いて歌でもご一緒できたりと共作感がとてもあり、本当にすごく楽しかったですね。

――続いては最後の1つ前に置いたインストの小曲「アートラウンジ」です。

やなぎ ここまでの楽曲の展示空間を巡ってきて、美術館で最後の部屋に行く前の休憩場所のような楽曲です。ただ、そこでここまで色んな展示を見てきてインスピレーションが湧いて、休憩してるんだけど思わず鼻歌を歌って、また新しいものが生み出されるみたいなイメージです。知らず知らずのうちに鼻歌が出てしまっていてるくらいの感じを音にしました。曲を作るときも、あまり考えずに、ハミングを乗せたり頭を空っぽにして乗せてみたりした曲なので、創作の卵みたいなイメージの曲ですね。

――最後の「Blank」はタイトルからしても象徴的で、広がりがある楽曲だなと思いました。まずこのモチーフから伺えればと思います。

やなぎ アルバムを作るコンセプトを決めたときからこの曲を作ろうと思っていて、自分の中の創作に対する気持ちが詰まっています。第2期のスタートみたいな気持ちでいたので。自分が作りたいものは、やっぱりそのときに見たもの聞いたもの、表現したいもので、それを作り続けるしかないというか、もうそれが生きがいなのでそれしかないんですけど。それが世に出たときは、たとえ大勢に共感してもらえなくても、誰か1人でも見つけてくれたら嬉しいなという気持ちでいます。もしも現代に見つけてくれる人がいなくても、自分がいなくなったあとで、この世界にあったんだと見つけてくれる人がいるかもしれない、みたいな気持ちを込めた曲ですね。

――この曲と歌詞も曲も作るのに時間かかりましたか?

やなぎ 作っているときは、結構引きずられながらというか、ゴールに向かってというか、ここに辿り着きたい気持ちが明確にあったので、晴れやかな気持ちで進んでいくようなイメージで作っていた気がしますね。別に押し付けたいわけでもなく、自分はそういうスタンスでいるよという1曲なので、今こう思っているよっていうのを、皆さんそれぞれの気持ちで次のことに繋げてもらえたら嬉しいかなと思います。

――初回限定盤には特典CDとして、やなぎさんご自身によるリミックス盤が付属します。ご自身で作詞作曲をされていましたが、リミックスまでなさるんですね。

やなぎ 実は本格的にリミックスの作業をしたのは、今回が初めてなんです。初回特典の企画の話をしていたときに何気なく、「そういえば、リミックスってやったことなかったですね」と言ったところ、あっさりと決まって(笑)。リミックスってどこまでやっていいものか、どの要素は崩してはいけないのかと、考えを巡らせたりしましたが、最終的には思うがまま楽しんで作業できました。作曲とはまた違って既存のトラックに新しい音も足しつつ、自分の声も一部だけ切り取ってみたりして、普段はしないことをするのも面白かったです。

――この4曲の選定理由は?

やなぎ どの曲も思い入れはあるんですけど、作ったときの思い入れが深い曲を選びました。「砂糖玉の月」は『キノの旅』のEDテーマで、作品自体も昔から読んでいたので、思い入れがありました。自作曲で編曲は出羽良彰さんが担当してくださいましたが、いつか出羽さんが作ってくださった音も交えながら、新しい形にしてみたい思いがあったので、選びました。「アクアテラリウム」は石川智晶さんの編曲で、世界観を壊してしまわないか心配はありましたが、難しいからこそ新たに提示してみたいなというチャレンジ意欲がありました。

――ボーカルトラックを移動させたりとか、割と大胆にやってますよね。

やなぎ やるからにはもう全然違うものになってほしいなと思って。ボーカルにもかなりエフェクトを深くかけてみたり、コーラスを色んなところに切って貼りしてみたり。「未明の君と薄明の魔法」は好きなことがたくさん詰まってたので、選ばせていただいた曲ですね。原曲は保刈さんアレンジです。初めていただいたときにとても感動した記憶があって、これを切り貼りしてすごく楽しいだろうなと思って、恐れ多いんですけどトラックをいじらせてもらいました。

――「209415」はクラブで回せそうなリミックスですね。

やなぎ 確かに。リックスになると歌モノというよりもBGM的な要素が強くなる気がするので、そういうのもいいですよね。この中では比較的最近の曲で、2020年のアルバム『エメラロタイプ』に収録した結果なんですけど、コロナ禍でツアーが中止になったりして結局、ライブでは一度しか歌えていない曲なので、また聴いてもらいたいし、新しくしようと思って選んだ曲です。

――このアルバムを引っ提げての東名阪ツアーが5月に開催されます。どんな思いで臨まれますでしょうか?

やなぎ 『ホワイトキューブ』は同じ空間で同じものを見ている感覚で作りました。ライブでもみんなで新しい展示物がギュッと詰まった空間をみんなで見ながら共有しているという感覚になれるようなライブにできたらなと思っています。ツアーの醍醐味は少しずつの変化が積み重なるところだと思っていて、それが1ヵ月間で凝縮して味わえるのを自分としても楽しみにしています。


●リリース情報
やなぎなぎ 7th Original Album
『ホワイトキューブ』
3月20日発売

【初回限定盤(CD+特典CD)】

品番:GNCA-1665
価格:¥4,950(税込)

【通常盤(CD)】

品番:GNCA-1666
価格:¥3,300(税込)

<CD>
01.guideroid
作曲・編曲:やなぎなぎ
02.色覚醒
作詞:やなぎなぎ 作曲・編曲:Mizore
03.ユキハルアメ(TVアニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』10周年記念ソング)
作詞:やなぎなぎ 作曲・編曲:北川勝利(ROUND TABLE)
04.ルーキーシーフ
作詞:やなぎなぎ 作曲:三原康司(フレデリック) 編曲:三原康司&赤頭隆児(フレデリック)
05.標火(TVアニメ『最果てのパラディン』EDテーマ)
作詞・作曲:やなぎなぎ 編曲:照井順政
06.命火(TVアニメ『最果てのパラディン 鉄錆の山の王』OPテーマ)
作詞:やなぎなぎ 作曲・編曲:照井順政
07.Picky about you
作詞:やなぎなぎ 作曲・編曲:栗山夕璃&仁井伯
08.私とクーリエ
作詞・作曲・編曲:やなぎなぎ
09.Partie de ton monde
作詞:新居昭乃&やなぎなぎ 作曲:新居昭乃 編曲:保刈久明
10.homeward journey(TVアニメ『冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた』EDテーマ)
作詞・作曲:やなぎなぎ 編曲:出羽良彰
11.アートラウンジ
作曲・編曲:やなぎなぎ
12.Blank
作詞・作曲・編曲:やなぎなぎ

<初回限定盤特典CD>(Remix by やなぎなぎ)
・砂糖玉の月
・アクアテラリウム
・未明の君と薄明の魔法
・209415

●ライブ情報
やなぎなぎ ライブツアー2024 「ホワイトキューブ」
2024年5月10日(金)愛知・名古屋ボトムライン
2024年5月12日(日)大阪・梅田Shangri-La
2024年5月26日(日)東京・日本橋三井ホール
2024年6月1日(土)台北・Zepp New Taipei
2024年6月15日(土)上海・MAOLivehouse上海
2024年6月16日(日)広州・MAOLivehouse広州

チケット詳細はアーティスト公式ページまで

関連リンク

やなぎなぎ 公式サイト
https://yanaginagi.net/

やなぎなぎ 公式X
https://twitter.com/yanaginagi

やなぎなぎ 公式X(スタッフ)
https://twitter.com/yanaginagi_info

やなぎなぎ 公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCgUepAaP4bK0c_GnGX8rAFg

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