――カップリング曲の「39」についても是非お聞かせください。どうやったらこんな素晴らしい曲ができるのでしょうか?
ZAQ 素晴らしいですか?(笑)。ありがとうございます。でも、周りの皆もめちゃくちゃいいって言ってくれるんですよ。ZAQにしてはコードがかなりシンプルで、楽譜を見なくても弾けるくらいに簡単で弾き語りもしやすい曲なので、今までのZAQから抜け出したところはあります。複雑なことはやめて、みんなが何回も聴けるような曲にしようと思って作りました。
――そういう曲を作ろうと思ったきっかけは?
ZAQ 最初は「ZAQの日」(=3月9日、毎年主催ライブを予定)のテーマソングを作ろう、というところがスタートでした。なので春を思わせる歌にして、新生活や別れを迎える人に向けての応援歌、という形をとりました。
――「39」というタイトルは「サンキュー」を思わせ、感謝の歌かと思いましたが?
ZAQ タイトルは、「39」と書いて「さんときゅう」と読むんですよ。Bメロでその「3」と「9」が繰り返し出てきて、いろいろと言葉遊びしたりもじったりしています。歌詞の最後で感謝の気持ちを述べてもいるんですけど、基本的には「 青春の歌」を目指しました。
――仰るように春の柔らかい感じがすごく込められていて、これまでのZAQ楽曲に比べるとエナジーよりも希望を感じました。
ZAQ 「希望」は入れたかったですね。別れを経ても君にはこれからがある、というところを言いたかったので……、うん。でもやっぱり応援したい気持ちが強かったですね。
――「応援したい」と強く思うようになったきっかけというのは?
ZAQ コロナ禍が収まってファンと接する機会も戻ってきたんですけど、会話をしてみたら「孤独」を感じている方が多かったんですよね。「一人で怖くて不安なときにZAQさんの曲を聴いて元気が出ました」って言ってくれるとか。私の周りにも孤独を感じながら生きて、でも誰にも頼れなくて……、という人がいたし。簡単に「頑張って生きて」なんてことは言えないけど、どれだけ辛くても朝は来るものだから。「ZAQはいるから。大丈夫だから」と言ってあげたくて。背中を押せる曲が書きたいと思いました。
――合唱曲の雰囲気もありますね。
ZAQ そうですね。最後にラララパートを入れていますし、3月9日にみんなで歌える曲、という意識はありました。作るとき、「明るい曲にする」というのは大前提だったんですけど、でも元気な曲にはしたくなかったんですよ。ZAQの曲って、アッパーでハイテンションで、激しくてガチャガチャしてるっていうイメージだと思うんですけど、ライブでみんなが一緒にグルーヴを感じられる曲を目指しました。だから、いつもは4つ打ちのサビがとにかく大きいグルーヴになっています。あとは、明るいんだけど寂しさもちょっとある感じにして、みんなの心のどこかにある闇に届くといいな、みたいな感じですね
――具体的な作曲としては、明るいけど寂しさも感じられてみんなで歌える曲、を作るために工夫した部分はありますか? このコードから始めるとか。
ZAQ それがですね、私は狙うと外すんですよ、いつも。「このコード進行はおしゃれだし、超泣けるから使おう!」って思っても、完成した曲を聴くと「なんか違うな」ってなるんですよね。以前も、すごく泣けるメロディを目指したら意外と頭に残らない曲になったことがあって。
――では、弾いていたらメロディが降りてきた、みたいな感じで?
ZAQ 適当に弾きながら鼻歌で決めたって感じですね。ただ、ファルセットから始める曲にしたのは新しいところだと思います。倍音でかすれた感じのこういう発声は今までサビに使うことはほとんどなかったんですけど、最近はライブでもファルセットが出るようになったこともあって、ふんだんに入れ込みました。以前は、地声が太すぎる分、声を大きくしようと力んでしまい、かえって喉を閉めすぎていたのか、レコーディングでは出てもライブでは出てなかったんですけど、今は出るようになったので、この曲をライブで歌うときも自分の声でぐいぐい引っ張っていけると思います。
――レコーディングで苦労した部分はありましたか?
ZAQ Bメロはめっちゃきつかったです。「3」と「9」を繰り返すところはクロスして歌っているんですけど、ファルではどうしようもない低さだったので、音量調整はめっちゃ厳しかったです。ただ、歌詞の内容には合っているので、その低さがうまく働いたと思っていますね。あと、最近はリリースでもライブでもかっこいい曲を歌うことが多かったですけど、これはかっこつけなくても歌える歌で、喉に変なテクニックを入れなくても素直な発声で歌えるんですよね。歌詞もメロディーも素直でストレートなので、歌もまっすぐ出せたのがすごく楽しかったです。
――イメージを一新するような癒しのボーカルになっていますね。幻想的でファンタジックで。今まではなかったタイアップのオファーも増えそうな気がします。
ZAQ 待ってます、待ってます(笑)。
――2024年最初のシングルリリースとなりますが、2024年の目標は何かありますか?
ZAQ 家を、買いたい。
――すぐ買えるんじゃないですか?
ZAQ いやいやいやいやいやいや。それがそうでもないんですよ。最近、声優さんやミュージシャンで集まったときに家の話になって。昔は、声優さんや私みたいな個人事業主だとローンが下りなかったんですけど、最近はYouTuberが社会的にも認知されたので結構ローンを組めるそうなんですよ。3年分の確定申告を一気にドンッ!って出せば、というアドバイスをもらいました。以前から、そもそも楽器可の部屋を借りるとやたらと高い問題があって……。
――家賃を払い続けるくらいなら持ち家、という考えが強く。でも、ローンでなくても現金一括なら。
ZAQ それ、めっちゃ言われます(笑)。でも以前、イケイケZAQさんのときにも不動産の方と話をしたことがあるんですけど、「もうちょっとヒット作がないと……」って言われたんですね。爆発的なヒット作がないと。
――では、2024年の目標はこれまでと変わらず、爆発的なヒット曲を生む、というところですね。
ZAQ そうしたら現金一括も夢ではなくなりますしね(笑)。
●リリース情報
TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 3rd Season』OPテーマ
「マイナーピース」
2月28日発売
品番:LACM-24513
価格:¥1,320(税込)
<CD>
1. マイナーピース (TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 3rd Season』OPテーマ)
作詞・作曲・編曲:ZAQ
2. 39 (サントキュウ)
作詞・作曲・編曲:ZAQ
3. マイナーピース (Off Vocal)
4. 39 (Off Vocal)
●ライブ情報
「ZAQの日vol.4®️」
2024年3月9日(土)
時間:開場16:00/開演17:00
会場:BASE GRANBELL
主催:CAT entertainment株式会社
企画・制作:CAT entertainment株式会社 / 株式会社HANDYMAN
制作協力:株式会社F.M.F
後援:株式会社バンダイナムコミュージックライブ
チケット情報
前売りチケット
席種:オールスタンディング
料金:7,000円(税込)
チケットはこちら
https://t.livepocket.jp/e/zaqday4r
ZAQオフィシャルサイト
http://zaqzaqzaq.jp/
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