幹葉 声優を目指したきっかけも改めてお伺いしたいです。
北原 私は元々アイドルをしていたのですが、声がコンプレックスだったんです。周りがかわいい声の子ばかりだったので、自分のように低い声はものすごくコンプレックスでした。ただ、その時期にファンの方に「声がかっこいいですね」「声が好きです」と言っていただいたことがあって。この声を「良い」と認めてくれる世界があるんだ!と思い、声優を目指したいと思うようになったんです。
幹葉 なるほど。だからこそ今があるって考えると、それを伝えてくれたファンの人に「ありがとう」って言いたい……!
北原 本当にありがたかったです。今となってはこの声で良かったなって思っているんですけど、苦戦する声質ではあるんです。でもそれを愛依に活かせているし、色々な役にも出会えているから、人生、すべてが無駄じゃなかったなって。アイドルをやってて良かったし、声優にもなれて良かったなって。
幹葉 今の言葉に励まされる人がたくさんいると思います。自分自身もハスキーな声なので、同じくコンプレックスだったんです。だから「その悩み、ものすごくわかる!」って思いながら話を聞いていました。
北原 ハスキーあるあるですよね!
幹葉 本当に!まさかコンプレックスから始まったとは。有紀はどうだった?
田中 私は小さい頃から歌うこととアニメが好きだったんです。国語の時間の丸読み(一文読み)も、学芸会も大好きで。授業参観のときも張り切って丸読みしていたので、母は恥ずかしかったようです(笑)。振りをつけてやってたらしいんですよ。
幸村 へー!めちゃくちゃ良い!
北原 そのときからお芝居をしてたんだね。
田中 20分尺のドラマCDを全部暗記していたことも……一体私は何をやってたんでしょうね(笑)。
幹葉 すごい!今でも覚えるのは得意なんですか?それとも好きなことに対してその能力が長けている感じ?
田中 後者かもしれません。自分では「覚えられてすごい」って感覚はなく、親からは「変わってるね」と言われていました。
北原 その才能の片鱗は今も感じています。会話の中でよく色々な漫画のセリフが完璧に出てくるんですよ。すごいなって。
田中 2人は優しいから「なんのセリフ?」って聞いてくれるんですよ。「それを覚えてるの特殊だよ」って言われて、「あ、そっか!」って。一人っ子で親が共働きということもあって、歌やアニメが支えてくれていたんです。そのときから自分の将来も「そういうお仕事に関わる以外はよくわからない」と思っていました。母からはもう少し堅い仕事に就いてほしいと言われていたんですけど、私がこの世界に入ったきっかけのオーディションがあって、高校3年生のときに「それだけは受けさせてほしい」とお願いしたんです。それに受かったから「お母さんも応援するよ」と。
幹葉 なるほど!好きのパワーの強さを感じます。好きという気持ちに勝るものはないなって。
田中 本当にそうですね。「好き」の気持ちだけで突き進んでいたので、やっぱり「好き」という気持ちは大事だなって私も思いました。
幹葉 恵理はどう?
幸村 私は姉の影響が一番大きかったです。歳の離れた姉が2人いるんです。姉2人は歳が近くて、よく私の知らないゲームの話などをしていたんです。その仲間に入りたかったんですよね。それで、2人の話を詳しく聞いたら、ゲームの声優さんやイベントの話で盛り上がっていて。そこで私も声優さんの存在を知りました。今振り返ると、小さい頃よく一人遊びで“アクション映画ごっこ”をしていたんですよ。
一同 ……?
幸村 えっ、誰もわからない?
北原 どうやって、ごっこを……?
幹葉 そのごっこ遊びは、まだ3人ではやったことない?
北原 初出ですね(笑)。
幸村 この話はしたことないです(笑)。某有名女優さんが映画に出演されていて、その姿がとてもかっこよかったんですよね。子どもの頃、拳銃などに憧れていたんです。お祭りで打っているレプリカを買って、1人で捕まって、1人りで逃げて、1人で拳銃を撃つ真似をして遊んでいました。
幹葉 めちゃくちゃ想像力豊か!
幸村 そういうことをずっとやっていたので、声優を意識する前からお芝居自体が好きだったのかもしれないです。姉が声優さんの話をしているし、もしも自分がなったら仲間に入れるかなって養成所に入って……。
幹葉 ご家族は喜ばれたのでは?
幸村 いや、最初は反対されていたんです。でも声優になったら「しょうがないから、何千円以内だったらグッズ買ってあげる」って。
田中&北原 ツンデレだ(笑)。
幸村 そう(笑)!でも今も応援してくれていて、ありがたく思っています。
幹葉 もう1つ聞きたいことがあって。ステージ上でものすごく激しいパフォーマンスをされているじゃないですか。それにも関わらず、表情はものすごくクール!みんなすごく体力があるんだなって。ライブに向けてどう体力づくりをされているんですか?
幸村 いつの間にか……って感じがする。
田中 日頃のレッスンのほかに自分たちでやっている自主練もあって、みんな手を抜かずにやってるんですよ。そこで鍛えられているのかなとも思いました。
幹葉 筋トレは?
田中 たまにやります!
幹葉 日々の色々な努力がこの体力に繋がっているんでしょうね!衣装にもつい目がいってしまって、特に沙弥のお腹に……。
北原 オーディションで愛依に決まったときに衣装のご相談をいただいて、「お腹、ここまで出します?」みたいなことを聞かれたんです。ノリとテンションで「大丈夫だと思います!」って軽い気持ちで返事をしてしまって……そしたら愛依のお腹が出続けることに(笑)。今までは自主練やリハーサルで「気づいたら割れてる」という感じだったんですが、ストレイライトの振りの難易度もどんどん上がってきているので、ライブ前はプランクなどのトレーニングをしています。
田中&幸村 いやぁ、偉いよ~。
幸村 私自身の衣装は二等辺三角形というか、全部が全部出ているわけじゃないのでそこまで気にしてはないんですけども、ダンスは年々すごいことになっていて。
田中 ヤバイよね(笑)。
幸村 久しぶりにストレイライトのレッスンに入ると「ああ、これこれ。この疲労感がストレイライトだ」って思うくらい。気づけばステップを踏んだりしないと踊れないから、そのおかげで体力はついているのかなって思います。
幹葉 普段の過ごし方からストイックなのかもしれない。ストレイライトのストは、ストイックのストなのではないだろうか……。
北原 (笑)。多分、みんなストイックなんだと思います。自分たちでは思ってないんですけど、そう言ってもらえた5年間だったので、もしかしたらストイックの積み重ねで私たちは生きているのかなって。でも、私たちだけではなく、アイドル自体がみんなそうで。
田中 そんなに高い壁を乗り越えていくの!?って思うくらい。
幸村 みんなの努力の仕方がすごいんですよ。「シャニマス」のアイドルたちは胸を張っていい、と私はいつも思っています。
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