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INTERVIEW

2024.02.26

“アニソンシンガー” としての共通点や魅力、タイアップ楽曲のこだわりを語る――!TVアニメ『道産子ギャルはなまらめんこい』オーイシマサヨシ×亜咲花 スペシャル対談

“アニソンシンガー” としての共通点や魅力、タイアップ楽曲のこだわりを語る――!TVアニメ『道産子ギャルはなまらめんこい』オーイシマサヨシ×亜咲花 スペシャル対談

アニソン界屈指の歌唱力と表現力を誇るオーイシマサヨシ亜咲花が、現在放送中のTVアニメ『道産子ギャルはなまらめんこい』OP/EDテーマで初コラボ!OPテーマ「なまらめんこいギャル」はオーイシによるソウルフル&ダンサブルなナンバー。EDテーマ「わやわやわー!」はオーイシが初めて亜咲花に楽曲提供した、彼女の新境地を切り拓いた珠玉の1曲になった。そんな初コラボを記念して、初めてのスペシャル対談が実現!

INTERVIEW & TEXT BY 阿部美香

「原作者・伊科田 海先生に請われてアニメ主題歌が実現した」

――オーイシさんと亜咲花さんがこうして対談されるのは、初めてだそうですね。

亜咲花 そうなんです。私は対談自体もあまり経験がないから……ちょっと緊張しますね(笑)。

オーイシマサヨシ 確かに。亜咲花ちゃんは、僕のラジオに遊びに来てもらったり、会って話をすることはあるんですけど、改めて対談となるとね(笑)。

――しかも今回は、現在放送中のTVアニメ『道産子ギャルはなまらめんこい』のOPテーマ「なまらめんこいギャル」をオーイシさん、EDテーマ「わやわやわー!」を亜咲花さんが歌われていて、どちらもオーイシさんの作詞・作曲と、とても素敵なコラボレーションが実現しましたね。

オーイシ 僕がオープニングテーマの話をいただいたのは、結構前で……1年以上前だったかな?以前噂で聞いたんですが、原作の伊科田 海先生が、オーイシをとても気に入ってくださっていて、今回の話に先んじて色紙をいただいたんですよ。冬木(美波/CV:佐倉綾音)と夏川(怜奈/CV:上田麗奈)先輩と秋野(沙友理/CV:花守ゆみり)の3キャラクターの。そのときに「オーイシさん、主題歌よろしくお願いします」とおっしゃってくれていて。

亜咲花 すごい!

オーイシ それが去年の2月とか3月だったので、随分早い段階から動き出していましたね。

――伊科田先生に請われての起用。一番幸せなタイアップですね。

オーイシ そうですね。原作者の方に求められて曲を作れるというのは、一番心地が良いですね。それ以来、先生と直接お話もしていますし、リモートやメールでもやり取りをさせてもらっています。

――まずはオーイシさんのOPテーマ担当が決まり、その後に亜咲花さんへの楽曲提供が決まった感じですか?

亜咲花 はい。オーイシさんに楽曲提供いただくのも今回が初なので、どんな曲にしていただけるかめちゃめちゃ楽しみでした。ただ、実は最初、EDテーマはオーイシさんと亜咲花との共作という話もあったんです。オーイシさんに作曲してもらったものに、私が歌詞を書かせてもらうのはどうかという。

オーイシ そうだったね。OP/EDの両方に僕が携わる構想は最初からあったんですけど、2曲で作詞・作曲・編曲までやるとなると相当カロリーが高くなってしまう。亜咲花ちゃんは作詞もやっているから、そういうところで亜咲花ちゃんにバトンを渡すのもいいんじゃないか?というスタッフからのアドバイスもありまして。そこで、EDテーマに関してはまず僕のほうでデモを作って。

亜咲花 仮の歌詞が入ったものを受け取らせていただいたんですけど、聴いてみたら、もう亜咲花の入る余地ないな!って思えたんですよね。

オーイシ いやいや(苦笑)!

亜咲花 いや、本当に!タイトルも「わやわやわー!」が仮で付いていましたし、亜咲花の中から“わやわやわー!”なんてフレーズ、絶対出てこないなと。オーイシさんを超える歌詞は書けるわけないと思って、このままいかせてください!って、丸投げしちゃいました(笑)。

――確かに、亜咲花さんの楽曲としても異色ですよね。

オーイシ 亜咲花ちゃんとは仲も良いので、前から色々聞いていたんですよ。彼女は英語が堪能だから、シングル曲もサビは英語の歌詞が中心なことが多い。でも、僕はそんなに英語が得意ってわけじゃないし、仮歌詞を渡しておいて、亜咲花ちゃんらしい歌詞にしてもらえればいいなというワンアイデアがあったんです。ただ、自分も結構原作にどっぷりハマっていたから、歌詞も自分なりにちょっと書き切ってから渡そうと思ったら……このままでいいと。あ、じゃあぜひ!となったんですよ。

亜咲花 オーイシさんは原作者の先生とも色々お話されていたと聞きましたし、OPテーマも書かれていますし、作品への寄り添い方は私よりも1枚も2枚も上。多分、この作品を音楽で表現するなら、オーイシさんに敵う人はいない。じゃあ、お任せしよう!と思いました。先輩への絶大な信頼感あってのEDテーマです(笑)!

オーイシ いやいや(笑)。でも、ありがたいことですよね。

オーイシ×亜咲花の初対面はオーラにビビっていた?

――お二人の信頼度と仲の良さが滲み出るエピソードをいただいたところで。オーイシさんと亜咲花さんの交流について、改めてお聞きしたいです。お二人が初めて出会ったのはいつ頃ですか?

亜咲花 ラジオにコメントをいただいたり、トークで私の名前を出してくださったり、声だけの交流は結構前からあったんですけど、直接お話したのは私が上京してすぐの2018年ですね。アニサマ(Animelo Summer Live 2018 “OK!”)に出させていただくことになり、開催前にテーマソング(「Stand by…MUSIC!!!」)のリリースイベントがあったんです。そこでご一緒したのが初めてでした……といっても、本当にご挨拶だけ。しかもオーイシさん、そのときのことを全然覚えていなくて!

オーイシ 僕のラジオ(「オーイシマサヨシのMBSヤングタウン」)にゲストで来てくれたときもその話になったんですけど……ねぇ(苦笑)。

亜咲花 初めてお会いしたとき、めっちゃオーラあったんですよ、オーイシマサヨシ!って感じでした(笑)。

オーイシ 普通にしてただけだったんだけどなぁ(笑)。

亜咲花 多分、私が勝手にビビってただけなんだと思います(笑)。

――ステージやトークでは元気な印象が強いですけど、実は物静かな方なんですよね、オーイシさんって。

オーイシ そうですね。僕、楽屋とかでは喋らないですからね。

亜咲花 そう、大人なんですよね。

オーイシ だから亜咲花ちゃんがマジで羨ましいんですよ。バックヤードでもすごく……なんていうんでしょう、コミュニケーションおばけみたいなところがあって。僕に対してもたくさん喋りかけてくれるし、ほかの演者さんやキャストさんにもすごく話しかけるし。いつも現場の明るい雰囲気を作ってくれるから、亜咲花ちゃんと一緒だったら、もう安心して現場に入れる。なので、今日も委ねるつもりで来ました(笑)。

亜咲花 逆に私はオーイシさんが羨ましいですよ。私、オン/オフができないタイプなので。やっぱり、表に出る人にとっては切り替えって大事だと思うんですよね。音楽制作でも常にオンで100%だと余白がない歌になってしまうから、クリエイティブにはオフも必要だと思う。私、よくうるさいって言われがちなので(笑)。

オーイシマサヨシ

オーイシマサヨシ

シンガー・亜咲花の魅力は歌唱スキルの高さと器用さ

――性格は逆だというお話ですが……お二人の共通点といえば歌唱力の高さ!先輩のオーイシさんから見た、亜咲花さんの歌の魅力は?

オーイシ “上手い”の一言なんですよね。すごく歌唱スキルが高い。アニソンフェスなどで一緒に出演するときは僕も気持ちが高揚してるんで、本当の意味でお客さんの立場で見れてないところがあるんですね。でも今回「わやわやわー!」のレコーディングでディレクションをさせてもらって、スタジオで亜咲花ちゃんの歌のみに集中すると、改めてその歌の上手さに驚いたし、すごく器用だな!って思いました。

亜咲花 嬉しい!

オーイシ 「わやわやわー!」にラップっぽいパートがあるんですけど、歌をうたっているだけでは表せないニュアンス感が難しいんですよ。そこを“演じる”じゃないけど、亜咲花ちゃんのマイクに声を乗せることへの造詣の深さを知りましたよね。プレスの使い方、ニュアンスの使い方が、めっちゃ上手なんですよ。

亜咲花 それは、オーイシさんが開いてくれた新しい引き出しですよ。楽曲を作ってもらうときって、亜咲花のイメージに合わせて書いていただくことがほとんどなので、新しい引き出しを見せるというよりは、ソウルフル、力強く、という2択から曲を作っていただくことになるんですね。でもオーイシさんは私をよく知っていてくれる方だから、“亜咲花ちゃんだったら、こういうのも喜んでくれるかも?”という発想に繋がったんじゃないかと思っていて。オーイシさんにしか、こういう新しい亜咲花の顔は引き出してもらえなかったんじゃないかな。

――楽曲クリエイター・オーイシマサヨシさんの親心を感じます。実際「わやわやわー!」では、亜咲花さんお得意の英語も、あえて封印されていますしね。

オーイシ それでいうと、亜咲花ちゃんの歌って英語のみならず、日本語の発音がすごくはっきりしていて聴き取りやすいんですよ。それって、バイリンガルの方あるあるというか。英語というものを知ってるからこそ、外側から日本語を見られる。こういうふうに発音したら伝わりやすいというのを、本能的に研究してるように思えるんですね。歌詞を見なくてもちゃんと言葉がわかるんです。それはすごい才能だと思いますよ。

亜咲花 研究はしてないんですけど、例えば……ラ行の発音とかは、日本語だと舌を上顎にしっかり付けたり話したりして発音するけれど、英語は舌先だけの変化。タ行のTも英語と日本語では言い方が違うから、レコーディングでは発音が甘くならないように意識したりはしますね。でもライブになるとその曖昧なところも込みで亜咲花らしいパフォーマンスに繋がるかなと思って、思うままに歌っちゃってます(笑)。

オーイシ そうなんだ。バイリンガルなボーカリストの場合、2パターンあると思うんですよ。1つは、日本語も英語っぽく歌う。僕らの世代だったら、LOVE PSYCHEDELICOさんのように。逆に日本語をキビキビ発音される方もいて、亜咲花ちゃんは後者。それがとてもキレイだし、そもそも言語の発音に対してすごく真摯に感じますよ。

亜咲花 「わやわやわー!」が全部日本語というのは本当に珍しいパターンで、普段の曲は間髪入れずに英語、日本語、英語が切り替わるから、なおさらかもしれないですね、日本語を際立たせたいから、日本語を英語っぽくしない。そこは、無意識というか。本能的に歌い分けている気がします。

亜咲花

亜咲花

亜咲花が憧れるオーイシのジャンルを問わない歌声

――では亜咲花さんから見たオーイシさんの歌の魅力は?

オーイシ ないでしょう(笑)?

亜咲花 ありすぎですよ(笑)!特にジャンルを問わない歌声。ジャズでもロックでもパンクでも全部合うんですよ。これ、本当にすごいと思ってて。歌い方とかスキルっていうのは自分で全部コントロールできるんですよね。だけど声質って生まれ持った才能だし、本質は自分でどうにもならないから。もう声帯そのものの価値が高いんですよね。

オーイシ おお……!

亜咲花 それは、やっぱりサウスケ(Sound Schedule)というバンドやシンガーソングライターとしての経験があったうえで、カタカナのオーイシさんになり……というキャリアを積まれたからこそでもあると思うんです。ご自分の曲と歌声との組み合わせが、すごくお上手ですよね。それはやっぱり曲を作れるからこそだと思っていて。曲作らないと多分できないと思うんですよ。それらを全部上手く折り混ぜられるのは、すごい才能だなと。

オーイシ ありがたい。嬉しいですね。

亜咲花 その歌がめちゃめちゃお上手だというのは、私が言うまでもないんですけど。

――それはお二人ともですよ。私たち素人が、歌上手いですね!って言っても、今さら嬉しくないだろうなと思っちゃいます。

亜咲花 いや、私はめっちゃ嬉しいです!やっぱり、一番の武器は歌なので!

オーイシ 僕は……ビジュが良いねって言われるのが嬉しい(笑)。

亜咲花 えっ?(笑)

オーイシ あ、でも、自分達のベースは歌だっていう亜咲花ちゃんの話に紐付くんですけど、僕の中には基準があって、色んな活動をさせてもらっているなかで、例えばMCが上手だねとか、おしゃべりが上手だねとか言われることも多いんですね。そういう歌とは違う要素が“歌を追い越してしまいそうになるシーン”って、要注意だなって思うんですよ。亜咲花ちゃんもグラビアに出たり、競馬をやってたり、多趣味が講じて歌以外にも活動が広がっていて注目されてるじゃない?

亜咲花 そうですね。

オーイシ でもやっぱり一番得意なものは、歌なんです。だから、それを何かが追い越しそうになったら、アーティスト活動の中でのバランスを取らなきゃいけない。歌を練習したりもそうだし、活動を音楽にもう少しシフトしたり。そういう良いバランスの1つの指針になってるのが、自分の歌と曲の評価なので、そこは大事にしなきゃなと思ってます。そういう意味では、亜咲花ちゃんと僕って、結構似てるかもしれない。シンパシーを感じますよね。

亜咲花 同じ事務所(CAT entertainment)ですしね。

オーイシ うちの事務所、そういう人の集まりみたいなところあるからね(笑)。

亜咲花 あはは!そう、そうですね(笑)!

次ページ:「なまらめんこいギャル」は古き良きソウルと2種類のポップスを融合

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