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INTERVIEW

2024.02.21

【連載】音楽原作プロジェクト「響界メトロ」第2回:Chinozo、RUCCA、廣澤優也が語る「青春は亡霊 feat. イツカ(CV:秋奈)」

【連載】音楽原作プロジェクト「響界メトロ」第2回:Chinozo、RUCCA、廣澤優也が語る「青春は亡霊 feat. イツカ(CV:秋奈)」

声優・歌い手×ボカロP×ストーリーがクロスする音楽原作プロジェクト「響界メトロ」。暗闇を走る鉄の鋼‟メトロ”を舞台にそれぞれの運命が動き出す。物語を膨らますのは、7つのサウンド、歌詞、歌声、MV、ショートボイスストーリー。メインキャラクターは、ある願いを叶えるため結成されたリンネ(CV:内田真礼)・イツカ(CV:秋奈)・セツナ(CV:konoco)・カナタ(CV:わかばやし)によるボーカルグループ・Qlover。そのすべてに触れた時、初めて、物語の解<カイ>が見えてくる――。

本連載ではYouTubeラジオコンテンツの収録の内容を記事化し、独占インタビューを公開中。第2回目にあたる今回は、メールインタビューを実施!今回は、イツカの楽曲「青春は亡霊」に迫る。同曲の作曲及び編曲を手がけたChinozoを中心に、作詞を手がけたRUCCA、そして編曲をChinozoと共に手がけた廣澤優也(APDREAM/HANO)に、楽曲制作の背景やこだわりについて話を聞いた。

■【連載】リスアニ!×音楽原作プロジェクト「響界メトロ」クリエイターの音が響く物語を徹底解剖!

【連載】リスアニ!×音楽原作プロジェクト「響界メトロ」クリエイターの音が響く物語を徹底解剖!

INTERVIEW & TEXT BY 小町碧音

Chinozo メールインタビュー

――『響界メトロ』というコンテンツの第一印象はどうでしたか?

Chinozo 企画内容の斬新さがすごいなと。ストーリーが数個あって、それぞれに別のクリエイターが曲を書いて世界観を作っていくというのが、僕自身挑戦したことがないものだったので新鮮でした。

――「青春は亡霊」を制作するきっかけになったシナリオを読んだ感想を教えてください。

Chinozo それまでの世界と異なり文明崩壊後を匂わせるシナリオであること、幽霊が登場人物であったり、世界観がとても好みでした。

――シナリオを読んだ後に作曲・編曲を始めるという過程について、何か感じたことはありましたか?

Chinozo ほかのお仕事でもシナリオから楽曲を想像して作ることはしていたんですが、今回は作詞せずに作曲編曲のみということだったので、普段よりも音へ神経を集中して制作できた気がします。

――普段は作詞、作曲、編曲を一手に担うChinozoさんですが、今回ほかの方に作詞をお任せした際、最初はどんな想いを抱いていたのでしょうか。

Chinozo 正直かなり不安でした(笑)!普段は歌詞含めた全体で表現することが得意だったので、そうじゃない今回の制作方法は自分にとってかなり挑戦のニュアンスを含んだ企画でした。

――実際にRUCCAさんの歌詞が乗った楽曲を聴いたときの感想は?

Chinozo 絶対に自分は書かない歌詞だな、と思いました!(もちろん良い意味で)RUCCAさんの選ぶオノマトペが特に好きで、シナリオを元に、そこをフレーズに入れるんだ!とビックリさせられました(“呪詛呪詛”など)。

――普段から声優さんやメジャーアーティストの作詞などを手がけている作詞家のRUCCAさんに歌詞を書いてもらったことで普段作詞を手がける身としての気付きはありましたか?

Chinozo 僕の歌詞にも、改めてかなり癖があるんだなと実感しました。あまりこれまで歌詞を書く時には自分らしさを意識して作ることはしてこなかったので……(笑)。

――Chinozoさん視点から、「青春は亡霊」の歌詞にある魅力について、具体的な感想を教えていただけますか。

Chinozo 僕は歌詞を作る際は聞く人の耳に残りやすいよう、同じ言葉を繰り返し使うことをよくしていますが、本楽曲の歌詞はあまり同じ言葉を多用していないにも関わらず、すごく印象的なフレーズが散りばめてられており、聞いたあとも耳に残っている、僕にはできない歌詞だなぁと思いました。しかもかっこいいもかわいいも共存している、良い歌詞!

――ボーカルは、イツカ役の声優・秋奈さんでしたが、楽曲制作の上で良かったことはありましたか?

Chinozo 秋奈さんとは別でもお仕事させていただいたり、以前より歌声も耳に馴染んでいたので、一番ここが映える!というピッチを知りながら曲を作れたのが大きかったですね。

――作曲や編曲を進めるにあたって、なにか参考にされたものはありますか?

Chinozo 特に参考にした曲はなかったので、ひたすら不思議な雰囲気を出そう!と考えて作りました。

――シナリオの世界観も楽曲を通して伝えるために作曲・編曲において工夫したことがあれば聞かせてください。

Chinozo シンセサイザーや打ち込み感!というよりは、ハープやティンパニー、などを使って少しオーケストラ感を出すことで幽霊の匂いを出そうとしてみました。また、風を感じるアレンジで、荒廃した世界も演出してみました。どうでしたでしょうか?

――なかでも、特にこだわったところはありますか?

Chinozo 荒廃した世界を最大限に表現するようイメージして楽曲に落とし込みました。歌詞を介せずシナリオの世界を表現することは初めてだったので、メロとアレンジで如何に”非現実感”を出していくか、追及して制作していました。また、自分の強みであるキャッチーさも損なわないよう気をつけました。

――RUCCAさんの歌詞、さらには秋奈さんの歌声が乗った楽曲が完成したとき、Chinozoさんが作曲、編曲時点でイメージしていた物語を膨らませる要素は感じましたか?

Chinozo イメージ以上でしたね!

――廣澤さんとはどのようなアイディアを共有しながら共に編曲を進めていったのでしょうか。

Chinozo 生もの感を出したほうがいいだろうと、言うところから弦楽器は実録音であったり、ストリングスアレンジを取り入れたりを話し合いましたね。

――ひとつのシナリオから様々なクリエイターがそれぞれのアイディアを膨らませた果てに完成した「青春は亡霊」は、色に例えるなら何色でしょうか?

Chinozo 灰色かなぁ、と思います。

RUCCA メールインタビュー

――あがってきたChinozoさんの楽曲のメロディから感じたことはなんでしょうか?

RUCCA 第一印象としては、何とも不思議な魅力を持った楽曲だなと感じました。しっとりとしたノスタルジーから始まりながら、展開が豊富ですごく耳に残る。言うなれば、これから書く歌詞の角度によっては、如何様にも違う表情を見せられる楽曲なんだろうなと思いました。特にサビですが、印象的かつ、Chinozoさんの個性溢れるメロディがものすごい存在感を放っていて、ここにどれだけキャッチ―なフレーズで連鎖反応を起こせるかが勝負所だなと、心して作詞させていただいたのを今でも覚えています。

――作詞においてこだわったところを教えてください。

RUCCA 全編を通して、かなり特異なフレーズの歌詞で構成した楽曲になったので、「一見ふざけているかと思えるけれど、実はとても繊細な曲だった」いうような、不思議な読後感ならぬ“聴後感”を抱いてもらいたいなと願いながら作りました。1番では「未練たらたら」から「みたらし団子」と連想ゲームのように言葉遊びしていたけれど、2番では主人公が自分も幽霊だったこと、友達が待っていてくれたことに気付いて、「たらたら」が「涙」へと変化していく流れなど、物語を愉しみながら何度も聴いていただけたら嬉しいです。

――楽曲のタイトルを「青春は亡霊」と名付けた理由はなんですか?

RUCCA もちろん、第一義にはこの楽曲における登場人物たちの存在が「幽霊」であることに起因しています。この先は僕の個人的な感覚の要素が強いですが、青春ってある種の「後悔」だとか「もしも論」を抱かせることが多いなと常々思っていて、そういった感覚に対して「心の中の呪い」というか「地縛霊」にも似た感覚が僕の中にあったからかもしれません。比喩とは言え、幽霊や亡霊な以上、何かしらの形で「成仏」させてあげたいですよね。そういった願いも密かに込められてもいます。青春の真っ只中で、時が停まってしまったイツカたちが、この楽曲を通して、現世でやり残した何かを叶えられたなら、きっと幸せだったのではと思います。

廣澤優也 メールインタビュー

――作曲・編曲をChinozoさんに依頼した具体的な理由をお聞かせいただけますか?

廣澤優也 Chinozoさんは一回聴いて耳に残るキャッチーさと何度も繰り返し聴きたくなる中毒性の高さを兼ね備えたソングライティングをされる音楽家だと常々感じておりました。また楽曲構成が毎回素晴らしく、どこを切り取っても個性的な楽曲を手がけられているので、イツカのエピソードをぜひChinozoさんの切り口で聴いてみたい、と思いお声かけさせていただきました。

――編曲を行ううえでと説くに意識したところはなんでしたか?

廣澤 Aメロ、Bメロ、サビ各セクションで多種多様な音楽ジャンルをバックグラウンドに盛り込む事により、聴覚上彩り豊かな楽曲を目指したことです。イツカの物語は起承転結、喜怒哀楽などコントラストがはっきりとしているため、それをサウンド感やアレンジ構成の流れで聴覚的に表現したかったからです。

――Chinozoさんに作曲・編曲を依頼して良かったなと思った瞬間はありましたか?

廣澤 今回、個人的にまさにChinozoさん節の効いた楽曲に仕上げていただけたように感じており、とても嬉しく思っております。


●イベント情報
響界メトロ Special Event「SOUNDary LINE」
日時:2024年2月25日(日) 開場 16:30 / 開演 17:00
会場:品川グランドホール(東京都港区港南2-16-4 品川グランドセントラルタワー3階)
出演:Qlover(内田真礼・konoco・秋奈・わかばやし)

チケット
台本付き 6,600円(税込)
※全席指定
イープラス一般先着期間:2月22日(木)10:00〜2月25(日)17:00
https://eplus.jp/sf/detail/4042790001?P6=001&P1=0402&P59=1

※来場に関する注意事項など最新情報を公式サイトにて必ずご確認ください。
https://kyoukaimetro.jp/live/20230225_soundary-line/

●配信情報
「青春は亡霊 feat. イツカ(CV:秋奈)」
Streaming & Download
https://lnk.to/GhostofMyYouth

青春は亡霊 feat. イツカ(CV:秋奈)【Music Video】

Lyrics: RUCCA
Compose: Chinozo
Arrangement: Chinozo / 廣澤優也(HANO)
Sound Produce: 廣澤優也(APDREAM/HANO)
Illustration: SOLANI
Movie Direction: すこっち
Movie: Syamo.G-しゃもじ-
Logo Design: 4pe

▼リリース情報
https://kyoukaimetro.jp/music/seishun/

●作品情報
『響界メトロ -SOUNDary LINE-』

<INFORMATION>
「ボーカル」✕「ボカロP」✕「ストーリー」
「声優」「歌い手」と「ボカロP」のタッグでおくる音楽原作プロジェクト。
感覚を研ぎ澄ませ、楽曲のストーリーを読み解いた先に待っているものとは。
新進気鋭のクリエイターの音が響く物語世界へようこそ。

関連リンク

公式HP
https://kyoukaimetro.jp/

TikTok
https://www.tiktok.com/@kyoukaimetro….

YouTube
https://www.youtube.com/@kyoukaimetro.tikqet

Twitter
https://twitter.com/kyoukaimetro

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