――そしてこだわりの衣装を着て撮影されたMVについても聞きたいです。
村上 とにかくダンスを頑張りました!フルで振付が付いている楽曲はNACHERRYでは初だったので、当日も細かい動きを2人で合わせたりしながら1日かけて撮影しました。
田中 ダンス以外のシーンで言うと、最初のほうの2人で顔を寄せ合っているカットで「まだ何も知らないバブな表情で歌ってください」と言われたのが印象的で(笑)。「え?赤ちゃんってこと?」と思いつつ、生まれたばかりの赤ちゃんの気持ちで撮影したんですけど、それが表情に出ているのかは……。
村上 ちょっと自分たちではわからない(笑)。
田中 でも、実はそういう意識で撮影していたことは知ってほしいです(笑)。あとは撮影現場が寒かったのも大変でした。前回の「テレポーテーション」のMV撮影も結構寒かったんですけど、今回も山梨の山奥にある建物で朝早くから撮影したんですよ。
村上 寒かった。あと、虫も大変だったよね。
田中 そうだ。スタッフさんも一丸となって協力してくださって。私たちがダンスを何回もやり直すたびに、紙吹雪を集めて降らせてくれたり、虫がいるとどかしてくれたりして。
村上 手掴みでね。「かっけー!」って思った(笑)。
――ちなみにダンスの見どころは?
田中 サビのところの手の振りは、比較的みんなと一緒に踊れるような振りだし、イントロの「Toot……」のところもかわいいポーズやクールなポーズのメリハリが付いているので、みんなも一緒に踊ってもらえると嬉しいです。“Touching”のところのタッチする振りはナチェメイト(NACHERRYのファンネーム)同士でタッチしてほしい。みんな仲が良いから。
村上 そう、仲良し。TikTokの公式アカウントにイントロの振り動画をアップしていたり、YouTubeにもDance Videoを上げているので観て覚えてほしいです。
――今お話に出てきましたが、NACHERRYはTikTokの動画を積極的にアップされていますよね。
村上 そうなんですよ、頑張ってるんです!
田中 TikTokって(ほかのSNSとは)利用者の雰囲気がまた違うじゃないですか。若い人たちが多いイメージがあって、正直私たちはその世代ではないので、「どうしてこの動画がバズるんだろう?」みたいなところがあって(苦笑)。なのでスタッフの方が今はどんな動画が流行っているのかをリサーチしてくれて、それを見よう見まねでやっています。
村上 もはや見よう見まねなのかもわからないけど。
田中 なっちゃんはオリジナル性が強すぎて。お手本の動画があるのにマネしようとすらしないんですよ(笑)。
村上 それが良いんだよ(笑)。
――個人的にカスケーダ「Everytime We Touch」のダンス動画が面白かったです。一方が相手の手を取ってダンスしたり抱き着いたりするけど、もう一方は塩対応っぽいっていう。
Watch on TikTok
田中 あれもちゃんとお手本があったんですよ!
村上 相手を誘うような振付のダンスがあるんですけど、私は「自分流で誘うから」って自由に踊りました(笑)。
田中 私は半分くらいまではお手本通りにやっていたんですけど、後半からオリジナリティーが出てしまいました(笑)。もっと観てくれる人が増えればいいんですけど、何がバズっているのかわからなくて。私、TikTokはNACHERRYでやることが決まったのでインストールしたんですよ。それまでは触れたことがありませんでした。
村上 私は一応インストールしてたけど、まったく見てなかった。
田中 私たちがもっと踊れたらよかったんだけどね。
村上 確かに。私たち、ダンスを覚えるのが遅いんですよ。
田中 動画を観てすぐダンスを覚えられるのであればもっとやりたいんですけど、私たちは「これ宿題にさせてください……」ってなっちゃうので。
村上 だから自己流でやっちゃうんです(笑)。
――ここからはカップリング曲についてお聞かせください。「Now」は、今までのNACHERRYらしさが感じられるロックな楽曲ですね。
村上 これは私たちのデビュー曲「フォーチュンテラー」の先の世界を描いた曲なんです。だから「フォーチュンテラー」の歌詞と並べて聴くと面白い感じになっていて。がむしゃらな感じで活動を始めた「フォーチュンテラー」の頃の私たちと、今の私たちの成長具合いを比較してほしい、という意味も込めて「Now」という曲名になっています。
田中 あのときはまだ夢見る少女だった「フォーチュンテラー」の女の子が、今は色々な経験を経て「こういう気持ちになったよね」ということを歌ったのがこの楽曲だと思います。
村上 「フォーチュンテラー」には当時の私たちの気持ちがすごく乗っていて、「右も左もわからないけど、とりあえず踏み出してみよう!」みたいな感じだったんですけど、この曲は1つ上のステップに行ったというか、視野が広がったなかで歌わせてもらえた感覚があります。今までの過去を思い返しながら歌いました。ちょっと大人になったNACHERRYというか。
田中 “ぶかぶかの袖をまくって 笑って泣いた日々”なんて「うちらのことやん!」って思いますから。
村上 そこのあなたの歌い方、めっちゃ好きです。
田中 ありがとうございます(笑)。
村上 しかもこの“ぶかぶかの袖”って、「フォーチュンテラー」の歌詞の“フードパーカー”からきてるのかなと思って。
田中 確かに。そうやって色々な解釈ができるんですよね。自分たちと重なる部分が多すぎて。それこそ「フォーチュンテラー」の頃はダボッとした衣装をよく着ていたし、私は1stライブの衣装がぶかぶかの袖だったことを思い出しました。
村上 “めちゃめちゃにコードを鳴らして ぶつけていた”とか“見返すぞって気持ちが”っていう歌詞も、デビュー当時の、本当は怖いんだけど踏み出したい気持ちを思い出させてくれるよね。あの頃はレコーディングも怖かったし。でも、今は「こういう表現をしたい」というものが先にあるし、歌にも余裕が出せたと思います。
――2人の声が重なる部分では、今まで以上の頼もしさも感じました。「フォーチュンテラー」の頃からご一緒されている岡田マリアさんが歌詞を書いているのも大きいですよね。
村上 そうなんですよ。“答えは一つじゃない”とか“未来は一つじゃない”っていうフレーズも良くて。NACHERRYは最初アメリカンロック路線に絞って活動していたので、まさか魔法少女になるなんて思っていなかったです(笑)。
田中 “雑草”でも“ティアラにもなれる”んだよ、っていう。ストレートに伝わる歌詞だと思います。
――もう1曲、同じく岡田さんが作詞、そして山森大輔さんが作編曲した「destiny」は、曲も歌詞も歌もすべてがエモすぎてくらいました。
田中 この曲、大好き。これも「こんなの、私たちじゃん!」と思いました(笑)。正直、「これは私たち2人のことを歌詞に書いているよね?」と思って。冒頭の“運命なんだね”のところから「私たちは運命だし!」って思ったし、“君と一緒だから”の“君と”は、私の中ではもう奈津実なので。私と奈津実の歌だと思っています。
村上 良いですね~(笑)。
田中 “どうしていつも私の心が そんなに分かるの?”も相方への言葉じゃないですか。そうなると私の中での相方は奈津実なので。
村上 ホント?嬉しい!私、(田中の心が)わかってる?
田中 わかってくれてる。“お腹空かないように”とか“寝不足にならないように”も、ふとしたときに「ちゃんと寝てる?」とか「これから何か食べない?」って聞いてくれるのを思い出して。私にとっては、この曲はすごくなっちゃんに向けての歌って感じるんですけど、みんなも「私にもそう思える人がいるな」って感じてくれたら嬉しいです。
村上 私もNACHERRYの運命を感じますし、聴いてくださった人が私たちのことやそれぞれの大切な人のことを思い浮かべてくれたらいいな、と思いながら歌いました。
――でも、ナチェメイトはどうしてもお二人の関係性を思い浮かべるでしょうね。
田中 きっと泣いちゃうんじゃない?(笑)。それと作詞・作曲が初期からご一緒しているお二人というのも大きくて。しかもこのお二人はご夫婦なので「お二人の歌でもあるのでは?」っていう(笑)。
村上 そう!私も同じことを想像してた。マリアさんも山森さんもお互いのことを考えて作ったのかなあって(笑)。でも、長い付き合いの私たちだから出せる味の曲だと思います。
田中 あとはハーモニカだよね。
村上 そうそう、間奏のハーモニカは私たちが吹いているんです。
――えっ!マジですか?
田中 はい、パートを半々で分けて、自分たちで演奏したものが使われています。何の前触れもなく「今回はハーモニカを演奏してもらいます」って聞かされて。
村上 「えっ!ハーモニカを吹くんですか?」って(笑)。まさかマイク前で楽器を演奏することになるとはね。めっちゃ練習しました。
田中 ハーモニカと山森さんのレクチャー音源を渡されて、自主練したんです。この楽曲ではハーモニカを初挑戦したのも大きいポイントです。
――余談になりますが、お二人がお互いに運命を感じた瞬間ってありますか?
田中 直近の話になるんですけど、私、この間、別のコンテンツのライブ(“ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 6th Live! I love You ⇆ You love Me”愛知公演DAY2)で声が出なくなってしまって、必要最低限のことを紙に書いて伝えることしかできなかったんですけど、そのときになっちゃんが「みんな、田中にも“ありがとう”って伝えてあげてよ」みたいなことを言ってくれて。そのときに、やっぱりなっちゃんだなって思いました(笑)。なっちゃんはそういう粋なことをやってくれるんですよね。きっとほっとけないんだろうなと思って。
村上 (田中は)家族やねん!(笑)。あのときは前日から心配で心配で。「(田中にも)楽しんでほしい!」って思ったんですよね。でも、田中が泣かないで頑張っていたのに、それで泣かせてしまったのは申し訳ないと思ってる。
田中 いいよ(笑)。でも運命って言ったら、そもそもNACHERRYの結成されたこと自体が運命だと思いますし、2人の時間が濃密すぎて。
村上 そうだね。NACHERRY結成までの道のりも運命だなあって思うし。「虹ヶ咲(学園スクールアイドル同好会)」で出会い、「虹ヶ咲」のプロデューサーとのご縁がNACHERRYの結成に繋がったので。
田中 最近は周りにも2人で1つのNACHERRYというのが浸透しているように思うし、「今なっちゃんはこう感じているのかな?」とか「これは嫌がるかも?」みたいなこともよく考える。
村上 その辺りのニュアンスがよりわかるようになってきたよね。「今こういうことを思ってるんじゃないかな?」みたいな。
田中 それで帰り道に2人で答え合わせをして「やっぱそうだよね」みたいなことはよくあるかもしれないです。
――エモい話をありがとうございます。そんな運命共同体のNACHERRYですが、2024年はどんな年にしたいですか?
田中 私はライブツアーがしたいです。いわゆるライブハウスみたいな場所を回ってみたいなと思っていて。あとは去年にお台場(ダイバーシティ東京 プラザ 2Fフェスティバル広場)でやったみたいなフリーイベントもやりたいです。
村上 私も!そう、フリーイベントですよ。お金とかは別にいいので、とにかく届けたいし、出会いたいんです(笑)。
田中 去年のフリーイベントで知ってくださった方も結構いらっしゃったので、やっぱり意味があるんだなと思って。告知だけはして、あとは通ってくれた人が見てくれたら……結局いつものメンバーが集まるパターンもあると思いますけど(笑)。
村上 あとは海外にも行ってみたいなあ。海外で応援してくださっている方もたくさんいて、「来てほしい!」という声もたくさん届いているので、いつか実現できればと思います。
●リリース情報
NACHERRY
「My dream girls」
2024年2月21日(水)発売
【NACHERRY盤】
価格:¥2,750(税込)
品番: LACM-24497
CD予約URL :
https://lnk.to/LACM-24497
<収録内容>
[CD]
M1. My dream girls
作詞・作曲・編曲:Motokiyo
M2. Now
作詞:岡田マリア / 作曲・編曲:永井正道
M3. destiny
作詞:岡田マリア / 作曲・編曲:山森大輔
[Blu-ray]※NACHERRY盤のみ
01.「My dream girls」Music Video
02.Music Video Making
【魔法少女にあこがれて盤】
価格:¥1,650(税込)
品番: LACM-24498
CD予約URL :
https://lnk.to/LACM-24497
<収録内容>
[CD]
M1. My dream girls
作詞・作曲・編曲:Motokiyo
M2. Now
作詞:岡田マリア / 作曲・編曲:永井正道
M3. destiny
作詞:岡田マリア / 作曲・編曲:山森大輔
●作品情報
TVアニメ『魔法少女にあこがれて』
【スタッフ】
監督:鈴木理人・大槻 敦史
シリーズ構成:木村暢
キャラクターデザイン:大滝那佳
音響監督:本山哲
音楽:高梨康治・鈴木暁也・ヨハネスニルソン
音楽制作:ランティス
アニメーション制作:旭プロダクション
【キャスト】
柊うてな/悪の女幹部:和泉風花
花菱はるか/マジアマゼンタ:前田佳織里
ヴェナリータ:福圓美里
<INTRODUCTION>
わたし、柊うてなは魔法少女が大好きなごく普通の女の子☆
ある日、変身する力を与えてくれそうなマスコット的なやつに出会って不思議な魔法をかけられちゃった!
これでわたしも魔法少女に――と思ったら
え? なにこの格好?
悪の組織の女幹部ってどういうこと!?
これからわたしどうなっちゃうの~~~!!?
魔法少女ファンの心優しい内気な少女がサディスティックに大変身!!?
正義と悪の激しい SM プレイ(!?)スタートです!!
©小野中彰大・竹書房/魔法少女にあこがれて製作委員会
NACHERRY
公式サイト
https://nacherry.jp
公式X(旧Twitter)
https://twitter.com/NACHERRY_STAFF
TVアニメ『魔法少女にあこがれて』公式サイト
https://mahoako-anime.com/
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