リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2024.02.21

家入レオと麻倉ももの女子トーク!デジタルシングル「希望の名前」に詰まった同級生同士の友情に迫る!

家入レオと麻倉ももの女子トーク!デジタルシングル「希望の名前」に詰まった同級生同士の友情に迫る!

アーティストの家入レオと、声優アーティストの麻倉もも。地元・福岡の中学高校時代の同級生で、プライベートでも親交の深い2人が、コラボシングル「希望の名前」を2月21日に配信リリースした。学生時代にお互いの夢を語り合い、今はその夢を叶えて表舞台で活躍する彼女たちだからこそ表現できる感情、思い出の先に広がる“光”のストーリーが凝縮されたエモーショナルな本楽曲は、両者のファンにとってもかけがえのない宝物になることだろう。3月17日(日)には、東京・日比谷野外大音楽堂での2マンライブ開催を控え、学生時代の出会いから10年以上の時を経て重なり合う2つの“光”の原点、2人だけの秘密に迫る、スペシャルな対談をお届けする。

INTERVIEW BY 北野 創
TEXT BY 河瀬タツヤ

学生時代と変わらない2人の関係性

――お2人で話す時はやっぱり福岡の方言が出るんですか?

家入レオ 出ます。

麻倉もも 2人きりになると基本的には福岡弁ですね。

――やっぱりお互いアーティスト同士ではなく、友達同士という感覚のほうが強い?

家入 そうですね。もちろん中学生の頃から知っている友達なんですけど、今回、「希望の名前」でご一緒させていただいたことで改めて表現者として素晴らしい方だなと思いました。なのでそこは戦友ともまた少し違って……ももちゃんが輝けば輝くほどなぜか嬉しくなるし、そういう気持ちにさせてくれる存在はあまりいないので、なんだか不思議だなと思いながら今ここにいます(笑)。

麻倉 私もレオちゃんのお仕事をしている姿がすごく新鮮です。私が(声優として)デビューする前からアーティストとして活動していたので、同級生でもあり、普通の一般人と芸能人みたいな関係の頃もあったので、こうやって一緒にお仕事している現実が信じられない感覚ですね。

――まずお2人の学生時代のお話を聞いてみたいのですが、当時と比べてお互い変わった部分はありますか?

家入 当時セーラー服を着ていたももちゃんと、今のももちゃんの印象は、私はまったく変わらないですね。彼女が出会った頃の彼女のままで声優やアーティストとして活動していることがすごく嬉しかったし、今回のコラボレーションはその空気感があったことでより素敵な作品が出来た気がします。2人とも学生時代に「音楽部」というミュージカルをする部活に所属していて、私は音楽を本格的にやるために途中で辞めたのですが、ももちゃんはずっと所属していたんですね。中学2年生の時に『サウンド・オブ・ミュージック』という演目を一緒にやったことがありまして、ももちゃんが私のお姉さん役、 私は弟役だったんですけど、その時から緩急をちゃんと持っている人だと思っていました。

麻倉 えっ!?そうだったの?

家入 音楽やミュージカルのことには超一生懸命に向き合っていたけど、「ここはあまり興味がないんだろうな」というのもわかりやすい子という印象があって(笑)。「自分でやる」と一度決めたらとことん頑張るけど、それを人には言わない、「私の夢は私が知っていればいい」というタイプの女の子だなと思っていました。自分とは真逆だったので、そこが彼女に惹かれた部分だったのかもしれません。

麻倉 私、そういうふうに見られていたんだ(笑)。私もレオちゃんの印象は(学生時代から)全然変わらないですね。大人になった今も子供心を忘れていない感じがしますし、歌が好きで真摯に向き合っている姿は本当に学生時代そのままです。まあ、どこでも歌い始めることはなくなったと思いますけど(笑)。学生時代は廊下とか教室とかどこでも歌っていたから。

家入 確かに歌ってた!(笑)。

麻倉 クラスが別々だったときも(家入の歌声が)聴こえてきましたから。「なんか歌ってるなー」って(笑)。

家入 でも、ももちゃんと一緒にいることで「自分が変わらない自分でいられる」というのはあるかもしれない。

麻倉 確かに、(学生時代に)ちょっと引き戻される感じはあるかも。

家入 ももちゃんのソロの活動やユニット(TrySail)の方たちとご一緒しているのを見たりすると、私の知らない部分が見えてちょっと寂しい気持ちになるときもあるんだけど、会うと昔のままだからホッとするんだよね。

麻倉 だから、2人でいるところや会話しているところをマネージャーさんたちに見られるのがすごく恥ずかしい(笑)。

家入 素顔を見られている気持ちになるのかもね。

麻倉 そうかも。

――ほかに学生時代の印象深いエピソードはありますか?

麻倉 私が2人きりの思い出ですごく印象的だったのはバスの時間です。たしか家の方向は違うので、なんで一緒のバスに乗っていたかはよく覚えていないんですけど……。

家入 私がヴォイス(音楽塾ヴォイス)に通っていたからその時かもね。

麻倉 それか。バスで一緒に乗っていた時に自作の歌を聴かせてくれたりして。なんていうんだっけ、あれ?

家入 iPod?

麻倉 そう、iPod!(笑)。イヤホンを半分こにして。

家入 やった!めっちゃ思い出した!(笑)「これ作ったけん、聴いてー?」って言って、(デビュー曲の)「サブリナ」や「ripe」を聴いてもらった気がする。

麻倉 「そんなに大事な曲を私に分けてくれるんだ!」って、すごく嬉しかったのを憶えています。

家入 なぜかイヤホンの両耳を渡さなかった記憶もありますね(笑)。隣で待っているのがもどかしかったから、ちゃんと自分も聴いて反応を伺いたいと思ったのかもしれないです。

――それだけ麻倉さんに聴いてほしい気持ちもあったんでしょうね。

家入 そうですね。同じ部活に所属していたので、大勢で一緒にいることももちろんあったんですけど、ももちゃんとの思い出は2人きりのものが多いんです。さっき自分とはタイプが真逆という話をしましたけど、私はオープンに自分の夢を言うタイプで、「歌手になりたい」という夢を恥ずかしげもなく学校でも周りに言っていたんですね。(笑)言霊の力を信じていたから。一方で、ももちゃんは「声優になりたい」という自分の夢を人に言わないタイプだったんですけど、私にだけ打ち明けてくれたんですよ。それが私は本当に嬉しかったし、自分とはまた違う夢への向き合い方ってあるんだなと思いました。私は周りに宣言することで自分を鼓舞したり、発破をかけることで力を発揮するタイプなんですけど、1人の胸の中で(夢を)完結させるなんてすごく大人びた人だなと思いました。かわいくてぽわんとしているけど、どこか芯の強さを感じる。それは今も昔も変わっていないですね。

――なぜ麻倉さんは家入さんにだけ自分の夢を明かしたのでしょうか?

麻倉 私は基本的にやりたいことも悩みも誰にも言わないタイプなんですけど、多分言いやすい雰囲気があったのかな?レオちゃんとはふざけ合うよりも真剣に話すことが多かったので、多分その延長線上でポロっと言ったんだと思います。(アーティストと声優は)そんなに遠くない職業ですし、「私も実は……」という感じで話したような気がします。彼女は絶対にネガティブなことは言わないですし、引き上げてくれる言葉を常に言ってくれる印象だったので、言ってみようという気持ちになったんじゃないかな。

家入 嬉しい。でも、ももちゃんの口から夢を聞いたときは、あまり驚きはなくて、やっぱりそうなんだ、って。部活のステージ上での彼女の声や雰囲気がとても素敵だったので。

――当時から夢を共有し合える、素敵な関係だったんですね。

麻倉 きっかけは全然覚えてないんですけどね。

家入 所属しているグループは違ったんですけど、(クラスで)隣の席だったこともあるし、何かと縁があって……当時の学校の風景を思い出すと、なんかいるんですよね、ももちゃんが(笑)。

麻倉 なんかいる、って(笑)。

――ファンが知らなさそうな、自分だけが知っているお互いの一面はありますか?

麻倉 ファンの人が知らないかはわからないんですけど、学生時代のレオちゃんは「辛いときほど笑っている」という印象でした。学年全員が彼女の夢を知っているぐらい、なりたいものへの意思表示をきちんとしていたし、言うことははっきりと言うタイプなんですけど、辛そうなときは明るく笑って周りと接しているイメージがあって。違うクラスだったときに彼女が大変そうだった時期があって、その時に「大丈夫?」というような会話をしたんですけど、何ともなさそうに笑顔で対応していたのが印象的だったんです。だから後になって思っていたよりも大変だったことが発覚したときは、辛くても表に出すわけじゃないんだと思った記憶があります。太陽みたいに明るい存在だったから、「レオちゃんは悩みがなさそう」と感じている人もたくさんいたと思うけど、そういう部分は人に見せないんだなと。

家入 私のクラスはちょっと大変だったかも(笑)。思春期の女子校の荒波にみんな揉まれてましたね。(笑)その行き場のない気持ちを歌にしてバランスを取っていたから「サブリナ」が生まれたんですけど。でもその視点だと、意外と私たちって似ているのかな?

麻倉 確かに。周りに夢を言っていたか言っていないかだけの差だよね(笑)。

家入 答え合わせになるかもしれないですけど、ももちゃんは自分が苦しい時に苦しいと言うタイプじゃなくて、私のなかでは「事後報告が多い人」というイメージです。それは別に周りに対して心を閉ざしているということではなく、多分強くありたいとどこかで願っているからなのかなと。「実はあの時こんなことがあった」と後で話してくれるから、友達としても寂しくならないんですけど。羽が舞うような柔らかさがある一方で、本当は誰よりも真っ直ぐ、そこが彼女の魅力だと思います。

「みんなの心の中の光を見続けていきたい」

――お互いの今のお仕事や音楽活動に対する印象も聞いてみたいです。

麻倉 レオちゃんのライブに遊びに行かせてもらう機会もあるんですけど、他の(アーティストの)ライブと感覚がまったく違うんですよね。ライブに来た人に対して「レオちゃんすごいでしょう!」って自慢したい気持ちになります(笑)。デビューした時からずっと彼女を見ているから変化も感じますし、そういう変化にもちょっとウルっときてしまって。パワフルな歌声を楽しそうにファンの皆さんに届けて、皆さんがこのパワーを活力にここから日常生活を送っていくんだろうなと思うと、すごく涙が出てくる。なんだろう、親なのかな?

家入 あはは(笑)。

麻倉 昔から(歌が)すごく上手だったし、歌にパワーがあったから絶対に歌手になるだろうと思っていたんですよ。その歌声から力をいつももらっています。私のお気に入りの曲は「Silly」で、「ずっと、ふたりで」も好きです。

家入 嬉しい。バラード好きなんだね。

麻倉 というよりも、レオちゃんのバラードの曲が好きなのかも。感情の込め方が好きなんだよね。

家入 私も、ももちゃんの曲は好きな曲がいっぱいあるんだけど……、(※突然歌い出して)「輝くわ~♪」。

麻倉 あ、「プリンセスじゃなくても」。

家入 この曲はかわいいもあって、どこか切なさもあって、ももちゃんに本当にぴったりだと思う。「ね~ぇ♪」(※再び突然歌い出す)。

麻倉 「花に赤い糸」。

家入 正解!(笑)。この曲も“麻倉もも”という人間の中にある無数の感情が溢れているので、(聴いていて)すごく好きなんです。今回、僭越ながらももちゃんのボーカルディレクションもさせていただいたんですけど、私が「こういうイメージで」と言ったことに対してのレスポンスがめちゃくちゃ早い。「ここはもっと置くように」とか「羽を息でふっと吹くような感じで軽さもありつつ、だけど縦だけ揃えて歌ってみてください」というディレクションをしても、具現化するまでが本当に早いんです。化学反応としてすごく面白かったです。

麻倉 これまでになかなか体験したことのないディレクションをいっぱいもらったんですよ。「中高時代のあのシチュエーションを思い出して」みたいな(笑)。

家入 「忘れとるわ!」っていうような話をね(笑)。

――絶対に2人じゃないと通じないディレクションですね(笑)。改めて、今回のコラボレーションは、どういう経緯で実現したのでしょうか?

家入 まず「希望の名前」のメロディは、自分の曲を探している時に出会ったんですけど、メロディを聴いたときに感じたきらめきや、その中にある切なさ・儚さに惹かれたと同時に、ももちゃんの顔がふっと浮かんできて、「この曲を一緒に歌いたいな」と思ったんです。ちょうどその頃に日比谷野外大音楽堂での2デイズライブが決まって、2日間ともソロでライブっていう形もあったんですけど、もっと面白いことをしていきたいと考えたときに、「自分の原点を知っている麻倉ももさんとツーマンライブをしたい」と思い立ち、スタッフにも相談したうえでお声掛けしました。ももちゃんには直接会って話したかったんだけどスケジュールが合わなくて。

麻倉 そうなんだよね。でも「どうしても話したいことがある」と電話をくれて、ツーマンライブに誘ってもらいました。その時に、“どうしてこのライブに私を誘ってくれたか”という想いも話してくれたんですけど、それがすごく嬉しかったんですよ。「福岡での私の本当の原点を知っていて芸能活動をしている人はももちゃんしかいないし、改めてすごく大切な人だと思った」というような話をしてくれて、「やるっ!(スタッフに)聞いてみる!」と、もう二つ返事で決めました。

――「希望の名前」の歌詞は家入さんが書いていますが、麻倉さんと一緒に歌うことを想定して作詞されたわけですよね?

家入 そうですね。「希望の名前」は自分にとっても絶対に特別な作品になると思ったので、歌詞を書く時に改めてももちゃんの楽曲を全部聴いたんです。彼女の持っている魅力を最大限活かすことのできるメロディだと思ったのと同時に、彼女が“麻倉もも”になる前から知っている私だからこそ、彼女の輝きの裏にあるコントラストを描けるのかもしれないなとも思って。ももちゃんが心にしまっている言葉や芯の強さを曲にできたらいいなと歌詞を書きました。

麻倉 曲を受け取った時は、自分の中の思い出が呼び起こされるような歌詞に素敵なメロディがついて、「2人で歌ったらどんな風になるんだろう!?」というワクワク感しかなかったです。

――家入さんは当時の気持ちを思い出しながら歌詞を書いたんですか?

家入 そうですね。私が歌を歌っている理由って、「歌を聴いてくれる人たちの中にある“光”を見るのがすごく好きだから」なんです。私の歌を通して自分の人生と向き合っている人を見るのがすごく好きで。色んな場所で頑張っている人たちの光に気づける自分でありたいなと思いながら、ももちゃんとの物語を綴っていきました。私はももちゃんがセーラー服を着ている時から彼女の中にある光に勝手に気づいていたつもりだったし、「きらめいているし、絶対この人は声を使ったお仕事に就く人だ」とも思っていたんです。お互い上京してしばらく会ってない時期もあったんですけど、当時のクラスメイトに「ももちゃん、すごいよ!」と言われて調べたときは「わ~あの時感じたことが現実になっている」ってすごく嬉しかったんです。

麻倉 ありがとう。

家入 そのときに「私にはももちゃんという流星が見えている!」という気持ちにもなったし(笑)、私が自分の歌を通して色んな人の“光”を見出していくことを続ける後押しにもなったんですね。だから「私の歌を聴いてくれる人たちの光を見続けていく」という思いが、今回の「希望の名前」なんです。「愛や希望って何だろう?」って考えるとわかんないけど、私にとって希望はももちゃんであり、ファンの方の1人1人の名前。歌詞の「二人だけの秘密」というのも、私は「歌を歌う」という夢をみんなに言っていたけど、ももちゃんは私にしか(夢を)言っていなかったので、ももちゃんにしかわからないワードになっています。

――確かに「二人だけの秘密」という歌詞はグッときます。

家入 その秘密が今これだけももちゃんのファンやスタッフの方と共にあって。すごくないですか!?私、本当に思ったから!「ももちゃんにマネージャーさんやメイクさんやスタイリストさんが付いてるー!」って(笑)。

麻倉 それは私も(家入に対して)感じたけどね(笑)。こんなに周りに支えられて活動しているんだとか、愛されているんだとか、そういうのを見るのが嬉しいし、なんだか不思議な気持ちです。

家入 でもこれはお互いデビューしてすぐにコラボしても、多分ここまでの深みは出なかったと思うんですよ。お互いが色んなことを乗り越えたからこそというか。ももちゃんはそんなことないと思うけど、私は10代の時に綺麗事であればあるほど疑ってかかる性分だったので、人は優しいと言われても「そんなことあるはずがないっ!」と思っていましたから。

麻倉 そうなんだ(笑)。

家入 でも社会に出て色んなことを経験して、あの頃に綺麗事と思っていたことは全部真実だったんだなと、最近やっと思うようになってきました。だからこそ、ここまで透明度の高い歌詞を偽りなく書けたし、本当にタイミングは今だったんだなと思いますね。

次ページ:2人の絆は“国民的アニメ級”

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP