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INTERVIEW

2024.02.21

日、中、英語を操るシンガーソングライター・krageが『俺だけレベルアップな件』、『天官賜福 貮』アニメ2作品のEDテーマを担当!これまでの音楽遍歴や秘めた異次元の才能に迫る

日、中、英語を操るシンガーソングライター・krageが『俺だけレベルアップな件』、『天官賜福 貮』アニメ2作品のEDテーマを担当!これまでの音楽遍歴や秘めた異次元の才能に迫る

謝憐と花城、800年の想いに寄せた壮大なバラード「春想」

――もう一方の新曲「春想」はアニメ『天官賜福 貮』日本語吹替版のEDテーマ。こちらはkrageさんが作詞していますが、作品のどんな部分に寄り添って楽曲制作を進めましたか?

krage 壮大な部分もありつつ心にスッと入ってくるようなメロディがいいなと思っていたときに、この楽曲に出会いました。そこから私が歌詞を付けていったのですが、作品の世界観をしっかりと理解するために日本語版のアニメ第1期と小説だけでなく、中国語版のアニメ第1期も観て勉強したんです。ただ、世界設定が複雑で用語も難しいものが多いので、最初はアニメに世界観を寄せて歌詞を書こうと思ったのですが、それだと結局アニメに出てくるモチーフを並べただけの歌詞になると感じて。それでこの作品の一番大きなテーマを題材に歌詞を書くことにしました。

――というのは?

krage この作品は「800年変わることのなかった真っ直ぐな気持ち」が軸になっていると思うので、それについて歌ったほうが、きっと聴いてくれる人に伝わると思ったんです。なので作品内に出てくる単語はあえて使わないようにして、完全にキャラクターの気持ちにフォーカスしたキャラクターのイメージソングみたいな感じで作っていきました。

――それは主人公の謝憐(シエ・リェン)のイメージソングということでしょうか。

krage 細かい話になってしまうのですが、花城(ホワチョン)の視点で書きつつ、2番では謝憐と花城のどちらの目線でも捉えられるような言い回しを選びました。でも、サビはほぼ花城の気持ちを歌っていて。それこそ、第1期の12話で謝憐が花城に「生きる意味がわからないのなら、私のために生きなさい」と言葉をかけるシーンがあったので、それに対するアンサーとしてサビに“ずっと君の為生きていきたい”という言葉を入れています。ストレートな言い回しを選んだことで、作品のファンにも届いている印象がありますし、作品を知らない人にも、それぞれの大事な人のことを思い浮かべながら聴いてもらえる曲になったと思います。

――確かに。色んな人の色んな想いに重ねられる、ある種の普遍的なメッセージが感じられる楽曲だと思います。

krage ありがとうございます。私は自分で歌詞を書くときに自分で思っていないことを書くことできなくて、歌詞でウソを言うのが苦手なタイプなので、この曲の歌詞も全体的に私の考え方とリンクしています。なので私の楽曲としても嘘のない楽曲になりましたし、作品自体が中華ファンタジーだったので、より私が担当する意味があると思いました。

――krageさん自身の気持ちや考え方とは、どんな部分がシンクロするのでしょうか?

krage 例えば冒頭の“なぜまだ この心は 長い夢から覚めないのでしょう”という歌詞は、800年も会えないまま人を想い続けるなかで、過去の思い出に捉われてしまって夢から覚めないところが花城にはあるんじゃないかなと思って書いた歌詞で。私も過去のことに捉われてしまうタイプなので、そこはリンクしているところだと思います。それと花城にとって謝憐は憧れの存在でもあると思うので、私なら憧れの存在をどんな言葉で表現するかを考えて出てきたのが、サビの“追いかけて 届きたくて 強く歩みゆくその姿”というフレーズでした。私は人の背中を見て「自分も頑張らなくちゃ」と思うタイプなので。

――なるほど。これは先ほどの「request」のお話も踏まえて感じたことなのですが、krageさんは自分が本来なりたいもの、まだ届かないものに対する強い想いがあるのかもしれないですね。

krage ……今、言われて、確かにこの歌詞にはそういう部分があるなと思いました。まだ実現できていない自分のなりたい姿と、今の自分の状態。そう置き換えても当てはまる気がします。

――krageさんが今考えている、自分の理想像とはどんなものなのでしょうか。

krage アーティストとしては、Aimerさんがアニメに限らず色んなドラマや映画のタイアップを担当しながら自分の世界観を表現されているように、私もダーク系の基盤はブレることなく色んな作品に携わりながら、自分の作品を展開していきたい想いがあります。

――いち個人としては?

krage 人としては、もっと自分が思っていることを人に伝えられる人になりたいですね。昔からポジティブな思い出があまりなかったせいで、自分の気持ちから一歩引いて、別の自分が見ているような感覚があるんです。3~4歳の頃から自分を俯瞰して見るのがクセになっているせいで、思ってもいないことを勢いで言ってしまったり、上手く言ったつもりがちゃんと伝わっていないことが多くて。だから、もう1人の自分が自分の気持ちを見下ろして判断するのではなく、ありのままの自分で素直に話せるようになりたいと思います。

――krageさんは今回の「春想」を含め、自分で歌詞を書いたり作曲もされるわけですが、それらの作品を通して自分の素直な気持ちを表現されているのではないでしょうか。

krage はい。歌詞だと本音を語ることができて。私は寝る前に布団の中でiPhoneのメモ帳を開いて、意識が朦朧としている状態で、その日に思ったことを書いて溜めておくんですけど、朝起きて読み返したら「私、こんなこと考えていたの?」っていうくらい衝撃的なことが書いていたりして(笑)。作詞をするときは、そこからワードを引っ張ってきたりするので、そのデータがないと、なかなか自分の本音が引き出せないんです。それのおかげで歌詞は割と思っていることを言えています。

――krageさんは今、自分自身の気持ちを素直に出すためのステップを歩んでいるところなのかもしれないですね。

krage これはあまり言ったことないので恥ずかしいんですけど、普段は人に本音を素直に語れないぶん、楽曲がそれを代弁してくれている感覚があって、自分の曲を聴くと感情移入してしまって場所を選ばず泣いてしまうことがあるんです(苦笑)。

――素敵な話じゃないですか。そんなkrageさんが音楽を通して表現したいこと、誰かに伝えたいものについても聞いてみたいです。

krage 悲しい気持ちや葛藤、嫉妬のように、人の前で出しにくい気持ちというのが誰にもあると思うのですが、私はそれを肯定しつつ、その状態に浸れるような、そういう気持ちをそっと包み込むような音楽を届けていきたいです。「明日になったら何とかなる、大丈夫!」というのではなくて、そういうネガティブな気持ちを持っていてもいいことを伝えたいです。

――話が逸れてしまいましたが、「春想」の曲名に込めた意味についても教えてもらえますか?

krage 「春を想う」という意味もありますし、この曲は中国語版もあるので、中国人でも読める漢字を選んで「春想」にしました。それと「想」という漢字は中国語だと「私は○○したい」という意味に近い使われ方をするので、この歌詞自体が「想い」だけでなく「願望」も表していることにかけています。

――改めて、今回の2曲はご自身にとってどんな作品になりましたか?

krage 「request」は憧れの方とご一緒できたことも大きいのですが、葛藤している気持ちをここまで表現した曲を今まで出したことはなかったので、krageのことを知ってくださっているリスナーの方にも新しい私を届けられたんじゃないかと思っていて。「春想」は中華原作の作品のタイアップ曲ということで親和性を感じますし、中華系の作品にはたくさん携わることができればと思っていたので、前作の『後宮の烏』に続いて「中華作品といえばkrageだよね」と思ってもらえる楽曲になったと思います。

――3月には初のライブツアーも控えていますね。

krage 私は今までイベントや対バンライブにしか出演したことがなかったので、私だけを観に来てくださるファンがどんな方なのか、どんな方々が私の音楽を好きでいてくれるのか、すごく興味が湧いています。それと今回の2曲も曲調が真逆ですし、ほかにも色んなジャンルの楽曲を発表しているので、楽曲ごとに表現をこだわって色んな声の表情を見せたいと考えていて。それでツアータイトルも“Welcome to My Tone”にしたのですが、私は声を褒めてもらえることが多いので、声をしっかりと届けたいです。

――最後に今後の目標についてお聞かせください。

krage 私は冬に活動が精力的になることが多いので、夏は大人しい人だと思われているみたいで(笑)。実は母が海南島というハワイと同じような気候の島の出身で、しかも私は夏生まれなので、意外と夏にも強い体質なんですよ!なので夏も活動していることをアピールして、夏フェスや海外のアニメフェスにも出演できればと思います。


●リリース情報
・krage
「request」
2月28日(水)発売

【期間生産限定盤(CD+BD)】
品番:AICL-4552~3
価格:¥2,750

<CD>
01. request
02. 春想
03. request (Animation: Solo Leveling Edition)
04. request (English Ver.)
05. request (off vocal)

<BD>
TV アニメ「俺だけレベルアップな件」ノンクレジットエンディング
「request」Music Video

CD予約
https://krage.lnk.to/H6AtlG

ストリーミング&ダウンロード
https://krage.lnk.to/1vaZzE

・krage
「春想」
2月28日(水)発売

【期間生産限定盤(CD+BD)】
品番:AICL-4554~5
価格:¥2,750

<CD>
01. 春想
02. request
03. 春想(Anime edition)
04. 春想(Chinese ver.)
05. 春想(Off vocal ver.)

<BD>
アニメ「天官賜福 貮 」日本語吹替版ノンクレジットエンディング
「春想」Music Video

CD予約
https://krage.lnk.to/WFfGNE

ストリーミング&ダウンロード
https://smar.lnk.to/zrDvRJ

●ライブ情報
krage 1st Live Tour 『Welcome to My Tone』
2024年3月17日(日)大阪・BIGCAT OPEN16:15/START17:00
お問合せ: YUMEBANCHI 大阪/06-6341-3525 平日(12:00-17:00)

2024年3月19日(火)東京・LIQUIDROOM OPEN18:00/START19:00
お問合せ: ライブエグザム

2024年3月23日(土)北海道・cube garden OPEN17:00/START17:30
お問合せ:Mount Alive 050-3504-8700 平日(11:00-18:00)

チケットはこちら
https://t.co/qTvYQWoAlK

●作品情報
■TVアニメ『「俺だけレベルアップな件」』
2024年1月6日よりTOKYO MXほかにて放送中

TOKYO MX、BS11、群馬テレビ、とちぎテレビ:毎週土曜24時より
CBCテレビ:毎週土曜26時08分台より
読売テレビ:毎週月曜26時29分より
アニマックス:毎週土曜22:30より
ほか、各配信プラットフォームにて順次配信予定。

<イントロダクション>
世界的な人気を博している、原作・原案Chugong、作画DUBU(REDICE STUDIO)、脚色h-goonによるによる韓国の小説、漫画作品。
日本でもマンガ・ノベルサービス「ピッコマ」にて累計PV数6.5億回を突破している本作が、ついに全世界待望のアニメ化決定。
舞台は異次元と現世界を結ぶ通路”ゲート”、そして”ハンター”と呼ばれる特殊能力を持つ人間達が存在する世界。
人類最弱兵器と呼ばれる最低ランクのハンター、「水篠 旬」はある日突然自分だけが「レベルアップ」する力を手に入れる。数多の試練を乗り越え、旬は”最弱”から”最強”へ駆けあがる。

<ストーリー>
異次元と現世界を結ぶ通路”ゲート”が突如発生してから十数年、
世界には”ハンター”と呼ばれる超人的な力に覚醒した人間たちが出現する。
ハンターはその力を使い、ゲート内のダンジョンを攻略し対価を得ることを生業としているが、強者揃いのハンター達の中で、「水篠 旬」は人類最弱兵器と呼ばれる低ランクハンターとして生活していた。
ある日、低ランクダンジョンに隠された高ランクの二重ダンジョンに遭遇し、瀕死の重傷を負った旬の目前に謎のクエストウィンドウが現れる。
死の間際、クエストを受けると決断した旬は、自分だけが「レベルアップ」するようになり—。

【キャスト】
水篠 旬 : 坂 泰斗
諸菱賢太 : 中村源太
水篠 葵 : 三川華月
向坂 雫 : 上田麗奈
最上 真 : 平川大輔
白川大虎 : 東地宏樹
後藤清臣 : 銀河万丈
犬飼 晃 : 古川 慎

【スタッフ】
原作:DUBU(REDICE STUDIO)、Chugong、h-goon(D&C MEDIA 発行)
監督:中重俊祐
シリーズ構成:木村 暢
キャラクターデザイン:須藤智子
サブキャラクターデザイン:古住千秋
モンスターデザイン:徳田大貴
プロップデザイン:白石創太郎
アクションディレクター:菅野芳弘
キーアニメータ―:鳥居貴史・丸山大勝・橋元快斗・中川 肇
美術監督:奥村泰浩
色彩設計:中野尚美
撮影監督:井関大智
CG監督:森岡俊宇
モーショングラフィックス:大城丈宗(Production I.G)
編集:近藤勇二
音響監督:田中 亮
音楽:澤野弘之
アニメーション制作:A-1 Pictures

■アニメ「天官賜福 貮」日本語吹替版
毎週日曜21:30~ TOKYO MX/毎週日曜22:30~ BS11にて放送中(放送版)
毎週月曜25:00~ WOWOWにて放送中(オリジナル版)
毎週日曜22:00~ Prime Videoにて配信中(オリジナル版)
毎週日曜21:30~ ABEMA にて地上波同時配信(放送版)
毎週水曜12:00~ 各配信サイトにて順次配信中(オリジナル版)

<イントロダクション>
800年の物語が再び動き出す――
墨香銅臭(モーシャントンシウ)(代表作「魔道祖師」)が描く、美しく壮大な中華ファンタジーのアニメ化第2シリーズ!
仙楽国の皇太子として生まれた謝憐(シエ・リェン)は、人々を救うことを夢見て飛昇し神官となるも、禁忌を犯して二度も天界から追放されてしまう。
そして800年。三度目の飛昇を果たした謝憐は人間界で“三郎(サンラン)”と名乗る少年と出会う。
博識で物怖じしない不思議な少年・三郎(サンラン)の正体は、鬼界の王と恐れられ天界と敵対する鬼、“花城(ホワチョン)”。
謝憐はその正体に気付くも、ともに過ごすうちに彼との絆を深めていくのだった…。
半月関での事件を解決し、三郎が謝憐のもとを去ってから暫く経ったある日。
帝君・君吾(ジュンウー)によって天界に召喚された謝憐は、ある神官が救援を求めているという情報を聞き、死者の領域である鬼界に足を踏み入れる――

【キャスト】
謝憐(シエ・リェン):神谷浩史
花城(ホワチョン):福山潤
霊文(リンウェン):日笠陽子
君吾(ジュンウー):子安武人
風信(フォン・シン):古川慎
慕情(ムー・チン):小林千晃
師青玄(シー・チンシュエン)(男):島﨑信長
師青玄(シー・チンシュエン)(女):川澄綾子
郎千秋(ラン・チエンチウ):山下大輝
裴茗(ペイ・ミン):諏訪部順一
裴宿(ペイ・シュウ):増田俊樹

【スタッフ】
原作:墨香銅臭
アニメーション制作:天官賜福製作委員会
日本版製作:アニプレックス

<krage プロフィール>
北海道出身、日本人の父、中国人の母を持つ。幼少期から両親の影響でピアノを始める。
多国籍な音楽が常に流れる家庭環境の中、自然と音楽に魅力を感じ、中学校在学中から本格的に歌唱を開始。2020年ソロとしての活動をスタート後は4曲のオリジナルソングをデジタルリリース。

日、中、英語を巧みに使用した新鮮な聴感の歌詞と澄み渡る歌声を武器に、今後の活躍が期待される。

2022年4月、ドラマ「寂しい丘で狩りをする」の主題歌「HIBANA」でSony Music Labelsよりメジャーデビュー。同年10月には2nd Sg 「夏の雪」(TVアニメ「後宮の烏」EDテーマ)を配信した。

©Solo Leveling Animation Partners

動画改編自晋江文学城作家墨香銅臭同名小説©天官賜福製作委員会

関連リンク

krageオフィシャルサイト
http://krage-music.com

TVアニメ『俺だけレベルアップな件』公式サイト
https://sololeveling-anime.net/

TVアニメ『天官賜福 貮』公式サイト
https://tgcf-anime.com/

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