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REPORT

2024.02.06

蕾が咲き、大きな目標への一歩目を踏み出した日―― 岡咲美保“Miho Okasaki 1st LIVE 2024 ~キラメキブルーム~ supported by animelo”レポート

蕾が咲き、大きな目標への一歩目を踏み出した日―― 岡咲美保“Miho Okasaki 1st LIVE 2024 ~キラメキブルーム~ supported by animelo”レポート

武道館ワンマンを“夢”ではなく“目標”だと感じさせる、確固たる表現力

歌唱後には2着目の衣装に触れ「お姫様になっちゃったー!」と喜びをあらわにしていると、いつの間にかステージにはシックな椅子と、花の挿された花瓶の置かれたテーブルが。その椅子に腰掛けて歌い始めたのは、花瓶に挿された花の名前を持つ曲「フリージア」。ゆっくりと優しく歌い始め、2-Aメロでは歌詞に込められた淡い恋心を表すように身体を少しかがませて卓上のフリージアを微笑みながら見つめつつ歌唱するなど、ダンスとは異なる形で視覚的にも楽曲の中の想いを表現。それがより、心にこの曲を焼き付けさせる。また落ちサビではファルセット成分強めに歌って切なさや儚さを強く出した一方、大サビでは一気に感情を盛り上がらせて、歌声を通じて観客の心を揺さぶっていった。

歌唱後、今度は雨傘を差しての「Rainy Smiley」へ。ここでは心にそっと寄り添うような優しさを乗せていく。Dメロでの、声を震わせながらも感情をあふれさせずにギリギリこらえてから、大サビで光が差し込み雨上がりを感じさせるような流れを感じさせる歌唱がとにかく見事。そのストーリーを通じて、アッパーチューンとは異なる形でファンにエネルギーを与え、歌唱後には「しっとりと、1人1人に“頑張ってえらいね”という気持ちで歌いました」と振り返った。

そんな空気を一変させたのが、次の「ミラー」。スレた表情とともにこの曲ならではの刺々しさを、頭サビからドスを利かせて表現。ただ刺々しいだけではなく、その奥にはすごみや圧が確固として存在しており、やり場のない苛立ちを抱えた主人公像が浮かぶ歌声。音源以上に、心に痕を残すような1曲へと仕上げていた。そこから世界を再び明るいほうへと向かわせてくれたのが、「Starting Bell」。再び笑顔になり観客をノセつつ、マイナーコードに転じるサビも歌声に力強さを伴わせて疾走。かっこよさも感じさせながら、新たな始まりの姿をみせていく。

歌唱後、「めっちゃ盛り上がったね!」と喜びをあらわにする岡咲。ファンの声援やペンライトの輝きへの感謝を改めて言葉にすると、ラストナンバーとして「インフィニット」を歌い始める。直前で「1人1人に目線を配っているつもりです」と語ったとおり、この曲でもまた手を振りながら視線を交わしつつ歌唱。そのうえで、青空へと伸びていくような爽快感ある歌声を響かせていく。大サビ直前「いいかい!?」のフレーズで歌詞になぞらえ左耳を突き出して声を聴く仕草など、余裕さえ感じるステージングで観客を沸かせる姿から、この先の彼女への期待がさらに高まったファンも多かったはずだ。

最後はキラキラの笑顔でジャンプエンドを決めて、一礼とともに降壇。それから、どこからともなくアンコールを求める声が上がり始める。その、岡咲のための精一杯の「おーみーほ!」の声が大きく響き続けると、「Dream In Wonderland」からもうちょっとだけ、夢のような時間の延長戦がスタート。ドリーミーで伸びのある歌声をしっかり響かせ再び世界を作っていき、2-Aメロなど要所の振付でハートを撃ち抜くなど、パフォーマンスも含めて華やかにアンコールの幕開けを飾った。

曲明け、舞台裏からもよく聴こえたアンコールの声へと感謝すると、その声を送ってくれたファンをバックに記念撮影。そして、1stワンマンを迎えた気持ちを語り始める。「自信がなかったときが多かった」と素直に告白し、「『ハピネス』で幕が上がったときに、みんながキラキラした光を届けてくれて、『ここが私の居場所』と思っていいんだなと思いました」と声を詰まらせながらも溢れる想いを確かに届けていく。そして「正直、今幸せだから“これでいいかな?”とか思っちゃいがちなんだけど……まだまだ上に行けるよね?」と問いかけ、「私、武道館でライブがしたいです!」と堂々宣言。その瞬間から長く続いた拍手と歓声は、激しくも温かなものだった。

そしてそのまま、共作の形で作詞にも携わった新曲「あと、ちょっと」をサプライズ初披露。直前に語ったような自身の内面をまっすぐに込めながら、最後には前向きに一歩を踏み出していく姿を浮かばせるミドルナンバーで、MCでの言葉と合わせて受け取ると「ファンとともにありながら、着実に前へと進む」という彼女の“在り方”の宣言のようにも感じられる1曲だ。ちなみにこの曲はデジタル配信が既にスタート。ライブに足を運べなかった方も、ぜひ彼女の想いを楽曲を通じてすくいとってほしい。

歌唱後、披露を終えた安堵もあってか、「あー、ドキドキした!」と笑顔に戻る岡咲。その笑顔のまま、盛りだくさんのハッピーなお知らせを伝えていく。そのうち特筆すべきなのは、やはり4月24日に2ndアルバムのリリースが決定したことだろう。その中に収録される新曲「カナタボシ」はアニメ『THE NEW GATE』のEDテーマに起用され、岡咲も声優としてユズハ役での出演が決定していることも合わせて発表された。

そんな告知を経て、次に歌う曲が本当のラストナンバー。タオルを手にし、歌詞になぞらえて「世界で一番幸せになれますか!?」と観客のボルテージを改めて引き上げて、「ALRIGHT!」をスタートさせる。タオルを振りながらジャンプする観客と互いに笑顔で視線を交わしながら、最後までポジティブさ満載の歌声を響かせていく岡咲。ギターソロ中にはタオルを回して風を送るなどの茶目っ気もみせつつ、改めてジャンプエンドで曲を締めて“持ち歌全曲披露”を達成。超満員の観客へ感謝の一礼をし、「めちゃくちゃ盛り上がったね!楽しかったね!」と最高の笑顔を見せ、最高の1stワンマンライブは幕を下ろしたのだった。

既発曲のすべてを披露したとはいえ、このライブはゴールではなく「まだ“岡咲美保”は、始まりでしかない」と提示し、同時にまだまだ鮮やかに色づいていくであろう未来をも感じさせてくれたのがこの日のステージ。それは本編ラストに「インフィニット」を、全体のラストナンバーに「ALRIGHT!」を選択したこと、さらには今まで歌唱してきた多彩なナンバーを雰囲気に応じて2部構成のように上手く組み上げ、それを見事なパフォーマンスをもって届けられたからこそ生まれた印象に違いない。彼女の“居場所”はさらに大きく広がっていくはず――そう確信させて余りあるほどの、大充実・大成功のライブだった。

Miho Okasaki 1st LIVE 2024 ~キラメキブルーム~ supported by animelo
2024.01.27@関内ホール 大ホール

【SET LIST】
M01. ハピネス
M02. ペタルズ
M03. MY SPIRAL
M04. キボウノレシピ
M05. 好きじゃないよ
M06. Maybeヒロイン
M07. ファンタジック♡ファンファーレ
M08. Popping Moments
M09. アンビリバボーアンセム
M10. ワラウカドニハ!
M11. バブルス
M12. ココロトラベル
M13. 琥珀の心音
M14. 魔法の言葉
M15. カレイドスコープ
M16. フリージア
M17. Rainy Smiley
M18. ミラー
M19. Starting Bell
M20. インフィニット
EN1. Dream In Wonderland
EN2. あと、ちょっと(新曲)
EN3. ALRIGHT!


●リリース情報
岡咲美保 2nd Album
『タイトル未定』
2024年4月24日(水)発売

【CD+Blu-ray盤】
品番:KIZC-750~1
価格:¥8,800(税込)

【通常盤】
品番:KICS-4145
定価:¥3,330(税込)

<CD>
・Maybeヒロイン
・カレイドスコープ
・琥珀の心音
・ココロトラベル
・キボウノレシピ
・アンビリバボーアンセム
・あと、ちょっと
・カナタボシ
他、新曲4曲(収録順未定)

<Blu-ray>
・新曲MV
・新曲MV&ジャケット撮影メイキング
・「Miho Okasaki 1st LIVE 2024~キラメキブルーム~supported by animelo」ライブ本編映像

関連リンク

岡咲美保 オフィシャルサイト
https://okasakimiho.com/

岡咲美保 オフィシャルX
https://twitter.com/okasakimiho_PR

岡咲美保 オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/c/okasakimiho

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