INTERVIEW
2024.02.07
――楽曲の話に戻りまして、「修羅に堕として」のレコーディングではどんなことを意識して歌われましたか?
sana Aメロからサビにかけての流れで、どんどん色が付いていく感じを意識しました。Aメロの歌詞は自分自身に問いかけている部分で、静寂が似合う感じだと思うので、ささやくような歌い方を大事にしていて。そこからサビにかけて、自分の中に秘めていた感情がどんどん溢れ出していくような流れを作るようにしました。サビは結構さらけ出しているので、私もリミッターを付けず、開放的な気持ちで歌っています。特にアタックのところは、かっこ良くしたかったので、“僕はずっと”の“と”の歌声の鋭利さや声のかすれ具合はこだわりました。でも、レコ―ディングしたのは半年以上前なので、今音源を聴くと「もっといけたなあ」と思って。なのでライブではさらに頑張りたいと思います。
――音源でも十分すごい迫力ですけどね。このサビの“ずっと”“もっと”“やっと”と韻を踏んでいく部分、最後は“あなたがやっと。”になりますが、これは「満たされない気持ち」が満たされた瞬間のようにも感じられます。
sana 多分、この楽曲は「痛み」のことを描いていて、この曲の主人公も誰かを傷つけることや「痛み」でしか満たされない人間だと思うので、その“あなた”というのは「愛情」的なものではないと思うんです。なので、この主人公が大切だと思っていても、一般的に見ると正しい心の満たし方なのかな?と思います。
――そこは『異修羅』の修羅ならではの気持ちですよね。戦いの中でしか満たされないっていう。
sana そうなんですよね。かなり修羅目線なので、その域に行かないとわからない感情だと思っています。スポーツや競技でも、世界一になってしまって、これ以上敵がいなくなってやる気をなくしてしまう選手がたまにいると思うんですけど、そういう感覚なのかなって。羨ましいですよね。私も早くその領域に行きたいです(笑)。
――ステージの世界で修羅を目指してください(笑)。あと、先ほど話されていた冒頭の“空っぽなんだ、僕を満たして。”の部分も、歌い出しでリスナーの心を掴むためにこだわったのではないでしょうか。
sana ここは一番大事なところなので、何回も録り直しました。アニメサイドからも歌い方の指定があって。仮歌のときは下から始まってくる歌い方だったんですけど、頭から力強く歌ってほしいということで、今の形になりました。
――フルバージョンのラストも“空っぽなんだ、僕を満たして。”というフレーズで終わりますが、ここが冒頭のインパクトのある歌い方とは違って、やや無機質なコーラスっぽい歌い方になっているのもいいなと思いました。
sana かっこいいですよね。しかもラストに2回繰り返すところが良くて。最初の“空っぽなんだ、僕を満たして。”は、まだ救いを求めている感じがありますけど、最後の部分は、諦めというか「もういいや……」みたいなニュアンスも含まれているのかなと思っていて、そこも良い味になっていると思います。
――オープニングアニメをご覧になった感想も教えてください。
sana サビで修羅たちが次々と登場するシーンは、観た瞬間「かっけえ……!」ってなって、ニコニコ民とか海外のリアクション動画みたいな反応をしてしまいました(笑)。でもバトル作品はそういうのが大事だと思うんですよ。やっぱりコメントで「うおおおおおお!」って弾幕を張りたくなるような気持ちにならないとダメだと思っていて。「語彙力が足りなくなる」って言いますけど、「うおおおおおお!」はこの世で一番大事だと思います(笑)。
――なるほど(笑)。その「うおおおおおお!」なオープニングアニメとは別で、sanaさんが出演するMVも公開されています。こちらはどんなコンセプトで撮影されたのですか?
sana 歌詞に“赤”や“黒”といったワードが出てくるのですが、今回は赤を一番印象的に見せられたらということで、荒涼とした場所に私が1人で佇んでいて、その後ろに赤色の布がたなびく、理想が形になったMVになりました。衣装は黒にすることで対照的な映像にしていただきました。
――日が落ちていくなか、その花とイスが燃え上がるシーンもインパクトがありました。
sana あれは、日が落ちる最後の5分くらいの時間に、「今しかない!」ということで、みんなでめちゃめちゃ急いで燃やしたシーンになっております。私も燃えるシーンを楽しみにしていたんですけど、寒すぎてそれどころじゃなくなってしまって。燃えたらきっと温かくなると思ったんですけど、近づきすぎると危ないので距離を取っていたので、意外と暖を取れなくてショックでした。
――よっぽど寒かったんですね(笑)。さて、本楽曲で新体制の活動が本格始動したわけですが、今後の展望を教えてください。
sana 本気でライブ活動をやりたいし、それが今の一番の目標です。今まではイベント出演が多くて、「これがsajou no hanaのライブです!」というものがまだ出来上がっていなかったし、デビュー直後に開催したワンマンライブ(2019年5月開催の“沙上の夜 act1”)も、自分の中では後悔が残るライブだったんです。でも、3月のワンマンライブ(“sajou no hana ONE MAN LIVE 『Red』”)では、5年の活動を経た今だからこそできるライブをお見せできたらと思います。ワンマンでは生バンドにこだわっていきたくて、3月のライブもフルバンドで行うので、ここはぜひ太文字で、文字のサイズを100ptでお願いします(笑)。
――100ptはデカすぎです(笑)。そういえば2020年2月には“リスアニ!LIVE 2020”にも出演されましたが、あのライブはsanaさんにとってどんな経験になっていますか?
sana 自分にとっては初めてのフェスで、記憶が抜け落ちているレベルで緊張したんですよ。でも、あそこまで多くの人の前で歌うと、人からもらえるパワーのすごさを感じました。きっと今であれば、いただいた熱量をちゃんとお返しできると思うんですけど、あのときは圧倒されてしまって。大舞台で歌っているほかのアーティストさんへの尊敬の気持ちが強くなりましたし、自分にとってはすごく良い経験になっているので、今度はもらうだけではなくて、皆さんにちゃんとお返しできる活動ができたらと思います。
――最後に、sanaさん個人としての2024年の抱負があれば聞きたいです。
sana なんだろう?今は「ワンマンライブを成功させたい!」という気持ちで頭の中がいっぱいで……でも、私、毎回現場にペンを持って行くのを忘れてしまうんですよ。いつもスタッフさんにペンを借りてメモを取っていて。2024年は、私自身がちゃんと筆記用具を持っていくようにして、スタッフさんに迷惑をかけないようにしたいなって思います。
――ずいぶん些細な抱負でした(笑)。
sana でも、昨日が仕事始めだったんですけど、新年一発目なのにペンを忘れちゃいました(苦笑)。あっ、あとちゃんとした目標も思い出しました!私は初対面の方からミステリアスと言われることが多くて、それは褒めていただいている意味でもあったりするんですけど、私的には殻を破れていない証なのかなと思うんですよ。だからもっと自分を知らない人に対して、自分はどういう人間なのかを伝えられるようになりたい目標があります。
――それこそ人との繋がりに充実感を覚えるようになった、というお話しもありましたが、そういった方向に気持ちが切り替わったきっかけはあるのですか?
sana やっぱりコロナが自分の中では大きすぎて。コロナ前は、デビューしてから目の前のことをこなすのに必死で、義務感で動いていたところもあり、楽しむよりも不安や疑問で頭の中がいっぱいになっていたんです。でも、いざコロナで色んなものがストップしたときに、生き甲斐が無くなってしまった感覚、無力感をすごく感じたんですね。そこから、それまでは「義務感」だったものが「歌いたい」という気持ちに変わって。ライブも、以前は「100%のパフォーマンスをしなくては」という想いだけだったのが、今は皆さんがどんな反応をしてくれるのか楽しみで、自ら「ライブをしたい」という想いに変わりました。多分、最初の頃は「sajou no hana」像みたいなものを自分の中で消化しきれていなかったと思うんです。sanaとしてではなく、sajou no hanaとして、翔さんとキタニさんが作ってくれた楽曲をちゃんと伝えていかなくてはいけない役割はあるけど、自分の立ち位置がよくわからなくて、迷いもあった。今はそういう部分も自分の中にちゃんと落とし込まれて、自然体になれたのかなと思います。
●配信情報
sajou no hana
「修羅に堕として」
作詞・作編曲:キタニタツヤ
配信中
配信リンクはこちら
https://nex-tone.link/A00133291
■mora
通常/配信リンクはこちら
ハイレゾ/配信リンクはこちら
Music Video
●作品情報
TVアニメ『異修羅』
2024年1月3日(水)からTOKYO MX、BS 日テレほか全22 局にて放送中!
TOKYO MX、BS日テレ、サンテレビ、KBS 京都、メ~テレ、 HTB 北海道テレビ、RKB毎日放送、テレビ新広島、ミヤギテレビ、テレビ静岡、テレビ新潟、IBC 岩手放送 テレビユー山形、チューリップテレビ、福井テレビ、テレビ山梨、山陰放送、あいテレビ、長崎放送、南日本放送、琉球放送
※一部エリアは放送開始日が異なります。
TOKYO MX 毎週(水) 23:00~
BS日テレ 毎週(水) 24:00~
サンテレビ 毎週(水) 25:00~
KBS 京都 毎週(水) 25:00〜
メ~テレ 1月4日(木) 26:15~
HTB 北海道テレビ 毎週(水) 25:55~
RKB毎日放送 毎週(水) 27:00~
テレビ新広島 1月10日(水) 26:00〜(初回のみ1 話、2 話連続放送)
ミヤギテレビ 毎週(水) 25:59~
テレビ静岡 毎週(水) 25:55~(初回のみ26:05〜)
テレビ新潟 1月10日(水) 26:59~(初回のみ1 話、2 話連続放送)
チューリップテレビ 1月4日(木) 26:26~(初回のみ25:56~)
長崎放送 1月4日(木) 25:55~(初回のみ25:40~)
福井テレビ 1月6日(土) 25:15~
琉球放送 1月8日(月) 26:19~ (初回のみ25:44~)
山陰放送 1月8日(月) 26:00~
IBC 岩手放送 1月10日(水) 26:28~
テレビ山梨 1月10日(水) 27:00~
あいテレビ 1月10日(水) 25:30~
南日本放送 1月11日(木) 26:05~
テレビユー山形 1月13日(土) 25:58~
AT-X 1月5日(金) 22:30〜(リピート放送:1/9(火)10:30〜、1/11(木)16:30〜)
配信
ディズニープラス:毎週(水) 23:00~
見逃し
YouTube(KADOKAWA Anime Channel):1 月10 日(水) 23:00〜
https://www.youtube.com/@KADOKAWAanime
ABEMA 1月10日(水) 23:00〜
【スタッフ】
原作:珪素(電撃の新文芸「異修羅」/KADOKAWA刊)
原作イラスト:クレタ
総監督:高橋丈夫 監督:小川優樹
助監督:朝岡卓矢、浅利藤彰、間島崇寛、青柳宏宜
シリーズ構成・脚本:猪原健太
キャラクターデザイン:菊地洋子、高品有桂
モンスターデザイン:反田誠二、飯島弘也
メカデザイン:鈴木勘太
ワールドデザイン:福島達也
美術設定:須江信人、多田周平
背景美術:草薙
美術監督:小倉一男、畠山佑貴
色彩設計:歌川律子
撮影:サンジゲン
撮影監督:井上麻梨
編集:丹 彩子、新沼奈美
音楽:得田真裕
音楽制作:KADOKAWA
音響監督:濱野高年
音響効果:中島勝大
音響制作:マジックカプセル
CG アニメーション制作:サンジゲン
アニメーション制作:パッショーネ
製作:異修羅製作委員会
【キャスト】
柳の剣のソウジロウ:梶裕貴
遠い鉤爪のユノ:上田麗奈
星馳せアルス:福山潤
静寂なるハルゲント:大塚明夫
警めのタレン:朴璐美
鵲のダカイ:保志総一朗
夕暉の翼レグネジィ:森久保祥太郎
晴天のカーテ:雨宮天
世界詞のキア:悠木碧
赤い紙箋のエレア:能登麻美子
濫回凌轢ニヒロ:高橋李依
音斬りシャルク:山寺宏一
鎹のヒドウ:岡本信彦
速き墨ジェルキ:子安武人
海たるヒグアレ:杉田智和
月嵐のラナ:花守ゆみり
通り禍のクゼ:三木眞一郎
静かに歌うナスティーク:堀江由衣
<イントロダクション>
“魔王”が死んだ――
地平のすべてを恐怖させた世界の敵が、何者かに倒された。
成し遂げた勇者は未だ、その名も実在も知れぬままである。
そして、恐怖の時代が終息した今、世界の脅威となり得る“力”だけが残された。
尋常では相対することも叶わぬ、百鬼魔人の如き“修羅”たちが――
あらゆる“力”の頂点を極めた“修羅”たちは、その願いのため、尊厳を、矜持を、命を懸けて飛び込んでいく。
誰も見たことのない、誰にも止められない新たな闘争。
最後に残る、ただ一人の “勇者”を決める戦いが今、幕を開ける。
主題歌
オープニングテーマ:sajou no hana「修羅に堕として」
エンディングテーマ:鈴木このみ「白花」
(c)2023 珪素/KADOKAWA/異修羅製作委員会
●ライブ情報
sajou no hana ONE MAN LIVE『Red』
2024年3月17日(日)
OPEN 18:00/START 18:30
会場:Spotify O-Crest
<チケット>
全自由 ¥4,400(税込) ※別途ドリンク代
受付URL
http://l-tike.com/sajounohana/
「シルフィウム vol.3」
2024年3月24日(日)Spotify O-nest
開場OPEN 11:00/開演START 11:30
会場:Spotify O-nest
出演:sajou no hana/前島麻由
<チケット>
全自由 ¥4,500 ※別途ドリンク代
受付URL
https://eplus.jp/silphium-vol3/
sajou no hana オフィシャルX
https://twitter.com/sajounohana
TVアニメ『異修羅』公式サイト
https://ishura-anime.com/
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