INTERVIEW
2024.02.03
声優とアイドルの活動を両立するハイブリッドユニット・i☆Risが、1月24日(水)に24thシングル「White Lyrical Kingdom /キセキ-ノ-フィラメント」をリリース。今年初夏公開予定の劇場版アニメ「i☆Ris the Movie – Full Energy!! -」を盛り上げるべく立ち上げられた“全力コラボ”の第三弾・第四弾となる楽曲を収録している。今回はそのうち「White Lyrical Kingdom」の作編曲を手がけた佐藤純一(fhána)と、メンバーの芹澤 優・若井友希との対談を敢行。楽曲や歌に込めた想いはもちろん、互いの印象など様々な話題について語ってもらった。
なお、本対談はYouTubeのi☆Ris公式チャンネルの協力のもと実施。「プロデューサと一緒にFull Energy!!対談」と併せて、ぜひ両方ともチェックしてほしい。
i☆RisチャンネルYouTube:
https://www.youtube.com/channel/UCi6z7BymHrLuUSr9bLK3T-Q
INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次
――まず最初に、今回のコラボ前にはお互いがどんな印象を持たれていたのかからお聞きできますか?
佐藤純一 僕はfhánaでデビューをした頃は、恥ずかしながら「声優アイドルグループ」についてあまり詳しくなかったんです。そんななかで、例えば“Animelo Summer Live”などで何度かご一緒させていただいているうちに「i☆Risさん」という存在が、だんだんインプットされていきまして。
若井友希 たしかに、めっちゃ共演しましたもんね。深くコラボみたいなことをしているわけではないけど、「毎回フェスで会うよなぁ」みたいな(笑)。
佐藤 もちろんほかにもたくさんの人と同じ日に出演するわけですけど、際立って印象に残ったんですよね。ステージ上の存在感とか華やかさとか……「明るく楽しい」だけじゃなくて、エモさとか、「気合い」みたいなものが伝わってくる感じがして。
若井 あー……我が強い感じですね(笑)。
佐藤 そのなかから、バンドっぽいマインドもちょっと感じたんですよ。
芹澤 優 えー、すごい嬉しい!
若井 嬉しいね。褒めてもらった……!私はまずfhánaさんに対しては、最初にアニメフェスとかで共演させてもらったとき、まずtowanaさんの歌声にびっくりしちゃって。私くらいちっちゃい方があんなハイトーンを出して、「すごい!」と感じたんです。で、佐藤さんの音楽の世界観というか、独特のサウンドみたいなものに「fhánaさん」という個性をすごく感じて、「わー!」って思ってたんですよ。……「『わー!』って思ってた」って、ちょっと語彙力足らないですけど(笑)。
佐藤 若井さんは、一度しっかりお話させていただいたときに元々シンガー・ソングライター志望で「すごく音楽に本気な人なんだ」と知って、ソロの曲も聴かせていただいたり……。
若井 ソロライブにも来てくださってましたもんね。
佐藤 はい。ライブハウスでの、すごい初期のソロライブにも。それもすごく良かったですし、その後コロナ禍中のオンラインライブも、結構観させていただいていたんですよ。
若井 ありがとうございます!めっちゃ知ってくださってる……。
佐藤 僕が観させていただいたライブはピアノを弾きながら歌ったりとかしていたものなんですけど、すごく世界に入っている感じがしたんですよね。そうなると、周りの空気感がも変わる感じがしてくるというか……ライブが始まったばかりのふわふわした感じから、中盤くらいでキラーソング披露したところでググッと世界に入り込むような感じになって。周りの空気を変わったのが分かってすごいな、と感じました。
若井 えー、めっちゃ嬉しい、ありがとうございます。
芹澤 私が佐藤さんを佐藤さんとして認識したのは、私が上野さん役で出演していた『上野さんは不器用』のOPテーマ「閃きハートビート」を、みっく(伊藤美来)とコラボで作ってらっしゃったとき。アフレコのVにその仮歌が入っていて、Vチェックしながら毎回「めっちゃ良いOPだなぁ」と思っていたら「コラボだ」と聞いて「わわっ、すごい……」となったんですよ。towanaさんの歌声とfhánaさんという世界観だと、神秘的だったりノスタルジックさがあったり芯に響くような音楽のイメージがあったんですけど、「閃きハートビート」はめっちゃキュートで「すごいハッピーサウンドだ!」と思ったんですね。そのときの「佐藤さんってなんでも書ける、すごい方なんだなぁ」いうのが、最初の印象でした。
佐藤 芹澤さんも、オンラインライブで印象深かったことがありまして。コロナ禍には色んなアーティストさんがオンラインライブをやられていましたけど、芹澤さんのソロのオンラインライブは一味違っていたんですよ。かなり広い空間に部屋とか街の中とかステージとかたくさんのセットが組まれていて。その中をシーンごとに移動しながらライブをしていて……その演出がすごく良いなと思ったんです。それで、そのあとfhánaの「愛のシュプリーム!」という曲のMVを作るときに、「芹澤さんのオンラインライブみたいな感じ、良いなぁ」と思い浮かんで。たしか「どこで撮影したんですか?」とか聞きましたよね?
芹澤 そうです。「どうやってやったんですか?」みたいなことまで聞いていただいたので、お答えして。完成したのを観たんですけど、もう最高でした……!
若井 おー。それは、良い裏話ですねぇ。
芹澤 意外と繋がりがいっぱいありましたね。
――では続いて、「White Lyrical Kingdom」についてお聞きしていきます。まずこの曲のコンセプトがどのように決まって、それを佐藤さんはサウンド面からどう膨らませていったのでしょうか?
佐藤 リリース時期が冬ということもあって、最初に「“冬の恋愛ソング”×冬レジャー×テンポ感のいいポップチューン“みたいな曲を作ってほしい」お話をいただいたんですね。それで、実際に作曲に着手するまでの間にfhánaの10周年企画があったりするなかで「i☆Risさんも11周年なんだ」と気づいて……自分たちもそうなんですけど、10年活動するって結構大変なことですよね?それで「i☆Risさんはこの10年を乗り越えてるんだ」みたいなことをすごく思って。
芹澤 確かに。
佐藤 それを意識したうえで、先ほどお話したようなコロナ禍での芹澤さんや若井さんの取り組みとか、もちろん皆さんアニメにも声優として出演されていることを考えたときに「すごい、戦ってきてるんだなぁ」と思って。今まで自分も色々もがいてきたつもりなので、そのときにシンパシーを感じたんです。
若井 シンパシー!嬉しい……。
佐藤 だから、10年以上最前線で戦い続けているi☆Risさんたちを祝福したい。でも「おめでとう!」の気持ちだけではなくて、これからまだ見ぬ未来がたくさんあって……新しい扉を開け続けていく。戦い続けていくi☆Risさんを祝福しつつ応援しつつ、色んな未来がまだまだ待っている、みたいな気持ちも込めて作った曲なんです。そうしたら、自分の中ではAメロには冬レジャー感がすごくあるんですけど、Bメロはちょっとかわいい感じで、サビに入った瞬間に急に祝福モードに入るような曲になりました。
芹澤 いやー、すごい!私、佐藤さんがこの曲を書いてくれたことがすごく嬉しいんです。私もfhánaさんの10周年インタビューを読ませていただいて、同じく戦ってるように感じたからこそ、「ここまで来たんだ」ということを同じ業界の先輩から「おめでとう!おつかれ!」と言われている感じがしてすごく嬉しくて。「頑張ってきて良かったな」とすごく思いました。あと、サビの頭で“描き放題だから”と言われて、「先輩がそう言ってるんだから、まだまだいけるよなぁ」いう気持ちにもなりましたね。
佐藤 あのサビ頭は、僕も泣けてきましたね。今みたいな説明を畑 亜貴さんに作詞用の資料を送るときにメールにしたためたら、この歌詞が上がってきたんです。
若井 いやー……よりじんとくる。
芹澤 うん、じんとくるよね。1年目が歌っても良い歌詞だけど、10年目の私たちが歌うことに、すごいエモさと勇気をもらうような感じがします。
若井 私は佐藤さんのサウンド面とか、あとは溢れるハッピー感がすごく好きだったから、最初から「佐藤さんが書いてくれた、i☆Risの曲だぁ!」という雰囲気がすごく出ていたのを感じて。あとは「清い!」とも思ったんです。でも完成版を聴いたら、デモよりも「今までに聴いたことがないi☆Ris」の感じが出ていて「これがコラボか!」とすごく感じましたし、佐藤さんから「祝福」とかi☆Risへの想いを聞いてあの歌詞をより思い浮かべて……今、改めて「頑張ってきて良かったなぁ」って感動しています。
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