INTERVIEW
2024.02.04
――そんな歌詞割の中でほかのメンバーのパートも含めて「ここ、歌詞にハマってるなぁ」と思ったり、歌っているからこそ感じたエモさポイントなどはありましたか?
茜屋 エモいというか、上手く言葉にできないんですけど……私、大サビ前のさきさま(=山北)の“We love you!!”好きなんだよね。「ここで『love』が入るの、さきさま言いそうだなぁ」って(笑)。
山北 あ、ほんと?解釈一致だった(笑)。それで言うと、私はひみちゃん(=茜屋)が歌っている2-Aメロかな?“生まれも理由も何も関係ない”っていうところ、良いなぁって。
聴いたらエモいんだけど、「エモい」に寄らせようとしていないところに自然体のエモさがあって良いんだよね。
茜屋 うん。無理に引っ張ってないから。
山北 あとごめんなさい、自分が歌ってるところで……1-Aメロか。“【けれど 僕らは決して 】 諦めなかった どれだけ時代が変わろうとしても”も、「そうだよね、諦めたいことも色々あったけど、諦めなかったよねぇ」っていうようにこの10年以上を感じられるので(笑)、「良いな」って思いました。
茜屋 それと私、結構楽曲の内容とかに自分のメンタルが全部引っ張られちゃうタイプで、昔はかっこいい系の曲に「抗って抗って」みたいなものが多かったので(笑)、自分のメンタルもその感情になっちゃってたんです。でも今回は、そういうものが全然なくて。たしかに苦しんでいるところもありのままに描いてくださっているんですけど、そこに留まらずにちゃんと上を向いていくような全体像だったので、終わったときすごく清々しい気持ちでした。
菊田 やっぱり「またこれから先の歴史も作っていくであろう」という部分も込めて、そういうポジティブな気持ちになれる曲にできたら、とも思っていました。
――そうやって歌われたこの曲、完成版を聴かれたご自身としての印象や感想、どのようなものがありましたか?
山北 ……超良かったです!(笑)。
茜屋 私も「良い曲だなぁ……」って思った。私たちってレコーディングは1人1人だし、私たちはレコーディング順が早かったから、残りの人たちの歌声が合わさったものを聴いていなかったんです。だから合わさったとき、すごい重厚感というか……。
山北 イヤホンで聴いていると、広がりを感じたんですよ。ライブ会場みたいな……。
――どれぐらいの会場規模が浮かびました?
山北 ……やっぱドームくらいですかねぇ?あとは、野外とか……。
茜屋 ベルーナドームとか……。
山北 ……くらいで歌いたいです(笑)。
菊田 でも、僕の気持ちもそんな感じですよ。そういう広いところで、お客さんが拳を突き上げているような……。
茜屋 わー!!最高(笑)!
山北 i☆Ris、ライブでは正面に向けて歌う機会は多いんですけど、後ろにも客席があるようなステージってなかなかないんです。でもこの音響は、360°感あったので……。
――しかも、10周年ライブのようにバンドがいるのも似合いそうです。
山北 めっちゃ似合うと思います!それでバンドの人にこうやってマイク向けて。「SAY!」ってやりたい(笑)。
茜屋 あー、絶対楽しい(笑)!
菊田 たしかに。CDで完パケることで曲って1回の完成は得ますけど、曲ってそこがスタートでどんどんライブで皆さんが歌ったり色んなところで流れたりすることで、成長していきますよね。だから、この曲がどう成長してお客さんとどんな一体感を生み出すのかがすごく楽しみなんです。例えばライブなら、最後にみんなで大合唱しちゃったり、落ちサビ部分でお客さんにマイクを向けて歌ってもらうとか……。
山北 そうすると、ライブの終盤あたりで歌ってもよさそうですよね。i☆Risって、終盤に初期の盛り上がる系の曲を歌って締めることが多かったので、今後のライブのバリエーションにも幅が出そうという意味でも、すごく楽しみです。
菊田 僕自身、そういう新しい需要に応えられればいいなぁと思ったんです。いつも「せっかく自分が参加したからには、何か1つ残せたら」と考えているので。
――さて、ここからは楽曲を離れた質問をさせていただきます。折角の対談という機会なので、お互いに聞いてみたいことなどはありますでしょうか。
菊田 歌を聴いていて思ったんですけど、タイアップ曲のときってオリジナル曲とは違って、タイアップを意識して「こうしよう」というものはあるんですか?
茜屋 私はあります。今までみんなで歌ってきた曲ってポップだったり明るい曲調が多かったんです。でも自分自身は元々ルーツがバラードとかしっとり系とか……浸る系の曲がすごく好きだったので、昔は結構「どうしよう?」って戸惑ったんですよ。なのでタイアップのときは普段とは違って、ちょっと後ろを跳ね上げたりとクセをつけることをすごく意識して歌っていました。
山北 私も、クセをつけることは意識していたかもしれないです。元々は結構マイナー調の曲とか昭和歌謡、あとはクラブの曲が好きだったんですけど、i☆Ris初期は結構「きゅるん♪」「元気!」みたいなのが多かったので、 “山北早紀ちゃん!”みたいな感じで歌っていました(笑)。初期の頃って、そもそも自分というものを色々手探りしている中で歌っていた事もあったんですが、「どれが本当なのかな?」と思いながらずっとやってきていた部分もあるんですよ。最近になってようやく、歌う曲と自分がお互い確立されてきた感じなので、むしろ最近のほうが意識できているかもしれません。
菊田 なるほど!ありがとうございます。
――逆にお二人から、菊田さんに聞いてみたいことはありますか?
茜屋 私、作詞はするんですけど作曲はしないですし、音楽知識もまったくないので曲を作れる方って本当にすごいなと常々思っていまして。作曲ってどういうふうにされているのか気になっているんです。
菊田 僕の場合は、完全に仕事として机に向かって作りますね。よく「お風呂で浮かんだ」とか言う方がいますけど、僕は逆にまったく浮かばないんです。
茜屋 あ、逆にそうなんですね。
菊田 だって、お風呂に集中したいじゃないですか?「なんで風呂のときに考えなきゃいけないんだ」って思うので、僕はもう机に向かって「よし、やるぞ!」みたいな。
茜屋 でも、それでちゃんと浮かぶんですね……羨ましい。
菊田 できないときもありますけどね(笑)。あと、僕は歌詞は書かないんですけど、曲を作る段階で「こういう歌詞が入ったらいいなぁ」みたいなことを考えてもいます。
山北 私も作曲、気になります。締切までに「全然浮かばない!」というときもあるんですか?
菊田 浮かばせるんですよ。それを……。
山北・茜屋 えー!?
山北 ……どういうことですか?(笑)
菊田 取り組んでいれば、何か出るはずなんですよ。それが自分的には100点じゃないと思うから提出できないわけじゃないですか?でも創作物って、例えば自分にとっては60点だったとしても、相手にとっては90点だったりするかもしれない。僕自身も、結構そういう経験をしたことがあるんです。そもそも「本当はもっと良いのが書けるから……」で出さないのは、我々の世界だけじゃなくて仕事としてNGですから。とりあえず、何か形として出す、と。その「形にして出す」というのも難しいから、そこまでいけるかどうかというのはありますけど。
山北 わかりました。……ちなみに「キセキ-ノ-フィラメント」は、何点ですか?
菊田 95点です!あと5点はライブで加算されるんじゃないかなと。
茜屋 なるほど!美しい!
山北 すごい!伸びしろのある回答(笑)!
菊田 斉唱の伸びしろがあると思うので、100点になるときを僕は目の当たりにできるようにしたいですね。
――さて、実は作詞を担当された織田あすかさんからも、山北さん・茜屋さんへの質問をいただいています。「仕事中に良い詞が浮かばないときなどにはストレスを抱えてしまうんですが、もしよろしければ皆さまのストレス発散方法やリラックス方法を教えていただけますと嬉しいです!」ということなのですが。
山北 ……やめてね?お酒とか言わないで(笑)。
茜屋 え、待って、なんで?言おうとしたのに(笑)。
山北 あはははは(笑)!絶対そうだと思った。
茜屋 どうだろう、ストレス発散……私は、布団を殴ったり……(笑)。口を布団とか布にあてて「あー!!」って言ったりして結構発散します。
菊田 わかります。
茜屋 わかります!?
山北 あははは!
菊田 僕、若くてまだアシスタントだったときに、忙しすぎてストレスが溜まっていたとき、会社の小さいブースに入って叫んだりしてましたよ。
茜屋 ヤバい、これが共感してもらえるとは思わなかった(笑)。
菊田 あと、お風呂。ぶくぶくぶくっ!って。
山北・茜屋 あははは(笑)。
茜屋 あれ結構良いですよね?
菊田 良いですね。あとこれも若いときなんですけど、物を投げるのはダメなんだけどスポンジボールみたいな柔らかいものをカーン!って投げたりしてましたね。最近はもうないんですけど。
山北 あと私、リラックス法だと、「家を究極のリラックス場にする」というのが良いなぁと思っていて。間接照明を5~6個置いて、ピンクの照明をつけて、ちょっとお香とかも焚いちゃったりして。あとはお風呂!お風呂もリラックスできる場所なので、ピンクのライトを持ち込んでお風呂のお湯をピンクにして。で、アロマキャンドルを焚いて、お気に入りの入浴剤を何種類も置いておいて「今日はこれ!」みたいな感じで……それかな?
茜屋 すごっ!女子や……。
菊田 徹底してますよね。入浴剤とかは良いって言いますよね。
茜屋 あ、私、「犬吸い」っていうのをしてます。
山北 あー!
茜屋 犬を飼っているので、犬の体にとにかく顔をあてて、「スーッ(※息を吸う)」ってやるとめちゃめちゃリラックスできるんです。
菊田 なるほど……ペットとの触れあいっていうことですね。
――では最後に改めて、「キセキ-ノ-フィラメント」を聴いてくださる方々へのメッセージをお願いします。
菊田 僕たちElements Garden的には、i☆Risさんとのコラボが初めてで「何か僕らにできることはないか?」と考えて出来上がった曲です。本当にライブで完成する曲だと思うので、ぜひライブで披露された際には皆さん一緒に楽しんでいただけたら嬉しいですね。
茜屋 私は個人的に、Elements Gardenさんといつかご一緒したいなと思っていたので、改めて自分という姿のままでご一緒できたことが本当に嬉しいです。曲も我々にすごく寄り添ってくださっていますし、さっきさきさまが言っていたようにみんなが向かい合って1つのマイクで歌っているようなイメージが私もすごく湧きましたし、実際ライブで歌うときにはどんな演出になるかも含めてすごく楽しみで……ぜひ皆さんも一緒にコール&レスポンスとか、なんなら一緒に歌ってもらって。この「キセキ-ノ-フィラメント」をどんどん成長させていけるよう私たちも頑張りたいと思っています。楽しみにしていてください!
山北 「キセキ-ノ-フィラメント」は曲や歌詞はもちろんタイトルまで含めて、12年目の今のi☆Risちゃんにピッタリな素晴らしい曲として作っていただけました。ただ……やっぱり現時点では95点とのことなので、いっぱい聴き込んでいただいて。コール&レスポンスとかを覚えて、残りの5点ぶんを皆さんで作り上げてくださったら嬉しいです!
▼また、今回は両者への質問と合わせて、作詞を担当した織田あすかへのメールインタビューも敢行。こちらもぜひお読みいただき、楽曲に込められた想いやねらいをより感じてもらえれば幸いだ。
――今回のコラボ前、i☆Risさまにどのような印象をお持ちだったのかをお教えください。
織田あすか 活動期間が12年目に突入されるということで、人生の中でそれほど長く同じ時を過ごされる関係というのは、そう当たり前にあるのものではないと思います。叶えたい夢を叶えることはとても素晴らしく、容易なことではないでしょうが、その叶えた夢をずっと続けていくことこそ一番難しいことではないでしょうか。そういった世界の中をご活躍され続けているお姿に、個人としてとても尊敬していました。
――この「キセキ-ノ-フィラメント」の歌詞を書かれる際には、どのような要素を大事にしながら制作を進行されていったのでしょうか。
織田 i☆Risの皆さま、そしてファンの皆さまとともに歩まれてきた軌跡をテーマに、「人生は楽しいことばかりではないけれど、だからこそ私たちなりに思いっきり楽しんでいこうよ!」といったメッセージを込めて執筆させていただきました。チームとして、個々として歩みを止めず進み続けるi☆Risさまと、共に歩み応援されてきたファンの皆さま。奇跡とは常々、頑張る人・進み続ける人・諦めない人にこそ起きるものではないかと思っているので、そこでテーマの“軌跡”と、同じ読み方でもある“奇跡”のダブルテーマにしようというふうに着想しました。これまで歩んできた数々の軌跡と、その道のりで起こしてきた数々の奇跡。これまでも、そしてこれからも両方を紡ぎ合いながら、しなやかで強く、美しい絆(フィラメント)となっていく姿をイメージとして落とし込み、表現させていただきました。
――完成版をお聴きになって、どのような感想を持たれましたか?
織田 当たり前の感想を述べてしまい、大変申し訳ないのですが……皆さまハチャメチャに歌が上手い!昔、私の尊敬する方が言っていた「お芝居が上手い人は、歌も上手い」という言葉をまさに思い出して、やはりすごい方々なんだなと改めて感動しましたし、楽曲全体を通して皆さまがそれぞれ歌詞に込めた気持ちがとても強く伝わってきまして……作詞家として、こんなに嬉しいことはないと、思わずうるうるとしてしまいました。個人的に好きな箇所が、各サビの「Yeah!」です。i☆Risの皆さまが元気いっぱいで楽しそうでかわいくて、私も一緒にハンズアップしながら聴かせていただきました!改めまして、全力コラボにお声がけくださったこと、とても嬉しく光栄に思います。本当にありがとうございました。
――「キセキ-ノ-フィラメント」のリリースを楽しみに待たれている方々へ、メッセージをお願いいたします。
織田 私なりで恐縮ですが、たくさんの想いを込めて歌詞を書かせていただきました。i☆Risの皆さまとファンの皆さまが、これからもキセキを紡がれていくキセキを楽しみにしています!こちらの楽曲はライブでこそ真価を発揮するものだと思っていますので、ぜひライブでも楽しんでいただければ嬉しいです!
●リリース情報
i☆Ris 24th両A面シングル
「White Lyrical Kingdom/キセキ-ノ-フィラメント』
2024年1月24日(水)発売
■mora
通常/配信リンクはこちら
ハイレゾ/配信リンクはこちら
▼全力コラボ 第三弾『White Lyrical Kingdom』(読み:ホワイトリリカルキングダム)
作編曲:佐藤純一(fhána)
作詞:畑亜貴
▼全力コラボ 第四弾:キセキ-ノ-フィラメント
作詞:織田あすか(Elements Garden)
作編曲:菊田大介(Elements Garden)
●作品情報
劇場版アニメ「i☆Ris the Movie – Full Energy!! -」
2024年初夏 全国劇場公開
【メインキャスト・スタッフ】
・スタッフ
原作:API×81プロデュース
監督:博史池畠
脚本:福田裕子
キャラクターデザイン:植田和幸
アニメーション制作:スタジオ五組
・キャスト
山北早紀役:山北早紀
芹澤 優役:芹澤 優
茜屋日海夏役:茜屋日海夏
若井友希役:若井友希
久保田未夢役:久保田未夢
シロリス役:??
【イントロダクション】
2012年にデビューし、皆さんに支えられ10周年を迎えたi☆Ris。
<今までありがとう、そしてこれからも見届けて欲しい>
そんな気持ちを込めて…i☆Risの、i☆Risによる、ファンのための劇場版アニメが公開!!
デビューから無我夢中の日々が過ぎ去る中、思わず立ち止まってしまうi☆Ris。
『わたしたちは…10年後、どうなっているんだろう…。』
そんなある日、一筋の光がi☆Risを包み込み、そこには“白い謎のリス”が・・・。
監督・博史池畠(キラッとプリ☆チャン、ダークギャザリング)
×脚本・福田裕子(劇場版からかい上手の高木さん)
×キャラクターデザイン・植田和幸(きんいろモザイク)
メンバー完全取材!!超実力派スタッフが描く、今まで誰も見たことがない“まさかのi☆Ris”とは――
ファンとの絆で紡がれてきた10年の想いが、この映画に込められる――
史上最高の推し映画が2024年初夏誕生!
【劇場前売券情報】
初ビジュアル使用!!「劇場前売券」
2023年11月26日(日)0:00~2024年2月29日(木)23:59まで以下のECサイトにて販売中!!
■ECサイトURL:
https://www.major-j.com/cinema_information.php?id=M20231126002
🄫API・81P/Full Energy!!製作委員会
公式HP
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