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REPORT

2024.01.30

We are ST☆RISH!You are ST☆RISH!――虹と共に迎えた待ち望んだ瞬間。“うたの☆プリンスさまっ♪ ST☆RISH LIVE STAR TREASURE -SUNSHINE-”ロングレポート

We are ST☆RISH!You are ST☆RISH!――虹と共に迎えた待ち望んだ瞬間。“うたの☆プリンスさまっ♪ ST☆RISH LIVE STAR TREASURE -SUNSHINE-”ロングレポート

2010年にゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪」が発売されてから、2023年は13周年。その歌声は多くの人たちを励まし、支え、力になってきた。そんな「うた☆プリ」の始まりのグループであるST☆RISHが単独ライブを開催した。2022年に公開された「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ」で熱いライブを届けたST☆RISH。「いつか自分たちも、リアルで『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ』の楽曲を歌いたい」と話していたキャストが全員で立ったのは宮城・セキスイハイムスーパーアリーナのステージだ。仙台に到着した日に虹が迎えてくれた、という彼らが2日目のステージで見せたライブをレポートする。

TEXT BY えびさわなち

始まりから一体感を。ST☆RISHも観客も待ち望んだ瞬間が今、幕を開ける

アニメ「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE」シリーズの(以下、うた☆プリ)リアルライブステージとしては約2年ぶりの開催となるライブ“うたの☆プリンスさまっ♪ ST☆RISH LIVE STAR TREASURE -SUNSHINE-”が11月25日、26日の2日間、セキスイハイムスーパーアリーナにて開催された。その2日目である26日。ライブ実施会場はもちろん、全国のライブビューイング会場も前夜から続く期待感によって熱を帯びていた。

照明が落ちると、「うた☆プリ」らしい壮大かつ荘厳なSEが響き、オーケストレーションされた音が全国に轟くと、光り輝くステージに一十木音也役の寺島拓篤、聖川真斗役の鈴村健一、四ノ宮那月役の谷山紀章、一ノ瀬トキヤ役の宮野真守、神宮寺レン役の諏訪部順一、来栖 翔役の下野 紘、愛島セシル役の鳥海浩輔が、次々に姿を現す。1人ずつが恭しく礼をしたり、大きく手を振ったり、とアイドルたちのようにスポットライトを浴びれば、会場からは大歓声が上がった。

全員が揃ったところで一瞬、音が止む。“「世界は一つだ」”と彼らの歌声だけが響いて始まったのは「マジLOVEスターリッシュツアーズ」。2022年に公開され、23億を超える興行収入を記録した「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ」のオープニングを飾った1曲が、リアルライブの幕開けを高らかに宣言するように歌い上げられる。「Love!Love!」「Chu!Chu!」と会場に響きわたるコールに笑みを浮かべるキャスト陣。合言葉のように「ST☆RISH!ST☆RISH!」と会場の天井を突き破らん勢いで上がるオーディエンスの歌声。それはライブビューイング会場も同じ。赤に青、黄色に紫にオレンジ、桃色、黄緑と色とりどりのペンライトが揺れ、歌声が上がる。続いたのは「マジLOVE2000%」。誕生から10年間歌い続ける1曲だからこそ、会場の歌声も途切れることなく7人の声に重なっていく。自分のパートではなくても口ずさんでいる7人の姿がビジョンにも映し出され、彼らの愛着の深さも感じさせた。

「“うたの☆プリンスさまっ♪ ST☆RISH LIVE STAR TREASURE -SUNSHINE-”にようこそ~!」と寺島の音頭から全員で挨拶をすると、「Yeah―!」とオーディエンスが大きな声の塊のような歓声を上げ、1人ずつ挨拶。「仙台、最高!」と会場と共に声を上げ、和気あいあいとした7人の様子に、会場も笑顔の花が咲く。前日の公演がめちゃくちゃ楽しかったという彼ら。もちろんここに集うすべての人たちが、2日目も最高の時間にすべく声を上げた。

オーディエンスへと届けるソロベストアルバムの珠玉ナンバーたち!

「みんな、こっちに集まれー!」と寺島が声を上げるとダンサーが登場し、ソロベストアルバムのタイトル曲「I am Here.」が鳴り出す。ステージ後方のビジョンにはクールな表情の音也が映し出されるなか、熱いロックンロールのグルーヴを聴かせる寺島。「Wow wow」と大きなコーラスが湧き上がる会場を煽るように腕を掲げながら共に歌声を響かせると、続いたのは下野。翔のベストソロアルバムのタイトル曲「Sweet Kiss」のイントロで、会場から悲鳴にも近い歓声が。「もっともっと、声を聞かせてくれー!」と煽ると、会場から歓声が上がる。なんとスタンド席にトロッコが登場し、その上で下野が歌っている!観客のすぐ傍まで来て、視線を合わせ、笑顔を見せながら、元気な歌声を響かせていくと、トロッコからの熱気を受けて会場はヒートアップしていく。ソロベストアルバムのタイトル曲を歌うコーナーは続く。

翔からバトンを受け取ったのは諏訪部だ。「おチビちゃん、とってもかわいかったよ。続いてはオレのターン!」と声を上げれば、こちらはアリーナにトロッコで登場!都会的で艶やかなアッパーチューン「Rose Rose Romance」を歌いながら、子羊ちゃんたちへと手を振り、スクリーンに映るレン同様に甘い笑みを見せた。今度はステージ中央へ。「私についてこられますか?」と怜悧な声が響くと、会場は一気に紫に染め上げられる。サングラス姿の宮野が登場し、歌うのはもちろんトキヤの「Target is you!」。レーザーが飛び交うステージの上に立ち、スタンドマイクに向かってエモーショナルなロックチューンを響かせる。サングラスを投げた瞬間には大きな歓声が会場を駆けた。伸びやかな歌声とピアノの情感たっぷりの旋律が鳴る和ロック「HOLY KNIGHT」で鈴村がアリーナにトロッコで登場。「この想い…音楽にのせてお前に捧げよう」とゆっくりと視線を上げれば、会場は青一色に。広大な海のなかを進むように移動していくトロッコの上から、オーディエンス1人1人を見つけるように視線を投げかける鈴村の、真斗のような優しい表情が印象的だった。

「きゃあああ!」と黄色い歓声が飛び交う方向へと視線を走らせれば、スタンド席の通路に登場したトロッコの上で谷山が笑顔で手を振っている。軽やかなエレクトロポップチューン「SUKI×SUKIはなまる!」を軽快に歌う谷山。トロッコの上からオーディエンスへ向けて特大の花丸を放てば、黄色い光が大きく揺れる。「ふふふ」とかわいらしく笑む谷山、最後はカメラに大きくはなまるをつけて会場を笑顔でいっぱいにした。そんな谷山からバトンを受け取ったのはダンサーを率いて登場した鳥海。オリエンタルなビートで紡がれる妖艶な「ステラlight ステラnight」で甘いボーカルを響かせる。黄緑に染まったフロアへ、手を振りながら花道を歩くと、アリーナ中央にあるセンターステージに到達。オーディエンスにぐるりと囲まれながらステージに立ち、セシルらしいかわいさのある歌声で会場を魅了したのだった。「ありがとうございました」とおじぎをする鳥海の背後、センターステージに出てきたほかのメンバーたち。「セシル、最高―!」と音也の声が届くと、くるりと振り返った鳥海は「オトヤーーーー!」と叫びながら、キャスト陣の待つステージへと駆けだす。オーディエンスもほっこりとした場面だった。

想い届けるアコースティックライブコーナー

ソロ曲を届けたST☆RISH。「体温、結構上がったんじゃない?大丈夫?」と諏訪部。「熱いね」と下野も続ける。これまでのライブよりもメッセージの書かれた団扇が多かったと口々に言えば、ついついメッセージに応えてしまうのだ、と笑顔を見せた。ソロアルバムの曲を届けられたことが嬉しかった、と語ると会場からは拍手が。「全曲ライブ、やりますか!」と言い出した宮野の言葉に、会場から賛同の声が上がると「多分10時間くらいかかるよ」と谷山も笑った。「スタリおじさんたちだから」と鈴村の言葉に、体力作りも大事だと頷き合う。メンバー全員が還暦を超えたら7色のちゃんちゃんこを着ようという話題に「(還暦をこえて)違う“寿”になっちゃうよ」と鳥海からの声に笑い合うST☆RISH。夢のある会話に会場も期待の声を上げた。

ここからライブはアコースティックコーナーへ。このライブのためにアコースティックアレンジがされた名曲を、ピアノとアコースティックギター、そして弦楽四重奏で紡ぐ「夢追人へのSymphony」。アニメ『マジLOVE2000%』からの1曲を、歌を渡し合うように紡いでいく7人。ユニゾンの優しさ溢れる歌声で奏でられるシンフォニーにオーディエンスはじっと聴き入っている。時折谷山、宮野のフェイクも加わり、ドラマティックに響いていくなか、ラストは見つめ合う彼らをスクリーンに7分割で映すと、その姿に彼らのここまで紡いできた絆をも感じさせ、真っ直ぐで真摯な言葉は歌に乗って輝きながら確かに届いた。

「最高」と口々に伝え合う7人。「歌って、いいね」という言葉に大きく頷く会場。そこから宮野の「あの、昨日の夜、楽しくなかったですか?」との声に急激に盛り上がるメンバーたち。ST☆RISHのメンバーでご飯を食べたあと、お酒も飲みながら話をしたのだとか。そこから“ST☆RISHはどれだけ仲良しなのか!”と思わせるほどのエピソードが飛び出す。「昨日のライブの映像を見せていただいたんです」と寺島が続けると「資料映像としてね」と諏訪部も加える。ベッドが2つあるホテルの部屋にぎゅうぎゅうになっての「7人で鑑賞会!」と下野。「その様子を後ろから撮った写真を諏訪部さんが送ってきたんだけど、俺ら近ぇよ(笑)!」と谷山が続き、「俺なんて半分、(ベッドから)落ちてたもん」と鈴村が言えば、鳥海も声を上げて笑う。どんなふうに見えていたのか不安もあったものの、映像資料を一緒に見ながら結果として7人で「俺ら、いいね」と絶賛したのだとか。そしてアコースティックコーナーはもう1曲。ST☆RISHがいつも感じているみんなへの想いを歌にしたという「マジLOVEレボリューションズ」からのナンバー、「サンキュ」を歌う。美しい楽器の旋律から7人のユニゾンへ。紡がれる歌声は愛情が滲む。彼らの表情から、ST☆RISHの想いも届く、そんな時間に会場では涙するファンも。

次ページ:あの日のライブが目の前に。スクリーンを飛び出した彼らの熱を浴びるライブを!

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