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INTERVIEW

2024.02.07

アーティスト活動10周年イヤーの締め括りにふさわしい楽曲だらけのニューシングル「ディア・パンタレイ」を上坂すみれが語る。

アーティスト活動10周年イヤーの締め括りにふさわしい楽曲だらけのニューシングル「ディア・パンタレイ」を上坂すみれが語る。

活動の原動力となっている同志にありがとうの気持ち

――カップリングの2曲についても、どういった流れで生まれたのか教えていただけますか?

上坂 「ディア・パンタレイ」が完成したあと、カップリングをどうしようかという話になったんですけど、表題曲がとてもストレートな曲だったので私の趣味にしようと思いました。私はいつも『三国志』を読むときにユーロビートを流していまして。

――そうなったきっかけは何かあったんですか?

上坂 『三国志』って面白いんですけど、読んでると漢字が多いからだんだん眠くなってきちゃうんですよね。ユーロビートは真逆の文化というか、漢字なんてない、平易な英語や日本語で構成されていて目が覚めるようなアッパー曲なので。かけると『三国志』も眠くならずに読めるということに気づきました。しかも、『三国志』に多いバトルシーンにも相性がいいんですよね。元々、私は何か聴きながら本を読むことが多いんですけど、『三国志』だからといって中華っぽい曲を流せばいいのかと思ったらそうでもなくて。過剰になっちゃうんですね。真逆のジャンルの曲は相性がいい説があるので、そういう組み合わせになりました。それにユーロビートなら曲数も多いので。「KOUTOU TIGER」については、1990~00年代のデイヴ・ロジャースのような、ハイエナジー寄りなユーロビートをお願いしました。

――では、上坂さんとしては「KOUTOU TIGER」ができたのは自然な流れだったんですね。表題曲とのバランスを考えてユーロビート、ユーロビートといえば『三国志』、という感じで。

上坂 そうですね。私の中では自然だったんですけど……。広まるといいな。でも、それこそ『パリピ孔明』の例もあるのでその2つの親和性は高いんだと思います。

――ユーロビートの歌詞を書くのは難しくなかったですか?

上坂 それが、今までで一番速く書けた歌詞で。

――勢いに乗せて。

上坂 そうですね。多分、深く考えすぎたらしっかりした歌詞になっちゃうので。『三国志』を知らない人が聴いたらユーロビートの歌詞に聴こえるようなところを狙って、語呂がいい感じで書いたら1日、2日くらいで出来ました。勢いって必要なんだなってすごく思いました。

――歌詞の登場人物として孫家を選んだ理由というのは?

上坂 私はいつも、『三国志』のゲームを遊ぶときは孫策でプレイするんですね。孫策だとお父さんの孫堅も出てきて、弟の孫権くんも出てくるので。なので一番イメージが湧きやすいキャラクターでした。それに孫策の生涯はとても短いんですけれど、やりたい放題って感じで。

――「小覇王」と呼ばれるほどですから。

上坂 孫策がいたから孫権の長い呉の時代があったんじゃないかと思うんです。めちゃくちゃなお兄ちゃんがいたから優秀な弟が生まれたような。(3人は)いい親子ですしね。「ディア・パンタレイ」も「継承」の曲なので。

――あ、なるほど。

上坂 はい。

――さすが色々な意味を絡めていますね。

上坂 あと、「江東の虎」というのは孫権の二つ名ですけど、私も(『うる星やつら』で)ラムちゃんを演じさせていただいて虎づいていますし、今年は阪神も。

――アレしましたね。時代はタイガーである、と。

上坂 そういうことですね。タイガーに感謝の気持ちもありつつ。はい。

――その意味でもやっぱり勢いを大事にしていますね。歌の面で意識されたことはありましたか?

上坂 ユーロビートって色んな歌い方があると思うんですけれども、ハイエナジーのボーカルならかわいい歌い方が合う気がして、声を元気系に振ってみました。反対にハモやコーラスは、これまたユーロビートの伝統だと思うんですけど、すごく大人っぽい女性のコーラスを入れていて、すごく「っぽく」なりましたね。男性の「カモン!」とかの合いの手もありますし、すごく組み合わせがいい感じになったと思います。

――3曲目の「愛々々宣言」は、畑 亜貴さんと伊藤賢治さんが手がけられました。お二人から楽曲提供を受けるのは、1stシングル「七つの海よりキミの海」に収録されている「我旗の元へと集いたまえ」以来、10年ぶりですね。

上坂 10年経ってまた、イトケン(伊藤賢治)さん節や畑さんらしさが全面に出ている歌をもう一度歌わせていただけました。「お忙しいかな?書いていただけるかな?」とは思っていたんですけど、すぐに快諾してくださって。畑さんからは「今のすみれちゃんに“愛”を世の中に広めてほしい」というメッセージをいただき、イトケンさんには10年前同様にディレクションしていただきました。(シングル『ディア・パンタレイ』の)1曲目に戦いの曲を歌って、3曲目で「みんなに愛がありますように」と宣言しているんですけど、10年の歩みの中でいろいろとやってきたからこそこの曲をいただけたのかな、と思えましたね。10年間のすごくいい締め括りの楽曲になったと思います。

――畑さんと伊藤さんにお願いすることは早くから決めていたんですか?

上坂 2曲目を作ってからでした。なのでそんなに時間もなかったと思いますけど、声だけかけてみましょうというところで。イトケンさんのアニソンっていうのも畑さんがかっこいい曲に歌詞を書くのも珍しいですし、ましてこの2人のタッグはなかなか見られないですし、独特のコンビネーションがありますよね。本当にずっとお願いしたかったんですけれども、節目で曲をいただけて本当に良かったです。

――お二方とお会いするのも久しぶりでしたか?

上坂 そうですね。本当に久しぶりでした。なんか「大きくなったね」みたいに言われて。お正月に会った親戚みたいに、しみじみと「良かったね」みたいな感じでしたね。

――伊藤さんとのレコーディングではどのように歌われましたか?

上坂 イトケンさんにはオペラっぽい雰囲気が欲しいみたいに言われまして。地の声よりも低く、男役風というか、かっこ良く勇ましく歌ってみましょうということになりました。優しい歌詞なんですけど力強さが出るように歌ってみました。

――オペラというと、肋骨を開いて歌うような感覚で?

上坂 そこはよくわからないですけど、広がりのある音といいますか。単に低い音を使うというだけではなく、語りかけるような感じで、アタックが強くなりすぎないイメージかと思って歌いました。

――10年ぶりに伊藤さんのディレクションを受けてみての感想は?

上坂 10年前はレコーディングが恐怖というか、どうすればいいのかよくわかっていなかったんですよね。イトケンさんに何を言われたかも覚えていないんですけれどもようやく、「この歌詞を立ててみましょう」といったディレクションについていけるようになりました。デビューしたての頃と違い、ようやく楽しくレコーディングできるようになったというところで時の流れを感じましたね。

――では、お二人に成長した上坂すみれを見せられて良かったですね。

上坂 そうですね。そうだったらいいな、って思います。

――お二人のおかげです、みたいな。

上坂 はい、大きくなりました。

――畑さんはきっとそういう気持ちだったんですね。

上坂 間違ってなかったです。

――色々あった2023年を駆け抜けました。振り返ると何が思い浮かびますか?

上坂 そうですね、1つ挙げるとするなら、やっぱり中野サンプラザの閉館ですね。2ヶ月に及ぶ『さよなら中野サンプラザ音楽祭』の1公演として、最後に声出しのワンマンライブをできたことは、きっと人生の中で思い出す光景になるのかなと思います。あまりにも色んな人が立ってきたステージですし、私も同志(=上坂すみれファン)にグッズを手渡しする練り歩きを初めてやった場所(『第一回 革ブロ総決起集会』)なので、なくなるというのが想像つかなかったんですけど、でもちゃんとお別れができて良かったです。

――『第一回 革ブロ総決起集会』は2014年なので、アーティストとしても初期からお世話になった場所ですね。

上坂 サンプラザに初めて立ったときはバンドさんもいなくて、とにかく広く感じましたね。身に余るという気がしていましたけど、温かい会場というか、客席もすごく後ろまで見えるんですよね。バンドさんが入ったらまた見え方が違いましたけど、やっぱりいつでも受け入れてくれる会場というイメージはありますね。

――2023年は上坂さんにとってアーティスト活動10周年イヤーでもありました。2023年の頭には、1年が終わる頃に実感できる気がする、というようなことをおっしゃっていましたが、10周年イヤーを終えた今の心境を教えてもらえますか?

上坂 10周年ということでフェスにもイベントにもライブにも、そしてラジオもやらせていただいて。『オールナイトニッポン』(『上坂すみれ のオールナイトニッポンX』2023年11月6日)までやらせていただきましたから、10周年の実感は本当にありますね。やっぱり、自分が、というよりも、周りの皆さんがすごくお祝いしてくれるので。同志の方が「自分の初イベントはこれでした」とか「私たちはここで出会いました」といった10年の思い出を色々と話してくれるのが嬉しくて。で、必ず「これからも楽しみにしてます」という言葉で締め括ってくれるんですね。毎週のようにそういうエールをいただき続けてきたので、すごく頑張れる気持ちになりました。特に、途中にはコロナ禍でまったくイベントができない時期を経ての10周年イヤーでしたので、声出ししてみんなでライブを作る楽しさや、地方でなかなか来れない人に向けての生配信やラジオの大事さがすごくわかった1年でもありました。同志のおかげで本当の真っ白なド素人から少しは自信を持って「声優もアーティストもやってますよ」と言えるようになった、2023年はそんな節目の年になりました。改めて「ありがとう」という気持ちを伝えたいですね。


●リリース情報
15th SINGLE
「ディア・パンタレイ」
2月7日発売

【初回限定盤(CD+Blu-ray)】

品番:KICM-92148
価格:¥2,200(税込)

【通常盤(CD ONLY)】

品番:KICM-2148
定価:¥1,430(税込)

【期間限定アニメ盤(CD ONLY)】

品番:KICM-92149
定価:¥1,430(税込)
※キャラクターデザイン・山本真夕子描き下ろしジャケット仕様

<CD>
01.ディア・パンタレイ(TVアニメ『SHAMAN KING FLOWERS』EDテーマ)
作詞:真崎エリカ 作曲:本多友紀(Arte Refact) 編曲:水野谷怜(Arte Refact)
02. KOUTOU TIGER
作詞: 上坂すみれ 作曲:渡辺徹(Blue Bird’s Nest) 編曲:渡辺徹(Blue Bird’s Nest)
03. 愛々々宣言
作詞:畑亜貴 作曲:伊藤賢治 編曲:伊藤賢治
04-06. 各off Vocal ver. 収録

<Blu-ray>
「ディア・パンタレイ」MUSIC VIDEO
「ディア・パンタレイ」MAKING

●リリースイベント情報
対象商品
上坂すみれ15thシングル『ディア・パンタレイ』
・初回限定盤 ¥2,200(税抜価格¥2,000)
・期間限定アニメ盤 ¥1,430(税抜価格¥1,300)
・通常盤 ¥1,430(税抜価格¥1,300)

日程
・2024年3月30日(土)@愛知県&大阪府
・2024年3月31日(日)@東京都

●作品情報
TVアニメ『SHAMAN KING FLOWERS』
テレ東系列:毎週火曜24時より放送中
BSテレ東:毎週火曜24時30分より放送中

<Introduction>
ハオがシャーマンキングとなり、戦いの幕を閉じたシャーマンファイトから、14年後のふんばりが丘。ハオの弟であり、その兄と最終決戦を戦った伝説の戦士・麻倉 葉の一人息子・麻倉 花は、シャーマンとしての才能を発揮出来ず、鬱屈した生活を送っていた。その花の前に、もうひとつの麻倉家を名乗る二人が現れ…。次世代シャーマン達の物語が幕を開ける!

【STAFF】
原作:武井宏之 (講談社「マガジンエッジコミックス」刊)
監督:古田丈司
シリーズ構成:米村正二
キャラクターデザイン:山本真夕子
オーバーソウルデザイン:飯泉俊臣、陸田聡志
プロップデザイン:柴田ユウジ
美術監督・美術設定:木村仁哉
色彩設計:大塚奈津子
撮影監督:川瀬輝之
編集:坂本久美子
音楽:林 ゆうき
音響監督:三間雅文
音楽制作:キングレコード
アニメーション制作:ブリッジ

【CAST】
麻倉 花/麻倉 葉:日笠陽子
阿弥陀丸:小西克幸
アルミ・ニウムバーチ:上坂すみれ
麻倉葉羽:堀江 瞬
朧 大凶:伊藤健太郎
麻倉路菓:小清水亜美
玉村たまお:水樹奈々
ポンチ:宮園拓夢
コンチ:観世智顕
梅宮竜之介:田中正彦
蜥蜴郎:高木 渉
カンナ・ビスマルク:遠藤さき
マリオン・ファウナ:真堂 圭
マチルダ・マティス:美波わかな
一原竜次:三宅健太
伊吹ガッコ:鷄冠井美智子
ナマハ:植田千尋
道 黽:朴 璐美
鴨川羊介:松岡禎丞
フラ・ヤービス:檜山修之
麻倉アンナ:林原めぐみ
ハオ:高山みなみ

オープニングテーマ:水樹奈々「Turn the World」
エンディングテーマ:上坂すみれ「ディア・パンタレイ」

©武井宏之・講談社/SHAMAN KING FLOWERS Project.

関連リンク

上坂すみれ 公式サイト
http://king-cr.jp/artist/uesakasumire

上坂すみれ 公式Twitter
https://twitter.com/uesaka_official

上坂すみれ 公式YouTube
https://www.youtube.com/@uesakasumire

TVアニメ『SHAMAN KING FLOWERS』公式サイト
https://shamanking-project.com/

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