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2024.01.11

大きな進化を果たした第3期fripSide、圧巻のパフォーマンスを披露!“fripSide infinite Resonance 2 tour 2023-2024 at Zepp OSAKA&TOKYO”東京公演をレポート!

大きな進化を果たした第3期fripSide、圧巻のパフォーマンスを披露!“fripSide infinite Resonance 2 tour 2023-2024 at Zepp OSAKA&TOKYO”東京公演をレポート!

第3期fripSideの2023年とは、まさに成長と進化に彩られた1年だった。1月に初の東京公演を成功に収め、“リスアニ!LIVE 2023”に出演したのち、夏には前年に引き続き第3期ボーカリストの阿部寿世&上杉真央の成長を促す全国ライブハウスツアーを経て制作された最新アルバム『infinite Resonance 2』(以下、『iR2』)は、そんなボーカリストの成長が見られた傑作となった。そして本作を伴うツアーの大阪公演と名古屋でのカウントダウンライブで2023年を締め括ったあとの今年1月4日に行われたのが、『iR2』ツアーファイナルとなる “fripSide infinite Resonance 2 tour 2023-2024 at Zepp OSAKA&TOKYO”。Zepp Haneda(TOKYO)でのワンマンとしてもちょうど1年ぶりとなるこのステージでfripSideが見せたものは何か。この1年で各メンバーが、ユニットが大きな進化を果たしたことを示す圧巻のパフォーマンスをレポートしよう。

PHOTOGRAPHY BY 中村ユタカ
TEXT BY 澄川龍一

あれから1年、大きな進化を見せた第3期fripSide

fripSideの東京でのワンマンとしては約1年ぶりとなった会場のZepp Haneda(TOKYO)。開演前からすでにfripSideのトレードマークであるオレンジ色のライトが客席を照らすなか、この1年で彼らの得た経験がしっかりと刻印されたアルバム『infinite Resonance 2』の手ごたえがフロアに満ちているようにも感じられた。1年前とは異なるステージが確実に見られるはず――そんな期待に溢れた感情がフロアを埋め尽くすなか、会場が暗転し入場のインストが流れ、オレンジ色のペンライトが灯されていく。バンドメンバー、八木沼悟志、阿部寿世、上杉真央が続々とステージに登場したのち、お馴染みのfripSideのロゴサウンドが鳴らされ、一瞬の静寂のあとに始まったのは、『iR2』のオープニングを飾る「Invisible Wings」だ。阿部、上杉のソロ歌唱からバンドも加わって2人のハモへと繋がっていく、じわじわと高揚させるような冒頭から、八木沼が「いくぞー!」と宣言し、この日のステージが幕を開けた。ステージ中央の阿部と上杉に注目すると、その歌唱の堂々としたものはもちろんのことだが、よりシンメトリカルに息の合ったステージングがまず印象に残る。ダンスキャリアの異なる2人が、昨年に比べてグッと一体感を増している。ボーカリスト2人という特徴をもつ第3期fripSideの魅力が視覚的にもより感じられるというインパクトが、1曲目からすでに際立って見られた。そして1年前にはなかった要素として欠かせないのは、パワフルなサウンドに加わる観客の歓声だ。昨年の東京公演以降のライブは声出しが解禁されていたが、改めてかつての姿を取り戻したfripSideのライブというものを目にすると、やはり感慨深いものがある。すべてのピースが揃い、そしてそれが高い水準で重なり合う厚みのあるアンサンブルは、冒頭からすでにえもいわれぬ感動をもたらしてくれた。

高いテンションでのパフォーマンスを展開した「Invisible Wings」のあとには、間髪入れず「final phase -version2023-」のシンセリフが鳴らされる。曲前で上杉が「こんばんは、fripSideです!」、阿部が「ツアーファイナル東京、盛り上がっていきましょう!」と発したあとは、八木沼もAメロの最後で「せーの!」といつもの警報を鳴らす。もちろん観客もそれに対して大歓声を返すという見慣れた光景が展開される。改めて2人のボーカリストが質の高いパフォーマンスを見せる一方で、バンドもそれに応じて実に厚みのある、ドシっとしたサウンドを聴かせる。元々ボーカリストが2人になったことでサウンド全体がより厚みを持ったのは第3期fripSide最大の特徴ではあるが、それがこの日は全体のコンディションの良さも相まって、さらなる爆音となって耳に飛び込んでくる。そして間を置かずにそのまま「The Light of Darkness」へと突入。またこれがバンドサウンドと実にぴったりで、観客も終始声を上げながら力強くペンライトを振り上げる。改めて彼らのメロディアスでありながら極めてストロングな魅力を感じるライブ序盤となった。

最初のMCでは八木沼が新年の挨拶をしたあと、今年に入ってから日本に起こった出来事に触れながらも「皆さんこうして集まってきてくれたということで、集まってくれたからには最高のライブをお届けしたいと思っています」と語る。また阿部が、1年ぶりとなる東京公演に触れ、前日に昨年のライブ映像を観たそうで、「初々しすぎる……!」と感想を漏らしていたが、メンバー自身もこの1年で見違える成長を実感できているようだった。そうしたコメントを受けてからの続く「Newage」もまた、fripSideの進化を実感できるパフォーマンスだった。エレクトロニックなダンスビートに乗せて、阿部と上杉がダンサーとして登場したLuce Twinkle Wink☆の宇佐美幸乃、板山紗織、小泉かのん、そして上杉&阿部と同じ事務所で声優の今野千聡と共に息の合った、挑発的なダンスを見せる。

サウンドとパフォーマンス両方でフレッシュな側面を見せたあとは、阿部がステージをあとにし、上杉のソロ曲「Distance to starry sky」へ。ピンクのライトが会場を染め上げるなか、ステージのど真ん中で上杉は相変わらず説得力抜群の堂々とした歌唱を聴かせる。
また体全体を使ってのパフォーマンスもその説得力に拍車をかけ、八木沼も認める、ボーカリストとしての成長をしっかりと確認できるものだった。そこから阿部がステージに戻っての「dual existence -version2023-」では、スロウな導入から加速していくスリリングな展開を見せ、八木沼の火を吹くようなシンセも相まって、観客の熱気はさらに上昇していく。途中、オレンジ色に敷き詰められた客席を見て、八木沼が満足そうに両手でサムズアップしていたのもまた印象的だった。

次ページ:進化のその先を見せた圧巻のワンマンから、いざ運命の”All Phases Assembled”へ

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