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INTERVIEW

2023.12.29

“FLOW THE CARNIVAL 2023 ~NARUTO縛り~”を終えた今、FLOWは何を想うのか?“アニソン”に向き合い続ける FLOWのKEIGO&TAKEに独占インタビュー!

“FLOW THE CARNIVAL 2023 ~NARUTO縛り~”を終えた今、FLOWは何を想うのか?“アニソン”に向き合い続ける FLOWのKEIGO&TAKEに独占インタビュー!

『NARUTO-ナルト-』を彩った楽曲のカバーアルバム『FLOW THE COVER ~NARUTO縛り~』を引っ提げてツアーを敢行したFLOW。日本のみならず海外からもファンが訪れたこのライブを終えたばかりのKEIGOとTAKEに話を聞いた。“NARUTO縛り”に至るまでのFLOWの歩みと、FLOWにとって初のアニメタイアップとなった『NARUTO-ナルト-』が開いた彼らの世界、そして“NARUTO縛り”への導き。FLOWの決意と覚悟。そこにはアニメ放送20周年を迎えた『NARUTO-ナルト-』とデビュー20周年を走るロックバンド・FLOWの絆があった。

※“FLOW THE CARNIVAL 2023 ~NARUTO縛り~”ライブレポートはこちら

INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち

初めての“アニメ縛り”から6年。ついに叶えた“NARUTO縛り”。

――初めて“アニメ縛り”のライブをしたのが2017年12月、日本青年館での開催でした。

KEIGO 6年前かぁ。

TAKE 逆に6年しか経ってないんだなぁ。はるか昔にやり始めたような感じがするけど。アニメタイアップ曲を集めたアルバムは、『FLOW ANIME BEST』としてリリースをしていましたが、それもバンド史上初のことでした。そこからさらにタイアップ曲も増えて、20数曲を数えて、「これは縛りをつけてのライブができるね」って話になったときにごっちゃん(GOT’S)が“アニメ縛り”っていう言葉を開発したんです。

――実際にあのライブを開催して、どのようなことを感じられましたか?まず日本青年館という会場が小さすぎたという話なども出ていましたが。

KEIGO そこが我々の一番の驚きで。“アニメ縛り”と自分たちが言ったところで、どれだけの人が動くのか、まったく読めないし。腹を括ったのはいいけれど本当にわからなかったから。それこそ“リスアニ!LIVE”や“Animelo Summer Live”や“ANIMAX MUSIX”に来てくれている人たちが、果たしてFLOW単体でやったときに来てくれるのか。元々FLOWのライブに来てくれている人たちが“アニメ縛り”と背負ったときに果たして来てくれるのか。まったくわからなかったので日本青年館にしてみたら、ものすごい反響で。驚きだったし嬉しかったですね。

――全国でライブビューイングも開催しました。

TAKE それで急遽、翌年に“アニメ縛り”で全国ツアーをすることにしたんです。その時点でツアーはもう決まっていたんですけど、“アニメ縛り”にして、全国の皆さまに挨拶しに行こうってことでやらせていただきました。

――あの日の、初めての“アニメ縛り”のときから『NARUTO-ナルト-』パートはライブの最後でした。あの凝縮されたパートは今や、“アニメ縛り”の定番として最後を飾るパートとなっていますが、改めていかがでしたか?

KEIGO 続けざまに、規模をどんどん大きくして“アニメ縛り”ができるようになるなんて、当時は思ってもいなかったのですが、FLOWとして1つの覚悟の表れだったんです。『FLOW ANIME BEST 極』を作ったときくらいから、「自分たちの強みってなんだ?」ってなったらやっぱりアニメとタッグを組んでいることだし、アニメとタッグを組んだからこそ世界へも行けているし、やるんだったら胸張って、アニメを背負ってもいいじゃない。そんなロックバンドがいてもいいじゃないかってモチベーションになってきたんです。“アニメ縛り”というライブをやったことこそがバンドとしての決意であり、覚悟の表れだったから、それが脈々と続いて周年のライブに繋がった。やっぱりそこに『NARUTO-ナルト-』がいたからだと感じます。

――さらにFLOWは“ANI-ROCK FES.”の『NARUTO-ナルト-』回、そして“NARUTO to BORUTO THE LIVE 2019”に“アニメ『NARUTO-ナルト-』20周年記念 NARUTO THE LIVE”というライブにも出演してきました。『NARUTO-ナルト-』に関わるアーティストが勢ぞろいしたライブの経験もありましたが、あのときも今回と同じく『NARUTO』を愛する人たちが集まったイベントでした。今に繋がるものはありましたか?

KEIGO あのときはフェスだったし、ライブ以外にも声優さんの朗読や映像が流れるなどの演出もあって、自分たちがライブをしているときもそうだけど、お客さんの反応を見ていても『NARUTO-ナルト-』ってむちゃくちゃ愛されているなぁって思ったし、いつものライブとはちょっと違って、ライブで一緒に盛り上がっているけれど作品に対しての想いも乗っかっているからこそ、こういうライブってそうそうないなぁって感じるんです。それだけすごい作品なんだなって。しかもあのキャパの会場がすぐに埋まるわけだから、それだけ熱が高いんだなってことは感じましたね。

どこの国でも『NARUTO-ナルト-』は愛されている

――以前『NARUTO-ナルト-』を制作してきたスタジオぴえろの伊達勇登監督との対談で、「作品の魅力と音楽を直接、たくさんの人に届けてください」という言葉がありました。あの監督の言葉はFLOWにどのような影響を与えましたか?

KEIGO あの伊達監督の話を聞いてから、『FLOW ANIME BEST 極』の世界ツアーを回れたし、すごく自分たちには残っていて。自分たちは直接届けるバンドをやっているんだなって強く想いました。

――その言葉を抱いて回る世界。どんな感覚がありましたか?

TAKE とにかくバンドがなくなっちゃうと生で音楽を届けられなくなるなって。歴代のテーマソングでも、もう実際に聴けない曲もあるわけですから。そういう意味でも自分たちがやり続けることによって届けられるものはあるだろうなって思います。

――世界の人たちのFLOW ANIME BEST 極の音楽への反応。最初に行ったときと今とでは違いはありますか?

KEIGO どこの国に行っても、すごいんです。『NARUTO-ナルト-』って言っただけで、ウワァ!って湧くし、「待ってました!」みたいな感じがすごくするんです。それはアメリカでもアジアでもヨーロッパでも。世界規模で愛されている感じはすごいなって思うし、「Sign」や「GO!!!」を楽しみにしてくれているのが伝わってくるんです。「Sign」の冒頭の部分では大合唱になるし、「GO!!!」もみんな歌ってくれる。それは最初も今も変わらない。未だに色褪せない。

TAKE この間“SACRA MUSIC FES.”でシンガポールと香港に行ってきたんですけど、そのときにスピラ・スピカの幹葉ちゃんがいきものがかりの「ブルーバード」をカバーしていて、めっちゃ盛り上がっていて、アーティストはもちろんだけど、曲自体が愛されているなってことは感じましたね。

――そして今年は幕張メッセ国際展示場での周年ライブ(“FLOW 20th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE 2023 ~アニメ縛りフェスティバル~”もありました。そこで発表になったのがカバーアルバム『FLOW THE COVER ~NARUTO縛り~』でした。お互いが20周年であることから生まれた企画ではありましたが、その原動力となったのはどんなことでしたか?

TAKE アルバムを作ろうというのも1年掛かりでした。2022年には企画のアイデアは出ていて、お互い20周年のタイミングだからこそやる意味があるし、このタイミングでなければできないので、企画を進めつつ、アルバムを出したらライブがやりたいよねって。しかもそれはライブハウスだけど、あの我々の火影岩のジャケットを背負ってライブすることは、MVが火影岩の前だったことも伏線としてありつつ、それが最後に“NARUTO縛り”のライブ(URL後程追加)で結実するところは早い段階から企画していました。

――その“NARUTO縛り”はアニメ映像を流さなかったですね。

TAKE それはライブハウスだったから。また“アニメ縛り”とも違う見せ方をしたかった。

――大阪で幕を開けた“NARUTO縛り”でしたが、いかがでしたか?

TAKE めっちゃくちゃ良かった。まずみんな、びっくりしたよね。ステージに火影岩がどかーんとあって。会場には歴代の主題歌が流れていて、まさに『NARUTO-ナルト-』一色の空間になっていて、浸って欲しかったというのがあったので。そういう部分でも濃厚な時間を楽しんでもらえたんじゃないかなって思います。

KEIGO 1つの作品を背負ってライブをさせてもらうのは、バンドとしても挑戦だし、大半の曲がカバー曲で構成されているライブで、周年のタイミングで振り返るだけではないライブじゃない、集大成を見せるだけじゃないライブを無事にできたことは大きかったです。

――実際に3公演を終えた今、どんなことを感じますか?

KEIGO 伝えたかったのは『NARUTO-ナルト-』への感謝と、バンドとしての決意と覚悟でした。ライブのときに「光追いかけて」の前に感謝を伝えて、「カラノココロ」の前に決意と覚悟を伝えることはライブの前から決めていたので、それをしっかり言葉として届けることができたので、それこそが今も僕の想いです。

TAKE 全国から駆け付けてくれた人も多いけど、平日で申し訳なかったなって思っています。これは将来、週末でリベンジするしかないな!って思っています。あとはコスプレをしてきてくれた人がたくさんいたことが嬉しかったです。実は今年の“アニメ縛りフェス”でもサブステージでコスプレショーをやって、ああいうものをあえて提示していたのは、それぞれの好きなキャラクターのコスプレで、世界観により没入して楽しんでもらいたかったというのがあったからです。俺らは海外のアニメフェスを知っているから、観客が各々コスプレ姿でライブに来て楽しんでいることも知っている。それを日本でも楽しんでもらいたかったので、“NARUTO縛り”で叶いました。暁合わせとかしていたのも良かったよね。

次ページ:FLOWにしかできないライブを提示していきたい

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