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INTERVIEW

2023.12.24

【特集】“7”から始まるカウントダウンと、「@」が示す39人のアイドルたちが劇場に立つ意味。TVアニメ『アイドルマスター ミリオンライブ!』松井洋平 ロングインタビュー

【特集】“7”から始まるカウントダウンと、「@」が示す39人のアイドルたちが劇場に立つ意味。TVアニメ『アイドルマスター ミリオンライブ!』松井洋平 ロングインタビュー

作詞家・松井洋平にとっての「ミリオンライブ!」という存在の大きさ

※アニメ最終話までのネタバレを含みますので、ご注意ください。

――こうして無事にアニメが放送された今、改めて印象に残っている「ミリオンライブ!」のお仕事はありますか?

松井 アニメを観てびっくりしたのが、最終話の劇場に貼っているポスターで、最新公演が「夜想令嬢 -GRAC&E NOCTURNE-」、次回公演が「トゥインクルリズム」だったんですよね。その並びは「飛ぶぞ……!」と思って(笑)。繰り返される「REL@TION」の中には、とんでもない劇薬が混ざっているのが「ミリオンライブ!」の面白いところなんですよね。

――トゥインクルリズムの楽曲の歌詞は、いわゆるギョーカイ用語で埋め尽くされていて、初めて聴いたときはびっくりしました。

松井 僕もクリビツでした(笑)。

――ギョーカイ用語での返し、ありがとうございます(笑)。あの楽曲はそういう指定で歌詞を書いたのですか?

松井 もちろん。指定なしであの歌詞を書いたら、どうかしてますから(笑)。今回のアニメでは、アイドルたちがこの10年でやってきたことの中身をあえて描かないのが素晴らしく上手いなと思いました。それは10年やってきたからこその裏技だなと。ここを入り口にして飛び込めば、10年分の積み重ねにすぐ出会えるので、まだ何も知らない人からしたら絶対にお得だと思うんですよ。「この子はこんな活動をするんだ!」という39人分の驚きが待っているわけなので。なのでアニメから「ミリオンライブ!」に入った人の感想を聞いてみたいですね。第12話まで観て、最後に「Brand New Theater!」を聴いて、期待に胸を膨らませて「どれから聴こうかな?」と思ったときに、試しに劇場に貼っていたポスターを見てトゥインクルリズムから聴き始める人もいるかもしれないわけで(笑)。

――それはそれで衝撃だと思います(笑)。ちなみにこれから「ミリオンライブ!」に入門する方にまず聴いてほしい楽曲を挙げるとすれば?

松井 やっぱり39人それぞれの最初のソロ曲、ぜひ聴いてほしいですね。LTP(THE IDOLM@STER LIVE THE@TER PERFORMANCE)シリーズは各アイドルの第一印象を表している曲が多いと思うんです。それを踏まえたうえで、ほかの楽曲も「その後の世界」と考えて聴くとより面白く聴こえると思いますから。アニメでTeam8thまでがデビューしたのを観たあとであれば、例えば「Precious Grain」はどの段階での彼女の気持ちが反映されたソロ曲なんだろう?という想像を膨らませることもできますし。

――ちなみに松井さんはほかの「アイドルマスター」シリーズの楽曲も多く書いていますが、その中で「ミリオンライブ!」の楽曲を書くときに意識することはありますか?

松井 逆に僕は「ミリオンライブ!」が最初で、そのあとに「SideM」や「シャイニーカラーズ」に関わるようになったので、自分として差別化を図ろうと思ったのは「シャイニーカラーズ」のほうだったんですね。「SideM」は男性アイドルなのでまた違った話ができるのと、そもそも医者や弁護士といった前職を踏まえた歌詞にしてほしいという話だったので、差別化以前にクリアしなくてはいけないことが多かったんですよね(笑)。そんななかで今、遡って「ミリオンライブ!」とは何なのかを考えると、「ミリオンライブ!」という言葉自体が表しているなと思っていて。100万通りの可能性があったとして、どこを拾ってもらしくなるのは、彼女たちアイドルのパーソナリティがあってこそという。まあそれはどのブランドでも言えることでもありますが、そこに劇場公演という要素が化学反応を生み出していると思っています。「ミリオンライブ!」で僕がいただく発注がサーカス化してきているような……(笑)。最近も「発注がウンババ」の「ジャングル☆パーティー」が少し話題にしていただけたみたいでして。

――結論はそこですか(笑)。

松井 例えば「SideM」は「理由があるからこそ、相手に伝わるメッセージ」という人生、「シャイニーカラーズ」は「等身大の喜びも痛みも、自分の中で向き合っていくための曲」という青春、それらのノンフィクションというような要素もあると思うのですが、それに対して「ミリオンライブ!」はテーマパーク的なところがあるというか。もちろんプロデューサーは彼女たちの苦悩や悩みも知って、等身大の彼女たちを歌うこともあるんですけど、特に「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」(以下、ミリシタ)以降は、劇場という場所で公演していくという曲などは、ダークな楽曲があったとしても、一歩離れたところからその世界観を楽しむというものになっていて、劇場公演を通してのエンターテイメント性が多様性を生み出している気がします。

――確かにその意味ではエンターテイメント感がより強いかもしれないですね。改めて「ミリオンライブ!」のお仕事は、松井さんの作詞家人生にとってどんな作品になっていますか?

松井 「ミリオンライブ!」がなかったら、今の僕はなかったと思いますね。特に書かせていただいた楽曲のバリエーションが多くて、「これをやっても怒られないかな?こんな挑戦をさせてもらってもいいかな……?」というラインの限界を超えられるところがあるんです。最初の頃は自分自身のアイドルに関しての原体験が反映されていて、僕は松田聖子・小泉今日子の世代の人間なので、特に「ライアー・ルージュ」(北沢志保のソロ曲)はそういう部分を感じますけど、そこから亜利沙や(徳川)まつりの楽曲を書いていくうちに、だんだん違う方向にシフトチェンジしていって。特にまつりの「フェスタ・イルミネーション」は「これもOKなんだ」と思いました。あの楽曲はラブソング要素をラブソングのように扱わない、というテーマで書いたんです。僕の中では。

――そういうオーダーがあったわけでなく?

松井 あの楽曲は、歌詞も楽曲も完全に自分から提案したものですね。まつりは芯の部分があるけど、それを見せないキャラクターという部分を意識していました。それって恋愛にも当てはまることで、自分のキラキラした部分を人に見せたい、相手を喜ばせてあげたいっていう。そういう気持ちに振り切ったときは、個人的な感情の部分はほぼ見えなくてもいいんじゃないか、むしろ一瞬見せるほうが眩しいのでは、ということで作った曲だったんですよ。そうやって色んな曲を作っていくうちに、自分の仕事の幅が広がりましたよね。その意味で自分にとって「ミリオンライブ!」は植木鉢みたいなところがあるかも。

――植木鉢、ですか。

松井 自分が一番最初に植えた種があった場所、という感じです。今はそこから枝葉がいっぱい伸びていて。「ミリオンライブ!」から育った部分というのはすごく大きいなと思っています。そもそもアイドルソングを書いたのも「ミリオンライブ!」が初めてだったので。そんなコンテンツに10年お付き合いさせていただけたことも嬉しいですよね。たくさんの楽曲を書かせていただきましたけど、「あの曲について語ってくれ」と言われたら、どれも語れるコンテンツなんですよ。それは一筋縄ではいかなかった、という部分も含めてのことで。今年は「セブンカウント」と「REFRAIN REL@TION」の2曲で締め括れたら美しかったんですけど、次に僕が書いた今年最後の楽曲はギャル曲ですから(笑)。

――マジですか(笑)。

松井 しかも最初は求められているギャル度合いがわからなくて、とりあえずギャル語大賞とか調べまくって歌詞の第1稿はほぼギャル語だらけにしたんですけど、「さすがにこれは……」ということでボツになって書き直しました(笑)。やりすぎてしまって、ギャルでも理解できない曲になってしまったので。

――アハハ(笑)。でも、それでこそ松井さんですよね。そんななかで、クリエイターとして今後「ミリオンライブ!」で挑戦したいことはありますか?

松井 ここで言ったらそれが返ってきそうな気がして怖いんですけど(笑)。というか、2曲を同時にかけると1曲になるっていう仕掛け(双海真美のソロ曲「ユニーク・スター・プレイヤー!」と双海亜美のソロ曲「オン・ステージ・プレーヤー!」)も大変でしたからね。制作スタッフの皆さんの発想が、僕の「これをやりたい!」という気持ちを超えてくるんですよ。その意味では、「ミリオンライブ!」はアイデアを投げるピッチャーで、僕はその投げられたアイデアをいかに打ちこなすかっていうバッターなんだと思います。発注に対してどれだけ芯を捉えて打ち返せるか。あるいは必要に応じて二塁打を打ったり、バントを決めるっていう。「ミリオンライブ!」は「この球を投げるのでセンター方向に打ち返してください」というような発注もたくさんありますからね(笑)。


●TV放送情報
アニメ『アイドルマスター ミリオンライブ!』

春日未来・最上静香・伊吹 翼を中心に、765プロダクションに新たに集まった39人のアイドルと、彼女たちの活動拠点となる765プロライブ劇場の、始まりからその成長を描く。

【TV放送情報】
放送時期:毎週日曜日 朝10時よりテレビ東京系6局ネット 、BS11ほかにて放送中

・テレビ東京系6局ネット 毎週日曜10:00~
・テレビ東京 毎週日曜25:35~ ※再放送
・BS11 毎週月曜23:30~
・BS日テレ 毎週木曜24:30~
・AT-X 毎週金曜20:30~
-毎週火曜8:30~ ※リピート放送
-毎週木曜14:30~ ※リピート放送

※放送時期は変更となる場合がございます。

【配信情報】
●ニコニコ<単独先行配信>
毎週日曜日10:30~ ニコニコチャンネル ※最新話1週間無料・SVOD・都度課金サービス
毎週日曜日21:00~ ニコニコ生放送
毎週木曜日20:30~ ニコニコ生放送  ※リピート放送

●毎週木曜24:00~
TVer ※最新話1週間無料
ネットもテレ東 ※最新話1週間無料
ABEMA ※最新話1週間無料・SVOD

PrimeVideo ※SVOD・都度課金サービス
Hulu
U-NEXT
アニメ放題
DMM TV
dアニメストア
FOD
Lemino
Google Play ※都度課金サービス
TELASA ※SVOD・都度課金サービス
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milplus ※SVOD・都度課金サービス
auスマートパスプレミアム

●毎週金曜12:00~
HAPPY!動画  ※都度課金サービス
ムービフルプラス  ※都度課金サービス

●毎週金曜18:00~
バンダイチャンネル ※SVOD・都度課金サービス

●毎週木曜12:00~
ふらっと動画

【スタッフ】
企画・製作・原作:バンダイナムコエンターテインメント
監督:綿田慎也
CG監督:塩谷大介
シリーズ構成・脚本:加藤陽一
アニメーションキャラクターデザイン:石井哲哉/蔦 佳穂里
コンセプトアート:白田真人/緒方菜海/肥田竜二
美術・設定:坂本夏海
美術ボード:ビック・スタジオ
色彩設計:滝川ひかる/佐藤美由紀
撮影監督:織田賢太郎
編集:齋藤朱里
音響監督:菊田浩巳
音楽:ランティス
協力:バンダイナムコスタジオ
アニメーション制作:白組

©Bandai Namco Entertainment Inc.

●ライブ情報
THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 10thLIVE TOUR Act-4 MILLION THE@TER!!!!

開催日時:
2024年2月24日(土) 開場16:00 / 開演17:30
2024年2月25日(日) 開場16:00 / 開演17:30
※公演時間等は予告なく変更になる場合がございます。
※公演内容の都合上、公演終了時間が大きくずれる可能性があるため、公演時間の明確なお時間はお伝えしておりません。あらかじめご了承ください。

開催場所:Kアリーナ横浜

詳細はこちら

関連リンク

公式サイト
https://millionlive-anime.idolmaster-official.jp/

公式Twitter
https://twitter.com/imasml_765PRO

公式Tiktok
https://www.tiktok.com/@765production

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