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2023.12.21

「愛」を送り合い、受け取り合ったツアーファイナル――“青山吉能トーク&ライブツアー2023「こぼればな(し)」”東京公演レポート

「愛」を送り合い、受け取り合ったツアーファイナル――“青山吉能トーク&ライブツアー2023「こぼればな(し)」”東京公演レポート

12月10日、duo MUSIC EXCHANGEにて“青山吉能トーク&ライブツアー2023「こぼればな(し)」”の東京公演が開催。声優アーティスト・青山吉能によるソロとしては初のツアーのファイナルを飾る本公演では、故郷・熊本や大阪での公演を通じて得た想いを歌声に込め、成長とともに提示。今年の振り返りなどを行なったトークパートとともに、今の青山吉能としての表現で魅せ・聴かせてくれた。
本稿では昼夜2回開催されたライブのうち、夜開催の2部の模様をお届けする。

PHOTOGRAPHY BY スエヨシリョウタ
TEXT BY 須永兼次

様々な“喜び”とともに、怒涛の2023年を振り返るトークパート

開演前、各客席には一輪の花と青山からのメッセージカードが置かれており、雰囲気を作るのと同時に彼女の想いをファンに届ける。そして開演時間を迎えたところで青山がステージに登場し、まずは「Sunday」の歌唱で公演はスタート。イントロ中に「素敵なSundayを彩りましょう!」と呼びかけ、クラップの音に包まれながら笑顔で歌い上げていく。ファルセットも効果的に用いながら響かせていく明るさ感じるボーカルは、まるで降り注ぐ日差しのよう。豊かな表情変化を通じて晴れやかに幕開けを飾る。

歌唱後には「悔いなく終えられるように今日も頑張りたい」と意気込み、前半・トークパートへ。今回はかねてから親交のある構成作家・浅野ゆーじ氏をMCとして迎え、青山が本筋を外れてボケると浅野氏が即座にツッコみ笑いを起こすという小気味良いやり取りとともにトークを展開。アーティスト活動を中心に2023年を振り返った1部に対し、2部では声優業などその他の側面も含めて振り返っていく。

2022年に出演作のヒットで一気に脚光を浴びた青山、2023年についても「常に駆け抜け続けてる、みたいな感覚」と変わらず忙しかったことをうかがわせる。だが、そんな濃い1年もあってかこの日は初めて彼女のライブに足を運んだファンの姿も散見されており、素直に嬉しさを口にしていた。

そうした出逢いもあった3ヵ所を巡るツアーというのも、今年初挑戦したことの1つ。ライブハウスならではの距離感について「この距離感が私は結構好きかも。これよりも奥に深くなったりすると、どうしても手が届かないから」と率直な心情を語り、「大きなステージに立つ姿を見たいという気持ちもわかるけど、このツアーは私の好きな距離感のステージで回ることができて良かった」と結ぶ。しかもそのうち“凱旋公演”にあたった熊本公演の会場は、青山自身がよく観客として足を運んでいた憧れの場所。そこに立てたことへの感慨も強烈だったと述懐し、「“凱旋”ってなかなかできることじゃないし、みんな九州は『行っても福岡』で熊本まで来ないんですよ」と自身が感じていた残念さから1公演目の会場に熊本を選んだと明かしていた。

そんなツアーの振り返りを経て、今度は来年・2024年について聞かれたところで、なぜか「えへへへぇー(笑)」と愛想笑いでごまかそうとする青山。「今年『も』やりたいことがなかった」と明かすと、浅野氏の導きもあって一旦は「来年も不幸せにならない」に落ち着く。その後、ライブやイベントの回数が増えることによるファンの労力や出費を心配するなかで改めて「来てくれてありがとう!」と感謝を述べ、「これからも『ありがとう』をためらわずに言います」と宣言して、結果的に目標も生まれていた。また、「(ライブに)来てない人はセトリだけを見てなんとなく『ふーん』ってなってるけど、みんなはここにしかない思い出を得ている」と表現。「ライブに来るのって大変だから、そのぶん愛おしい」と改めて感謝していた。

さて、トークパートの後半は企画コーナー「よぴぴん家のクリスマス」。スタッフ提供の情報を元にしたクイズに正解すれば、福引券をゲット。プレゼント抽選に挑戦できる……という、浅野氏曰く「接待コーナー」だ。まず第1問は、マネージャーからの「『空飛ぶペンギン』MV撮影で、本編はとってもかわいい赤いチークでしたが、眠気と戦う休憩中の裏側はまさに〇〇でした」とのクイズに、「まさに“ただの酔っ払い”でした」との正解に到達。福引券ゲットとなるが、代わりに画像が公開され「この写真をマネジメント側がOKするのが信じられない」と驚嘆していた。

続いて第2問はファンクラブ「よぴぴん家DX」メンバーへの「青山吉能に来年やってほしいこと・やりそうなことは?」のアンケートの2位がクイズに。FC動画で発言していた「オーベルジーヌ再現祭り」を挙げ、浅野氏からの「(FCは)セントラルキッチンじゃねぇから(笑)」とのツッコミが爆笑を生むが、それからすぐに「FCラジオをやってほしい!」と確信しての回答でまたも正解。ラストとなる第3問はレーベルスタッフによる「アーティスト活動のイベントのなかで『ちょっと怖かった』と思ったこと2つ」。浅野氏からの「リリースイベントと店舗挨拶」とのヒントを受けて「自分からお客さんにずんずん声を掛けに行く」を正解するももう1つが出ず、たまらず浅野氏に2択の大ヒントをもらうも「開始時間にトイレに行っていなくなった」と回答し、残念ながら不正解。正解は「リリースイベントの開演前、パーテーションの隙間から客を微動だにせず観ていた」で、こちらも第1問同様に写真も公開されていた。

ただ、福引券は計3枚ゲット。昼公演ではポケットティッシュ2個に終わっていたが、1回目からガラガラから玉が出てきた瞬間大絶叫。なんとのっけから特賞:55型有機ELディスプレイテレビをゲット!さらに2回目も1等:新型iPadが当選し、歓喜の絶叫。使用していたiPadの暗証番号を忘れて永久ロックがかかってしまった青山、ここでそれを取り戻す結果となった。ちなみに3回目には4等:うまい棒詰め合わせをゲットし、こちらは目録ではなく現物がその場で送られた。

次ページ:ツアーを通じて積み上げた表現を届けたライブパートでは、作りかけの新曲も初披露に

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