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2023.12.19

『アイドルマスター』と『ラブライブ!』の歴史的邂逅を目撃せよ! “異次元フェス アイドルマスター★♥ラブライブ!歌合戦”DAY1全曲レポート

『アイドルマスター』と『ラブライブ!』の歴史的邂逅を目撃せよ! “異次元フェス アイドルマスター★♥ラブライブ!歌合戦”DAY1全曲レポート

『アイドルマスター』シリーズと『ラブライブ!』シリーズのコラボライブイベント「異次元フェス アイドルマスター★♥ラブライブ!歌合戦」DAY1が2023年12月9日、東京ドームにて開催された。

DAY1の出演キャストは以下の通り。

●『アイドルマスター』シリーズ
『アイドルマスター シンデレラガールズ』
藍原ことみ(一ノ瀬志希役)、五十嵐裕美(双葉 杏役)、髙野麻美(宮本フレデリカ役)、中島由貴(乙倉悠貴役)、飯田友子(速水 奏役)、井上ほの花(浅利七海役)、上坂すみれ(アナスタシア役)、洲崎 綾(新田美波役)、富田美憂(砂塚あきら役)、ルゥティン(塩見周子役)、生田 輝(ナターリア役)、立花日菜(久川 凪役)、山下七海(大槻 唯役)

『アイドルマスター ミリオンライブ!』
山崎はるか(春日未来役)、田所あずさ(最上静香役)、Machico(伊吹 翼役)、麻倉もも(箱崎星梨花役)、小岩井ことり(天空橋朋花役)、中村温姫(ロコ役)、平山笑美(北上麗花役)、渡部優衣(横山奈緒役)

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
礒部花凜(月岡恋鐘役)、菅沼千紗(田中摩美々役)、八巻アンナ(白瀬咲耶役)、希水しお(三峰結華役)、結名美月(幽谷霧子役)、黒木ほの香(大崎甘奈役)、前川涼子(大崎甜花役)、芝崎典子(桑山千雪役)、和久井 優(浅倉 透役)、土屋李央(樋口円香役)、田嶌紗蘭(福丸小糸役)、岡咲美保(市川雛菜役)、紫月杏朱彩(七草にちか役)、山根 綺(緋田美琴役)

●『ラブライブ!』シリーズ
Aqours(ラブライブ!サンシャイン!!)
伊波杏樹(高海千歌役)、逢田梨香子(桜内梨子役)、諏訪ななか(松浦果南役)、小宮有紗(黒澤ダイヤ役)、斉藤朱夏(渡辺 曜役)、小林愛香(津島善子役)、高槻かなこ(国木田花丸役)、鈴木愛奈(小原鞠莉役)、降幡 愛(黒澤ルビィ役)

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
大西亜玖璃(上原歩夢役)、相良茉優(中須かすみ役)、前田佳織里(桜坂しずく役)、久保田未夢(朝香果林役)、村上奈津実(宮下 愛役)、鬼頭明里(近江彼方役)、林 鼓子(優木せつ菜役)、指出毬亜(エマ・ヴェルデ役)、田中ちえ美(天王寺璃奈役)、小泉萌香(三船栞子役)、内田 秀(ミア・テイラー役)、法元明菜(鐘 嵐珠役)

<応援出演>矢野妃菜喜(高咲 侑役)

Liella!(ラブライブ!スーパースター!!)
伊達さゆり(澁谷かのん役)、Liyuu(唐 可可役)、岬 なこ(嵐 千砂都役)、ペイトン尚未(平安名すみれ役)、青山なぎさ(葉月 恋役)、鈴原希実(桜小路きな子役)、薮島朱音(米女メイ役)、大熊和奏(若菜四季役)、絵森 彩(鬼塚夏美役)、結那(ウィーン・マルガレーテ役)、坂倉 花(鬼塚冬毬役)

蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ
楡井希実(日野下花帆役)、野中ここな(村野さやか役)、花宮初奈(乙宗 梢役)、佐々木琴子(夕霧綴理役)、菅 叶和(大沢瑠璃乃役)、月音こな(藤島 慈役)

スクールアイドルミュージカル(ゲスト出演)
堀内まり菜(椿 ルリカ役)、浅井七海(皇 ユズハ役)、杏 ジュリア(北条ユキノ役)、小山璃奈(天草ヒカル役)、佐藤美波(三笠マーヤ役)、関根優那(滝沢アンズ役)、南野巴那(若槻ミスズ役)、黒木美佑(来栖トア役)、加藤夕夏(鈴賀レナ役)、山本愛梨(晴風サヤカ役)
アンサンブル:鈴木まゆり、森田佳花、森本さくら、渡辺七海

TEXT BY 中里キリ

二次元アイドルコンテンツを代表するタイトルである『アイドルマスター』シリーズと『ラブライブ!』シリーズ。「バンダイナムコエンターテインメントフェスティバル」に代表されるフェスでの共演はこれまでもあったが、両タイトルだけにフォーカスしたライブイベントはこれが初めて。会場は国内最大級のライブ会場である東京ドーム、DAY1には88名のキャストが出演と驚くべき規模感だ。

開演前には湾曲した広大なスクリーンに、出演タイトルと出演者の紹介ムービーが次々と映し出されていく。映像の終わりと共に火柱が上がると、ステージではすでにAqoursがスタンバイ。それぞれのらしさ溢れるポーズを取って並び立つ9人には千両役者の風格と圧倒的なメジャー感がある。「青空Jumping Heart」を披露する姿は生き生きとしながら統制の取れた動きで躍動感を感じさせた。

続いて『アイドルマスター シンデレラガールズ』の面々は「Shine!!」を披露。同曲がOPテーマとなったアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ 2nd SEASON」は今から8年前の作品。当時からアニメで活躍していたアイドルと、まだ声がついてなかったアイドルが一緒に歌い踊る光景には、歴史を背負った作品ならではのダイナミズムがある。

畳みかけるように虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の「TOKIMEKI Runners」へ。それぞれに個性に溢れる個別衣装をまとったメンバーたちが、1つのチームになってパワーと光を放っているのが虹ヶ咲らしい。12人編成になったことで、さらに彩りと華やかさが増したように感じられた。

『アイドルマスター ミリオンライブ!』よりミリオンスターズは、「Brand New Theater!」を披露。「アイドルマスターミリオンライブ! シアターデイズ」で幕を開けた新たなシアターを象徴する楽曲だが、歌詞中には「Thank You!」から「Dreaming!」までの歴代テーマソングを織り込んでいて、10年を重ねた作品の前半期を象徴するようなステージに。

Liella!は「常夏☆サンシャイン」を披露。物語性のあるステージングで、躍動するダンスがハッとするほどキレがあって魅力的だ。元はアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』で1期生によって披露された楽曲だが、3期生までを含めた11人の曲として完璧に仕上げているのは流石の一言。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』ははじまりの楽曲である「Spread the Wings!!」を披露。「アイドルマスター シャイニーカラーズ Song for Prism」のアイドルたちの映像などをバックに、フレッシュなステージングを見せた。初期メンバーに加え、ノクチル、シーズという途中から歴史に加わったユニットが、初期衣装のビヨンドザブルースカイをまとって原点の楽曲を歌い踊っているのが感慨深い。

蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブは「Dream Believers」を歌唱、2人1組になった見せ方が印象的だ。日々を楽しみながら着実に進んでいく意志を感じさせる歌詞がエモーショナルで、ドームに広がるラララの響きには早くもライブが大団円を迎えたような響きがあった。

ブロック間には、作品の枠を超えたアイドルたちが、スクリーンで共演しながらMCを交わしていく。それぞれの発言ごとに観衆が大きく湧き、黒澤ルビィの「がんばルビィ!」にはドームいっぱいの声が唱和していた。

ここからは歌合戦パートで、最初のテーマは“元気に歌合戦”。トップバッターはミリオンスターズより山崎はるか、田所あずさ、平山笑美、渡部優衣による「Eternal Harmony」だ。オリジナルメンバーはいないが、それを感じさせないくらい様々なメンバーと場で楽曲を歌ってきた積み重ねがミリオンスターズの強み。テーマ通りの元気な楽曲に乗せた輝く笑顔が眩しく、テンションMAXの渡部の躍動感がステージから飛び出してきそうだったり、独特の伸びの良さとふくらみがある平山の歌声だったりと個の表現でも魅せていく。

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は「わちゅごなどぅー」を披露。フルメンバーに加えて、応援出演の矢野妃菜喜も制服姿に高咲 侑に寄せた髪型で参加。リズミカルで高速な歌唱から客席を煽り、ハッピーな空気の中会場のテンションをぶち上げていく。体力の限界に挑戦するような歌唱の中で、矢野の「一人だけなんて選べないよー!」の最高に楽しそうな叫びが心に残った。

『アイドルマスター シンデレラガールズ』は「無重力シャトル」を2台の大型トロッコ改め馬車で披露。ゆずの北川悠仁が手がけた楽曲には、東京ドームという大会場にふさわしい華とキャッチーさがある。馬車から身を乗り出すようにしながら、少しでも観客のそばに笑顔を届けようとしている姿が印象的だった。

センターステージに登場したAqoursは流れる水をイメージしたような衣装にチェンジして「DREAMY COLOR」を歌唱。一糸乱れぬダンスとともに、センターステージ上に鮮やかな水面が踊る。流れるようなポジションチェンジのフォーメーションも流麗の一言だ。舞台劇のような空気感と、ダンスパフォーマンスの純粋な完成度の高さが積み重ねと練度を感じさせた。

蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブよりみらくらぱーく!は「ド!ド!ド!」を披露。真っ赤な衣装に身を包んで、ファニーボイスとシンクロ度の高いダンスで魅せていく。躍動するパフォーマンスのなかでもハッピーで楽しそうな表情感と、ステージ上でお互いに、そして観衆とコミュニケーションしているようなリンク感が保たれているのが印象的だった。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』よりノクチルは「今しかない瞬間を」を歌唱。幼なじみたちが東京ドームのステージに並び立つ特別な瞬間だ。いつの間にか衣装はユニット衣装にチェンジ。楽曲チョイスは今日を生きる元気をもらえる曲という解釈だろうか。光の中で舞うように歌う4人の透明感が眩しい。どんなステージも彼女たちが登場した瞬間にノクチル色になる存在力の強さが光った。

Liella!よりCatChu!は「オルタネイト」を披露。挑発的にドームの観衆を煽ると、ダイナミックなパフォーマンスと訴えかけるような歌唱で観衆を虜にしていく。ステージにうずくまってステージを叩き、ゆっくりと再び立ち上がる姿と強い眼差しがドラマティックだった。

「さぁ、出港の時間れすよ!」と井上ほの花が先陣を切ると、井上ほの花、斉藤朱夏、菅 叶和の越境トリオが「Let’s Sail Away!!!」を披露。海を愛するアイドルたちという繋がりで「ヨーソロー!」の声を揃えた。同曲は井上演じる浅利七海のはじまりの楽曲だが、大海原が見えるような斉藤の表現力や、菅のオリジナルな声質による魅力的な歌唱がまるで持ち歌のようにぴったりとハマっていた。

Liella!の「WE WILL!!」には、岬 なこ、渡部優衣、田嶌紗蘭、法元明菜が参加。各作品の衣装を身にまとったまま、ハンドマイクとヘッドセットが混合しているのがなおさら異次元感を加速させる。ボーカルやダンスの個性も様々で、オリジナルメンバーの岬 なこの動きや佇まいの“Liella!感”が色濃いのがかえって際立って感じられた。

ブロック間のアイドルMCは、コミュニケーション能力の高いメンバーの中に大崎甜花がいる構図が面白い。大槻 唯に「(かわいいがテーマなら)甜花ちゃんの出番じゃない?」と振られた甜花が密かに張りきっているのがかわいらしかった。

ここからのブロックは、“かわいく歌合戦”がテーマ。ミリオンスターズよりMachico、麻倉もも、小岩井ことり、中村温姫は、ハイテンポでハッピーなナンバー「fruity love」を披露。デュオ曲を4人編成でアレンジすると、センターステージを舞台に目まぐるしくキュートなパフォーマンスで魅せた。

Liella!よりKALEIDOSCOREは「不可視なブルー」を披露。歌唱と繊細な表情感に全振りしたパフォーマンスで、しっとりとクールな歌声を響かせた。情感豊かなソロパートを歌い継いで、“涙色に染められる”で歌声が1つになるとパッとステージの彩度が上がったように感じる。ラストの寄り添うようなキメが抜群に絵になっていた。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』よりアルストロメリアは「アルストロメリア」を披露。ユニット名を曲名に冠した原点にして頂点の楽曲だ。これぞキュートを体現する三輪の薄桃色のお花が咲いたようなパフォーマンス。哲学的な歌詞と理屈のいらないかわいらしさの共存は彼女たちならではだ。

蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブよりスリーズブーケは「Holiday∞Holiday」を披露。花宮初奈の深みのある落ち着いた歌唱に引き込まれると、楡井希実の華やかな歌唱でパッとステージが明るくなるようなコントラストが楽しいユニットだ。パフォーマンスに清らかな青春感がある。手を繋いだり腕を組んだりの仲の良い振付では、会場からテンションの高い歓声が上がっていた。

『アイドルマスター シンデレラガールズ』より藍原ことみ、五十嵐裕美、髙野麻美、中島由貴、井上ほの花、立花日菜、山下七海は「ラブレター」を披露。髙野のブロンドヘアの再現度の高さや、中島や山下のアイドル性能の高さが目を惹く。様々な世代のシンデレラたちがパフォーマンスを見せるなか、シンデレラたちのはじまりから最前線で頑張ってきた五十嵐がとびっきりキュートに輝いているのが頼もしい。

ここからは虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のソロメドレーパート。大西亜玖璃は透き通るようなアカペラっぽい独唱から「Dream with You」を歌唱。ピンク色のリボンとふわりとしたドレスをまとって輝かしいパフォーマンスを見せた。

鬼頭明里は「Butterfly」を披露。弾むようなダンスとともに薄布のベールがひらりとたなびくのが幻想的で美しい。背後のスクリーンで歌い踊る近江彼方のライブとのシンクロ感に、初代『ラブライブ!』からの伝統を感じた。

田中ちえ美は「ツナガルコネクト」でコミカルかつキュートなパフォーマンス。オリジナルなファニーボイスとともにステージを跳ね回ると、背負った翼がリズミカルに揺れる。アウトロでステージを歩き回ったり、リズミカルなステップからの笑顔のキメが印象に残った。

蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブよりみらくらぱーく!の「ハクチューアラモード」には菅 叶和、中島由貴、麻倉ももが参加。『アイドルマスター』サイドからは中島と麻倉が参加したが、キュートさとアイドルとしての強度が圧倒的。カワイイで畳みかけるようなトリオだった。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』よりアルストロメリアの「ラブ・ボナペティート」には芝崎典子、高槻かなこ、指出毬亜、坂倉 花、月音こなが参加。楽曲にふさわしく各タイトルを代表するキュートが集った感じだが、そのなかでも唯一のオリジナルメンバー・芝崎の笑顔には抜群の華がある。スカートをつまむような振付で衣装の個性が見えるのが楽しい。テンションの高い「ぽぉぉぉぉぉ!」のフレーズで5人が声と楽しいの感情を弾けさせるのが幸せな光景だった。

ハーフタイムには“応援合戦”と題して山崎はるかと矢野妃菜喜が登場。山崎が本ライブの総出演者数が88名であることを告げると会場からは驚きのどよめきが上がる。矢野がステージに立った「わちゅごなどぅー」や、『アイドルマスター』と『ラブライブ!』が並び立ったコラボ曲の話題で盛り上がると、お互いのコンテンツのパフォーマンスの素晴らしさを讃えあった。そして応援といえば、ライブ前1ヵ月にあたってアンバサダーとして盛り上げを担ってきたにじさんじ所属・ドーラとホロライブ所属・ラプラス・ダークネスもここで登場。異次元川柳投稿フェスの結果発表などで盛り上がっていた。

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