2024年1月27日(土)・28日(日)に日本武道館にて開催される“リスアニ!LIVE2024”へ、「UPCOMING ARTIST」として両日出演することが決まった「UniteUp!」。本プロジェクトは、声優、シンガーソングライター、役者、と様々なフィールドで活動しているメンバーが集結して紡いでいく「多次元アイドルプロジェクト」だ。
伝説のアイドル・Anelaが設立したsMiLeaプロダクション所属のアイドルである彼らは、ポジティブな想いの満ちるナンバーを歌い上げる正統派アイドルユニット・PROTOSTAR、クールかつエモーショナルなダンスビートに彩られたナンバーでシーンを席捲するLEGIT、強い絆で繋がり真っ直ぐな応援ソングを届けるバンド・JAXX/JAXXで構成される。“リスアニ!LIVE”で彼らのパワー漲るステージを目撃する前に、そんな「UniteUp!」を「知っておかないと!」ということで、彼ら一人ひとりにフォーカスしていく短期集中連載を公開中。第5回はJAXX/JAXXの求心力であるボーカルの春賀楽翔を演じるmasaを直撃。「チャオッピー☆」の挨拶が視聴者のハートを掴む楽翔として、またJAXX/JAXXの楽曲を作るシンガーソングライターとして、彼は「UniteUp!」とどのように向き合っているのだろうか。
INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち
――オーディションから数えると関わられてから3年近い時間が経過している「UniteUp!」ですが、今、改めて「UniteUp!」はどんなコンテンツだと感じますか?
masa 「UniteUp!」を知れば知るほど、“音楽”の強さを感じるんですよね。アニメの中でアイドルをやって、三次元でもアイドルをやって、楽曲を提供するアーティストとしても立っていて感じるのは、色んな要素が詰め込まれているな、ということ。初めてのことばかりで、中の人も成長しているし、それを見ている人たちは成長を感じながら応援をしていただけるコンテンツでもあるな、と感じています。
――2021年末にYouTubeチャンネルが開設され、動画が投稿され、はる賀としてもたくさんの動画投稿がされました。そこからアニメ化され、最終話のライブがリアルライブ(“sMiLea LIVE -Unite with You-”)として夏に開催。着実に見ている方のハートを掴んできたコンテンツですが、楽翔くんと共に歩んでこられてどんなことを感じてきましたか?
masa 本当に濃い時間でした。僕はソロで音楽活動をしてきたので、男性グループとして活動することは初めてでした。さらに、アフレコなどの初めての経験をみんなと乗り越えていくなかで、メンバーの温かみを知ったんです。3年一緒に過ごしてくるとJAXX/JAXXのメンバーだけじゃなく、LEGIT・PROTOSTARのメンバーとも仲良くなっていって。悩んだときに話を聞いてもらったり、同じプロジェクトのメンバーという視点があるからこそ助けてもらったりして、心が開けていく感覚がありました。僕が20歳の時から参加させていただいているのですが、このコンテンツを通して人との関わり方を覚えたし、いろんな人と話すことで自分自身を知ることもできました。メンバーそれぞれがこのコンテンツで学んだことをソロ活動にも活かしていますが、僕もアーティスト・masaとしてすごく成長できた時間でしたね。
――その「UniteUp!」はアニメ第2期の制作も発表されました。今度はどんな彼らを見たいですか?
masa シンプルに、ワンステップ上がった「UniteUp!」が見たいです。キャストの話になりますが、アフレコが初体験だったこともあって悔しい想いをしているメンバーもいるんです。「もっと出来たのに」と思ったことが表現の部分でありましたし、役として活動していくなかでキャラクターへの理解度も増しているところなので、それをアニメにもぶつけて、僕らが変わったからこそキャラクターも成長して見えるようなアニメになればいいなと思っています。あとは……JAXX/JAXXのソロライブ回があったらいいなって思います!音楽に特化している作品ですから!
――ここまでたくさんの楽曲を制作してきた「UniteUp!」。はる賀として歌ったものも含め、春賀楽翔としてmasaさんが作詞作曲したナンバーもありますが、特に思い入れある楽曲を教えてください。
masa 春賀楽翔名義で作詞作曲をしたJAXX/JAXXの「SuperStar」です。アニメに曲が使われることって、シンプルに嬉しいんですよね。シンガーソングライターとして、地上波で流れる曲を作らせてもらうという。出来た楽曲を皆さんに「良いね」って思ってもらえたからこそ起用されたと思いますし、それは僕が作った音楽を認めてもらえたのだと感じて嬉しくなりました。あと、「この曲を聴いてJAXX/JAXXを知りました」という言葉をいただいたこともあったんですね。音楽しかやってこなかった人間が、JAXX/JAXXや「UniteUp!」を知ってもらうきっかけを作ることができて、スタッフさんやメンバーに恩返しができた感覚がありました。それと、はる賀時代と違うものが作れたことが印象深くて。はる賀時代は恋愛の曲が多くて、目線を15歳に下げて作っていたんですが、楽翔くんと過ごす日々の中で、彼は15歳にしては達観しているし、逆に僕はどこか幼さもあって、ちょうど同じくらいの感覚だなという気づきがあったんです。そして、この「SuperStar」を作ったときは、楽翔くんと僕が同じ目線になった瞬間でもあって、自分がシンガーソングライターとして活動している中で苦しかった日々と、楽翔くんは音楽をやりたいけどお腹が空いて道端で倒れるくらい苦労をしている日々。2人の芯の部分は繋がっているんだなと感じたので、そういう部分をなぞらえて曲を書こう、と思って出来たのが「SuperStar」です。
――JAXX/JAXXとの出会いによって、はる賀から春賀楽翔に変化できた?
masa 内容は“最低な毎日”という暗いワードから入るのですが、そんな主人公がデカいステージを目指す歌。「UniteUp!」の主人公は(清瀬)明良くんだけど、僕らの主人公は楽翔くんなんだよっていう曲を書けた。JAXX/JAXXという二次元でも三次元でも熱いメンバーがいるからこそ辛い日々を乗り越えられているんだよ、っていうそのときの僕にもリンクしていたんです。僕も弱くて女々しい人間なのに「スーパースター」になりたいって言っている。でもJAXX/JAXXのメンバーは「お前は出来るよ」って言葉と気持ちを伝えてくれるから、その想いがシンクロして「UniteUp!」の曲として出せたことがすごく嬉しかった。僕の中で殻を破れた曲です。
――そして間もなく待望のEPがリリースされます。EPの聴きどころを教えてください。
masa 全員で歌う「ELEVEN」は、前回のライブに戸谷(菊之介)くんが出られなかったという悔しい想いが詰まっていますし、みんなそれぞれの悔しさやファンの皆さんが見せてくれた景色を考えながら歌った曲なので、色々な想いが伝わってくれたら嬉しいなって思っています。PROTOSTARの「シュガーHi Hi!」は本当に良い曲!PROTOSTARの3人が歌うからこその初々しさが素敵だなって思います。それからLEGITの「MAGIC」は実写MVでもメンバー3人の仲の良さが伝わってきますし、楽曲もLEGITらしいですよね。そして僕が春賀楽翔名義で作詞作曲をさせてもらったJAXX/JAXXの「JOKER」は、「楽翔くんを考えすぎなくていいよ」って言われて作った曲なんです。楽翔くんが今までJAXX/JAXXとして言えていなかったことや僕が辛かったことを描こうと思って、制作に向き合いました。演じる役と自分を行き来するから楽しいけど、僕自身に楽翔くんを求められている時期があったんです。
――楽翔くんを求められているというと?
masa 「masaはソロの活動でも楽翔くんみたいな曲を書いたらいいのに」と言われたことがあって。それは「UniteUp!」の音楽が良いからこそだ、とも思うんです。でも、僕は楽翔くんを演じているけれど楽翔くんではないし、楽翔くんもmasaではない。それが「JOKER」の原動力でした。楽翔くんもきっと表舞台に1人で立っていたときには孤独の時間や内側の悲しみも感じていたからこそ、そのパワーをJAXX/JAXXで出せたんじゃないかとも思っていて。 歌詞にあるとおり、“Who am I”「自分は誰なんだろう」とわからなくなったときの曲でもありますが、辛いときに救いのある曲だと思いますし、聴くだけで分かち合える、寄り添えるものになったと自負しています。楽翔くんとしても、masaとしても意味の成せる曲になりました。JAXX/JAXXの曲って決めつけないところがいいところだなって思っているんですよね。BURNOUT SYNDROMESの熊谷和海さん(JAXX/JAXX/「STORM’s EYE」「A.P.P.L.E.」を楽曲提供)もそれを理解してくださったうえで曲を書いてくださっていることもあり、その芯を崩さずに、痛みを分かち合って葛藤やもがく様を表現しようと思って作りました。
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