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INTERVIEW

2023.12.03

TVアニメ『オーバーテイク!』ED主題歌「グッドラック」をリリース!新たな挑戦を詰め込んだ最新シングルについて畠中 祐に聞く

TVアニメ『オーバーテイク!』ED主題歌「グッドラック」をリリース!新たな挑戦を詰め込んだ最新シングルについて畠中 祐に聞く

大ヒットメーカー・Jeff Miyaharaとの共同作業は全てが新しい体験だった

――――カップリングの2曲についても伺います。「Psycho」は長編映画『家族という病』の主題歌だそうですね。実写映画のタイアップは初めてじゃないですか?

畠中 はい、初めてです。お話をいただいたときは、ちょっとビックリしました(笑)。こちらの映画の公開はまだちょっと先になりそうなので、主題歌が先行公開という形になりましたね。

――先ほど、『オーバーテイク!』がかなり社会派の内容だと伺いましたが、この『家族という病』もあらすじを拝見すると、家族を巡るシリアスで重厚な内容ですね。

畠中 そうですね。安定しているように見えても実はそうじゃない家族だったり、世間体を放棄した男女だったり、さまざまな境遇の人を通じて“絶対的に家族というのは幸せであるべきなのか?”、“家族とは何か?”を問いかける話。本当に偶然ですけど、今回は社会派な作品とご縁がありますね。

――こちらは作詞が数々のK-POP、J-POPの大ヒット曲を生んでいるKanata Okajima(岡嶋かな多)さんで、作曲・編曲がクリス・ハートのプロデューサーとしても有名なヒットメイカーのJeff Miyaharaさん。かなりサウンド志向のスタイリッシュでダンサブルな1曲になりました。

畠中 映画のテーマが家族の在り方やしがらみを問いかけていて、その中で自由になるために、自らしがらみを断ち切っていく瞬間も絶対に必要なんですよね。そういう負のサイクルだったり、しがらみがもたらすある種の狂気から抜け出していく感覚が、この曲のテーマになっています。だから、曲に明確な物語や情景が描かれているわけじゃなくて……鬱屈としたもの、そのものを歌う。なので水中に潜っている自分をイメージして、水面に上がって息をするような音も録ったりしました。

――超ビッグネームとの音楽制作はいかがでしたか?

畠中 すべてにおいて、すごく新しい体験をさせてもらいましたね。Jeffさんがよく使われるスタジオでレコーディングしたんですけど、普通はレコーディングブースとディレクターさんやエンジニアさんがいるミキサーブースは隔てられていて、外から指示を出してもらって歌うんですけど、Jeffさんのやり方は違って。同じ部屋にいながら進めていくんです。Jeffさんのディレクションも、僕が今までやってきたレコーディングとは違っていて。普段は1曲を分けて歌うにしても、Aメロ、Bメロ、サビのようにブロックごとに分けて録ることが多いですが、今回はエンジニアさんもその場にいるから、歌詞カードのワンフレーズごとに細かく細かく詰めていくやり方でした。

――精密なんですね。

畠中 でもサビになると、アーティスティックな感じを求められるんです。自由に遊ぶところがあってもいいという。それにディレクションの仕方自体も、今までの音楽制作現場とは違う。音程とか音の強弱とか、言葉の立て方を指示されるんじゃなくて、“もっと息苦しさを感じたい、首を絞められている感じで”とか、“聴いてて呼吸が荒くなる感じがいい”とか、“森の中にいるように”とか……歌というより、芝居のディレクションにすごく近いんです。逆に、音程とかはそんなに気にしなくて、いかに曲の中に入り込んで臨場感を出せるかが重要で。自分自身をコントロールすることと、アーティスティックに自由に表現することと、両方が求められる……ある種、試されている感覚が面白かった。すごく集中力が必要でした。

――映画公開が待たれますね。

畠中 そうですね。僕もまだ映画の完成版を観ていないので、実際に劇中で聴いたらどう感じられるのか、すごく楽しみです。

禁断のドラマティックな愛を描く「Endless Love」レコーディングに緊張

――そしてもう1曲の「Endless Love」は「Psycho」とは対照的で、アニソンらしさを感じました。こちらは畠中さんがフランシス・ドレーク役としても出演中の女性向け恋愛ゲーム『イケメンヴァンパイア◆偉人たちと恋の誘惑』5周年記念タイアップソングです。

畠中 はい、楽曲自体は昨年にもう公開されていたので、ご存じの方も多いと思います。

――満を持しての音源化ですね。ヴァンパイアとなった偉人との禁断の危険な恋愛を題材にしている作品だけに、歌詞の世界もとてもドラマティックで。

畠中 そうなんです。“壊す運命と 世界の中で 確かな生きる意味をくれたから”だったり、“消せない過去の傷痕も 君との時間が救いになる”だったり、僕がやらせてもらっているフランシス・ドレークとヒロインの関係性をイメージさせるフレーズも登場しますしね。ドレークくんは、ヴァンパイアとして虐げられてきたから、人間に対する復讐心がすごいんです。でもヒロインと出会うことで少しだけ心は救われるけど、強い葛藤もある。そういう切なさ、強い衝動を、楽曲から感じ取ってもらえたらいいですね。

――制作中の印象的なエピソードはありますか?

畠中 レコーディングは去年の春頃だったんですけど、いつもならスタジオにいるのはうちの音楽制作チームだけなんですが、この曲のときはゲーム制作のスタッフさんもいらっしゃったので、めちゃめちゃ緊張しましたね。曲調にもドラマがあるから、何テイクか歌いましたけど一番こってりしたバージョンが採用されました(笑)。

――こうしてみると、今回のシングルは3曲ともまるでテイストが違うナンバーが揃いましたね。

畠中 ほんとそうなんですよ。「グッドラック」はそっと寄り添う楽曲だし、「Psycho」は家族のしがらみがテーマだし、「Endless Love」は一人の恋人の愛をむさぼるように求めている。音楽的には全然違うけど、いろんな“愛”を歌っていることは一貫しているのも面白いと思います。全部の曲が、僕にとっては新鮮な経験だったので、新しい畠中祐を感じてもらえたら嬉しいです!


●リリース情報
TVアニメ『オーバーテイク!』ED主題歌
「グッドラック」
11月29日発売

【初回限定盤(CD+Blu-ray)】

価格:¥2,970(税込)
品番:LACM-34464
※ランダムフォトカード(全3種のうち1種封入)

【通常盤(CD only)】

価格:¥1,430(税込)
品番:LACM-24464
※TVアニメ『オーバーテイク!』描き下ろしイラストを使用した長帯仕様

<CD>
1. グッドラック (TVアニメ『オーバーテイク!』ED主題歌)
作詞:yumeiroecho  作曲・編曲:イケガミキヨシ
2. Psycho (長編映画『家族という病』主題歌)
作詞:Kanata Okajima 作曲・編曲:Jeff Miyahara
3. Endless Love (恋愛ゲーム『イケメンヴァンパイア◆偉人たちと恋の誘惑』 5周年記念タイアップソング)
作詞・作曲:綿貫直行  編曲:はな (Gacharic Spin)
4. グッドラック (Instrumental)
5. Psycho (Instrumental)
6. Endless Love (Instrumental)

<Blu-ray>
1. グッドラック (Music Clip)
2. Making of グッドラック

●作品情報
TVアニメ『オーバーテイク!』
放送中

【CAST】
浅雛 悠:古屋亜南
眞賀孝哉:小西克幸
小牧錮太郎:畠中 祐
春永早月:河西健吾
徳丸俊軌:八代 拓
蜜澤亜梨子:上田麗奈
小牧 太:佐々健太
笑生教典:加藤将之

【STAFF】
原作:KADOKAWA × TROYCA
監督:あおきえい
シリーズ構成:関根アユミ
スーパーバイザー:高山カツヒコ
キャラクター原案:志村貴子
キャラクターデザイン:松本昌子
美術監督:伊藤 聖(スタジオARA)
色彩設計:篠原真理子
アートディレクション:有馬トモユキ、 瀬島卓也
CGディレクター:町田政彌(スティミュラスイメージ)、 井口光隆
ビジュアルエフェクト:津田涼介
撮影監督:加藤友宜
編集:右山章太
音響監督:明田川 仁
音楽:うたたね歌菜 (F.M.F)
オープニング主題歌:叶「Tailwind」
エンディング主題歌:畠中 祐「グッドラック」
音楽制作:F.M.F
音楽プロデュース:ランティス
アニメーション制作:TROYCA

©KADOKAWA・TROYCA/オーバーテイク!製作委員会

関連リンク

畠中 祐 Lantis Website
https://www.lantis.jp/artist/hatanakatasuku/

TVアニメ『オーバーテイク!』公式サイト
https://komaki-motors.com

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