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2023.11.29

寿 美菜子、約5年ぶりとなるツアー<LAWSON presents 寿美菜子 Zepp Live Tour 2023 “Golden hour”>の初日公演をレポート

寿 美菜子、約5年ぶりとなるツアー<LAWSON presents 寿美菜子 Zepp Live Tour 2023 “Golden hour”>の初日公演をレポート

声優・寿 美菜子がおよそ5年ぶりとなるツアー<LAWSON presents 寿美菜子 Zepp Live Tour 2023 “Golden hour”>を開催した。神奈川と大阪で行われた今回のツアーは、彼女のキャリアを彩ってきた数々の楽曲に加え、先日リリースされたばかりの1st EP『Curious』からの全楽曲を網羅した、待望のステージに相応しいタイトル通りの“Golden”な装い。自身が演出にも深く携わった歓喜の2公演から、ツアー初日となる11月5日神奈川・KT Zepp Yokohama公演の模様をレポート。

PHOTOGRAPHY BY佐藤 薫
TEXT BY 澄川龍一

最高の“Golden hour”、その始まりは軽やかに

ソロとしてのツアーは2018年に開催された “emotion”ツアー以来5年ぶりとなる、寿 美菜子によるライブツアー。その前に、今年5月には“さよなら中野サンプラザ”に同じくスフィアの豊崎愛生との2マンライブを経験している。そのときの熱狂を目の当たりにしたスタッフ陣の働きかけもあって完成したのが、1st EPとなる『Curious』であり、今回のツアーであった。そうした過程のなかで、様々な期待と待望が熱気となって、開演前のZepp Yokohamaに充満しているようだった。そんななか会場が暗転すると、まるでその熱気が弾けるように歓声が会場に響き渡る。そしてバンドメンバーのあとにステージ中央から寿が、「最高の“Golden hour”を過ごしましょう!よろしくー!」と勢いよく登場すると、デビューシングル「Shiny+」のギターリフが鳴らされた。ステージ上には平井武士(g)、生田目勇司(ds)、籠島裕昌(key)、平本陽一郎(b)という4ピース編成で、ガツンとしたバンドサウンドが印象的。そのなかで寿は冒頭からハリのある歌唱を聴かせる。久々のワンマンでもその動きは実に軽やかで、ロッキンながら清涼感たっぷりな彼女の魅力が十二分に発揮されたステージとなった。

対して観客は待ってましたと言わんばかりに彼女のイメージカラーである紫色のペンライトで会場を染め上げる。冒頭から「これぞ寿 美菜子のライブ」と言えるエネルギッシュなパフォーマンスで熱量を一気に上げたあとは「ココロスカイ」へ。いきなりの代表曲の連発に、冒頭のアルペジオですでに客席から大歓声が起こる。寿の歌唱は当時から変わらずフレッシュさを保ちながら、サビの“怖がらずに 行こう”のフレーズなど力強く伸びていく。終盤にはお馴染みの観客の大合唱を経て、“怖がらずに say hello!”とシンガロング。まさしく5年ぶりの再会を祝福するかのような盛り上がりをみせたあとは、その余韻のなかでピアノのフレーズが弾かれる。時は一気に2018年に進んで、EDMサウンドの「Another Wonderland」へ。寿の澄んだボーカルからリズムインして、ダンサブルな原曲にバンドの肉感が加わるパワフルなパフォーマンスを聴かせる。ビートに乗せて体を動かして同時に会場全体を揺らす、こちらも寿美菜子らしいフロアライクな魅力が打ち出されていった。

体全体で再会を喜び、分かち合うにはうってつけのオープニングのあとは、最初のMCへ。ツアー初日、そして久々のワンマンを迎えられたことに喜びを爆発させる寿は、客席に向かって「たくさんのみんなが見えるよー!」と実に嬉しそう。同時に「登場からちょっとうるっときてました」とエモーショナルな気持ちを吐露した。5年ぶりのツアーということで、その景色を改めて思い出すように、「いい景色だねえ、もう」とこぼしたのがまた印象的だった。

この日のステージを彩るバンドメンバーを紹介したあとは、「新曲いってみましよう!」と宣言し、EP『Curious』のなかでもロッキンな「DIVE INTO」へ。時折がなるようにラフな歌い出しを聴かせてバンドサウンドに心地よく乗せたパフォーマンスを聴かせたあとは、『Curious』からダンサブルな「Sense of Wonder」へ。曲の冒頭で上着を脱いで身軽になったあとは、ビートに乗ってキレのあるダンスを披露する。今回のツアーはシンプルな編成となったが、それだけに彼女の力強いパフォーマンスが際立つし、エンターテイナーとしての実力というものを存分に堪能することができた。

続くMCではEP『Curious』に触れつつ、この日はベストライブ的なものであると語る寿。セットリストを作っていくうえでどうしても入れられない曲、「この曲歌えないなんてもったいないよ!」という曲たちが出てきたという。続いては、そんな楽曲を一気に披露するメドレー“もったいないhour”がスタート。まずは「Like a super woman」でファストなサウンドにお馴染みの振り付けをみんなで楽しんだあとは、「Startline」のサビを小気味よく聴かせる。もちろんサビの終わりでは観客と一緒にシンガロングをしたあとは、ポップな「Candy Color Pop」でキレキレのダンスを披露。そのあとには薄手のストールを羽織って和のテイストを感じさせるミディアム「metamorphose」を経て、「Piece of emotion」で再びパワフルな歌唱を聴かせる。

「横浜まだまだ終わらないよー!みんなで一緒に歌いましょう!」と叫んでからの「FLY @WAY」で再び盛り上がったあとは、「STRIDE」に移ってさらに加速。客席のボルテージも頂点に達したところでメドレーも終わり……かと思ったら再び「Like a super woman」へとどめとばかりにリプリーズ。実に15分にわたる狂乱のメドレーを一気に駆け抜けた。なるほど、これが聴けないなんて実にもったいない!

次ページ:寿 美菜子の音楽の帰還、そして”Golden hour”の先に見える景色とは

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