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INTERVIEW

2023.11.23

デビュー5周年のReoNaが新たな世界を切り開く――TVアニメ『アークナイツ 【冬隠帰路/PERISH IN FROST】』のEDテーマ「R.I.P.」に込めた“怒り”と“絶望”を紐解く

デビュー5周年のReoNaが新たな世界を切り開く――TVアニメ『アークナイツ 【冬隠帰路/PERISH IN FROST】』のEDテーマ「R.I.P.」に込めた“怒り”と“絶望”を紐解く

「NHK みんなのうた」との出会い、もう1つの「VITA」、毛蟹が描く新しい“絶望”の歌

――カップリング曲のうち「地球が一枚の板だったら」は、2023年4・5月度のNHK「みんなのうた」でオンエアされた楽曲になります。

ReoNa NHK「みんなのうた」は私自身も小さな頃から受け取っていたもので、今回担当させていただくにあたって思い返してみたら、「ああ、この楽曲も知っているな」ということが多くて。この楽曲をきっかけにお子さんがいる方がReoNaに出会ってくださったり、「自分の子供も聴いています!」というお声をいただいたりもして、改めて「みんなのうた」というのは言葉の通り“みんなの歌”だということを感じました。傘村トータ(LIVE.LAB)さんの温かく絶望に寄り添う楽曲を「みんなのうた」として発表することができて良かったです。

――傘村トータさんの楽曲には、必ず優しさが感じられますけど、その中でも今回の楽曲は、子供向けの絵本のような世界観になっていますよね。

ReoNa 温かさ成分をもうひと匙加えた感じと言いますか。でもやっぱり、背中も押さないし手も引かない楽曲なんですよね。“君が100泣いたら 僕も100泣こう”と歌うのは、まさに寄り添う楽曲だと思います。「1人で抱えないでね」っていう。やっぱり家族や友人、恋人、同僚、大切に思う人に対しては、1人で抱えないでほしい気持ちは誰にでもあると思っていて。そういう想いが詰まっている楽曲だと思います。

――この楽曲はすでにライブでも歌われていますが、レコーディングを含め、この楽曲を歌うときは、やはり“君”に向けて優しく歌いかけるようなイメージなのでしょうか?

ReoNa そうですね。ただ、レコーディングで最初に歌ったときは、やっぱり私は何を歌っても暗くなるんだな、と思ってすごく落ち込んでしまって(苦笑)。なので、今の歌に辿り着くまでに色々と試行錯誤をしました。レコーディング現場には傘村トータ氏にも来てもらっていたのですが、私が言葉の温度感や優しさ成分を歌で表現するためにどうすればいいか悩んでいたときに、ふいに傘村トータ氏が手元にあった紙を折りたたんで、“僕”と“君”の指人形を作ってくれたんです。その人形で“僕”と“君”をイメージしながら歌うことで、今の歌に辿り着くことができて。“僕”と“君”の歌なので、私が1人で悩んでいても、そこに正解はなかったんです。優しい歌になっていたらいいなあと思います。

――そしてシングルの初回生産限定盤と通常盤には「VITA -The Days-」を収録。これは家庭用ゲーム「ソードアート・オンライン Last Recollection」の主題歌「VITA」の新バージョンになりますが、9分超のバラード風のアレンジになっていて、原曲とはまったく趣きが変わりましたね。

ReoNa 私もびっくりするくらい変わりました。単純にアコースティックバージョンにするのではなく、まったく別の新曲としての「VITA」に生まれ変わらせたい、という話になって。なので私の歌も全然違う印象のものになっているのですが、それも元々の「VITA」があって、それこそ色んなライブで一緒に走って色んな思い出を作ってきたからこそ、歌えた歌だと思っていて。レコーディングするときもゲームの映像を観ながら歌いましたし、きっとゲームをプレイした方はより特別を感じてくださると思います。

――サウンド的にはストリングスを大々的にフィーチャーした、とてもドラマチックで壮大なアレンジに仕上がっています。

ReoNa 今回は、宮野幸子(SHANGRI-LA INC.)さんに編曲していただきました。宮野さんは元々劇伴のお仕事をたくさんされている方だからこそ、「SAO」が好きな方には、お!っと思うような仕掛けやフレーズが散りばめられていて、作品にしっかりと寄り添った音にしてくださいました。ゲーム版「SAO」との歴史があったからこそできた楽曲ですし、言葉の響き方もガラッと変わりました。

――1つ1つの言葉をより大切にしているのが伝わってくるような歌い方に感じました。

ReoNa 元々の「VITA」は、決意表明や祈りのような切実さがすごくあると思っていて。“命はあなたを忘れない”という歌詞は、それこそ覚悟であり、そうであってほしいと願う祈りでもあると思うんですね。でも、今回の「VITA -The Days-」は、意識したわけでもなく自然と、さも当たり前のような感覚で歌うことができて……説明が難しいですけど、決意表明というよりは、「命ってそういうものだよね」と読み聞かせるような感覚で歌いました。歌詞は同じなのに、歌っているときの気持ちはまるで違いました。

――そしてもう1曲、期間生産限定盤に収録の「原作者」は、毛蟹さんが作詞・作曲・編曲を手がけた、ほぼピアノのみをバックにした楽曲です。

ReoNa ReoNaの楽曲というのは、出来上がるまでの生い立ちが楽曲ごとに全然違っていて、言葉の1つ1つまで入念に相談しながらできた楽曲もあれば、私が「最近こんなことを考えているんです」という思いをしたためてもらうこともありますし、アニメやゲーム作品にしっかりと向き合ってお話しながら作るパターンもあって。その中には、クリエイターさんが作詞・作曲したものをスッといただくパターンもあるのですが、その意味で「原作者」は毛蟹さんに私が付いていった楽曲と言っていいと思います。それこそ毛蟹さんに「月姫 -A piece of blue glass moon-」の楽曲を作っていただいたときは、「俺は“月姫”のことだけを考えて楽曲を作るから、ReoNaは自分でこの楽曲をReoNaの楽曲にしろ!」っていう感じだったんです。それに近い感じで、毛蟹さんが思い描く歌詞とメロディを私が歌にする、という形で出来上がったのが、この「原作者」になります。

――でも、夢や理想を追い求めるなかで味わう“絶望”が描かれている意味では、ReoNaさんが歌ってこそ意味のある楽曲にも感じました。

ReoNa こんなにも私自身の意見が入っていない、毛蟹さんから「はい」と渡されたものに対して、「私は歌えない」と思えないことが逆に悔しくて「毛蟹さんらしいな」と思いつつ、私も自分に重ねられる部分がちゃんとあったんです。

――最初に楽曲を受け取ったとき、どんな風に感じましたか?

ReoNa まず、毛蟹さんは原作者になりたかったんだろうな、と感じましたし、そういう夢に対する想いというのは、この楽曲を受け取る人の夢の大きさや今いる場所によって、刺さり方や感じ方が全然違うんだろうなと思って。でも、私の中では毛蟹さんはすでに原作者でもあるんですよね。私にとって毛蟹さんは脚本家であり原作者であって、私はそれを受け取って1人の演者として板に立つというイメージなので。

――この楽曲では、夢や理想の自分、なりたい自分になれない悔しさみたいなものが描かれていますが、その気持ちに何かしらの決着を求めるのではなく、ポンと置かれているような歌という印象を受けました。

ReoNa 独白のような感じですよね。この楽曲は仮歌から本番のボーカルRecまで、すべて毛蟹さんとお話しながら進めていったのですが、独り言感やもがき苦しむような感じ、声の置き所やフレーズごとの感情の振れ幅というのは、お互い意見をリレーしながら模索するなかで出来上がった感じでした。多分、毛蟹さんの中に私の声のイメージがあって、それに対して私が独白感というイメージで歌って一致した感じです。

――ちなみに楽曲の後半で、主線とは別のコーラスが加わってきますが、あれはどういう意図で作られたのでしょうか?

ReoNa あそこのコーラスは“夢では芸術家 あなたは建築家 誰もがドクター ロックスター”と歌っているのですが、多分、毛蟹さんはあそこで色んな人の人生観を表現したかったんだと思います。なのであそこのコーラスは私の声だけでなく、毛蟹さんの声も入っています。

――男性の声も入っているなと思ったのですが、あれは毛蟹さんだったんですね。

ReoNa ReoNaのレコーディングはその場にいる人にコーラスを入れてもらうことが多くて、「Someday」では傘村トータさんと堀江晶太さんとスタッフさんと私でコーラスを歌っていますし、今回の「原作者」でも、私と毛蟹さんと実はもう1人、女性スタッフも歌ってくれていて、ちょうど私と毛蟹さんの声の間の成分を足してくれました。現場で実際に録って試すことが多くて、今回は厚みのあるコーラスが合うということで今の形になりました。

5周年イヤーのアニバーサリーツアーに向けて、ReoNaが今感じること

――ReoNaさんは今年8月にデビュー5周年イヤーを迎えて、来年5月からは新たなツアー『ReoNa 5th Anniversary Concert Tour “ハロー、アンハッピー”』を開催することも発表されましたが、節目の年となるこの1年、どんな活動をしていきたいですか?

ReoNa 今はちょうどアコースティックツアー(“ふあんぷらぐど2023”)を行っているところなのですが、アコースティックツアーは2年ぶりなので、感覚的に思い出すこともありますし、以前とは変わった部分があることを肌で感じていて。最近はバンドセットのライブが続いて、並行して2ndアルバムのレコーディングもあって、ライブと制作を駆け抜けた先で、伴奏はピアノとギターだけで自分の声が占める割合の大きいライブに立ち返った今、言葉をメロディに乗せること、言葉を音楽として伝えることをより意識するようになったと思うんです。その中で自分の歌が変化していることを感じますし、このアコースティックツアーを経ることで、さらに一歩、歌で伝えることの正解が掴めるんじゃないかと思っていて。なので来年のバンドセットのライブも、ぜひ楽しみにしていただきたいです。

――その来年のツアーのタイトルが“ハロー、アンハッピー”ということで、ある種、原点回帰を感じさせます。

ReoNa 今回はデビュー5周年という1つの大きい節目を迎えたので、改めてこのタイトルにさせていただきました。

――それは楽しみです。あと、来年のツアーは鹿児島公演もありますね。

ReoNa そうなんです……!ついに地元の鹿児島に帰ることができます。CAPARVO HALLは元々2020年に行く予定だったので、やっと念願が叶うことになりました。いつかは奄美大島でもライブができればと思います。


●リリース情報
ReoNa 8th Single
TVアニメ「アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】」EDテーマ
「R.I.P.」
発売中

予約・購入はこちら

■mora
通常/配信リンクはこちら
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【初回生産限定盤(CD+DVD)】

品番:VVCL 2350-51
価格:¥1,980(税込)
※撮り下ろしフォトブック同梱
※トールケースサイズ三方背スリーブケース仕様

【通常盤(CD)】

品番:VVCL 2352
価格:¥1,320(税込)

<CD>
M1.「R.I.P.」
作詞:ハヤシケイ(LIVE LAB.) 作曲:毛蟹(LIVE LAB.) 編曲:毛蟹(LIVE LAB.) ブラスアレンジ:宮野幸子(SHANGRI-LA INC.)
M2.「地球が一枚の板だったら」
作詞:傘村トータ(LIVE LAB.) 作曲:傘村トータ(LIVE LAB.) 編曲:小松一也
M3.「VITA -The Days-」
作詞:毛蟹(LIVE LAB.)、ReoNa 作曲:毛蟹(LIVE LAB.) 編曲:宮野幸子(SHANGRI-LA INC.)
作詞:毛蟹(LIVE LAB.) 作曲:毛蟹(LIVE LAB.) 編曲:毛蟹(LIVE LAB.)
M4.「R.I.P.」-Instrumental-

<DVD>
「R.I.P.」Music Video
「VITA -The Days-」Music Video

【期間生産限定盤(CD+DVD)】

品番:VVCL 2353-54
価格:¥1,760(税込)
※TVアニメ『アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】描きおろしイラスト使用ミニポスター
※TVアニメ『アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】描きおろしイラスト使用三方背ケース付

<CD>
M1.「R.I.P.」
作詞:ハヤシケイ(LIVE LAB.) 作曲:毛蟹(LIVE LAB.) 編曲:毛蟹(LIVE LAB.) ブラスアレンジ:宮野幸子(SHANGRI-LA INC.)
M2.「地球が一枚の板だったら」
作詞:傘村トータ(LIVE LAB.) 作曲:傘村トータ(LIVE LAB.) 編曲:小松一也
M3.「原作者」
作詞:毛蟹(LIVE LAB.) 作曲:毛蟹(LIVE LAB.) 編曲:毛蟹(LIVE LAB.)
M4.「R.I.P.」-TV ver-

<DVD>
TVアニメ『アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】ノンクレジットエンディング映像収録

●ライブ情報
『ReoNa 5th Anniversary Concert Tour “ハロー、アンハッピー”』
5/18(土)戸田市文化会館(埼玉)OPEN 17:00 / START 18:00
5/19(日)戸田市文化会館(埼玉)OPEN 16:00 / START 17:00
6/8(土)NHK大阪ホール(大阪)OPEN 17:00 / START 18:00
6/9(日)NHK大阪ホール(大阪)OPEN 16:00 / START 17:00
6/15(土)BLUE LIVE HIROSHIMA(広島)OPEN 17:00 / START 18:00
6/16(日)高松 festhalle(香川)OPEN 17:00 / START 18:00
6/21(金)SENDAI GIGS(宮城)OPEN 18:00 / START 19:00
6/23(日)サッポロファクトリーホール(北海道)OPEN 17:00 / START 18:00
7/6(土)Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(愛知)OPEN 17:00 / START 18:00
7/14(日)福岡国際会議場(福岡)OPEN 17:00 / START 18:00
7/15(月・祝)鹿児島 CAPARVO HALL(鹿児島)OPEN 17:15 / START 18:00

全席指定/全自由 ¥8,200(税込)
※一部、ドリンク代別途
※6歳以上チケット必要
※未就学児童入場不可

★CD「R.I.P.」購入者限定先行受付実施!【11/26(日)23:59まで(抽選申込)】
チケット一般発売日に先駆けて、CD「R.I.P.」購入者限定で『ReoNa 5th Anniversary Concert Tour “ハロー、アンハッピー”』チケット先行受付実施が決定しました。詳しくは、シングル「R.I.P.」に封入されているチラシをご確認の上、お申込みください。(応募には封入されているチラシに記載されているシリアルナンバーが必要となります)

▼受付期間
11月15日(水)10:00~11月26日(日)23:59まで(抽選申込)
※申込は1公演2枚まで、複数公演申し込み可能

関連リンク

ReoNa オフィシャルサイト
https://www.reona-reona.com/

ReoNaオフィシャルX(旧Twitter)
https://twitter.com/xoxleoxox

ReoNaオフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/channel/UCyUhtF50BuUjr2jOhxF3IjQ

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