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2023.11.17

ミニライブや制作秘話、アーティスト・豊永利行“はじまりの場所”で想いを受け取る大切な時間に。“アルバム『Charactanswer』リリース記念イベント”第二部レポート

ミニライブや制作秘話、アーティスト・豊永利行“はじまりの場所”で想いを受け取る大切な時間に。“アルバム『Charactanswer』リリース記念イベント”第二部レポート

代官山にあるライブハウス「晴れたら空に豆まいて」は、今から10年前の2013年9月29日に豊永利行が初めてソロライブを開催した場所だ。当時はインディーズでの音楽活動をしていた彼の“はじまりの場所”でもある。2014年にメジャーデビューを果たしたあとも、精力的な音楽活動の原点でもあり思い出深い「晴れたら空に豆まいて」のステージに、2023年11月11日、豊永は立っていた。それも自身のアーティスト活動10周年を記念して制作したアニバーサリーアルバム『Charactanswer』と共に立つとあって、想いもひとしおだろう。本稿では、そんなアルバムのリリースイベントの第二部をレポートする

TEXT BY えびさわなち

アーティスト・豊永利行のはじまりの場所での第一声は——。

『Charactanswer』は豊永自身が声優としてこれまで演じてきたキャラクターの中から厳選された7人のキャラクターに向けて、彼らが放つメッセージへの豊永からの“Answer”を手渡すように作られたアルバムだ。数えきれないほどのキャラクターと出会ってきた豊永。「どのキャラクターに対しても想いがあるし、どのキャラクターも自分の中で今も生きている」と話していたなかで、選ばれた7人へ向けられたサウンドが、歌声が、開演を待つ会場に流れていた。

実は限定2,000枚で即完売した先行販売盤を手にしたファン以外は11月29日の発売日を待っている状況。なんと、当日会場のBGMでも先行視聴できたのだが、BGMで流れているだけでも、どの曲が誰に向けたものなのかが伝わるのはさすがだ。その会場に開演に先立っての説明が行われると「豊永利行さん、よろしくお願いいたします」の声に拍手が沸く会場。ステージ袖から姿を現した豊永はゆっくりと歩を進め、集まったファンの前に立つと、「僕です」と登場した豊永。その第一声に観客は一斉に笑顔になる。はじまりからとてもハートフルな空気が会場を包んだ。

演じたキャラクターたちが繋いだ縁が集う場所

「第一部もあったのですけれどもね。コロナ禍があって、そこから復帰して、イベントやライブをやり始めますとなって、皆さまが声を出すという体が全然馴染めない時代になってしまったんですよ。なにかあるとすぐ拍手で応える感じになってしまいましたから」と豊永。今回は声を出してもOKだよ、ということで暖機運転すべく会場一体となっての跳ねる声でのコール&レスポンスでイベントは幕を開けた。

「第一部も盛り上がりに盛り上がりまして、めちゃめちゃ色んなお話をしたのですが、今回のリリースイベントは40分しかありません」と急に真顔になる豊永に「えーっ!?」とショックを隠せないオーディエンス。「ね~?びっくりよ。この俺に!40分って!」と本人も不満顔。ファンを大切にする豊永だからこそ、もっと共に過ごしたいという願いもあることだろう。しかし、そんな短い時間でも色濃く趣深く『Charactanswer』を楽しめるような時間にしよう、と会場と約束するように豊永は語り掛けたのだった。

まずは10年前に「豊永屋」として初めてライブを行った場所である、と「晴れたら空に豆まいて」について話し始めた豊永。

「10年前ですよ。わたくし、当時29歳でございます。みんなは10年前、いくつ?」と問いかけると、会場からは各々の年齢が声として返ってくる。「この10年という月日のなか、皆さんがどのタイミングで僕のことを知ってくださって、入ってくださったかなんて関係ございません。いつ入っていただいても結構なのですが、それ以前にも皆さんの人生もありましたから、そのなかで色んな作品を通じてここに一堂に会しているんです。そのご縁が素敵だなと思います」

作品との出会い、キャラクターとの出会い、そして音楽との出会い。年齢も住む場所も違う人々がこの貴重なイベント会場に集まってきていることの奇跡、そして繋がる縁を大切にするところにもまたファン想いの豊永の人柄が滲む。

サプライズと裏話と。

このイベントは11月29日(水)に発売となる初回限定盤、通常盤を予約したファンが来訪しているが、開演前のBGMで試聴動画とは違うフルコーラスが聴けて驚いたのではないか、と話す豊永。

「客入れBGMで“フル聴けちゃった!”みたいな感じになっていますね?“これフルじゃね?試聴動画のやつより長くね?”ってなりましたよね?そうなんです。フルで流させていただきました」と笑顔の豊永のアンケートによると、第一部、第二部共に2,000枚の先行販売盤を入手できなかったファンは数名で、そんな数名のファンへのサプライズになったのではないか、と言う。ここでその「先行販売盤」に付属したクリアカードについての話に。スマホでの写真撮影に使えるこのクリアカードが好評なのか否か、と会場に問いかける豊永。ファンがどのように使っているのか、など会場とのやり取りをしながら聞いていくなど、コミュニケーションを取りながら、笑い声の絶えない時間となった。そして話題は本題である『Charactanswer』へ。

「今回はキャラクターへのアンサーソングを詰め込んだアルバムなのですが、皆さん的にどのキャラ推しというのはありますか?」という豊永の言葉にフロアからは「(『B-PROJECT』の金城)剛士!」「(『A3!』の有栖川)誉さん!」「(『Free!』の椎名)旭!」と次々に声が上がる。結果……「全員じゃねぇか(笑)!」と豊永も思わずツッコミを入れるが、それだけ彼の演じてきたキャラクターが愛されているということがわかる。さらに推しキャラクターの曲ではないけれど、好きな曲はあったかとの質問に対しても様々な声が上がる。そのなかにあった「剛士」の声に答える豊永。

「剛士はだいぶラウドな感じにしたんですよ。ごーちんは『B-PROJECT』でTHRIVEというユニットを組んでいるアイドルですけれど、すごく音楽性に富んでいる人で、音楽に対してプロ意識のすごく高い人。なので、そのなかで彼の紡ぐ音楽性が、もちろんTHRIVEとしての音楽性を発揮しているんだけど、ごーちん的にはもっとバリバリのゴリゴリのやつやりたいんじゃないかなって思って、もしよかったら俺がごーちんの想いを叶えてあげたいという想いで作った曲が『non-toxic』なんです。だから、そのバチバチ感みたいなものは、僕には珍しいんです。ああいう曲を書くことは」と制作の裏話をすると、会場の観客たちはじっと聞き入っていた。

次ページ:アルバム『Charactanswer』をダイジェストで聴かせたミニライブ

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