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INTERVIEW

2023.11.06

AYAME(from AliA)が届ける「Sizukで出すべき歌」、『キミ戦』イスカとアリスの世界――俊龍による音楽プロジェクト・Sizuk「REVERSI」インタビュー

AYAME(from AliA)が届ける「Sizukで出すべき歌」、『キミ戦』イスカとアリスの世界――俊龍による音楽プロジェクト・Sizuk「REVERSI」インタビュー

「REVERSI」がイスカとアリスらしい理由、カラオケで歌いこなすためのコツ

――そういった歌い方の組み立ては、作品や楽曲からヒントを得た部分もありつつ、俊龍さんとディスカッションして決めていったわけですか?

AYAME それで言うと、私はレコーディングまでが私の仕事だと思っているんですよ。今回も、私の中で納得のいく「REVERSI」の歌い方を練習して組み立てたうえでレコーディングに臨んで、それを皆さんに聴いていただいて良いテイクを選んでもらう形にしています。その選んだテイクに対して私から意見することはほぼなくて、俊龍さんに任せ切るというのが最近のレコーディングのスタイルなんです。なので全体の歌い方に関しては、ほぼ私が持って行ったイメージそのままなんですけど、俊龍さんからは語尾や細かい歌い方の指示をいただくことが多かったです。サビ終わりの“夢の先へ”のロングトーンの仕方、ビブラートをどこまで付けるかとか。それで私が何パターンか歌ってみて、「こういう感じはどうですか?」というのを細かく繰り返して作っていくのが、俊龍さんとのレコーディングでのやり取りですね。

――サビ後半のハイトーンの畳みかけを含め音域の広さも必要でしょうし、正直、歌いこなすのは相当難しかったと思うのですが。

AYAME サビの最後の部分は本当にヤバくて、特に頭サビの最後の“星が 割れる前に”のところは大事なので何回も歌いました(笑)。ここは私も最初は納得いかなくて、ミックスボイスにするか、ファルセットにするかも悩みましたし、ファルセットで歌うことに決めたあとも、どの部分で地声から裏声に返すかを考えて、途中で休憩を挿んだくらいたくさんのテイクを録りましたね。

――言葉の詰め込みも多い楽曲なので、早口や滑舌の良さも求められますよね。

AYAME そうですね。ただ滑舌に関しては、AliAの楽曲で鍛えられているところがあるので(笑)。それと私は歌をうたう者として“言葉を伝えること”に対するプライドがあるので、(言葉が)聴き取れないようにはしたくないんです。ちゃんと言霊として届くことが大前提としてあるので。

――例えば、これまでのSizukの楽曲の経験を活かせた部分はありましたか?

AYAME ファルセットの使い方や美しい聴かせ方という意味では、「anemone」の経験が繋がっているかもしれません。それとSizukの楽曲は、歌詞で使われている言葉の内容的に、自分が少し背伸びして大人になってみないと歌えないところがあるんです。それこそ「蒼い孤島」はカバーだったので、原曲をリスペクトする意味でも自分そのままでは歌えなかったですし、“破壊のままでは救えない”の部分は「Dystopia」の歌い方に近かったし、その意味では今までやってきた楽曲を全部活かしたうえで、今回の楽曲も出来上がっている気がします。歌い方の総集編感があるかもしれないですね(笑)。

――今回の歌詞は、ベテランの只野菜摘さんが作詞を担当しています。只野さんの歌詞に対してはどんな印象はお持ちでしょうか?

AYAME どうしてこんなに色んな楽曲の歌詞が書けるんだろう?って思います。私が元々知っていた楽曲で言うと、ももクロ(ももいろクローバーZ)さんの歌詞が印象に残っていて。私はももクロさん世代で、只野さんが作詞された「Chai Maxx」や「D’の純情」を中学校の頃によく聴いていたんですよ。学校でダンスの授業があったときに、みんなで「何色を担当したいか?」という対決を繰り広げたこともあって(笑)、私はエビぞりジャンプを勝ち取ったんですけど。

――ということはセンターで赤色の百田夏菜子さん役ですね(笑)。

AYAME はい。赤色も夏菜子さんも好きというのもありますけど、エビぞりをしたかったので(笑)。そうやって自分が青春を謳歌していた時代に聴いていた楽曲の歌詞を書かれている方とご一緒できることにびっくりしました。本当に幅広い方とお仕事をされていますけど、ちゃんとその人たちの色に合わせられる柔軟さがすごいですよね。言葉のチョイスもわかりやすくて、スッと入ってくる歌詞で。

――「REVERSI」も作品の世界観にマッチした言葉選びをされていますよね。シリアスで熱いけれど、どこか想いの儚さみたいな部分も感じさせて。

AYAME そうなんですよね。ストレートだけど、ただストレートではない絶妙な歌詞になっていて。私だったら語彙力がないので「会いたいけど会えない!」みたいな歌詞になってしまうと思うんですけど(笑)。

――“世界 変えてみせる 星が 割れる前に”というフレーズも秀逸ですよね。2人が乗り越えなくてはならない障害の困難さを象徴するような言葉だなと思って。

AYAME 確かに!何がすごいって、“星が 割れる前に”という言葉はすごく想像が膨らむし凝ったフレーズですけど、難しい言葉は使っていないんですよね。作品をリスペクトしているところもたくさん入っていて。これは私の感想になるんですけど、恋心を感じさせるフレーズが全然ないのに、なぜか恋心が見えてくるんですよね。それこそDメロの“めぐり逢った視線が すれ違った瞬間”くらいだと思うんですよ、恋心を彷彿させるようなところは。でも、“許したくないものたちと 許されないものたちが”という歌詞から始まることで、きっとこの楽曲は2人のことを描いているんだろうなっていうのがわかるんですよね。

――言われてみれば、確かに恋愛を感じさせるフレーズはそのDメロ部分くらいしか見当たらないですね。もしかしたら、イスカとアリスは立場上、お互いへの恋心を認めたくない2人なので、あえてそれが表に出ないような歌詞にしているのかも。

AYAME うわーっ!そういうことか!(恋心を)書いちゃいけないんだ!でもDメロでそれがチラッと出てくるのは、“匂わせ”ってことですか?キャーッ!どうしよう!?私、急に顔が赤くなってきたかも(笑)。でも確かに「その気持ちを認めてはいけない」みたいなことですよね。もしそうだとしたら、只野さん、天才じゃないですか!ちょっとこれを読んでいる方にも考察してほしいです(笑)。

――プラスして「REVERSI」のMVは、『キミ戦』第1期のアニメ映像で構成されているので、より作品と楽曲のシンクロが感じられるものになっていますね。

AYAME 今の話に繋げちゃいますけど、やっぱり恋心が唯一出てくるところが良くて。Dメロのところで、2人の出会いのきっかけのシーンが出てくるんですよね。あのハンカチを見てキャーッ!ってなってしまいました(笑)。あと、“共犯者のよう”のところで、2人のイチャイチャというかラブハプニングなシーンが使われているんですけど、そのシーンで“共犯者”ってなるので「これ考えたの誰!」と思って(笑)。サビと戦闘シーンもすごく合うなあと思いましたし、最後の“夢の先へ”も「ありがとう!」と思える終わり方をするので、全体を通して本当にマッチした素敵なアニメ映像でした。

――まさにアニメ第1期の総集編的な感じもありましたし、2024年放送予定の第2期への期待も高まる楽曲とMVだと思います。

AYAME 実は原作の細音啓先生に直接ご挨拶させていただく機会があったのですが、そのときに「素敵な楽曲を歌っていただいてありがとうございます」と言っていただいて。作者の方と直接お話する経験は初めてだったので、自分もこの作品に携わっているという実感が沸いて、今はより第2期の放送が楽しみになっています。この楽曲とアニメの相乗効果がどんな形で生まれるのかワクワクしている状況です。

――では最後に、「REVERSI」をカラオケなどで歌いこなしたい人に向けて、上手く歌うためのコツがあれば教えていただけますか?

AYAME いや~、この楽曲は本当に気合いをいれないと難しいと思います。歌っている私でさえ、カラオケで友達に「この曲、歌ってよ」と言われたとしても、恥ずかしいですけど「じゃあ立って歌うね」って感じに持っていかないと、さらに恥ずかしい結果になると思うので(笑)。でも、私は難しい楽曲を歌いたいと思ったときは、その曲を歌っている人のモノマネをしながら歌うようにしていました。最近は、鼻声で歌えるようになりたくて、井上陽水さんのモノマネをよくしていて。

――えっ、井上陽水さん!?

AYAME はい(笑)。でもモノマネをすることで歌が上手くなったりするんですよ。私も小さい頃から絢香さんとかのモノマネをしていくことで、歌い方のコツを掴んでいったんですよね。歌というのは、「できない」と意識しすぎてしまっているからできなくなっているということがよくあって。高音が出ない人も、「出ない!」と思うことで自分の喉をギュッと締めてしまって出なかったりするんです。私はいつも「声は出る、大丈夫!」って思ったうえで、何も考えないでパッと歌ったほうが声がよく出るんですね。なのでモノマネから始めるのと、「自分は声は出るぞ!」という自信を持って歌い続けるのがコツだと思います。で、もしそれでも無理だった場合はキーを下げましょう(笑)。私もカラオケではキーを上げたり下げたりしますし、好きなように楽しんで、「REVERSI」を愛してもらえればと思います。


●リリース情報
『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』イメージソング
Sizuk
「REVERSI」

歌:AYAME(from AliA)
作詞:只野菜摘 作曲:俊龍 編曲:Sizuk

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<収録内容>
M1. REVERSI(※「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」イメージソング)
M2. REVERSI Instrumental

参加クリエイター
AYAME(from AliA)
只野菜摘

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