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INTERVIEW

2023.11.03

岬 なこ、TVアニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』EDテーマ「スイートサイン」のこだわりや、“1stライブ”、“リスアニ!LIVE”への意気込みを語る

岬 なこ、TVアニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』EDテーマ「スイートサイン」のこだわりや、“1stライブ”、“リスアニ!LIVE”への意気込みを語る

岬 なこの1stシングル「スイートサイン」が11月1日(水)にリリース!リード曲は、TOKYOMXほかで好評放送中のTVアニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』のEDテーマ。楽曲やアートワークやMV、さらにカップリング楽曲についても、たっぷりと語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 塚越淳一

ヒロインすべてに当てはまるような歌い方を

――デビューアルバム『day to YOU』をリリースして、どのような変化がありましたか?

岬 なこ デビューアルバムのレコーディング段階では、すべてにおいて不安が勝っていたような気がしていまして、どうしたらいいんだろうという漠然とした不安に襲われることが続いていたんです。正解もないし、決まりきったものはないんですけど、指針がなさすぎて不安だったというか……。

――アーティストデビューということで、本当に最初からでしたもんね。

岬 でも曲を発表すると、皆さんが受け止めてくださって、この曲が好きとかこのMVのここが好きとか、たくさんの反響や反応をいただけたんですね。そこで「私ちゃんとデビューできたんだ」とやっと思えて、不安が安心に変わったので、それは自分の中ですごく大きな出来事でした。なので、すごく温かい周りの反応によって、良いスタートを切れた気はしています。だから、皆さんの元に届いて反応をもらうことによって、やっと自分の感情が完結するんだなって思いました。

――これからリリースを繰り返すことで“岬 なこ”というアーティストも確立していくし、指針も見えてくると思うのですが、今はいかがですか?

 デビューアルバムで色んな楽曲を一気に歌わせていただけたので、自分が得意だと思っていなかったテイストの曲が好きになったり、「こういう楽曲、意外と苦手なのかも」っていうものがあったり。そういう発見がたくさんあったからこそ、もっともっと挑戦してみたいという意欲が湧いてきました。私自身、現段階ではまだ色がないと思うんですね。でも、それもきっと1stライブが終わっていないからというのもあるかもしれないので、皆さんと一緒にライブを作ってから見えるものもあるのかなって思っています。

――アルバムでたくさん曲を歌ったあとに、タイアップの話が今回届いたわけですが、話を聞いたときはどう思いましたか?

 まさか!と思いました。私、毎回反応が一緒なんですけど。でもそのくらい、ソロ活動でさせていただいていることが目まぐるしいといいますか。全部が自分にとって新鮮だし、全部が初めてなんですよね。でも、活動していくなかでの目標に「アニメタイアップ」はあったのですごく嬉しいです。こうやって次が決まったときに一番最初に浮かぶのは応援してくださる皆さんの反応なので、みんなに早く伝えたい!って思いましたね。

――伝えられない期間は長かったのですか?

 はい、結構あったと思います。自分の中でカウントダウンをしていたんですが、あと何日後にアニメが発表されて、この公式サイトに私のアーティスト写真が載るんだ!みたいな。だからその日はずっとページを更新していました。

――何時に載るんだ?と(笑)。

 はい。そのあと、皆さんの反応も含め、ちょっとニヤニヤしながらSNSを見ておりました。

――タイアップへの夢は昔から持っていたのですか?

 私の場合、まず歌で勝負できるのかという歌に対する不安が大きかったので、デビューをしたときは、実はそこまで考えていなかったんです。でもデビューにあたり、色んな楽曲に触れる機会が増えたので、そのなかで作品と一緒に音楽が走っているのってすごくカッコいい!と思うようになったんですね。だから、作品も含めて好きになってもらえるような歌を歌いたいなと、ちょっとずつ思うようになっていました。

――1stシングル「スイートサイン」は、TVアニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』のEDテーマ。作品の印象をお聞きしてもいいでしょうか?

 もちろん原作は読んでいるのですが、すごく勢いがあって、次はどんな女の子が出てくるんだろうって、毎回ワクワクしながら読んでいます。

――主人公が高校で、100人いる運命の人に出会い、みんなを彼女にして、みんなを幸せにしようとする、なかなか飛び抜けた設定の作品ではあるのですが。

 果たして本当に100人の彼女を出せるのか!原作だと現時点で20人以上出ているんですよね。でも、同じような子がいないっていう部分にもすごくびっくりしました。アニメで100人出てくるかどうかは別として、少なくとも5人以上は出てくるので、その子たちすべてに当てはまるような歌になったらいいなと思いながらレコーディングをさせていただきました。

――作品のどんなところに魅力を感じましたか?

 強いコメディ要素が好きですね。元々ギャグ漫画とかは昔から読んでいたので。「ラブコメ」っていうジャンルの中でも、胸キュン要素が強いのか、面白さにすごく振り切ったものなのかは作品によって様々なんですけど、そのなかでも両方が邪魔をしないといいますか。めちゃめちゃかわいいシーンもあるのに、すごく面白いところもあって、その両方が引き立っているから見ていて飽きないんですよね。だから、どんどん出てこい!次の彼女!ってなっています。

――そんな作品のエンディングを彩る「スイートサイン」ですが、ミディアムテンポの曲で、わちゃわちゃした本編を落ち着かせるような意味合いもあるのかな?と思いました。

 そうだと思います。漫画は自分のペースで読めるけど、アニメはテンポもすごく早いので、どんなところでこの曲のイントロが流れるんだろうって気になっていたんです。オープニングとエンディング含めて1つの作品だと思うので、エンディングはちょっと気持ちを落ち着けて聴いていただきたいなと思っています。

――では、曲を聴いた最初の印象を教えてください。

 第一印象は、楽曲自体ちょっと柔らかめでパステルな印象。そして、1人1人の女の子の心情を上手く表現している感じがしました。でも、自分以外に99人の彼女がいるって、普通に考えてなかなか受け入れ難い状況じゃないですか。だから、それぞれの女の子たちが、主人公の男の子だけじゃなく、ほかの女の子たち含めて、1つの世界が出来上がっている……という作品の世界を、上手く表現できたらいいなぁとは思っていて。だから、感情の持っていき方は少し難しかったですね。初めてのタイアップということもあり、私自身の歌を聴いてくださいという想いだけでなく、作品のこともたくさん考えながら1人1人のことを思い返しながら歌ったので、これまでとは違う感じのレコーディングでした。

――歌詞だけ見ると、ものすごくピュアな感じがしますよね。

 そうなんです。そこにはギャグ要素はなくて。あくまで彼女たちの心の中にある気持ち、誰にも言えないような気持ちが歌になっているんです。

――先ほどもおっしゃっていましたが、色々なことを考えながら歌っていたのですね。

 はい、たくさん考えましたね。でも考えすぎたら、私もその女の子たちの一部になっちゃう気がしたんです。誰か1人を想像して歌ってしまうとその子の目線だけの歌になってしまうから、あくまで「100人の彼女」と「主人公の男の子」の世界。そこにある温かい気持ちが伝わったらいいなと思っていました。

――歌う立ち位置的という難しさがあったのですね。

 そうですね。その物語のモブ、みたいな(笑)。客観的に見ている感じ。でも歌詞は、その女の子の目線だったりするので、ずっと色んなところにいる感覚というか。それが上手く表現できていればいいんですけど……。

――完成したものを聴いて、いかがでしたか?先程「パステル」というワードも出てきましたが。

 この曲を聴いただけで色んな色が想像できましたけど、とにかくかわいいカラーがたくさん浮かんできたんですよ。でもそのかわいさがわざとらしくならないようにしたいなっていうのはあったので、皆さんがそう思ってくれていたら嬉しいです。あと、どういうEDアニメーションなのかなって想像していたんですけど、実際に観せていただいたら、想像していたものと色合いは似ていました。でも、なんだかちょっとずるいんですよ。ずっとデフォルメしたミニキャラクターが動いていたのに、最後の最後にかわいいヒロインたちの姿が出てくるので、やられた感がありました。あれはずるい!とにかくかわいかったです!

――アニメでもこの曲のかわいさを表現してくれていたんですね。

 アニメーションに支えられている感じがすごくありますね。映像があると全然印象が違いました。やっぱりこの子の気持ちを歌っているんじゃないかとか、そういうふうにも取れるんですよね。ただ、楽曲オンリーで聴くと、自分自身に当てはまるという方もいらっしゃると思うので。

――作品にもソロにも寄り添える、すごく良いバランスのボーカルになっていたんですね。

 そうなっていたら嬉しいです。

次ページ:3曲続けて聴くと感情が大変なことに!?

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