2023年10月9日東京・豊洲PITにて“HIGHWAY STAR PARTY 2023”が開催された。主催するHIGHWAY STARは、JAM Project、GRANRODEO、梶浦由記などアニメソング、ゲームソングシーンで活躍する実力派人気アーティストが多数所属するマネジメントオフィスだ。昨年は、9月に東京・日比谷公園大音楽堂にて開催。BLUE ENCOUNTをゲストに迎えたGRANRODEOの対バンライブ“HIGHWAY STAR PARTY 〜GRANRODEO VS LIVE Ramble Scramble〜”と、JAM Project出演の“〜JAM Project STRONG LIVE feat.SRW OG〜”が2daysで行われたのも記憶に新しい。

そして今年は、HIGHWAY STAR所属のアーティスト、総勢22組が一同に集結！ このライブでしか見られないレアな顔合わせのコラボコーナーもあり、アニソンファン熱狂の豪華ステージとなった。そんな“HIGHWAY STAR PARTY 2023”の模様を振り返ろう。

TEXT BY 阿部美香

豪華アニソンパーティーは「ウィーアー！」からスタート！

チケット完売となった“HIGHWAY STAR PARTY 2023”は、オープニングから“アニソン愛”に溢れていた。開演15分前に元気に登場したのはゲストオープニングアクトのアニソンDJ 後藤王様。出演者達のヒットチューンをノンストップで華麗に繋いでいくと、早くも客席にはペンライトが揺れる。「盛り上がるのはこれからだぜ！」と後藤王様がエールを贈り、いよいよPARTYのスタートだ。ステージ後ろの大きなスクリーン映像で、出演アーティストが順に紹介されると、その度に大きな歓声が沸く。

暗転したステージがライトで照らされると、奈良悠樹（Gt）、Mao（Key）、山本直哉（Ba）、青山英樹（Dr）によるハウスバンドが軽快にリズムを刻み、ステージ下手から颯爽と駆け込んできたのは、きただにひろし！「HIGHWAY STAR PARTYへようこそー！」と笑顔で告げて華やかなシンセサイザーのイントロが響き、歌われた曲はもちろん「ウィーアー!」。客席で一斉にペンライトと拳が振られ、大合唱が響いた。

続いて、橋本みゆきが「Futuristic Player」、米倉千尋が「嵐の中で輝いて」、春奈るなが「Overfly」を立て続けに披露する。休む間もなく名曲が繰り出されるファーストブロックを締め括ったのは、ハイパーロングトーンを響かせる遠藤正明の「ご唱和ください 我の名を!」。“ウルトラマンZ”の名をオーディエンスと共に叫び上げた。

MCでは、「みんなすごいパワーだった」と、きただにが感心。HIGHWAY STAR所属10年以上となる米倉と橋本が、今年9月より業務提携アーティストとして仲間となった春奈を囲む姿も微笑ましい。

石田燿子×春奈るなが『美少女戦士セーラームーン』ソングでコラボ！

ここで最初のコラボステージへ。寺田志保の華麗なピアノから始まった曲は石田燿子と春奈るなが美しいハーモニーを響かせた「ムーンライト伝説」だ。この曲は、リリース予定の石田燿子デビュー30周年記念『「美少女戦士セーラームーン」カバーアルバム 〜Blue Moon〜』でも収録予定曲。『美少女戦士セーラームーン』の大ファンという春奈は、石田の「乙女のポリシー」を聴いてアニソンシンガーへの道を志したと語り、石田との初コラボを喜んでいた。

続いてステージに登場したのはnano.RIPE。アップテンポの軽やかなロックナンバー「リアルワールド」できみコがコケティッシュな歌声を聴かせる。そしてnano.RIPEも「アザレア」でコラボ。お相手は、ライブシリーズ「深窓音楽演奏会」などでも共演を重ねてきたChouChoだ。和やかなトークの中で、きみコは「ChouChoのバックバンドをnano.RIPEでやりたいと事務所に言ったことがある」という野望を告白。2人は「いつかやりたいね！」と楽しそうだった。

「CHA-LA HEAD-CHA-LA」でオーディエンスが大合唱

豪華なアニソンパーティーは続く。春奈とのトークで話題にのぼった「乙女のポリシー」を石田燿子が華やかに歌い上げたあとは、梶浦由記ソロプロジェクト“FictionJunction”のボーカリストとして注目を集め、今年ソロでの楽曲リリースを果たした新人アーティスト2人が登場。shuriは「特別」を重厚に歌い、ritoは「感情解凍」をケンシローのギターと共にパワフルに届けた。

フレッシュな新人からステージを引き継いだのは、玉置成実の「Believe」。こちらもケンシローが派手なストロークでギターを鳴らし、玉置の堂々たるパフォーマンスを彩る。ChouChoは「starlog」で優しい歌声でオーディエンスに寄り添い、喜多修平は「Breakin’ through」で痛快なボーカルを投げかける。

このブロックをさらに盛り上げたのは影山ヒロノブの「CHA-LA HEAD-CHA-LA」！ 「カモン！ 歌えー！」と影山が煽ると、観客も跳びはねながら声を重ねた。

デビュー15周年を迎えた喜多、20周年を迎えた玉置に対抗して、MCパートでは影山が「俺は今年デビュー46周年！」と宣言。「まだ生まれてません……」と答えるshuriとritoに、会場は和やかな笑いに包まれる。「後半戦も、まだまだ盛り上がっていくぜー！」という影山に、オーディエンスも大声で応えていた。

圧巻の梶浦由記／FictionJunctionは4人の歌姫ともコラボ

次なるコラボは、きただにひろし、尾澤拓実、ケンシローによる「僕らのスペクトラ」。この曲は、きただに歌唱による特撮ドラマ『ウルトラマンブレーザー』の主題歌。尾澤が作曲・編曲を手がけ、レコーディングにはギターでケンシローが参加している。この日は尾澤がキーボードを演奏し、力強く楽曲を届けた。そのまま尾澤は残り、ボーカルのシトを迎えてReReGRAPHICSのステージへ。「ニグレド」でドラマティックなハイトーンを響かせた。

きただに、ケンシロー、ReReGRAPHICSが揃ったMCでは、きただにが「この4人がなぜ揃ったのか？ それは“チーム・ブレイザー”だからです！」と紹介。「僕らのスペクトラ」は作詞をシトが担当しているが、そのシトから「ダニーさんは、とっても優しいんです！」と言われ、きただにも思わず照れた顔になっていた。

楽しいPARTYは、ここからまたガラリと雰囲気を変える。響き渡るのは美しい女性コーラス――淡いライトに照らされた薄暗いステージが、まるで深い森のようだ。ピアノの音色とストリングス、バンドの音が絡み合い、照明が上がると、そこにいたのはKAORI、KEIKO、YURIKO KAIDA、Joelleの4人のボーカリスト。満面の笑みで鍵盤を叩く梶浦由記／FictionJunctionの登場だ。まず披露されたのは「Parade」。ゆったりと透明な歌声が幾重にも重なり、壮大なサウンドスケープを紡ぎ、激しいビートが交錯する「stone cold」へ。客席から沸き上がるクラップにのせて、パワフルなコーラスが感動的に迫った。

MCでは、梶浦がボーカリストたちを紹介。大歓声に「こんなに温かい客席があったでしょうか！」「（ペンライトを）振ってくれてありがとう！」と笑顔になる。そしてここでも豪華コラボが！「もう1曲、プラス4名の豪華な歌姫様をお呼びしてお届けします」と、石田、橋本、米倉、春奈を呼び込んで披露されたのは、ドラマティックな「蒼穹のファンファーレ」。歌唱力抜群の8人の圧巻の歌声が、豊洲PITのすべてを覆い尽くした。

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