――同じくテクノボーイズさんが作詞・作曲・編曲を手がけたEDテーマ「O.C. ~Optimum Combination~」は、さらに仕掛けのある楽曲になっていて。第1話から第4話までは、レイとクレアそれぞれのソロ歌唱バージョンが交互にオンエアされて、第5話では2人によるデュエットバージョンが初お目見えしました。
芹澤 すごい仕掛けですよね!でも、私はレコーディングのとき、レイのソロバージョンの資料しかいただいていなかったので、「あれ?2人で歌うって聞いていたけど、1人分の歌詞しかないなあ。全部私が歌っていいのかな?」みたいなフワッとした感じで現場に行ったんです(笑)。そうしたら、それぞれのソロバージョンを重ね合わせるというお話を聞いて「えーっ!」と思って。しかも話数によってバージョンが変わるっていう。
――楽曲自体の印象はいかがでしたか?
芹澤 さっきも少しお話しましたけど、エンディングをアニメで観ると泣きそうになるんですよね。オープニングのほうは「楽しいー!」という感じですけど、エンディングのほうは私の勝手なイメージなんですけど、“この時間が永遠ではないことを察しているレイ”感があって。クレアさまのことがずっと好きで、いつまでもそばにいたいけど、そうできないときが来るかもしれない。でも今できるのは一緒にいることだけっていう。レイがいつかはクレアさまが好きな男性のところに行くと思っているのか、それとも一緒にいられない何かが起こるのか。私はなぜかそういう風に感じ取ってしまって。だからレイが笑うほど切なくなるんですよね、この楽曲では。
――なるほど。言われてみればそういう部分も感じられますね。レイは現実世界から乙女ゲームの世界に転生してきた身なので、本来はお互い住んでいる世界が違うわけですし。
芹澤 そうなんですよ。“1分1秒でも側にいたい!”とか“今できることたったひとつ!”という歌詞を見ると、「何でそんな風に言うの!?」って悲しくなっちゃうんです(苦笑)。レイは現実世界でこのゲームをプレイしていたので結末も知っているし、ただハッピーで楽しいだけではない部分、同じ性別の人を好きになってしまったこと……本当は“しまった”と感じなくてもいいのに、やっぱりそう感じてしまう部分とか、そういうものが何となく見え隠れするんですよね、エンディングは。きっと物語が進むにつれて視聴者の方にもそういう部分がより見えやすくなるので、最後はこのEDテーマを聴いてウルウルしてしまうんじゃないかと思います。
――ただあっけらかんと、クレアさまへの愛を歌っているだけではないと。その意味では、レコーディングのときの心の作り方もOPテーマとは違ったのでしょうか?
芹澤 そうですね。1番の部分は物語の序盤の話数でかかると聞いていたので、「クレアさま、一生愛する!」みたいなレイで歌ったんですけど(笑)、2番以降では節々に感じられる切なさを表現しながら、でもレイはクレアの前では暗い顔をしたくないはずだから、ただそれを出すのではなくて、レイのそういう弱い一面がほんの1~2ミリ出ればいいかな?という思いで歌わせていただきました。ただ真っ直ぐなだけではない表現ができていたらいいなと思います。
――ぜひ今後のアニメや楽曲のフルバージョンを通じて、そのこだわりを感じ取れたらと思います。あと、こちらの楽曲もダジャレが入っていますよね。
芹澤 “Oh! She is my wonder girl of world!”の“Oh! She”が“推し”ですから(笑)。やっぱり好きな人がいて、そこに真っ直ぐ向かって行けることは幸せなことなんだなって思わせてくれますよね。“出逢えたことがWonder!”というフレーズが最後にだけあるんですけど、私はそんな風に思える人とまだ出会ったことがないですし、そう思える人と出会えたレイは幸せなんだろうなと思います。
――クレアのソロバージョン、そして2人のデュエットバージョンを聴いた感想はいかがでしたか?
芹澤 奈波さん、歌がお上手ですよね。すごく耳心地が良くて、節々に“どうか永遠に、「ご機嫌よう!」”みたいなツンケンしたフレーズも入っていて。私、“おべんちゃら”という言葉が出てくるのが好きで。「今どき誰が使うねん!」というような言葉を、澄ました顔で使うクレアさまがやっぱりかわいいんですよね。そういう憎めないクレアさま要素がたっぷり詰まっていて大好きです。愛しか出てこないですね(笑)。
――この取材の時点ではまだアニメの放送は始まっていませんが、芹澤さんは第5話までの映像をご覧になられたのですか?
芹澤 はい!エンディングアニメでは、2人のやり取りのセリフがチャットみたいな感じで表示されるので、耳だけでなく目でもわかりやすいと思いますし、きっとアニメを観ている人からすると突然デュエットバージョンが流れて「えっ!」ってなったと思います。だって毎回同じエンディングでもいいんですよ?なのに、こんなにギミックを入れてくださるなんて、すごい!と思って。原作の先生を含め、本当に愛に溢れた作品だと感じています。
――少し話題を変えて、芹澤さんはこれまでにもたくさんのキャラソンを歌われてきましたが、改めてキャラソンという表現についてどのように感じているのか、お聞かせください。
芹澤 キャラソンは無数の解釈があるので、どんな歌唱よりも難しいと年々感じるようになっています。よりキャラクターであることが求められる場合もあるし、歌うときは声が変わる人もいることを考えると、無数に選択肢があるなかで、自分が今回演じるキャラはどこに到達してそのキャラソンを歌うのが正解なのかを見極めるのが本当に難しくて。でも、その正解を決めるのは私ではないところが、めっちゃ魅力だなと思います。
――というのは?
芹澤 以前にキャラソンのお仕事で、すごく難易度の高い楽曲のカバーをしたことがあるのですが、その楽曲がキャラクターのことを意識して歌えるようなレベルではない難しさで(苦笑)。でも、自分の中では一生懸命キャラクターとして歌わせていただいて。「ちゃんとキャラクターとして歌えていたかな?」と思って不安だったんですけど、その楽曲が世に出たときにファンの方たちから「すごくいい!」という声をいただいて、自分の解釈だけがそのキャラの解釈ではないということを改めて感じたんです。だからキャラソンには表現方法が無限にあるし、毎回「自分はどう歌いたいのか?」ということを試されながら歌っています。
――その意味では、キャラソンでできる新しい経験は、まだまだたくさんあるのかもしれないですね。
芹澤 そうだと思います。同じキャラでも楽曲によって表情が変わりますし。私、五十嵐裕美さんからLINEで「優ちゃんが歌っているこのキャラソン、めっちゃかわいい!」というご連絡をいただいたことがあって、それがめちゃくちゃ嬉しかったんです!すぐに満足せず、ずっと突き詰めることが、私の中のキャラソンの向き合い方なんだと思っています。全部録り終わったあとに、その場で音源を聴いて「もっとこうできるはず!」と感じてしまうと、録り直しのお願いすることもよくあって。
――そういったこだわりの最新の成果が、今回の『わた推し』のOP/EDテーマというわけですね。
芹澤 はい!この楽曲は自分でも大満足です。受け取った皆さんもそう感じていただけるといいなと思いますね。
――最後に、『わた推し』のアニメをご覧になっているファンに向けて、今後のアニメの期待してほしいポイントをアピールしていただけますでしょうか。
芹澤 今は第5話まで放送されたということで、きっとレイとクレアのラブラブ生活をたっぷり観ていただけたと思うのですが(笑)、幸せはずっと続くとは限らず、ここから様々な困難が訪れて、レイもただ好きな気持ちを伝えるだけではなく、本当に思っていることが見え隠れしたり、クレアさまのすごく弱い部分が見えたりして、より2人を推したくなる要素がここからもたくさん出てくると思います。皆さまの推しがこの『わた推し』になることを願って、ぜひこれからも応援していただけたらと思います!
●作品情報
TVアニメ『私の推しは悪役令嬢。』
TOKYO MX/BS日テレほかにて好評放送中!
攻略対象は悪役令嬢(あなた)だけ♡
推し一筋の異世界ガールズラブコメディ、開幕!
TOKYO MX:毎週月曜24:30~
チバテレ:毎週水曜23:30~
テレ玉:毎週水曜23:30~
tvk:毎週水曜25:00~
BS日テレ:毎週水曜23:30~
AT-X:毎週火曜20:00~(リピート放送:毎週木曜8:00〜/毎週月曜14:00〜)
北海道テレビ:毎週土曜26:35~
STREAMING
dアニメストア:毎週月曜24:30〜
ABEMA:毎週月曜24:30〜
その他配信プラットフォームでも順次配信
【STAFF】
原作:いのり。(愛中出版・一迅社刊)
キャラクター原案:花ヶ田・青乃下
監督:大庭秀昭
シリーズ構成・脚本:久尾歩
キャラクターデザイン:佐藤陽子
総作画監督:佐藤陽子・小林利充
プロップデザイン:杉村友和
色彩設計:山上愛子
美術監督:谷地清孝
編集:木村佳史子
音響監督:髙桑一
音響効果:稲田祐介
音楽:朝倉紀行・兎と馬
アニメーション制作:プラチナビジョン
【CAST】
レイ=テイラー:芹澤優
クレア=フランソワ:奈波果林
ミシャ=ユール:愛美
レーネ=オルソー:長谷川育美
ロッド=バウアー:KENN
セイン=バウアー:浪川大輔
ユー=バウアー:日笠陽子
ロレッタ=クグレット:松本沙羅
ピピ=バルリエ:栗坂南美
マナリア=スース:水樹奈々
MUSIC(主題歌)
OPテーマ:「レイジョアハンズ!! 〜Raise Y/Our Hands!!〜」 レイ(CV.芹澤優)&クレア(CV.奈波果林)
EDテーマ:「O.C. 〜Optimum Combination〜」 レイ(CV.芹澤優)&クレア(CV.奈波果林)
作詞・作曲・編曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
<INTRODUCTION>
社畜OL・大橋零は、前世でプレイしていた乙女ゲーム『Revolution』のヒロイン・レイ=テイラーとして転生し、異世界での生活がスタート。
王立学院を舞台にイケメン王子たちを攻略する、夢のような乙女ゲームの世界。
しかし彼女の”推し”は、悪役令嬢・クレア=フランソワだった!
「私はクレア様が大好きです!!」
クレアのワガママも嫌がらせも、彼女にとってはむしろご褒美。
前世でゲームをやり込んでいたレイは、その知識と愛でクレアとお近づきになれるのか?
●リリース情報
TVアニメ「私の推しは悪役令嬢。」OP/ED主題歌
「レイジョアハンズ!! ~Raise Y/Our Hands!!~/O.C. 〜Optimum Combination〜」
11月15日発売
品番:KICM-3380
定価:¥1,760(税込)
※アニメ描き下ろしジャケットイラスト仕様
●イベント情報
TVアニメ「私の推しは悪役令嬢。」キャラクターソングCD 発売記念イベント
2023年12月17日(日)
[第1部]13:00開場/14:00開演
[第2部]16:00開場/17:00開演
場所:animate hall BLACK (アニメイト池袋本店 9F)
内容:トークショー他
出演:芹澤優(レイ=テイラー役)、奈波果林(クレア=フランソワ役)
詳細はこちら
©︎いのり。・愛中出版・一迅社/わたおし製作委員会
TVアニメ「私の推しは悪役令嬢。」公式サイト
https://wataoshi-anime.com
TVアニメ「私の推しは悪役令嬢。」公式X
https://twitter.com/wataoshi_anime
SHARE