リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2023.10.24

レコーディング&MV撮影秘話満載!harmoe(岩田陽葵・小泉萌香)、アニメ『ポーション頼みで生き延びます!』ED主題歌「Love is a potion」リリースインタビュー

レコーディング&MV撮影秘話満載!harmoe(岩田陽葵・小泉萌香)、アニメ『ポーション頼みで生き延びます!』ED主題歌「Love is a potion」リリースインタビュー

“おとぎ話”の世界をテーマにしたダンスポップミュージックを届ける、岩田陽葵と小泉萌香による声優ユニット、harmoe。今年は“Villans(悪役)”をモチーフにしたミニアルバム『impress』のリリースや初の“Animelo Summer Live 2023 -AXEL-”出演などで表現と活動の幅をさらに広げてきたなか、「白雪姫」をテーマにした待望のニューシングル「Love is a potion」では、自身2度目となるアニメタイアップが実現。TVアニメ『ポーション頼みで生き延びます!』のED主題歌として、作品に寄り添いながらも、harmoeらしいハーモニーワークを活かした楽曲に仕上がっている。カップリング曲を含めまた新しい“音楽”と“物語”の形を描き出した本作について、そして12月20日にリリースされる2ndライブの映像作品の見どころについて、2人に話を聞いた。

INTERVIEIW & TEXT BY 北野 創

キャストとしても出演!『ポーション頼みで生き延びます!』との寄り添い方

――今回の新曲「Love is a potion」のファンからの反応はいかがですか?

小泉萌香 ワンマンライブ(「harmoe 2nd LIVE TOUR “GOOD and EVIL”」)や“アニサマ(Animelo Summer Live 2023 -AXEL-)”でもすでに披露させていただき、MVも2nd LIVE TOURが終わったあとから公開していて。

岩田陽葵 なので、私たちとしては「やっと発売かあ」という感じです。前作のミニアルバム(『impress』)に収録されている「Unfair Mirror」という楽曲は「白雪姫」の女王さまをテーマにしているんですけど、ワンマンではその楽曲に繋げて「Love is a potion」をサプライズで初披露したんです。だから最初はお客さんも突然知らない楽曲が始まって「???」という感じで(笑)。

小泉 みんな「あれ?予習し忘れていたかも……?」ってなっていたと思います(笑)。ツアーの大阪公演が本当に初めての披露だったんですよね。

岩田 しかも私たちはそのライブで、事前に「この楽曲ではペンライトをこの色にしてほしい」みたいな指定をしていて、「Unfair Mirror」の最後もやることを指定していたんですけど……。

小泉 その楽曲の一番最後で鏡の割れる音が入るので、その音が聴こえたらペンライトを消すか隠すようにお願いしていたんです。でも、そこから間を置かずに、すぐみんなの知らない新曲をやってしまったものだから、「あれ?」みたいな感じになっていて。

岩田 しかも、鏡の割れる音も微妙に聞こえない感じだったので、「どういうこと?」っていう戸惑いのざわざわ感がありました(笑)。

――そんな「Love is a potion」は、TVアニメ『ポーション頼みで生き延びます!』のED主題歌です。お二人は作品のどんな部分に寄り添った楽曲だと感じますか?

小泉 harmoeは毎回色んな“物語”をテーマに楽曲を制作していて、この楽曲では「白雪姫」をテーマにしているのですが、「白雪姫」にもポーションというか、お薬というか、毒リンゴが出てきますし(笑)、この曲の歌詞の中にも“ポーション”という言葉がちらほら入っているので、その意味では『ポーション頼みで生き延びます!』とリンクしていると思います。作品自体は政治的な要素が出てきたり、主人公が戦略を考えて頭を使う部分もあるんですけど、基本的には明るくて見守りたくなる感じがあるので、そういう雰囲気はこの楽曲で表現できているのかなと思っていて。なおかつharmoeらしさもちゃんとある楽曲になりました。

岩田 この作品は、主人公の女の子(カオル)が転生するところから始まるお話で、「白雪姫」も毒リンゴを食べて一度は死んでしまいますけど、この楽曲の歌詞の最初は“さっき、いっかいおわった この命は どうして また目を覚ますの?”となっていて、そこは通じる部分があると思います。あと、ポーションは薬にも毒にもなる可能性があって。カオルちゃんが作るポーションは、大体が良いことに使われる薬なんですけど、そこは紙一重の部分でもあるし、カオルちゃんはすごく頭が良いのでポーションを色んな形で使うんですよ。

――カオルは、自分の思い描いた通りの薬を好きな容器に入れて入手することができる「ポーション作成」というチート能力を持っているんですよね。

岩田 そうなんです。毎回「そうやってポーションを使うんだ……!」という部分があるので、観ていて勉強にもなるし楽しいです。

――お二人は本アニメにキャストとしても参加していらっしゃって。小泉さんはエミールという少年の役ですが、これまで少年役の経験は?

小泉 男の子を演じる経験はあまりなくて、今回がほぼ初めてに近い感じでした。でも、私は元々声が低いので、そこまで無理に声を作ることなく、割とナチュラルな感じで演じることができたと思います。

岩田 今まであまり経験がないのが意外だった。

小泉 ね!今までは女の子を演じることが多かったので、多分そのイメージが世の中に浸透しているのかなと思っています。

岩田 ピッタリだった!(小泉に向けてサムズアップする)。

小泉 ありがとう!

――岩田さんが演じるベルは小さな女の子で、エミールの仲間なんですよね。

岩田 エミールと一緒に孤児院で暮らしているので、エミールとは家族同然の感じで。ベルはカオルのポーションで命を救ってもらうので、その命の恩人のために「何か役に立ちたい!」と思っているのが、この2人になります。

――岩田さんはベルのような小さい女の子の役柄の経験は?

岩田 あんまりやったことはなかった、かな?

小泉 すごくかわいかった!最初はかわいらしいけど、ベルよりもさらに幼い子が登場するようになると、かわいさを残しつつ、ちゃんとお姉さんらしいところも出てくる部分がすごくポイントです(岩田に向けてサムズアップする)。

岩田 いただきました!(笑)。2人の役柄的にアフレコは毎回必ず一緒で、2人だけで録るときもあったんですよ。

小泉 途中から大人数で録れるようになってきたんですけど、最初の頃はまだコロナの影響で少人数だったので。仲が良くてよかったです(笑)。

2人は“ずっと一緒”!エモ要素も満載のレコーディング&MV撮影秘話

――ここからは楽曲の詳しいお話を。「Love is a potion」のお気に入りポイントを教えてください。

小泉 今までは、はちゃん(岩田)が上ハモ、私が下ハモを担当することが多くて、それこそ「きまぐれチクタック」みたいに1人では絶対に歌えないようなスピード感の楽曲もあったんですけど、この曲はとてつもなく速いわけではないけど、やっぱり2人じゃないと歌えない構成になっていて。特にBメロの、1つの文章を2人で交互に歌っている部分が私のお気に入りポイントです。一回歌詞を間違えたら、「あれ?次は何だっけ?」ってなっちゃうような繊細さもあるんですけど、今のところそうなったことは一度もないので、はちゃんと支え合ってきた部分が、そのパートに表れているように感じて。

岩田 2人で1つの言葉を紡ぐ感じだもんね。私はサビのところが好きです。ここも2人で交互に主線を歌って、交互にハモっているんですけど、聴いているとどっちが歌っているのかわからなくなるんじゃないかな?と思うくらい、2人の声が溶け込んでいる気がしていて。気づいたら入れ替わっている感じが好きです。

――そういったコンビネーションは、お二人としても結成当初と比べて研ぎ澄まされてきた感覚はあるのでしょうか?

小泉 それまでも一緒にいる時間は長かったですけど、harmoeを結成してからは、その何倍も一緒にいる時間が増えたので、その影響は少なからずあると思います。ご飯を食べる時間、レッスンする時間、レコーディングする時間も一緒で。大人数のグループだと、逆にピックアップされて、「今日はこのメンバーで一緒にお仕事」という感じになりますけど、私たちは2人組なので、集まりやすいというのもありますし、最早1人だと心細いんですよね。2人でいたら「いけるかも」という気持ちになれるし、一緒にいる時間が長ければ長いほど成長できているのかな、とは思います。

岩田 harmoeを結成してから、顔が似てきたと言われることが多くて。この間も舞台の現場で、とある共演者の方に「harmoeの2人は顔が似ているからユニット組んだの?」って言われて(笑)。

小泉 うちのスタッフも間違えることがあるので(笑)。

――背丈はだいぶ違いますけどね。

小泉 わたくしのほうがちょっと高いかな?

岩田 まあまあまあ。伸びしろに期待ということで。

小泉 ここからなんだ(笑)。

――先ほど小泉さんがこの楽曲について「明るくて見守りたくなる感じ」という風に表現されていましたが、お二人の歌声にも優しく見守っているような雰囲気が感じられて。もしかしてポーション的な癒し効果をイメージしたのかなと思ったのですが、レコーディングではどんな意識で歌いましたか?

小泉 「癒すぞー!」っていう意識はしてなかったと思います(笑)。私はどの楽曲でも「こうやって歌おう」というのを意識することはあまりなくて、楽曲の内容や歌詞によって自然と歌い方が変化するんですよね。特にライブでは表情が変わったりするみたいで。「Love is a potion」に関しては、歌詞に“ずっと一緒に 居たいなぁ”とあるように、2人だけの時間を大切にしている部分が多くて、2人の世界に浸りやすい楽曲だと思うので……もしかしたらそういう部分が皆さんにとっての“癒し”や“尊さ”になっているのかもしれないです(笑)。

――確かに2人の距離の近さや親密感が自然と歌から滲み出ているような気がします。

岩田 歌詞もそうですし、メロディもエモい楽曲だなと思っていて。自然と笑顔になれちゃうんですよね。その笑顔というのも、「イエーイ!」っていう溌剌な感じというよりも、染み渡る感じというか、「一緒にいたいねえ」みたいな感じで。

小泉 (振り付けで)目が合うタイミングも結構多いもんね。

岩田 確かに。「白雪姫」と言えば鏡だと思うんですけど、振り付けもほぼシンメ(左右対称の動き)なんですよ。

小泉 9割くらいシンメで、一緒のところが逆に思い浮かばないよね。あと、これはMVの話になるんですけど、私は2サビ終わりのところが一番好きで。それまでは踊っているシーンを除いてソロカットが多いんですけど、2サビ終わりの“寝ころぶの”のところで、2人が合流するんですよ。あそこがすっごく良くて。

岩田 ファンの方の間でも「2分8秒」(同シーンが始まる秒数)っていうのが合言葉になっているみたいで。そのシーンの秒数を言えばわかるくらい、みんなも好きらしいんですよ。

小泉 ええっ!そうなんだ。

――小泉さんが岩田さんを招き入れるシーンですよね。

小泉 そう、はちゃんが私のお腹に「こんにちはー」ってなるところです(笑)。そこから2人のシーンが増えて、“ずっと一緒に 居たいなぁ”という歌詞に繋がっていくので、めちゃエモです。

――でも、あのシーン、撮影では照れなかったですか?岩田さんも小泉さんのお腹を枕にして寝るような経験はなかったと思うんですけど。

岩田 いやあ……。

小泉 えっと……結構あるかも。

――えっ!そうなんですか!?(笑)。

小泉 撮影のときは距離が近めなものが多いというか、指示されていないのに距離が近くなってしまうことが多くて。

岩田 そうなんですよね。普段からも基本距離が近いんです。特に私がなんですけど、2人で番組をやっているときも、最初は少し距離を置いた位置に座っていても、気づいたら私がもえぴ(小泉)のほうに近づきすぎて、画面の元々私がいたほうにスペースができることが多々あります(笑)。

小泉 なので照れ臭さはまったくなかったですね。

岩田 結構当たり前のことなので……って言うのもなんですけど(笑)。

――MVの話で言うと、お二人の衣装が「白雪姫」をイメージしたものになっていたのも素敵でした。一目見ただけで「白雪姫」だとわかるカラーリングになっていて。

小泉 フィッティングのときから、色んな青や黄色の中からあの配色を選んで、すごくこだわったお洋服になります。でも2人の服の配色は微妙に違うんですよね。でもお揃いに見えるし、服のボリューム感も2人の差が大きくならないように細かく調整してもらって。

岩田 バングルやネイルも赤にしてもらって、細かいところまでこだわっています。

――自分が「白雪姫」になってみた感想はいかがでしたか?

小泉 私は髪形がロングだったんですけど、「白雪姫」衣装のときはボブに見えるようにしてくださって、ヘアメイクさんすご!って思いました(笑)。

岩田 あのときはまだ結構長かったもんね。それがすべてボブにしまい込まれて。

小泉 そう、収納されたんです。「えっ!私の髪、どこにいっちゃったの?」ってなるくらいきれいに収まって(笑)。感動しました。

次ページ:7人の小人になりきった挑戦曲と等身大の女性像が描かれたチルナンバー

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP