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INTERVIEW

2023.10.16

TVアニメ『ラグナクリムゾン』のエンディングテーマを担当するシンガーソングライター・小林私に初インタビュー!『ドラゴンクライシス!』から『あっちこっち』まで、アニメ愛が止まらない!

TVアニメ『ラグナクリムゾン』のエンディングテーマを担当するシンガーソングライター・小林私に初インタビュー!『ドラゴンクライシス!』から『あっちこっち』まで、アニメ愛が止まらない!

銀剣で竜を狩り報酬をもらう職業“狩竜人(かりゅうど)”の少年・ラグナと、謎多き相棒・クリムゾンが運命に抗うべく戦いに身を投じるダークファンタジー作品『ラグナクリムゾン』。この秋よりTVアニメの放送がスタートした注目作において、EDテーマ「鱗角」を歌うのが、シンガーソングライターの小林私だ。パッション溢れるアコギと咆哮のようにがなる歌声、苦悩や決意が投影された歌詞、音楽家・横山 克の編曲によるドラマチックなサウンドスケープが、『ラグナクリムゾン』の過酷な世界観をより強く際立たせる本楽曲がどのようにして生まれたのか。そしてアコギの弾き語り配信や雑談配信で人気を集め、アニメやゲーム好きでもある彼のパーソナルな一面にも迫る。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創

ネットカルチャーにどっぷりと浸かった小林少年が音楽活動を始めるまで

――今日はリモートでの取材になりますが、小林さん、今さっきまでYouTubeでライブ配信をしていましたよね?

小林 私 あはは(笑)。ギターの弦を張り替えるのに1人でやるのは寂しいなと思って。

――小林さんは生配信を頻繁に行っていますが、やはりご自身の活動にとって大切な要素なのでしょうか。

小林 音楽活動よりもやっていきたいくらいの気持ちですね(笑)。まあ活動というよりも完全に暇つぶしですけどね。あとは、文字情報では伝わらないニュアンス感ってあるじゃないですか。僕サイドとしても視聴者サイドとしても、配信でしか伝わらない感じがあると思うんですよね。同じ内容のことでも、文章で伝えるより、口頭で伝えたほうが柔らかく伝わると思うので、そういう部分は結果としてあると思います。

――音楽活動自体も、2018年に弾き語り動画をYouTubeにアップし始めたことを起点に広がりが生まれていったと思うのですが、そういったネットカルチャーと音楽のどちらの興味が先にあったんですか?

小林 ネットのほうが早かったですね。小学6年生の頃から自発的にネットを触るようになって、中学の3年間はなりきりチャットにすべてを捧げていたので(笑)。

――何になりきっていたんですか(笑)。

小林 オリジナルキャラを100体くらい作って、色んな掲示板でなりきりチャットをしていましたね。人とのコミュニケーションも学校ではなくそこで学んだくらいなので。ネットの友達とかもできたりして。なのでネットで何かをすることは音楽よりも早かったです。

――ボカロ曲の弾き語りカバーもされていますが、音楽との出会いもネットが主だったのでしょうか?

小林 確かにボーカロイドはめちゃめちゃ聴いていました。自分で音楽をディグるようになったきっかけはニコニコ動画だったので、ネットでボーカロイドや「歌ってみた」の楽曲を聴くのが、自分で自発的に音楽を聴く原体験でした。

――自分で音楽を作ったり、弾き語りを始めたきっかけは?

小林 高校の頃に組んでいたコピーバンドで、アコギの音が欲しいねという話になったので、自分がエレアコを買って家で練習していたら、弾き語りのほうが面白くなって。自分で曲を作り始めたのは高校3年生の頃で、きっかけは色々あるんですけど、「ゴッドタン」という番組の「マジ歌選手権」を観たときに、楽曲って誰でも作っていいということにカルチャーショックを受けたのが大きいですね。その頃に作った楽曲は全部ボツにしたので1つも残ってないですけど(笑)。

――自分で楽曲を作っていいという気づきを得たときに、自分の中に作りたいもの・表現したいことがあったわけですか?

小林 いや、全然なかったですね(笑)。ただ、色んな人の楽曲をカバーしていくなかで、楽曲の作り方は何となくわかったんですよね。リズムがあって、コードがあって、そこにメロディと歌詞が乗っている構造は理解できたので、理論上はどうにでも作れるなと思って。なので最初の頃は自分でも何を書いているのかよくわからない感じでしたけど、でも、「続けていたらいずれ形になるだろう」くらいの気持ちで始めたので。今、形になっていて良かったです(笑)。

――自分の中で形になってきたと感じた瞬間はありましたか?

小林 やっぱり楽曲を作った瞬間はめちゃめちゃテンションが高くなるんですけど、翌日、それを聴き直してみたら、「何だ、この変な曲は?」ってなるんですよね。その「なんか違うな」って感じるまでのスパンが徐々に伸びていった感じですね。翌日に聴いても「いいじゃん」と思えて、だんだん「まだいいじゃん」と思える期間が長くなっていったっていう。

――お話を聞いていると、割と行き当たりばったり感があるんですね。

小林 めちゃめちゃ行き当たりばったりですね(笑)。でも、楽曲を作ること自体には面白さを感じているし、その感触がずっとあるから続けているっていうのはありますね。

『ドラゴンクライシス!』から『あっちこっち』まで!小林私のアニメ語り

――そんななか、2023年6月にキングレコード内の新レーベル・HEROIC LINEの第1弾アーティストとしてメジャーデビューされて、今回、初のアニメタイアップ曲を担当することになりました。生配信でよくアニメの話題もされていますが、お話をいただいたときはどんなお気持ちでしたか?

小林 アニメ自体はずっと好きなので、いざ依頼をいただいたときは、ラッキーと思いましたね。

――ラッキーですか(笑)。

小林 まあ、自分から頑張って掴み取ったわけではなくて、色んな方が指名してくれたことで回ってきたお仕事なので、その意味ではラッキーと表現するしかなくて。でも本当にありがたい話でしたね。

――リスアニ!の読者に向けて、小林さんはどんなアニメが好きなのかをアピールしていただきたいのですが、いかがでしょうか?

小林 うわ~、「こいつ、こういう趣味なんだ」って思われるっていうことですよね(笑)。オタクの信頼は失いたくないので重大だな。でも、アニメにハマったきっかけは、中学の頃に家族の目を盗んでリビングで観た深夜アニメの『ドラゴンクライシス!』で。そのちょっとエッチなアニメで「ああ、俺は二次元の美少女が好きな人間だったんだ」ということに気づいて、そこからめちゃめちゃアニメを観るようになりました。当時は、誰もが観るような王道のアニメはあまり観ていなくて……めっちゃ好きだったのは『俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している』で、他にも『はたらく魔王さま!』とか『犬とハサミは使いよう』『カーニヴァル』『のうりん』とか。最近観直した作品で言うと『未確認で進行形』。あと『あっちこっち』もめっちゃ好きでしたね。あれは神アニメです。ストーリーはまったく覚えていないですけど(笑)。OPテーマ(「あっちでこっちで」)がかっこ良くて。あと『K』とか『Free!』もめちゃ好きでしたね。

――王道のアニメをあまり観ていなかったのは、自分の性格や好みの問題ですか?

小林 そうですね。小学校・中学校の時期は人生で一番尖っていたので。

――個人的にはすごく共感できます(笑)。アニメ音楽で影響を受けたもの、あるいは好きな楽曲の傾向はありますか?

小林 『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』のEDテーマだった「Fallen Angel」はめっちゃ好きで今でも聴いてます。僕はビリー・アイリッシュも好きなんですけど、ああいう声を張らない歌い方がかっこいいなとずっと思っていて。

――それって小林さんご自身の歌い方とは正反対じゃないですか(笑)。

小林 そう、真逆なんですけど、本当は声を張らない系の曲を書きたいなと思っていて。でも、なんか声を張っちゃうんですよね。それは不思議だなあと思っています。あと、『リトルウィッチアカデミア』のEDテーマだった「星を辿れば」(大原ゆい子)もめっちゃ好きですね。『ファイ・ブレイン 神のパズル』のOPテーマだった「Brain Diver」(May’n)も好きで、あの言葉を畳みかけるような感じは、今の自分の作る曲に繋がる部分はある気はします。(テンポが)速い曲も好きで、そこはボーカロイドからの影響が強いと思いますね。

――確かにボーカロイドの楽曲はBPMの速いものが多いですしね。

小林 「脳漿炸裂ガール」(れるりり)を初めて聴いたときは、この世にこんなに速い曲があるんだと思ってびっくりしました(笑)。それまではいきものがかりとかをよく聴いていたので。それで言うと僕は山下穂尊さんが作る曲のフォークな感じすごく好きで、アコギが好きなのはその影響がある気がします。

――ちなみに、小林さんがアニメにハマるきっかけとなった作品『ドラゴンクライシス!』は、堀江由衣さんの「インモラリスト」がOPテーマでしたが、その楽曲を提供した清 竜人さんと以前にコラボしていますよね。小林さんの2ndアルバム『光を投げていた』のリード曲「どうなったっていいぜ」は清さんが作詞・作曲・編曲されていて。

小林 そうなんです。そもそも「インモラリスト」の作詞・作曲・編曲が竜人さんだったので、なんとなく頭にずっと竜人さんの名前があったんですけど、アルバムで「誰かと楽曲を作るのがいいんじゃないか」という話になったときに、それまで親交はまったくなかったんですけど、「どうなんすかね?」って提案したんです。それこそ竜人さんは男性にはほぼ楽曲提供していないので、ダメ元でオファーしてみたら、受けてくださって実現しました。

――しかも、『ドラゴンクライシス!』の音楽プロデューサーを担当したキングレコードの宮本純乃介さんは、小林さんが今所属しているHEROIC LINEのレーベルヘッドでもあるんですよね。

小林 そうらしいですね。実は一番最初にお話したキングレコードの人が宮本さんだったので、最初はそこまで偉い人だとは思っていなかったんですよね。しかも僕は『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』も『カリスマ』もめっちゃハマっていたので、「えっ!こいつが作ったの!? すげえ!」と思って(笑)。だから中学生の僕が聞いたらびっくりすると思います。なんといっても『ドラゴンクライシス!』の宮本さんですから(笑)。

“輪郭”と『ラグナクリムゾン』の作品性から導き出された「鱗角」

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