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INTERVIEW

2023.10.16

アニメ『キミゼロ』OPテーマ「ラブ・ユー・テンダー!」で「改めて、“内田真礼”の魅力を受け取ってほしい!」――内田真礼、ニューシングルリリースインタビュー

アニメ『キミゼロ』OPテーマ「ラブ・ユー・テンダー!」で「改めて、“内田真礼”の魅力を受け取ってほしい!」――内田真礼、ニューシングルリリースインタビュー

内田真礼15枚目のシングル「ラブ・ユー・テンダー!」が10月18日(水)にリリース。10月より放送がスタートしたTVアニメ『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』のOPテーマになっている本楽曲で、どんなことを表現しているのか、そして新たな風が吹かれたカップリング楽曲について、話を聞いた。

INTRVIEW & TEXT BY 塚越淳一

これまでの修行の成果が出た曲

――Zeppツアー“Live Tour 2023 Happy Research! –HIKARI”は、『HIKARI』を引っ提げてのツアーでした(※インタビューはツアー前に実施)。ここでライブをして、しっかり『HIKARI』を表現してこそ前へ進める、というようなことをツアーパンフレットのインタビューでも語っていましたが、『HIKARI』の先の内田真礼について、プロデューサーの冨田明宏さんとは話しているのでしょうか?

内田真礼 私がいる場所だったり、どこに根付いているのか、みたいなことは話しました。自分の在り方を見つめることが今のテーマだったりもしたので。自分のポジションや自分のいる場所って、ずっと走ってきたからこそ移り変わってきたんですよね。声優としてのやること、やるべきこと。音楽活動をするうえで学んできたことがあって、それらは進化を遂げないといけないんだ!という気持ちでずっとやってきていたところがあって。だからここで、これまでやってきたことを振り返って、次の2024年は、「今の私は何?誰?」っていうところに、改めてフォーカスする年になるはずなんです。そのためにも今までやってきたことを1つ1つ完結させることが大事なのかなと思ったので、今は走馬灯みたいな感じで色々な出来事を振り返っているところです(笑)。

――それが、Zeppツアーに繋がっているんですね。

内田 だから、まずはZeppツアーをしっかり終えて、これまでこうやって作ってきたね!っていう指針がないと、先に進めない気がするんですよね。2024年に向けて、私の今までをちゃんと理解をしようという想いを持った2023年になっていると思っています。

――ということは、今回の15thシングル「ラブ・ユー・テンダー!」もその1つ?

内田 「ラブ・ユー・テンダー!」に関しては、“内田真礼”自身を重視したわけではなく、タイアップ曲でもあるのでまた別の考え方になるとは思うんですけどね。ただ、「久しぶりのアニメのOPテーマだぞ~!」って内田真礼チームは浮き足立っていたとは思います(笑)。今回は、「ギミー!レボリューション」(2ndシングル)みたいな、ファンのみんなと私が掛け合うことで完成するような曲になっているし、実際、そういう感じの曲にしましょうというオーダーもあったので、楽しい曲を作れる!って、めちゃめちゃ盛り上がっていたんですよ。「そういうの求めてくれるの嬉しいー!作るぞー!」って感じで(笑)。

―― 一周回ってまたこういうのやりたい!という感じにはなりますよね。「ギミー!レボリューション」みたいな曲は、ライブで鉄板ですから。

内田 そうそう。これまで色々な曲をやってきて、それこそ「youthful beautiful」とか「ストロボメモリー」って、色んな方に聴いてもらえたすごく大切な曲なんですけど、ライブでみんなで声を出して盛り上がるタイプの曲ではない。で、そういう曲も歌ってきたうえで、今改めて、こういう掛け合いの曲を聴くとすごく安心する、みたいな(笑)。あと最近思うのは、求められているものにしっかり向き合うことって大事だよなっていうことで。こういう私もいるんです、ってやってきたけど、それこそ、もう9年もやってきているわけですからね。今の自分はその頃と違うからって言うのは簡単だけど、その頃から私を知ってくれている人に対して「変わったよ」って言うのも、何だか置いて行っている感じもして。だから今回の曲に関しては、改めて、内田真礼の魅力を受け取ってほしい!という感じ。だからもちろん全力で作りました(笑)。

――ひたすら前を見て走り続けてきていましたから。でも、そう考えると、今年やっていることから、そんなにズレていない感じがしますね。

内田 そうかもしれない。でも、同じことをやっているわけではなく、自分自身は成長しているんですよね。「ラブ・ユー・テンダー!」もキーは高いんですけど、歌いやすいので。デビュー当時は、キーはきついけれど、それが一番良いからそれでやらないといけない!と思いながらレコーディングをして、それをまたライブで表現するのが大変だったんです。でも今は、自分の一番良い声で歌えているというか。喉を壊さず、ライブでも映える艶のある音を出すことができるようになったから、自分にも余裕が生まれて深みも出てきたのかなと。良いバランスになったのかなって思っています。

――ご自身のキーが高くなっているんですかね。

内田 どうなんだろう……レンジは広がったと思いますね。ただ、低いところも高いところも、以前は頑張って何とか出していたけど、今は落ち着いて歌えるようになったし、ライブパフォーマンスも進化しているからこその「ラブ・ユー・テンダー!」になっていると思います。

――この曲は、TVアニメ『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』のOPテーマですが、アニメにはどんな印象を持ちましたか?

内田 タイトル的に、結構「お~」ってなるじゃないですか、一体どういうこと?って。話の展開もスタートからドギマギするんですけど、そこには純粋な男女の想いが描かれていて、私はほっこりしちゃいました。目線が当事者というよりは姉目線というか、そんなこと気にするのか~みたいな感じなんですよ(笑)。男の子の自信がない感じとか、男女の初心な感じが瑞々しく描かれているから、学生さんが見たらドキドキしながら楽しめると思うんです。そして、ギャルが笑顔を向けてくれるので、今日の俺ツイてる!って気持ちになるかもしれない(笑)。だから夢がある作品だなぁって思います。

――最近、陰キャな男子と陽キャなギャルの組み合わせって多い気がします。

内田 うん、多いですよね!あと男の子も女の子も最初からずっとほっぺたが赤い作品も多くて、ずっと照れているんですよ。最近、男の子が受け身なアニメが増えた気がする。

――確かに!そういう時代なのかもしれない。

内田 自分からいけない、みたいな感じですよね。それでもいいよって言ってくれる優しい女の子がいる。時代ですねぇ。

――そして、「ラブ・ユー・テンダー!」の作詞・作曲は北澤ゆうほさん。the peggiesとしてアニメ楽曲を担当されたり、色々なラブコメ作品に楽曲提供をしているイメージもあるのですが、北澤さんの曲を聴いたとき、どんな印象を受けましたか?

内田 ハネるロックと言えばいいのかな。女性の瑞々しさみたいなものがあって、北澤さんの声が聴こえてくる感じがするというか……そういう魅力がめちゃめちゃあると思いました。だから、実は私の曲にはない感じでもあるんですよ。私の曲を作ってくれているクリエイターさんって男性が多いんです。だからこういう軽やかな感じがすごくいいなって思ったので、そこにはばっちり気持ちをノせることができました。

――女性特有の感性というか。

内田 そうですね。実は、TVアニメ『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の劇中歌「BABY!」(the peggies)をキャラクターで歌ったことがあるんです。北澤さんの曲を歌うのはそれ以来ではあったんですけど、私がこれまで歌ってきた曲って、めっちゃ速い曲が多くて、言葉も詰め込まれているんです。でも、この曲はそんなに速い感じがしないし、言葉に間がある。例えば“ラヴ・ユー ラヴ・ユー ラヴ・ユー・テンダー! 見つめているの”っていうところでも、間があるんですよ。歌っていないんだけど、ここに感情や表情を込められる感じがしたんです。これまで滑舌トレーニングみたいな曲を繰り返し歌ってきた私としては、それがすごく良くて!むしろ、これまでやってきた成果を出せる!みたいな気持ちになっていました(笑)。

――あははは(笑)。修行の成果を見せられる!的な。

内田 これまで亀仙人の修行みたいな曲ばかりを歌っていたから、こういう余裕があると、ここで気持ちを出せる!とか、たくさん思っちゃうんですよね。だから、これまで大変な曲を歌ってきて良かった~って思いました。すごくこの曲は歌いやすいです(笑)。

――でも、間に感情を込めるって、声優としての本領という感じもするので、大事ですよね。

内田 そうなんです!これまで何度もボイトレの先生に言われてきましたから、「よくこんな速い曲を歌えるね」って。先生は私の曲を聴くと、まず速度を落として聴いて、なるほどこうなっていたのかってところからレッスンが始まるので。

カップリングは「今の私に近い曲」

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