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REPORT

2023.10.03

「君の毎日に1秒でもいいから寄り添っていたい」――最初から最後まで斉藤朱夏の“君”への想いに溢れた“朱演2023 LIVE HOUSE TOUR「愛のやじるし」”ファイナル公演をレポート

「君の毎日に1秒でもいいから寄り添っていたい」――最初から最後まで斉藤朱夏の“君”への想いに溢れた“朱演2023 LIVE HOUSE TOUR「愛のやじるし」”ファイナル公演をレポート

斉藤朱夏が9月17日(日)に神奈川県・KT Zepp YOKOHAMAにて、全国ツアー“朱演2023 LIVE HOUSE TOUR「愛のやじるし」”のファイナル公演を行った。“愛”をテーマにしたミニアルバム『愛してしまえば』を提げた全国ライブハウスツアーで、ソロアーティストデビュー4周年を迎えた27歳の誕生日当日に初日を迎えた。1年目は台風などの天災に見舞われ、2年目以降はコロナ禍に突入した彼女にとっては、声出しが解禁された全国ツアーは今回が初めて。彼女は全国各地で観客の熱狂的な声援を受けながらも、“君”から“私”、“私”から“君”だけでなく、お互いに“自分自身”にも愛の矢印を向けようというメッセージをしっかりと届け、ライブアーティストとしてのポテンシャルと魅力を存分に発揮したツアーとなった。

PHOTOGRAPHY BY 江藤 はんな(SHERPA+ )
TEXT BY 永堀アツオ

私と“君”とで全部“はんぶんこ”

オープニングを飾ったのは、声出しができなかったライブで感じた悔しさから生まれたアンセム「声をきかせて」。大歓声に迎えられてステージ中央に立った斉藤朱夏が、バックライトに照らされる中で“声を聞かせて”と呼びかけると、冒頭から激しいクラップと盛大な大合唱が沸き起こった。彼女は“出会ってくれてありがとう”“そばに居てくれてありがとう”“信じてくれてありがとう”と胸に手を当てながら感謝の気持ちを伝え、「ついにツアーファイナルです!今日もたくさん遊ぼうね」という言葉とともに軽快なバンドサウンドが広がっていった。“もっと近づきたい”という歌詞の通りに、フロアの最前列まで近づいて手を差し伸べた「くつひも」から、ジャンプにクラップ、タオル回しに“オーオーオー”というコールで盛り上がった「しゅしゅしゅ」とオーディエンスが一緒に楽しみ、思い切り騒げる楽曲を連発。さらに、高く掲げた手を広げるフリでフロアが一体となった「パパパ」のアウトロでは初挑戦となるトランペットを披露し、驚きが混じった大喝采を浴びた。

「皆さん、今日はツアーファイナルですけど、朱夏にたくさんの愛をくれますか?」と問いかけると、会場全体からは熱い歓声が沸き起こった。そして、「皆さんと1分1秒、今というこの瞬間を大切にしましょう。そして、嬉しいこと、楽しいこと、たくさん“はんぶんこ”していきましょうね」と語り、アコギを基調にしたカントリーポップ「はんぶんこ」、ノスタルジックな夏のラブソング「夏唄」という最新のミニアルバムの収録曲をしっとりと聴かせると、ピアノが奏でるイントロで歓声が上がった「セカイノハテ」では一転して、観客の凄まじいクラップとジャンプを引き出し、“WOWWOW”というシンガロングに重ねるように高らかな歌声を響かせ、目の前に立ちはだかる高い壁をがむしゃらに乗り越えていく強さも表現した。

MCではバンドメンバーと仙台でプリクラを撮り、福岡で締めパフェを食べたというツアーならではの思い出を明かし、「まだまだ夏の思い出を作りたいですよね。皆さん、最強になりたいですか?」という言葉に導かれた「最強じゃん」からは、朱夏とファンの関係性を感じることができる楽曲が続いた。“だってウチらは最強じゃん?”と言い合う「最強じゃん」。赤と青のペンライトで分けて、旗上げゲームを繰り広げる「Your Way My Way」。君は<私の月で星で太陽>であり、私も“君の月で星で太陽になりたい”という思いを込めた「月で星で太陽だ!」では、ステージに座って、観客と同じ目線になって笑顔でピースサインを送り合い、朱夏最速のビートに話したい言葉を詰め込みまくった「イッパイアッテナ」ではステージ上で周り、ハイキックを繰り出し、躍動したパフォーマンスを見せ、最後は彼女と一緒に飛び跳ねていたフロアに向かってグッドポーズを送った。

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