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REPORT

2023.10.03

Anly、ORANGE RANGE、KANA-BOON、CHiCO、FLOWが世界へと届く『NARUTO-ナルト-』の歌を謳い上げる熱い時間に!“NARUTO THE LIVE”DAY 2 レポート

Anly、ORANGE RANGE、KANA-BOON、CHiCO、FLOWが世界へと届く『NARUTO-ナルト-』の歌を謳い上げる熱い時間に!“NARUTO THE LIVE”DAY 2 レポート

2002年10月から放送が開始されたアニメ『NARUTO-ナルト-』。放送20周年を迎えたことを高らかに祝うライブイベント“NARUTO THE LIVE”が、2023年9月2日、3日の2日間にわたり幕張メッセ イベントホールで開催。20年もの時間の中で数多の楽曲が生まれたこの作品への愛を叫ぶこのライブ。前夜の熱気もそのままに幕を開けたDAY2は、DAY1と同じくボルトとサラダが開演前の注意事項をアナウンスするという任務を遂行する。「昨日のライブ、すげぇ盛り上がったよな!」とボルト。サラダも「今日も楽しみだね!」と声を弾ませる。そんな2人の声に続いてスタートした、熱い熱い時間をレポートする。

TEXT BY えびさわなち
カメラクレジット:サイトウダイシ、ツボイヒロコ

KANA-BOONが歌う、あの『NARUTO-ナルト-』の名曲!

DAY2の最初に登場したのはKANA-BOON。前夜と同じく『NARUTO-ナルト-』(以下、NARUTO)から息子へ、『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』(以下、BORUTO)へと物語を繋ぐ「バトンロード」から始まったステージに向けて、ナルトのチャクラを思わせるオレンジのペンライトが向けられる。『NARUTO』の世界へと飛び込むように響く「ダイバー」を歌い上げると、会場を見渡す谷口 鮪(Vo&Gt)。

「俺たちは小学校で『NARUTO』と出会い、アニメもずっと見てきたわけで……。昨日、今日と“『NARUTO』と言えばあのバンド”が出てないんですよ」という谷口の言葉に会場から「おお!?」と声が上がる。自分たちの大好きなバンドが出ていない、と。「だから今日は特別に、先輩の代わりにある曲を演奏します!よろしくお願いします!」。その言葉に幕張メッセは大歓声に包まれる。低く唸るようなベースラインをつま弾く遠藤昌巳(Ba)。大歓声がさらに強大になる。ジャジャッとエッジの効いたリフを響かせる谷口と古賀隼斗(Gt)。そこに力強い小泉貴裕(Dr)のドラムが加わると、一気に音が疾走する。ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「遥か彼方」だ。

2003年にアニメ『NARUTO』の2代目OPとして物語を鮮烈に印象付けたロックナンバーを、彼らの曲を聴いて育ってきたKANA-BOONが渾身のカバー!“生き急いで 搾り取って”と、オーディエンスも谷口と共に声を上げ、大きく腕を揺らす――「アニメ『NARUTO』を語る上で欠かせないのが音楽だ」と言うMCのサスケの言葉が蘇る。『NARUTO』サウンドを聴いて育ったバンドが『NARUTO』サウンドを担う。20年という時間の大きさを改めて感じさせる瞬間だった。

「1つの作品を生み出すのに、ものすごくたくさんの人が関わっている。色んな人がいる。アニメももちろん、1つの作品をみんなで一生懸命に作り上げるプロセスがある。俺たちの観るという行為自体が、所謂表舞台には出ない裏方の人たちの支えになってきたんだと思います。そういう20年だったんだろうなと思うし、これだけたくさんの人がここに集まっていること自体がこの20年の素晴らしさだと思います」と語り掛ける谷口は、観客と共に『NARUTO』に関わるすべての人への「ありがとう」の声を上げると、そんな気持ちを込めて作ったという「きらりらり」を響かせる。『BORUTO』のOPである軽快で真っ直ぐな想いが重なる1曲を歌うと、最後に「シルエット」で観客と一体となって歌を奏でたKANA-BOONだった。

竹内、杉山の思い出のシーンに会場も涙

DAY1に引き続きMCを務めたのは、ナルトとサスケ。演じる竹内順子と杉山紀彰の登場に会場は大きな拍手で応えた。アーティストの紹介はもちろん、竹内、杉山として“アニメ『NARUTO-ナルト-』名シーンセレクション”のコーナーでは思い出話に花を咲かせる。中でも絶命寸前のクシナとミナトが、赤子のナルトへ向けて言葉を遺す名場面では会場からすすり泣く声も聞こえた。DAY1もDAY2も世界中からファンが駆けつけていた会場。全世界のファン共通での感動の場面でまた会場は想いを1つにしていた様が印象的だった。さらに前日に同じくステージとステージのあいだの幕間では『NARUTO』シリーズの20年を彩ってきたOP&EDが当時のアニメ映像と共に流れる。イントロが流れれば歓声が湧き、観客は歌い、曲の終わりには拍手が湧く。一つひとつの楽曲に対する思い出がオーディエンスそれぞれの脳裏に蘇っていたことだろう。

木ノ葉隠れの里に吹き抜ける風のようなAnlyの歌

DAY2、2番手での登場となったのはAnlyだ。まずは『BORUTO』のED「VOLTAGE」を歌い、会場のボルテージを上げる。“Wow Wow”と声を重ねるオーディエンスの様子にギターをかき鳴らしながら微笑みを浮かべるAnly。伸びやかな歌声が会場へと染みわたる。動と静との世界観を持ったドラマティックなこの曲の、最大の見せ場であるハイトーンが風のように気持ちよくフロアを駆け抜けた。

「皆さん、こんにちは。初めまして、Anlyです!」と笑顔を見せると「みんな、『NARUTO』大好きってこと?すごーい!嬉しいー!わたしも大好きです」と自然体で満員の観客と向き合う。ここで自身と同じ島の出身の、大好きな先輩の曲をカバーする、と言うAnlyが「ラヴァーズ」をコールすると、会場はどよめきに近い声を上げた。2011年に『NARUTO-ナルト- 疾風伝』(以下、『NARUTO 疾風伝』)のOPとなった沖縄出身のバンド・7!!が歌った1曲。畳みかけるような歌詞と躍動感溢れるビート、そして上へ下へと元気に動き回るメロディがインパクトの強い1曲を、ギターを手放しマイクを手にして歌い上げるAnly。「めちゃくちゃ歌いたかった」というこの曲では、上手から下手まで大きくステージを使い、観客のすぐ傍まで一緒に歌おうとばかりに動きながら軽やかに歌い上げたAnlyだった。続けてエモーショナルなアッパーチューン「TAKE OFF」を聴かせたあとに、彼女は会場へと語り掛ける。

「『NARUTO』には、色んなことを教えてもらいました。世界的にも大人気で、日本でもこんなにたくさんの人たちが大好きな『NARUTO』の一番最後のOPを作らせてもらったことは、わたしの人生の中で一番誇りだなと思います」と言うAnlyに、オーディエンスから温かな拍手が送られる。その“一番の誇り”という「カラノココロ」を作るときには原作のすべてと小説も読んだと話す。「最初はシカマルが好きだったんだけど、最近ちょっと浮気してるの。アニメオリジナルでカカシが暗部、根に勤めていたときのヤマト隊長……テンゾウが大好きなの」と告白するとオーディエンスからは歓声と拍手が。友だちのように近い距離で語らうAnlyと観客。これも『NARUTO』愛で繋がっているからこそ。今の推しはヤマト隊長だと言う彼女は最後に、最初の推しキャラだと言うシカマルの登場から始まるOP映像と共に「カラノココロ」を歌い上げた。忍界大戦の終盤から終戦までを彩った1曲は、まさに木ノ葉隠れの里を吹き抜ける爽快な風のようなナンバー。当時のOP映像に加え『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』の映像も流れ、忍界大戦後の彼らの日々へとファンが想いを馳せていくなか、どこまでも広がっていくAnlyのボーカルがハートフルなナルトたちの時間を思い起こさせたのだった。

幼いCHiCOが初めて英語詞の曲を歌ったのは『NARUTO-ナルト-』の主題歌だった!?

ステージには、DAY1に続きCHiCOが登場。little by littleの「悲しみをやさしさに」で幕を開けると、2曲目も名主題歌のカバー。アニメ『NARUTO』 の初代EDだったAkeboshi「Wind」だ。ピアノの旋律が静かに鳴り出した瞬間に「Wind」であることに気づいた観客は大きなどよめきの声を上げた。ジャジーで静かなEDは、OPだったHOUND DOGの「R★O★C★K★S」と対照的な世界観だったことや、アニメのEDとしてはかなり稀有な存在感を放っていたこともあり、人気の高い1曲。

ノスタルジックかつスタイリッシュなサウンドと共に、孤独な幼少期のナルトの姿が描かれた映像が印象的だったあの頃のままに都会的ながら焦燥感のような感情が滲むナンバーを、声をつま弾くように、情感たっぷりに歌うCHiCO。男性ボーカルの曲ながら、その細やかな感情までも美しく表現すると、オーディエンスはじっと聴き入っていた。実は、この「Wind」はCHiCOにとって初めて触れた英語詞の楽曲だったそう。その当時、「歌ってみたい」とうろ覚えの歌詞で歌っていたものの、「まさかそんな1曲を皆さんの前で歌うことになるとは思ってもいませんでした。聴いてくださってありがとうございます」と伝え、笑顔を見せた。

ソロアーティスト・CHiCOとしての最初の1曲にしてナルトやボルトの物語にも通じるメッセージソング「光のありか」を歌い上げたあとには、自身のステージの最後の1曲として『BORUTO』のOP「我武者羅」を轟かせる。パワフルな1曲で会場はまるでライブハウスのような熱気に!大きく腕を上げながら歌声を響かせたCHiCOは、幕張メッセに螺旋丸さながらの熱風を巻き起こした。

ドイツの第一班に負けず、世界を震わせる音を轟かせた刃-yaiba-第二班

休憩を挟んで登場したのはDAY1に続き、刃-yaiba-第二班!ドイツでライブ中の高梨康治の挨拶の映像に続き、世界中を魅了してやまない『NARUTO』シリーズのサウンドトラック(劇伴)が生演奏される。画面の中で聴いていたあの曲が、この曲が、ライブでの生演奏というプレイヤーの息遣いと会場の熱気という力を得て迫力満点で繰り出される。

轟く和太鼓の音、意気巻く「セイヤ!」の掛け声が響きだし、会場がオレンジの光に染められると、最早幕張メッセは木ノ葉隠れの里だ。「動天」、「臨界」、と『NARUTO』のメインテーマに引けをとらないほど象徴曲であるナンバーが躍動すれば、オーディエンスの影がそのビートと共に揺れる。

和楽器を加えたバンド編成となっている刃-yaiba-第二班のメンバーは体を揺らし、全身で楽曲を魅せるように演奏をしていくと、その熱いパフォーマンスに観客もクラップで応えた。バンドの音が止む――スクリ-ンに映し出されたのはナルト、サスケ、サクラの姿。サスケの離脱から長い年月、揃うことのなかった第七班の3人が、忍界大戦でようやく集結し、それぞれが師から受け継いだ口寄せするシーン。あの胸が熱くなった場面から勇壮なストリングスと和太鼓の重厚な拍、エアロフォン(尺八)の琴線に触れる旋律とで紡がれる「疾風伝」へと繋がっていく流れが、会場を忍界大戦へと連れていく。

そんな劇伴ライブは終末の谷での最後の戦いを経て仲直りをしたナルトとサスケ、そこに駆けつけたサクラとで第七班の絆を感じさせたシーンから「NARUTOメインテーマ’16」へ、そして最後は数々のバトルシーンに加速をつけてきた「形勢逆転」へと繋がっていく。劇伴で堪能する『NARUTO』はまさにどの曲もクライマックスの盛り上がりに。普段は場面につけられた部分でしか聴けない楽曲をフルコーラスで体感できるのも貴重な時間となった。

次ページ:20年前。共に走り出した瞬間に響かせた、あの曲を!

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