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INTERVIEW

2023.09.23

BLUE ENCOUNT、TVアニメ『MIX』OPテーマ「アマリリス」リリース!等身大の4人の青春を描いた本作の制作秘話、ELLEGARDENと念願の対バンについて語る

BLUE ENCOUNT、TVアニメ『MIX』OPテーマ「アマリリス」リリース!等身大の4人の青春を描いた本作の制作秘話、ELLEGARDENと念願の対バンについて語る

学生時代の仲間とバンドを組んでから、来年で結成20周年。キャリア2度目となる東京・日本武道館ワンマンライブを経て、辻村勇太(Ba.)の渡米、アメリカでの再会とライブと、2023年のBLUE ENCOUNTは目まぐるしい。日本とアメリカ二拠点による新体制とはなったものの根っこは変わらず、むしろ進化を果たしている。

そんなBLUE ENCOUNTだからこそ咲いた、瑞々しい一輪の花。アニメ『MIX MEISEI STORY ~二度目の夏、空の向こうへ~』OPテーマ「アマリリス」をタイトルにしたシングルについて、田邊駿一(Vo&G)、江口雄也(G)、高村佳秀(Dr)に話を聞いた。まずはアニメ談義から。

INTERVIEW & TEXT BY 逆井マリ

三者三様のアニメ愛

──リスアニ!でBLUE ENCOUNTを取材させていただくのは初めてとなります。ぜひまずは皆さんが最近ハマっているアニメなどを伺えたら。

江口雄也 少し前にはなりますが、僕は『オッドタクシー』です。何度も観直したくなるような作品でした。声優として芸人さんがたくさん参加されているんですよね。そのなかにはミキのお二人(昴生、亜生)もいて……。

田邊駿一 え、俺のこと?

江口 違う(笑)。ミキも参加されているということで「ちょっと見てみようかな」と軽い気持ちで観始めたんですよ。そしたらすごく面白くて。

田邊 みんな面白いって言うんですよね。僕自身はまだ観られていないのですが、亜生も「俺が出てるとか関係なしに観てくれや!面白いから!」と言っていて。腰を据えてじっくり観たいなと思っています。

高村佳秀 僕は『ぼっち・ざ・ろっく!』ですね。正直あまり期待せずに観たんですが、めちゃくちゃ面白くて!音楽も素晴らしいし、ギャグも自分好みでしたし。しかも下北沢が舞台ということで懐かしい気持ちになりました。エンターテインメントとして楽しませてもらいましたね。

──田邊さんはどうですか?

田邊 僕は『コタローは1人暮らし』です。ギャン泣きしましたね。ストーリーも斬新ですし、なによりコタロー役の釘宮理恵さんの才能に感動しました。高村が好きになる理由はここにあるんだなと。『銀魂』の主題歌を担当させていただいたときに、釘宮さんの存在を知ったのですが……アニメ界の頚椎じゃないですか!

高村 頚椎、斬新な例えだなぁ(笑)。

田邊 アニメって面白いなと改めて思いました。トレンドのアニメもいぶし銀のアニメも最高です。僕は『クレヨンしんちゃん』は単行本を全部コンプリートしているくらい好きなんですよ。サウンドトラックも買っていて、ひろしのデュエット(「ナミダの各駅列車」)は未だに歌詞を見なくても歌えますから。こぬか雨降る〜……♪

江口 歌い出した(笑)。

──良い声(笑)。

田邊 僕、藤原啓治さんの声が大好きなんです。訃報を聞いたときには驚きましたが、今も変わらず好きです。声優さんって本当にすごいと思います。それこそ『僕のヒーローアカデミア』で緑川デク役を務める山下大輝さんに楽曲(「暁」)を提供させていただいておりますが、彼の歌声にも度肝を抜かれました。自分で作った曲ではあるんですけど、見事に自分のものにしてくれて。改めて声が良いって素敵だなぁと……。

──田邊さんが言いますか(笑)。

田邊 いや、僕は全然ですよ。ただ、小学校の頃は声優さんになりたかった時期もあったんです。「どうもこんばんは、ブラット・ピットです」ってずっと練習してました。ブラット・ピットの吹き替えをやる気でしたから……親父が運転している横で『クレヨンしんちゃん』の単行本の吹き出しを読んでいた時期も……って熱く語りすぎました(笑)。声優さんに対して、それくらいリスペクトが止まらないんです。

アメリカでの新鮮な日々

──BLUE ENCOUNTは、2023年の上半期も濃密でしたね。日本武道館公演もあり、辻村さんのアメリカへの旅立ちもあり。

田邊 メジャーデビューをして10年が経つんですけど、2023年の上半期はこの10年の中で一番忙しい時期だったような気がします。まずは2月の日本武道館、新しいEP(『Journey through the new door』)のリリース。その前日には“ONAKAMA 2023”(BLUE ENCOUNT、THE ORAL CIGARETTES、04 Limited Sazabysによるイベント)もあったので、僕ら的には実質2Days武道館をやらせてもらって。2016年に武道館でワンマンをやったときは「初めまして」ということもあって、少し浮足立っていたのですが……今回は「みんなが次に向かうための活力になれば」という想いで4人ともステージに立っていました。一人ひとり嘘のない、人間がそこに立っていると感じる武道館ライブができたことが、成長に繋がったように感じています。

──武道館を経て、制作に入っていったんですか?

田邊 武道館の翌々日からは色々な楽曲を制作しはじめました。そのなかには「アマリリス」も。実は昨年末に『MIX MEISEI STORY ~二度目の夏、空の向こうへ~』(以下、『MIX』)のお話はいただいていたのですが、チームの皆さんが「まずは武道館に向けて、ほかのことは目を瞑りましょう」というスケジュールを組んでくれたんですよ。で、武道館が終わったら「さあ、目を開けましょう」と(笑)。そこからは怒涛の日々でしたね。辻村が渡米して新体制になり、BLUE ENCOUNTの新たな章が始まって。ライブでは、ゲストベーシストというカテゴライズで色々な方をお迎えして、原点に帰りながらもライブができた期間になりました。また、6月にはアメリカ・ニュージャージーの“AnimeNEXT”に呼んでいただき、さらにアメリカでライブをするという貴重な体験をさせていただきました。手前味噌ながら大盛況だったと思います。コロナ禍を経て、色々なものが解禁されるようになって、一気に乾きを潤すことができた。経験値が上がったなと目に見えてわかりました。

──アメリカで辻村さんとも再会される様子が「アマリリス」のMVにも描かれていましたね。

田邊 久しぶりに会うことができて、4人でゆっくり酒を飲みながら他愛もない話を喋りました。4人で集まったときには学生時代に戻ったかのような雰囲気です。真面目な話は個々ですることが多いですね。2人になったタイミングで、建設的な話し合いができました。

──お二人は辻村さんとはどのようなお話を?

高村 僕は朝まで2人で、港で酒を飲みながら……。

田邊 港で、ってカッコいいな……!

高村 自分でもカッコいいなと思ってた(笑)。日本とアメリカでの音楽の文化の違いや共通点などを聞きつつ、じゃあその差をどうやって埋めていこうか、って話をしましたね。でも、7割くらいは他愛もない話です。離れていたのは実際は2ヵ月くらいなんですけど、久しぶりに会っても一瞬で同じ空気感に戻れたので「あ、大丈夫だな」と安心しましたね。

江口 僕はツジとは深く話してない(笑)

田邊 その言い方!(笑)お土産持っていったじゃない!

江口 基本的に音楽性についての話は2人に任せているので。渡米後に唯一取った連絡が「何か欲しいものある?」でした。それでシャンプーとアルコールティッシュを渡したくらいで……(笑)。

田邊 めちゃくちゃ喜んでたけどね。文面にすると無機質な感じがしますけど、元々ずっとそうなんですよ。彼(辻村)とは20歳の時に出会って、気づいたら15、6年ですから。青春を共にし続けている4人だからこそ、再会しても良い意味で変わらない。それで心が温まりました。それに、アメリカでは本当に良いこと尽くしだったんですよ。それこそ、カップリング曲の「ghosted」はアメリカの散歩中にできたんです。

──散歩中にですか?

田邊 江口と自転車でSupremeの本店に向かってたんです。田舎の高校で出会った2人が「ニューヨークでチャリを乗ってるってエモくない?」という話をして。珍しく、クールな江口さんもテンション上がってて。

江口 テンション上がっちゃった(笑)。スピードが出るのでちょっと怖かったですけど。

田邊 そのあと1人で近くを散策しているときに、この曲が浮かんできました。

──気持ちが高まっていたんですね。「ghosted」は英詞でポップ・パンク。でも内容は……。

田邊 ドロドロしています(笑)。完全なるオリジナルフィクションですね。僕の中では“BACK TO 19”というか。90年代のミュージックカルチャーがまた注目されているので、それに対してポップパンクな曲を書きたいなと思っていたんですよ。充実した日々を過ごすことができたので、制作も円滑でした。その上半期を経て、今年の夏はゆっくりできましたね。

高村 7月末から8月ね。

田邊 BLUE ENCOUNTにしては、どえらい長い休みをいただいたんです。毎年夏フェスに出演させてもらっていたんですけど、今年の夏は制作に集中していました。僕はその間、キャンペーンで全国津々浦々を回らせてもらっていて。コロナ禍で長らくお会いできなかった人ともお話できて、そこでも喜びがありました。ボーカル冥利に尽きる夏を過ごさせてもらって、「今、良いものができるかもしれないな」という予感がありました。今はまた、曲を作っているところですね。

──辻村さんが渡米されたことで、制作はどのように変化しました?

田邊 よっちゃん、辻村がDTMを体得してくれているんです。これまではスタジオに集まって、エンジニアさんに録ってもらって、みんなで聴き返して……というのを繰り返していましたが、今では1ターンでフィックスしています。だから制作も早くなりましたし、フレーズも熟考できるようになりました。こういう作り方もブルエンっぽいなと思いました。緻密に作りながらも、衝動的なものができる。辻村と一緒に居続けるという未来を選んで良かったなと。

──バンドって面白いですね。

田邊 本当におもろいですね。結構言われたんですよ、「ソロ活動はしないの?」とか、親父からも言われたくらいで。もちろん弾き語りはしますけど、自分がソロで活動している姿がまったく思い浮かばなかったんですよ。「田邊駿一ニューシングル発売」とか、むず痒い(笑)。それと、僕がギターを弾いて出す音って、BLUE ENCOUNTの曲なんです。ソロでやりたいのはラジオくらいかな。創作はこの4人でしかできないなと思いますし、この4人以外のモノはないなと。

青春を謳歌している自分たちだからこその曲

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