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INTERVIEW

2023.09.15

【連載】アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』第6回:MyGO!!!!!メンバー全員で振り返る、最終話まで走り抜けた“迷子たち”の迷える日々と成長を刻んだ音楽

【連載】アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』第6回:MyGO!!!!!メンバー全員で振り返る、最終話まで走り抜けた“迷子たち”の迷える日々と成長を刻んだ音楽

次世代ガールズバンドプロジェクト「BanG Dream!(バンドリ!)」発の“現実(リアル)”と“仮想(キャラクター)”が同期するバンド、MyGO!!!!!。彼女たちが結成されるまでの物語を描くこの夏話題のTVアニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』を、音楽面から掘り下げるリスアニ!の連載特集の最終回となる第6回は、メンバーの羊宮妃那(高松 燈役)、立石 凛(千早愛音役)、青木陽菜(要 楽奈役)、小日向美香(長崎そよ役)、林 鼓子(椎名立希役)が、全13話の放送を終えたアニメの思い出を振り返ると共に、“迷子たち”の成長を刻んだ音楽について語る。

■【連載】アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』――“迷子たち”の音楽を徹底特集!

【特集】アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』――“迷子たち”の音楽を徹底特集!

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創
PHOTOGRAPHY BY 三橋優美子

最終話まで走り抜けた今だからこそ振り返りたい、“迷子たち”の成長の軌跡


――最終話のアフレコを終えたとき、どんな気持ちになりましたか?

立石 凛 最終話のアフレコが終わったときは、「あ、終わっちゃった」っていう感じでした。

小日向美香 私も寂しい気持ちはありましたけど、最終話がとても気になる終わり方をしたのと、アニメ続編の制作が決定していたこともあって、(長崎)そよちゃんやMyGO!!!!!のみんなが今後どんな姿を見せてくれるのか気になる気持ちのほうが大きかったです。

青木陽菜 私ももっと彼女たちの青春を観てみたいな、という気持ちで終えました。今回のアニメには“ドロドロ、ぐちゃぐちゃ。それでも。”というキャッチコピーがありましたけど、最後の(豊川)祥子ちゃんのセリフが、それとはまた違った方向に向かっている気がして(笑)、その続きも楽しみになりました。

羊宮妃那 私は今までアフレコをしてきた作品のなかで、一番終わった感覚がありませんでした。どちらかと言うと第12話のアフレコを終えたときのほうが、ようやくMyGO!!!!!というものが誕生したので特別な気持ちが生まれたのですが……続編が決定していることも含めて、「これで終わりだな」という感覚が全然なかったです。リアルバンドで活動していることも理由かもしれません。

青木 これで会えなくなっちゃうような寂しさはなかったもんね。

林 鼓子 最終話の話で言うと、(椎名)立希の最後のセリフが「はあ?」だったんですよ(笑)。(高松)燈と一緒に帰ろうと思ったらそよに取られてしまって。

小日向 (笑)。

 でも、最初の頃はケンカ腰で視聴者の方にも少し怖がられていた立希が、第11話・第12話辺りからメンバーに心を許し始めているのがわかってきて、最終話ではそよちゃんにイジられてオチに使われるようなキャラクターになったのが、個人的には嬉しかったです。

――アニメ全編を振り返って、特に印象深いシーンやセリフを教えてください。

青木 私はやっぱり第11話の、(要)楽奈ちゃんが「居場所って、また誰かが作るんだって」って話すくだりです。普段は口数の少ない楽奈ちゃんが、おばあちゃんが経営していたSPACEのことを「一生あるって思ってた。なくなったけど」ってぽつりぽつりと語るのがすごく印象的で。SPACEが無くなった直後は、楽奈ちゃんも悲しさや虚しさを感じていたと思うんです。跡地でネコと遊んでいたのも、きっと強い思い入れがあるからだと思いますし。でも、今こうしてMyGO!!!!!という居場所が新たに見つかったので、「良かったね」という気持ちになりました。それと第12話でおばあちゃんがライブを観に来てくれたときに、「居場所を見つけたって言うからさ」って言うんですけど、ということは楽奈ちゃんはおばあちゃんにMyGO!!!!!のことを話しているっていうことなんですよね。本編にそういう描写はないですけど、それが想像できてかわいらしいなあと思いました。

小日向 私は第10話の「詩超絆」のライブシーンが一番心に残っているんですけど、最終話の燈ちゃんとそよちゃんが会話をするシーンも印象深いです。あのとき、そよちゃんは最後に「……私たぶん、一生CRYCHICのこと忘れられないよ」と言うんですけど、その言葉に、そよちゃんがこのアニメ全体で描かれた悩みや苦しみを全部抱えて、それでも前に進んでいく意志が詰まっていたのかなと思って。CRYCHICの思い出も忘れずに歩いていく。その言葉に少し寂しさも感じましたけど、嬉しさもあって、私の中でも大切な言葉です。

――それを燈にちゃんと伝えるのがいいですよね。

小日向 そうなんですよ。当初は本音を隠していた女の子だったからこそ、最終話で自分がどうして燈ちゃんの書く歌詞が苦手だったのかを含めて、本音をちゃんと伝えるところに成長を感じました。立希ちゃんや(千早)愛音ちゃんには絶対に言わないと思いますけど(笑)。

 でも、そよのつっけんどんな感じも、MyGO!!!!!のみんなに甘えているからだと思うから、それが私は嬉しいです。きっと、どうしたらいいのかわからなくなっちゃったんだろうね。

小日向 そうなんだよね。きっとひどいこと言っちゃったって思ってるんじゃないかなって。でも、みんなが受け入れてくれるのを嬉しく感じていると思うし、今はまだ素直に出せない時期なんだろうけど、そこがかわいいなあって思います。

 つっけんどんが2人(そよ・立希)になってしまって。

立石 全部こっち(愛音)にくるから大変だよ(笑)。

羊宮 そよちゃんがCRYCHICを復活させるためにやっていたことは賛否両論で、そよちゃんに同情する人もいれば、最低だと感じる人もいたと思うんです。でも、それはすごく現実味のあるお話だなって思っていて。というのも、もし仮に祥子ちゃんがCRYCHICを本当は続けたかったとしたら、そよちゃんは祥子ちゃんにとっての正義のヒーローで、周りからも「自分勝手に動いていた」のではなく「すべてを見越して動いていた」という見え方になっていたかもしれなくて。見えている世界が変わるだけで、色んな予想ができるし、色んなものが美化されていく可能性がある。でも、そこに食い違いが生じて。きっとこれってアニメだけじゃなくても起こるような気がするんです。だからこそ、見えているものをすべてそのまま受け止めるのは違うなと改めて感じましたし、そうやって現実世界そのもののように感じられるからこそ、それが映える第10話と燈ちゃんが「迷子でも進め」と言えるようになっていく第12話は、色んな涙が溢れました。

立石 私は最終話の燈ちゃんとの会話が印象的で。燈ちゃんが「一瞬一瞬をたくさん重ねたら、一生になるんだと思う……」という話をするんですけど、この作品は“一生”という言葉がキーワードになっていて、愛音ちゃんは最初、その“一生”という言葉に批判的だったのが、アニメの全13話を経ていくにつれて変わっていって、最終的には燈ちゃんの言う“一瞬一瞬の積み重ね”を“一生”と捉えることで、自分の中で“一生”との向き合い方を学べたんだと思うんです。愛音ちゃんの成長を感じられて好きなシーンです。

 私は第11話で(真次)凛々子さんとメンバーが話しているシーンですね。みんなで急遽ライブに出ることが決まったときに、凛々子さんが「気楽に出ればいいんだって」と言ってくれて。立希は「恥かくのはこっちですよ」と言うんですけど、「そんなの自分しだいだよ?」って返すんですね。その言葉を受けて、メンバーの言葉にはなびかなかったそよが「やってもいいかも」ってなるし、立希の「これだから大人は……」というセリフに対して「大人だから言えるんだよ」と返すところも深いなあと思って。MyGO!!!!!のみんなは作中であまり大人と関わることが無いし、大人が苦手そうなイメージがあるなかで、ちゃんと見てくれている大人もいることが伝わってきて、些細だけどグッときたシーンでした。

――立希に関しては、第12話のライブ前に、みんなに何か声をかけようとして結局言い淀むところもいいなあと思いました。

 私もあのシーンが好きです。あそこでようやく面と向かってみんなの名前を言うんですよね。それまで愛音のことは大体「お前」とか「こいつ」と呼んでいたのに、あそこで「愛音」と呼んだのがグッときたし、でも呼んだら呼んだで急に恥ずかしくなるところが立希らしいなと思って(笑)。きっと彼女なりに励ましの言葉みたいなものを言おうと思ったんでしょうね。でも急に恥ずかしくなるっていう。

立石 慣れないことをするから(笑)。

次ページ:“迷子たち”がMyGO!!!!!になるまでの歌――「詩超絆」と「迷路日々」

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