INTERVIEW
2023.09.06
長野で初めて開催された第1回から3年連続で出演し、“ナガノアニエラフェスタ”最多出演を誇るMYTH & ROID。その点においてTom-H@ckとKIHOWは、フェスの成長を見守ってきた存在でもあると言えるだろう。当時KIHOWが加入したばかりという、グループとしてもターニングポイントを迎えたなかでの新規フェスの出演という経験は2人に何をもたらしたのか。そして、そんな2人が見つめてきた“アニエラ”の魅力とは何なのだろうか。
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INTERVIEW & TEXT BY 澄川龍一
――MYTH & ROIDとしましては、“ナガノアニエラフェスタ”は2017年の初回から2019年まで連続で出演されてきて、今年久々の出演となります。まずはお二人と“アニエラ”の出会い、その第一印象からお伺いします。
Tom-H@ck 当時に覚えている部分はたくさんあるんですが、僕は当時自分の会社・TaWaRaを立ち上げてすぐにお誘いいただいた話だった記憶があるんですよね。なので当時はものすごくわちゃわちゃしていたときなんですけど(笑)、僕以上にKIHOWちゃんのほうが印象に残っているのかな?KIHOWちゃんからしたらこういうフェスに初めて出演することになったという部分もあったし……どうだった?
KIHOW まずはやっぱり、長野で行われるアニソンフェスということで初めて聞くお名前でしたし、こう……「誰かが勝負に出ようとしているんだな」という感じがありましたね(笑)。でも、長野で初めて開催することへの本気さというのは伝わってきましたよね。なので、このような場所に呼んでいただけたのならば、絶対に良いイベントになるように、アーティストとして良いライブができたらいいなということをこのときには感じていました。
――KIHOWさんにとってもMYTH & ROIDに参加したばかりの頃ですから、そのなかでフェスに出ることへのお気持ちも大きかったのかなと。
KIHOW そうですね。当時自分はMYTH & ROIDに加入して歌い出してから間もない時期だったので、フェスとかイベントで歌うということにそもそも慣れていなかったんですよね。そこでできたばかりの“アニエラ”というのは、自分と少し似ている……と言ったらあれなんですけど、初めてやるっていう意味ではちょっとした共通点があって、これから頑張ろうとしているという気持ちをイベント自体から感じたので、一緒に頑張っていけたらいいなというのは勝手ながら初回から感じていました。
――ある種、歩みを始めた同士でのシンパシーのようなものを感じていたわけですね。一方Tomさんはいかがでしたか?
Tom-H@ck 当時、MYTH & ROIDにKIHOWちゃんが加入したときは、まだ彼女もライブをめちゃくちゃやりたいという方針ではなかったんですよ。ただ、レコーディングだけではないアーティスト表現というところで、ステージでの表現も将来的に糧になるものはたくさんあるとも思っていたので、バランスを組みながらチャレンジしていきたいと話していました。そんなときに、まさにこのお話をいただいたなぁということは未だに覚えていますね。そういった温度感からスタートしているので、僕たちがライブパフォーマンスやればやるほど良くなっていくように、“アニエラ”に出演するたびに自分たちの成長をそこで感じられる、そんな場になっているのかなって感じています。
――MYTH & ROIDは2017年の初回から3年連続で出演されていますが、フェスの規模が年々拡大していくのと同じように、そこでグループとしての進化も感じられる、そういう関係にあるわけですね。さて、初回は今とは場所も異なり、また天候も荒れ気味な中での野外フェスだったわけですが、2017年にステージに立ったときはいかがでしたか?
KIHOW 第1回に限らずなんですけど、アニエラといえば天候があまり良くないという……(笑)。初回が一番大変だったと思うんですよね、直前でステージを変更されたりして。雨も降っていたんですけど、そもそも野外で歌うのは“アニエラ”さんが初めてだったんです。「野外だしやっぱり雨も降るよな」と思ったり、その野外ならではのことを初めから経験させていただいてありがたいなというのも感じていて。
――野外の洗礼というものを最初から経験できたことは大きかった。
KIHOW お客さんも、今はすごくたくさんの方が来られていますけど、初めはステージに合うようなこじんまりとした感じだったんですよ。「私たち、お客さんとほとんど同じ場所に立ってない!?」って思うくらい距離も近くて、それだけに「アニソンが大好きな人たちが集まっているんだな」というのも、皆さんの表情や熱量から感じました。普段だったら終わったあとって「良いライブだったな」と思うんですけど、あの当時のことを思い出すときって、「あのときみんなで一緒に遊んだよね」みたいな、そういう思い出になっているんですよね。
Tom-H@ck 僕自身、野外でライブをしたことはあるんですけど、慣れているかって言われたらどうだろうという感じで。普段はあまり緊張しない体質なんですけど、雨が降ったときは機材的なこともあり、少しナーバスになった記憶がありますね。でも、やはり野外だと開放的になるので、純粋に音楽をやっていて、音を出して「うわっ、気持ち良いな!」みたいな感じは“アニエラ”さんのステージに上がらせてもらうときは毎回感じますね。
――やはり野外でしか味わえない開放感というものがあるわけですね。
Tom-H@ck ありますね。あと、地方ならではっていうのも良い意味であると思うんですね。東京でやっていたらまた雰囲気が違うだろうし、長野でやっているからこその良さっていうのは“アニエラ”さんの大きな武器だと思うし。KIHOWちゃんも言っていたけど、「最初よくこんなところでチャレンジするなぁ」みたいなことは、当時僕も思ったんだろうけど(笑)、それを見事に旨味にした。スタッフの皆さんのお力だと思いますし、本当にすごいなって純粋に思いますね。
――また“アニエラ”出演時には、SNS上などでKIHOWさんが“アニエラ”のTシャツを着てコメントを残されたりしていましたが、ある種“アニエラ”を介してアーティストイメージにも変化があったのかなと思うんですよね。
KIHOW “アニエラ”さんの魅力として自分の中で一番に感じているのが、スタッフさんのフレンドリーさなんですね。すごくフレンドリーでイベントの現場が良い意味で固くないんですよ。みんなでお祭りを楽しみに来たという雰囲気がステージ裏にもある。アーティストさんそれぞれでステージに対する想いは違うんですけど、私にとってはほぐれた気持ちでみんなで楽しめる空気感があるというのはすごく大きな魅力だと思います。
――そうしたほぐれた雰囲気というのが、アーティストとスタッフ、あるいはお客さんとの間に良いヴァイブスをもたらしているわけですね。さて、2017年の初出場から翌年にもMYTH & ROIDは“アニエラ”に出演されるわけですが、二度目のオファーをもらったときのお気持ちはいかがでしたか?
Tom-H@ck アーティストもやっぱり人間なので、2回目の出演オファーをいただいたらやっぱり距離が縮まるんですよね。そこからイベントのために僕たちが尽力できるものがないかな、みたいなことをより思い始めるんです。だからまず嬉しい気持ちがあったのが一番の感想かな。
――また、2018年から2019年と毎年呼ばれることでその想いも強くなっていくわけですね。
Tom-H@ck そうですね。
KIHOW 年を追うごとに、“アニエラ”さんの名前自体もどんどん広がっていって、それが本当にしっかり数字として、お客さんの数として現れているのは、特に2019年の頃にも思いましたね。これも“アニエラ”さんの力だなっていうことはすごい感じましたね。
――毎年出ているだけに、イベントが大きくなっているというのを肌で感じられるといいますか。
KIHOW そうですね。お客さんが本当に増えていって。あと“アニエラ”さんのすごく良いなと思うところが、治安が良いところなんですよ(笑)。初回から年を追うごとに、お子さん連れのご家族で来ている方とかも見られますし、本当にみんなで楽しめるイベントになったんだなって。子供がいるイベントって、みんながちゃんと気をつけて楽しもうっていう気持ちでいるから叶えられることじゃないですか。そこがすごく素敵だなと感じましたね。
――フェスとして長野という地域に根づくこともそうですが、幅広い年齢層のお客さんに支えられるというのはフェスとしてもっとも大事ですよね。
KIHOW そうなんですよ!本当にすごいです。
Tom-H@ck あと、僕たちがトリを飾らせてもらったのは2019年かな?そのときMYTH & ROIDで何かしらのイベントでトリを飾らせてもらうっていうのは、“アニエラ”さんが初めてだったんですよ。あのとき、ある種アーティストとして不安がなかったかというと、少しあったと思うんですよね。もちろん僕たちはそのときの100%の力でパフォーマンスするわけですけど、それに対しての人数が増えていった観客の皆さんの熱量と、渦巻くエネルギーみたいなものをステージ上で感じることができたんです。
――なるほど。
Tom-H@ck それその当時のことははいまだに脳裏に焼きついていて、「VORACITY」とか盛り上がるような曲はあるんですけど、そういうときにもすごく赤く染まるような……それはペンライトの色だけじゃなくて雰囲気なども含めて力が渦巻いてるようなエネルギーをステージ上から感じて……そのとき「このイベントってすごく大きくなったんだな、これからもっともっと大きくなっていくんだろうな」というのを感じたことが印象的でしたね。
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