リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

REPORT

2023.09.01

アニソンを通じて生まれたたくさんの“夢”が、さいたまスーパーアリーナには溢れていた―― “Animelo Summer Live 2023 -AXEL-”DAY3・レポート!

アニソンを通じて生まれたたくさんの“夢”が、さいたまスーパーアリーナには溢れていた―― “Animelo Summer Live 2023 -AXEL-”DAY3・レポート!

堂々大トリを務め上げた、“アニソンに救われた男”

「SHAKE!SHAKE!SHAKE!」のイントロとともに、ステージに飛び出してきたのが内田雄馬。ブラスの映えるナンバーを明るく歌い踊ることで、SSAにポジティブなエネルギーを充満させると、そのままミドルナンバー「Happy-go-Journey」をグルーヴィーに歌唱。サビでは自身の先導で観客に手を前後に振らせて場内に一体感をもたらす。こうしてメドレー形式で2曲を披露しきると、観客に「限界超えてもらってもいいですか!?」と呼びかけて「Over」の歌唱へ。冒頭から力強く熱い歌声を響かせていくと、サビでは観客からの大きなコールが返り、彼が発した熱量が届いていたことをうかがわせる。また、2サビ明けの間奏にはアクロバティックなパフォーマンスも織り交ぜて、エンターテイメントに溢れたステージを形作っていった。

内田雄馬

内田雄馬

内田雄馬

内田雄馬

ピアノの独奏に続いて、「TRIGGER」のイントロとともに登場した雨宮 天は、自ら作詞・作曲を手がけた、自身の好む歌謡曲のエッセンスを取り入れたこの曲を艷やかに妖しく歌唱。振付にも自然と色気を醸し出しながら、気持ち良さそうに表現していく。そしてもう1曲は、“アニサマ2023”のコンセプトにも沿うロックなナンバー、デビュー曲「Skyreach」。ブルーに染まった客席と大歓声が、この曲の披露を大歓迎する。そんななか雨宮は、リリース時よりもパワー感を増した歌声を乗せ、力いっぱい凛とした表情でこの曲を届けきる。ラストのかき回し中には達成感からか、一転笑顔を輝かせていた。

雨宮 天

雨宮 天

雨宮 天

雨宮 天

雨宮 天

雨宮 天

鈴木このみは、ダンサブルなナンバー「Love? Reason why!!」から出番スタート。ノビある歌声もしっかり響かせながら、間奏では「一緒に踊ろー!」と呼びかけて場内に一体感を醸成すると、そのままハードなロックナンバー「Bursty Greedy Spider」へ。“アニサマ2023”のテーマ曲も担当した草野華余子が手がけたこの曲を、鈴木は荒く棘を持たせた歌声で歌唱。2サビ後にはコール・アンド・レスポンスタイムを作り、男女別やバンドメンバーのコールを呼び起こし、さらには無茶振りした照明も明滅でコールを表現しさらに会場を盛り上げていた。そして3曲目は、彼女のキラーチューンの1つ「Redo」。イントロから場内は沸きまくるが、その熱を上回るような猛き歌声を、鈴木は全力でぶつけていく。しかもそこに必死さはなく、大きな大きなコールを受けて嬉しそうな表情ものぞかせるほど。こうして場内のボルテージをピークまで引き上げ、彼女は大トリへとバトンを渡した。

鈴木このみ

鈴木このみ

鈴木このみ

鈴木このみ

その大トリを務めるのは、“オートリマサヨシ”ことオーイシマサヨシ。まずは彼ならではのハイトーンボイスを響かせながら、MVに出演したモデル・ウーリャとともにダンスを繰り広げながら「ギフト」を歌唱。Dメロ部分のコールでは、早くも場内に一体感を生み出す。歌唱後には、観客ともやり取りしつつ軽妙なMCを繰り広げると、スタッフからギターとマイクスタンドを受け取ってギターをかき鳴らし、そのまま「君じゃなきゃダメみたい」のイントロを爪弾き歌唱へ。実は9年前の8月27日は、この曲がリリースされ“アニソンシンガー・オーイシマサヨシ”がデビューを飾った日。そんな記念すべき日に高らかに歌われた色褪せない名曲に向かって、客席からは大きなコールが次々と沸き起こる。

さらに今度は「サインはB -アイ Solo Ver.-」を、オーイシの“仮歌”バージョンとして歌唱! ダンサーとともに“オーイシ小町”3人でステージに立って間奏にダンスも盛り込みながら歌いゆけば、観客はそのサプライズへの喜びをあらわにし、コールを上げ続けていた。

オーイシマサヨシ

オーイシマサヨシ

オーイシマサヨシ

オーイシマサヨシ

3曲歌ってのMCでは、アニソンに出会うまで何回も音楽を諦めようとしていたことや、その夢を続けさせてくれたアニサマとアニソンファンへの感謝を述べる。そして新たな夢としてSSAでのワンマンライブを掲げてみせると、このMCともリンクするようなナンバー「uni-verse」の歌唱へ。直前に紡がれた言葉が脳裏にあるなかで、歌詞を映像に乗せながらこの曲が歌われる様、そしてそれをともに大観衆がコールで作り上げる様は、たまらなくぐっとくる。落ちサビではそのMC中に「夢って何歳から見てもええねんで」と送ったエールのように、観客にマイクを向けて大合唱を、そこに乗せられた想いを受け止めていた。

オーイシマサヨシ

オーイシマサヨシ

後奏中にはDAY3の出演者が登場し、クラップとコールで場内には大団円感が生まれる……が、オーイシのステージはしんみりとは終わらない。この最高の仲間たちと、自身が手がけた“アニサマ2020-21”のテーマソング「なんてカラフルな世界!」をともに披露! 3年越しにようやく観客の声が乗り“完成”の瞬間を迎えたこの曲、その声を受け止めるためだろうか、オーイシはイヤモニを外して歌唱していた。アニソンフェスの大トリにふさわしい、あらゆる要素を兼ね備えたオーイシのステージを経て、今度は今年のテーマ曲「heartbeat-axelator」を歌唱。“アニサマ2023”は最高潮のなか無事“ゴール”を迎えたのだった。

3日間のラインナップを眺め直して感じたのは、アニサマの中に、王道を守りながらも徐々に変化していく兆しが見えたこと。アニソンシーンを支え続けるアーティストを大事にしながらも、直近のヒット作の楽曲やその担当アーティストも取り込み、アニサマは“アニソンの祭典”にふさわしいものであり続けようとしているのだ。

思えばしきりに“多様性”と叫ばれるようになる前から、アニソンは「アニメをリスペクトする」というルールさえ守ればジャンル不問の、多種多様すぎるものだった。そのシーンがさらにカラフルに彩られ、それがフルスロットルで次々繰り出される光景を、来年のアニサマでも体感したい――今年の夏のアニソンの祭典は、最後にそんな想いに包んでくれた。

“Animelo Summer Live 2023 -AXEL-”DAY3 セットリスト

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP