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REPORT

2023.08.30

“アニソン”の多様性をギュッと凝縮した、忘れられない1日に! “Animelo Summer Live 2023 -AXEL-”DAY2・レポート!

“アニソン”の多様性をギュッと凝縮した、忘れられない1日に! “Animelo Summer Live 2023 -AXEL-”DAY2・レポート!

TM NETWORK降臨!「Get Wild」でSSAが1つになった夜

アニサマの休憩明けというのは、油断しているととんでもないサプライズが飛び出してくるもの。この日の休憩明け1組目もそうだった。ステージ上、シンセサイザーの元に1人の男性が登場し、しばしinterludeを演奏。映像で映されたのは手元やピンボケした全身だけで、誰が底にいるのか判然としない。そんななか、おもむろにサンプラーを叩き「Get Wild and tough」のフレーズが流れると、場内からはどよめきが。そして次第にその人物にピントが合うと、どよめきは歓喜の絶叫へと変わる。なぜなら演奏しているのが、小室哲哉その人だったからだ。しばらくソロプレイを繰り広げてから、“あの”イントロを奏でると、ステージには宇都宮 隆と木根尚登も登場。本家・TM NETWORKによる「Get Wild」の始まりだ。観客は“本家”のステージを味わいながら、赤く灯らせたペンライトをリズムに合わせて揺らす。サビでは自然と前述のフレーズの大合唱がSSAを包み、間奏でのコールも含めて3人の登場を大歓迎しているかのようだった。しかも3人は、単に懐メロだけを披露しに来たわけではない。リリース直後の最新ナンバー「Whatever Comes」も大観衆へと届けていく。“らしい”ビートはそのままに、明るく爽やかな空気をまとったもう1曲を演奏する3人に向かってペンライトは振られ続け、まさかまさかの時間を場内の誰もが大事に噛みしめていた。

TM NETWORK

TM NETWORK

その空気を良い意味でぶっ壊す存在として、続く上坂すみれは最適任だったのではないだろうか。今年がデビュー10周年にあたる彼女は、デビュー曲「七つの海よりキミの海」でトロッコに乗って登場。約50秒ものイントロのなかで掛け合いを通じて観客を巻き込み、コールも含めて自身の世界へと塗り替える。トロッコ上でも跳ねながらスピンしたり、Bメロやサビがシャウトやセリフ寄りになったりと、上坂自身もテンション高めにこの曲をまっとうすると、曲明け「すごい出番に来てしまった……」とボヤきつつも、「Inner Urge」では引き続きコールで盛り上がりつつ、終始無表情のダンサーを従えてシュールな世界を構築。上坂自身も、間奏の振付や歌い回しで自然とセクシーさを入れ込んでいく。そして最後に披露した最新シングル「EASY LOVE」も、引き続き無表情で腕を振り上げるダンサーを従えシュールな世界を作っていく。この3曲で場内のさらなるボルテージの高まりを感じてか、達成感も感じられるような笑顔で、上坂は4年ぶりのアニサマのステージを降りた。

上坂すみれ

上坂すみれ

上坂すみれ

上坂すみれ

続いてステージに登場したのは、同じく4年ぶりのアニサマ出演となったClariS。レースの美しいロングスカートを身にまとっての最新ナンバー「コイセカイ」は、その衣装もあってか、ふわりと跳ねながらパフォーマンスする姿はまさに妖精のよう。左右対称の振付も息ピッタリに、しかしDメロ“同じ未来”のフレーズだけは同時に同じ方角を指差したりと、細部まで質の高いパフォーマンスをみせる。さらにもう1曲披露したのは、昨年夏に彼女たちのファンの裾野をより一層広げたであろう「ALIVE」。この曲はシリアスさをベースにした歌声で、流れるようなダンスをみせながら、追っかけも交えつつ歌唱していく。こういった強めの楽曲もしっかり魅せ・聴かせることで、多くの観客に“もっと観たい”と思わせる、そんなステージを形作ったのではないだろうか。

ClariS

ClariS

ClariS

ClariS

と、ここでメインステージには“サプライズレスラー”としてグレート-O-カーンがアニサマを支配せんと登場すると、それを阻止しにスペシャルステージには愛美とMADKIDとともに登場。オーカーンと戦いながら愛美は1人トロッコに乗り「MAGICAL DESTROYER」を歌唱する。メインステージへ到着してなお愛美は引き続き歌で戦い、MADKIDはオーカーンと殺陣を繰り広げていく……と、羽交い締めにあったオーカーンのインナーは、なんと2015年に愛美が開催したライブグッズである「愛美世代」のTシャツ!実は彼が愛美のTOであったことが判明したところで、最後は全員で曲に合わせた腕振りで大団円を迎えた。

愛美 with MADKID vs. グレート-O-カーン

愛美 with MADKID vs. グレート-O-カーン

愛美 with MADKID vs. グレート-O-カーン

愛美 with MADKID vs. グレート-O-カーン

愛美 with MADKID vs. グレート-O-カーン

愛美 with MADKID vs. グレート-O-カーン

こうして脅威が去ったところで愛美はもう1曲、最新ナンバー「煩悩☆パラダイス」も歌唱。自ら作詞も手がけたこの曲を、会場中の声援を浴びながら歌う彼女の表情は、実に晴れやかで気持ちが良さそう。昨年のギターを提げたアーティスティックな姿とはまた違う魅力を提示するステージとなった。

愛美

愛美

前半に続き後半にも登場したMachicoは、最新ナンバー「STAY FREE」を歌唱。ロック色の強いややハードめな曲を、スタンドマイクを用いて歌声一本で歌い上げて大観衆と真っ向勝負する姿は本当にカッコいい。最後は彼女が振り出した手に合わせて火球と音玉が同時に炸裂。SSAに“エクスプロージョン”を爆裂させていった。

Machico

Machico

Machico

Machico

Machico

Machico

ブルーに染まるステージに現れた仲村宗悟は、まずミドルナンバー「WINNER」をグルーヴィーに歌い上げる。サビでは腕振りでSSAに海を作り、しっかり観客のハートと繋がり一体感を生み出すと、ブラスの映える情熱的なナンバー「fist of hope」では熱く歌唱。その熱と想いに、先ほど心と心でリンクした観客のペンライトは、赤く輝いて呼応する。そのままギターを提げて、自らそれをかき鳴らしながら歌ったロックナンバー「imitation」でも、歌声に込める熱さは不変。そのうえで、場内の観客はもちろんギターセッションでセッションしたバンドメンバーも含め、すべての人と音楽だけで繋がることを達成したステージとなったように感じられた。

仲村宗悟

仲村宗悟

仲村宗悟

仲村宗悟

様々な壁を超越して心を1つに繋げる、アニソンのもつパワー

爽快感の強いロックナンバー「Dash and Go!」から自身の出番を始めたのは、3年連続の出演となる鈴木愛奈。歌唱中は聴衆の先頭に立つようにキリッとした表情で力強く歌い、しかし間奏中の煽りなどでは歌える喜びと歌声で繋がれる嬉しさの溢れた、ニッコニコの笑顔をみせる。スカッと青空の似合う曲を、会心の笑顔とともに歌いきった。さて、実は鈴木、声出しありのアニサマはソロでは初。ということで、初出演時に歌った「ヒカリイロの歌」を、声出しありのアニサマで改めて歌唱していく。観客思い思いの色に無数のペンライトが輝く光景を目にしながら、序盤からまたも満面の笑みを見せる鈴木。歌声はやはりこのステージに立つにふさわしい、天まで伸びていくかのような高らかなもので、強さとカッコよさを再提示してみせた。

鈴木愛奈

鈴木愛奈

鈴木愛奈

鈴木愛奈

そして、松本梨香が「旅は続くぜ!ポケモンGETだぜ!」とシャウトしステージに現れると、今年TVアニメのシリーズが節目を迎えた『ポケットモンスター』1st OPのリアレンジ版「めざせポケモンマスター -20th Anniversary-」をパワフルに歌唱。曲中セリフ部分は、観客の大きなコールが自然と担っていく。さらに「バトルしようぜ!」のシャウトから、『ポケットモンスター めざせポケモンマスター』最終話のEDで流れた「タイプ:ワイルド」のイントロが流れ、観客からは大歓声が!もちろんサビでは「タイプ:ワイルド!」のフレーズが、観客との大合唱になる。2コーラス目以降には、“あの頃の子どもたち”代表としてアニサマ出演者がステージに現れ、サビのコール部をともに叫ぶ。そんなオーディエンスへと歌いかけるように、松本は最後のフレーズを優しく暖かく歌うと、「行こうぜ!次の冒険へ!」の言葉とともに一緒にステージを駆け降りた。

松本梨香

松本梨香

松本梨香

松本梨香

松本梨香

松本梨香

そこに開演ブザーと「ki-ringtrain」が鳴り響けば、スタァライト九九組の“レビュウ”の時間。まずは始まりの曲「Star Divine」での凛とした歌声とダンスをもって、美しい歌劇のようなステージを展開。久々に響き渡るコールに、小山百代(愛城華恋役)をはじめメンバーみな嬉しそうな表情をのぞかせると、初披露曲「Polestar」へ。簡単な手フリの振付も盛り込まれたこの曲、途中からメンバーはトロッコへと乗り込み、観客の近くでこの曲を届けることで大団円感が。曲のラストにはスペシャルステージへと到着し、「セーラー戦士のレビュウをお届けします!」との小山のセリフから、『劇場版 美少女戦士セーラームーンR』のEDテーマ「Moon Revenge」をカバー。ステージの外周いっぱいに広がり、全方位の観客へとしとやかな歌声を聴かせてくれた。

スタァライト九九組

スタァライト九九組

スタァライト九九組

スタァライト九九組

“アニサマ2023”DAY2もいよいよこの日のトリ・angelaの出番。最新ナンバー「AYAKASHI」ではサビのロングトーンを尻下がりに歌い妖しさも感じさせつつ、サビラストの最高点では力強く高らかに歌い上げていくatsuko。2-AメロではKATSU(Gt.)と背合わせになってセッションのようなスタイルもみせ、Dメロでは音源以上に溜めを作って感情を歌声にたっぷり乗せていくなど、観客の心をライブならではの形で捉える。そしてここからは、メドレー形式で3曲連続で披露。今年1月発売の「RECONNECTION」から幕を開けると、それぞれ作品の放送10周年を記念して「ANGEL」「僕じゃない」を畳み掛け、歌いきれないほどの名曲をもつアーティストであることを再度痛感させる。

angela

angela

angela

angela

さて、2023年はangelaにとってメジャーデビュー20周年の年。ということで、アニソンへの感謝も述べてから歌ったのは、そのメジャーデビュー曲「明日へのbrilliant road」。観客との振付やコールのやり取りも交えながら、SSAいっぱいに歌声とサウンドを響かせて、直前のMCで言及したアニソンの持つ“時代を超えるパワー”を体現するかのようなステージを作っていく。そしてラストを飾ったのが、もう1つの大事な曲であり鉄板ナンバーでもある「Shangri-La」。この日は全編に渡って映像に歌詞テロップも表示し、atsukoの「一緒に歌って!」の呼びかけのもと観客と交互にメインパートを担当する形で、より大事な1曲として思い出に刻んでいく。その光景は世代も性別も国籍をも超える、音楽の、アニソンの素晴らしさを言外に証明するものだった。曲の途中から2人ともイヤモニを外して観客の声を聴き、落ちサビではその声に耳を澄ませて会心の笑みを浮かべる。「20年間トップランナーで居続ける」ということを成し遂げた2人にしかできないであろう会心の表情とともにこの曲を届け、自身の出番を締め括った。

angela

angela

angela

angela

最後に出演者陣が勢揃い。「DAY2、すげーだろ!?(KATSU)」「ここに立っている出演者全員、そして来てくれたみんなも、アニメとアニソンへの気持ちが誰よりも強ーい!(atsuko)」と発してから今年のテーマ曲「heartbeat-axelator」を全員で歌唱し、DAY2のステージは“ゴール”。angelaのようなアニソン界の大ベテランはもちろん、サプライズ登場したJ-POP界のレジェンドから新人アーティストに至るまで、従来以上に多彩な顔ぶれが作り上げた大盛り上がりの1日を経て、2023年のアニサマは最終日・DAY3へと向かっていく。

“Animelo Summer Live 2023 -AXEL-”DAY2 セットリスト

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