ソロでは4年ぶりの出演となる三森すずこは、アーティストデビュー10周年を記念したスペシャルコラボステージとなることを冒頭の映像で宣言。まずは客席通路最後方のトロッコに麻倉ももと登場し、「ドキドキトキドキトキメキス♡」を披露しながらステージに向かって客席通路をぐるり周回。指ハートや投げキッスを織り交ぜつつ歌唱しながらメインステージへと向かい、落ちサビでは交互にソロを取り投げキッスを放って歓声を起こすなど、SSAにまた違った盛り上がりをもたらす。
曲明けに麻倉が送り出されると、いつの間にかステージにはドラムセットに座った大橋彩香が!その大橋のドラムと、この曲を手がけた太田雅友のギターとともに記念すべきデビュー曲「会いたいよ…会いたいよ!」を披露し、10年を経てなお瑞々しさ溢れる歌声とパフォーマンスで観客を魅了していった。
曲明け、スクリーンに突如『オッドタクシー』の映像が流れ、“ミステリーアーティスト”としてミステリーキッス(二階堂ルイ(CV:三森すずこ)、市村しほ(CV:小泉萌香)、三矢ユキ(CV:村上まなつ))が三森の10周年を祝すために登場!ポップでキュートなナンバー「シュガーレス・キッス」を、息の合ったかわいげあるダンスとともにみせていく。さらにアッパーチューン「超常恋現象」では序盤からコールでも盛り上げると、サビ直前の指鉄砲もピタリと決めて観客のハートを撃ち抜いていった。
こちらも4年ぶりの出演となるOxTは、オーイシマサヨシ(vo)の怪しげ(?)なナレーションを導入にした“異世界へとアクセルを踏み込む”最新2曲による構成。「HIGHEST」からオーイシのファルセット混じりのハイトーンボイスが、この曲ならではのダークな世界へと引きずり込んでいく。そしてもう1曲「HOLLOW HUNGER」では妖しい雰囲気はそのままに、サウンドに取り入れられたラテンの雰囲気が観客を自然と踊らせる。オーイシの歌声はただのハイトーンではない凄みをもったもので、ミステリアスな世界が見事に完成。OxTならではのデジタルロックを堪能できる、濃厚な2曲だったように思う。
と、ここでスペシャルステージにSCREEN modeが再登場。勇-YOU-が声優・林 勇として出会った「大切なアニメの曲」と語ってからアンプラグドで披露されたのは、『東京リベンジャーズ』OPテーマ「Cry Baby」のカバー。歌い出しと同時にざわめきが起きる。ただ音を取るだけでも難しいような超難曲を、ファルセットも駆使しながら大切に歌い、観客の心へとじっくり歌声を染み渡らせていった。
こちらも4年ぶりにアニサマに帰ってきた蒼井翔太は、自身の持ち味の1つ・ハイトーンボイスが随所に生きる「PSYCHO:LOGY」からソロのステージをスタート。その他Bメロなどでも聴かれるファルセットがこの曲の妖しさをぐっと増幅させる一方で、その歌声には、硬質なデジタルチューンというサウンド感にもマッチする力強さも。そしてMCではSSA中からの「おかえり!」の声を受け止めるとトロッコに乗車。SSA中からコールを浴びながら「give me ♡ me」を歌唱し、客席通路を猛スピードで爆走。蒼井も笑顔で手を振りながらその声に応え、大サビでメインステージに戻ってからは切れ味鋭いダンスも披露。曲前の宣言どおり、SSAの“最推しアイドル”としてのステージを全うした。
大橋彩香は、まず1曲目として最新シングル「Please, please!」を披露。全体を通して音域が高くテンポも速い楽曲だが、サビ冒頭の一瞬のファルセットなど難所も乗りこなしつつみせていく。そのパワフルな歌声を、テクニカルながらもキャッチーさをもたせたダンスと見事に両立させ、またひとつ昨年より成長した姿をみせる。
そして飯塚昌明(g)を呼び込み、飯塚からの提供曲「MASK」を、彼のギター演奏に乗せて歌唱。リリースから約2年半が経ち、音源からさらにパワーも鋭さも増した歌声を通じて、歌唱前の宣言どおりのかっこよさに気づいた観客もきっと少なくなかったのではないだろうか。そして「ワガママMIRROR HEART」のイントロが流れた瞬間、場内のボルテージはもう一段UP。サビのハイトーンも力強く響かせ、大きな大きなコールも浴びながら幾度も客席を揺らし、大充実のステージを作り上げたのだった。
その余韻残るなか、「BUTTERFLY EFFECTOR」のイントロとともに、歌詞になぞらえてハダシでステージにTRUEが登場。スカッと爽やかアッパーなナンバーをパワフルな歌声とともに響かせ、場内を彼女のエネルギーで満たすと、そのままハードなデジタルチューン「Divine Spell」へ。ここではパワフルさの中に凄みや圧を付加して発信。表情も凛としたものへと変貌し身体での表現も含め、全身と歌声を通じてエモーショナルに楽曲を表現していく。MCでは昨年・一昨年と交わした「いつものアニサマで再会しましょう」という約束を果たせたことの喜びなどを語り、最後に歌ったのは「アンサンブル」。1人ライトに照らされながらアカペラで、暖かくたおやかに歌い始めるTRUE。そこに次第に音が重なれば、そこからもらったパワーを増幅させるかのように、サビではスケール感の大きな歌声を響かせていく。さらにラストには観客の「ラララ」の声に自らの歌声を重ねることで、まさに“アンサンブル”を完成させてみせた。
そして、DAY1のラストを飾るアーティスト・Roseliaが登場。1曲目「ROZEN HORIZON」からいきなりアクセル全開で、演奏でも歌唱でも力いっぱい駆け抜けていき、観客のハートとぶつかり合っていく。続く「R」はSSAを模したステージにキャラクターが立つアニメ映像を背負っての歌唱で、“10人で務めるトリ”という瞬間を現実のものにする。もちろんヘヴィな音を生み出す演奏と力強い歌声はそのままに観客を魅了し、ベースソロから始まる各パートのソロプレイも心を滾らせる。さらに「ZEAL of proud」のBメロでは、メインスクリーンを5分割にしてソロ歌唱メンバーのみ映し、ユニゾンで全員が揃うというエモーショナルな演出も相まって、会場中のアニソンファンの心がさらに沸き立っていく。
そして最後に届けた「FIRE BIRD」も、「R」同様に“10人”で、大観衆のコーラスを呼び起こしながらアツいステージを展開。アーティストも観客も別なく、最後に向かって力の限り、悔いのないように全力疾走していく。この曲の“不死鳥”というモチーフが、このときばかりは声出し公演を取り戻したアニサマをも表すような存在になった――そう感じさせるほどのエネルギーを帯びた光景が、このときSSAには広がっていた。
最後に出演者陣が勢揃いして今年のテーマ曲「heartbeat-axelator」を歌唱し、DAY1のステージは“ゴール”。実に多種多彩な出演者が一同に会し、各々の魅力を持った楽曲をぶつけ合う――これこそがアニサマであり、同時にこれが許されるアニソンというジャンルの懐の深さも改めて感じさせられた。DAY2・DAY3も引き続き速報レポートをお届けする予定なので、どうぞお楽しみに!
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