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INTERVIEW

2023.08.23

TVアニメ『SYNDUALITY Noir』EDテーマ「ユリイカ」をリリース!シングルに込めた想いをARCANA PROJECTの5人が語る

TVアニメ『SYNDUALITY Noir』EDテーマ「ユリイカ」をリリース!シングルに込めた想いをARCANA PROJECTの5人が語る

ARCANA PROJECTの6thシングル「ユリイカ」が23年8月23日にリリースされる。TVアニメ『SYNDUALITY Noir』のEDテーマである楽曲「ユリイカ」は、優しく温かみのあるサウンドに、前へと進んでいく力強さを感じる5人のボーカルが心にささる楽曲だ。ZAQが作詞・作曲をした「厭世的ストレングス」、そしてメンバーの桜野羽咲が作詞をした「ナニモノローグ」の3曲について、ARCANA PROJECTの5人に語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 塚越淳一

作品と寄り添い合えるようにするにはどうしたらいいかを大事に

――昨年8月にアルバム『創世記』をリリースし、その後ワンマンツアーを行いました。そして今年は「恋衣」のリリース、今回の「ユリイカ」と、新たなフェーズに入ってきていると感じるのですが、ARCANA PROJECTの現在地をどのように捉えていますか?

空野青空 こうやってアニメのタイアップをいただけている環境は、ランティスさんにいるからこそだというのは痛感していて、作品と寄り添い合いたい気持ちだけど、まだまだ作品に引っ張ってもらうことが多い印象なんです。だから、もっとグループとして力をつけたいと思っているし、そういうフェーズにあると思います。個々の発信力を高めて、個々の力を底上げしたいということは、みんなでよく話し合っていますね。今はアイドルも歌唱力がある時代なので、そこから頭ひとつ抜けて、作品と寄り添い合えるようにするにはどうしたらいいかを大事にしています。

桜野羽咲 そういう意味で昨年の『Animelo Summer Live 2022 -Sparkle-』への出演は一番大きな出来事で、あの舞台に立てて本当に嬉しかったけど、同じくらい、自分たちの力ではないんだということも感じたんです。TVアニメ『白い砂のアクアトープ』の主題歌を担当させていただくなど、すべてのタイミングが合わさって出演できたので、ARCANA PROJECTとして、これからどんなグループになっていこうかというのを、そのときに本当の意味で理解し、メンバーと話し合うことが増えました。

――そこから、色んな方と一緒にパフォーマンスをしたりもしていますよね?

天野ひかる そうですね。TRUEさんやNACHERRYさんやニノミヤユイさんといったレーベルメイトと一緒にリリイベをしたりもしています。アニサマを経験してからなので、あのARCANA PROJECTねという感じで、ちょっと知っているところから、もう一歩興味を持ってくれている方が増えているな、というのは感じています。

――相田さんや花宮さんは、アルバムからの変化などはどう感じていますか?

相田詩音 私個人のことになるのですが、アルバムで草野華余子さんに作っていただいた表題曲「快晴のエスタリスタ」と「慟哭のトルメンタ」で、やっと自分がグループの中で、どういうところを歌で担っていけばいいのかが見えた気がしたんです。それがあって「恋衣」や「ユリイカ」でも、曲の中に自分のスパイスを足していけるようになったことは、大きな変化だったと思います。

花宮ハナ アニサマ出演や『白い砂のアクアトープ』で名前を知っている方が圧倒的に増えた気はするけど、まだイベントに足を運んでくれるところまではいけていない気がして。だからもっと私たちの良さを知っていただき、イベントなどに来てもらえるようにしていければと思っています。TVアニメ『SYNDUALITY Noir』から気になってイベントに来てくれた方もいるので、そういう方が増えていくよう頑張っていきたいです。

――そのTVアニメ『SYNDUALITY Noir』のEDテーマが「ユリイカ」ですが、アニメも面白いですね!

花宮 面白いですよね!私はロボットアニメにはあまり触れてこなかった人生だったんですけど、わかりやすく展開してくれていて、第1話から面白いな!って思いました。

空野 『SYNDUALITY Noir』はあおにゃん待望のメカアニメなんです!私、青い彗星と名乗るくらいガンダムシリーズが大好きで、ランティスさんでお仕事をさせていただくことになったときも、いつかロボアニメに携われないかと思っていたんです!そしてようやく辿り着いたロボアニメだから嬉しくて!アニメも、アクションがものすごくて、エキサイティングな気持ちになりました。しかも対人間ではなく、エンダースという異形の存在と戦う感じで、幅広い世代の方に楽しんでもらえると思いました。そして何と言っても、コフィンというロボットのデザインを、形部一平さんというガンダムシリーズのメカデザインをしている方が担当しているんですよ!(興奮気味に)すごいですよね!!!

――すごいです!

空野 今回、メカのデザインにも興味を持っていて、コフィンのプラモデルや超合金とかも発売されるので、ありがたき!と思っています。

桜野 主題歌を歌うにあたって資料には目を通しているんですけど、ゲームとアニメの世界が繋がっていて、その統一感がすごいし、人と人、人とAIであるメイガス、メイガスとメイガスという、それぞれの関わり方が面白いので、メカだけでなくヒューマンドラマとしても楽しめるんです!

――「ユリイカ」はどのように作り上げていったのですか?

桜野 昨年のアニサマが終わったくらいから、作詞・作曲・編曲の中山真斗さんがデモを作ってくれていて、今回は私とひかちゃん(天野)がプリプロという、仮の歌入れをしていたんですけど、実はこの曲にたどり着くまで、いろんな曲を歌っていて。最初と「ユリイカ」でも全然違うし、オープニングのような曲もあったんです。

天野 その全部が良い曲で。

――「ユリイカ」を聴いたときは、どんな印象を持ちましたか?

天野 まずミディアムテンポがARCANA PROJECTでは珍しいというのと、歌詞がすごく素敵で。色んな解釈ができる歌詞が元々好きなんですけど、私的には故郷を思うような、ノスタルジックな感じがしたんです。主人公のカナタが、旧文明の遺産に思いを馳せている感じともリンクしていて、いいなと思いました。

桜野 歌詞に関しては、アニメで物語が進んで行けば行くほど、解釈も変わるんじゃないかなって思うんです。ここの歌詞ってこういうことだったんだ!ってなると思うので、そこは楽しみにしていてほしいです。中山さんも、本当にギリギリまで歌詞に悩んでいらしたので。

相田 曲の序盤まではゆったりと進んで行くんですけど、後半になるにつれて、5人でユニゾンで盛り上がっていくところがあるし、違うメロディを歌っていたりするんです。それはたくさんメンバーがいないとできない表現なので、私たちの良さを活かせる曲だなってレコーディングのときは思っていました。最後5人でユニゾンで盛り上がるところは、好きなポイントです!

――中山さんとのレコーディングはいかがでしたか?

桜野 中山さんは作品の劇伴も担当されているので、こだわりも強いですし、今回の主題歌も音楽全体を見てディレクションをしてくださっていたんです。だから、レコーディングでもどういうふうに歌うのかをすごく話し合って。私が出だしの1行目を歌っているんですけど、ここだけで百回以上歌ったと思うんです。プリプロで歌い方を固めていたにも関わらず、すごく時間をかけて録ってくださって。音楽がこうなるように、歌はこういう感じで入れてほしいというようなディレクションだったので、こちらもこういうアプローチでやってみようかなって、欲が出てくるようなレコーディングでした。

花宮 私は苦戦して、うーちゃん(桜野)に暗くなりすぎず、明るくポップなイメージでと言われていたんですけど、私は結構パーン!と歌う感じなので、ちょっと明るすぎたかな?って思ったんですよね。それでも私のパートは、いい表現をしているところを採用してくれていたんですけど、自分的には悔しさもあったので、レコーディングのあとボイトレで歌いました(笑)。

桜野 今回は歌割が最初から決まっていなかったんです。

天野 私、プリプロから関わるのが初めてで、そのときうーちゃんに似てしまったという反省があって、本番は歌い方を変えてみたんです。私は、いつも少女のような歌い方と言われるんですけど、今回は少年っぽく歌おうと思って意識していたんです。中山さんは意外な反応をしていたのですが、そういう子がいるとユニゾンになるといいかもしれないとおっしゃってくれて。結構私の中では好きな歌い方です。

空野 私、レコーディングはフィーリングの戦いだと思っていて、あまり作りすぎずに行くんです。で、そのときのディレクションとか、ブースの雰囲気から感じたものを出すんですけど、中山さんはすごく委ねてくださるんです。だから私も、最初に何度か歌って、このほうが音にきれいに言葉が乗るなとか、中山さんの反応が良さそうだなとか考えながら収録していました。

桜野 顔色見ながらやってたの!?(笑)。

空野 今回、中山さんの顔がめっちゃ見えるスタジオだったんですよ!だから自然と見ていたし、中山さんが作り上げたい作品の雰囲気を汲み取りながら歌えたかなっていう気持ちもあって。だから何なら出だしは私だ!というくらい手応えもあって(笑)。

一同笑

桜野 そこは最初から決まっちゃってたかもなぁ(笑)。

――100回以上やってますからね。

空野 レコーディングのときは、うんうんってうなずいてくれてたんだけどなぁ(笑)。

――相田さんはいかがですか?

相田 私はポップに歌うのが難しく、最初は包み込むような感じで作っていきました。でもそれだと暗くなってしまうと中山さんのディレクションがあって。そこから明るめに歌ったんですけど、それが難しかったです。〈君がそこにいるって 見つけたよ〉のところは5人で歌っているんですけど、そこは優しく〈見つけたよ〉ではなく、強い意思を持った〈見つけたよ〉にしているんです。ただ、それでも言葉があまり強くなりすぎないよう、曲と声のいい混ざり加減のところを意識していたので難しかったです。もうリリイベでは披露しているんですけど、音源のニュアンスどおりに歌うのが大変ですけど、試行錯誤しながら、だんだんいい感じで歌えてきていると思います。

――後半に盛り上がっていく感じはすごく良くて、〈愛をどうしちゃってもいいよ〉の花宮さんのパートが、すごくエモーショナルでグッと来ました。

花宮 そこはすごく高くて、毎回歌うときに緊張しています(笑)。

――5人の声が合わさったのを聞いていかがでしたか?

天野 5人それぞれのポジションが最適解だな!と思ったし、最後5人の歌声が重なり合うのがARCANA PROJECTならではだなと思いました。私は、うーちゃんの最後の“飛んでいった”がすごく好きなんですけど、そこだけでなくそれぞれの声が耳に残る歌い方を選んでいただけていて嬉しかったし、すごく好きな曲です。

次ページ:歌というパワーで世界を変えたい、という思いが詰まった曲

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