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2023.08.25

初のZeppツアー開催も発表!ライブイベント“IDOLY PRIDE VENUS PARTY The First”幕張公演で繰り広げた真夏のパーティーをレポート

初のZeppツアー開催も発表!ライブイベント“IDOLY PRIDE VENUS PARTY The First”幕張公演で繰り広げた真夏のパーティーをレポート

アイドルを題材にしたメディアミックスプロジェクト「IDOLY PRIDE」のライブイベント“IDOLY PRIDE VENUS PARTY The First”が、7月15日・16日に千葉・幕張メッセ イベントホールで開催された。アプリゲームのサービス開始から2周年を迎えたなか、初の2デイズとなった今回の公演は、1日目と2日目でセットリストを大幅に変更。広がり続ける「IDOLY PRIDE」の世界とその魅力を、それぞれ違ったアプローチで堪能できる2日間となった。本稿ではソロやユニット曲が多く盛り込まれ、演出を含めバラエティに富んだ内容となった2日目公演“Summer Shake”の模様をレポートする。

TEXT BY 北野 創


意外なオープニング、franソロ曲、月のテンペストが見せた覚悟と本気

赤崎こころ(CV:豊崎愛生)、小美山 愛(CV:寿 美菜子)、成宮すず(CV:相川奏多)による賑やかな影ナレ、そして愛の「1日目に負けないくらい熱いライブにしますよー!」という言葉が会場の期待を高めるなか、照明が暗転してオープニング映像と共にパーティーが開幕。まずステージの両サイドから、日向もか(早坂芽衣役)と相川奏多(成宮すず役)が登場し、ライブ初披露となる2人のデュエット曲「shiny shiny」がオープニングを飾る。ラップのように軽快かつスピーディーなフレーズを口ずさみながら、飛び跳ねたり、お互いに向き合ったり、曲間で「幕張ー!」と呼びかけたり、ポップに楽曲を表現する2人(後のMCによるとテーマは「ダサかわいい」だったらしい)。スクリーンには初公開となるMVも流れ、弾けるようなかわいらしさで1番手の大役を見事にやりきってみせた。

続いて、雨宮 天(天動瑠依役)、麻倉もも(鈴村 優役)、夏川椎菜(奥山すみれ役)によるTRINITYAiLEがステージ上段に颯爽と現れ、やしきん(作詞)×Tomggg(作曲・編曲)コンビが提供した新曲「ひめごとリップ」を披露。毅然とした楽曲の多いトリエルとしては珍しく愛らしさや乙女心が前に出た内容で、3人の歌声もいつになく柔らかで羽毛のようにふんわりとした印象だ。ジャージークラブ寄りのアッパーかつラブリーなトラックも今っぽい。次曲「Aile to Yell」では、雨宮と麻倉・夏川の二手に分かれてトロッコでアリーナを回遊しながら歌唱。サビ入り前の“(un, deux, torois!)”は観客も大合唱して盛り上がる。曲の終盤でメインステージに戻った3人はポージングをばっちり決めて締めると、ラストの「les plumes」では美麗なトライアングルボイスを響かせて、洗練性とクラブミュージック由来の高揚感を併せ持ったトリエルらしいステージでファンの心を浄化した。

お次は佐々木奈緒(佐伯遙子役)がメインステージに1人で立つと、ソロ曲「voyage」をライブ初披露。客席が遙子のメンバーカラーである紫色のペンライトで染まるなか、彼女はどこか80年代のアイドルポップやシティーポップのフレイバーを感じさせる、懐かしくも優しい楽曲に乗せて慈愛に満ちた歌声を届ける。落ちサビでピンスポットを浴びながら歌う佇まい、終盤の胸元に手を当てて歌う仕草などにも、王道のアイドルらしさが滲んでいる。それとは対照的な熱いパフォーマンスで観る者の心を奪ったのが、アリーナ後方側のサブステージに登場したLynn(fran役)。誰もが予想していなかったであろうfranのソロ曲「CHOOSE ME CHOOSE ME」をサプライズで初披露だ。トラップ系のアグレッシブなビートにノリながら、ときに艶めかしい動きも交えて歌う姿は、クールなfranのイメージそのもの(片脚屈伸のようなポーズでは客席が一気に沸いていた)。ラストのフレーズでのハイトーンも強烈で、ポテンシャルを見せつけた。

まさかのfranソロ曲に興奮が冷めやらないなか、今度は橘 美來(長瀬琴乃役)、夏目ここな(伊吹 渚役)、宮沢小春(白石沙季役)、相川、日向による月のテンペストがメインステージに登場して、会場の熱気はさらに上昇する。彼女たちが1曲目に歌ったのは、夏の情緒を感じさせる「恋と花火」。切なさのなかに熱さを感じさせる歌唱アプローチと、斜めのフォーメーションを活かした奥ゆかしくも華麗なステージング。キメとなる夏目のウインクもバッチリだ。そしてMCを挿み、新曲「最愛よ君に届け」を披露。4つ打ちのリズムを基調としたアップテンポな本楽曲には、これまでの月スト楽曲にはないひたむきさや懸命さ、今やBIG4の一角となったサニーピースの背中を追う側である彼女たちのプライドが刻まれている。歌声もいつも以上に情熱的で、ときには泥臭さを感じるほど。「敗北」を知る者だけが放つことのできる特別な輝きだ。最後に5人で横並びになって前方(オーディエンス)に向けて手を掲げ、“最愛よ君に届け”と歌う彼女たちの姿に、月ストの新たな可能性を感じたのは自分だけではなかったはずだ。その後の「The One and Only」ではトロッコに乗ってファンのそばまで近寄り、月の光のような歌声で幕張を優雅に照らしてみせた。

レアなユニット~ソロ曲連発、笑顔全開のサニーピース、ⅢX圧巻のステージ

月ストと入れ替わる形で、後方のサブステージに登場したのは、雨宮と首藤志奈(兵藤 雫役)。この2人の組み合わせと言えば、ゲーム内のイベント「並び立つ歌姫のフルリール」で実装されたデュエット曲「クロッカスの扉」の初披露だ。雫が無類のアイドル好きであるがゆえに気後れを感じていたものの、親睦を深めることでようやく“対等な関係”となった2人の距離感が、ステージ上の振る舞いや互いに視線を交わす姿からも伝わってくる。ブライトな輝きに満ちた同楽曲に続いては、結城萌子(一ノ瀬 怜役)がメインステージに現れてソロ曲「No.1☆」をパフォーマンス。fox capture planのメンバーでもあるカワイヒデヒロが提供した、ビッグバンドジャズをフィーチャーしたゴージャスなサウンドをバックに、ステップを踏みながら華麗に歌いこなす結城。クルッとターンする姿も堂に入っている(ちなみに怜はダンスが得意という設定)。最後には「これからもずっと大好きよ!」とセリフを言うサービスもあり、怜ファンは昇天したのではないだろうか。

ここで突然、赤崎こころ(CV:豊崎愛生)、小美山 愛(CV:寿 美菜子)、鈴村 優(CV:麻倉もも)、奥山すみれ(CV:夏川椎菜)、kana(CV:田中あいみ)という意外な組み合わせによるボイスドラマが始まると、なんとこの5人での新曲「恋心 ああ無情」がサプライズ披露されることに。キュートな打ち込みサウンドに歌謡曲っぽさも感じさせるキャッチーなメロディが乗った、ハイテンションかつ愛らしい楽曲で、5人はトロッコに乗って観客にレスを返しながらパフォーマンスする。サビの“レ・ミゼラブル”というフレーズも耳に残る中毒性の高いデジタルポップチューンだったので、早く音源化してほしいところだ。

その嵐のようなかわいさが過ぎ去った後は、太陽が昇る。そう、菅野真衣(川咲さくら役)、結城、佐々木、高尾奏音(白石千紗役)、首藤によるサニーピースの出番だ。1曲目は、これ以上ないほど夏が似合うトロピカルなディスコポップ「サマー♡ホリデイ」。5人のセリフパートと“(それは夏のせい)”という掛け合いだけでなく(高尾は「幕張メッセ、満喫したい!」とセリフを言い換えていた)、メンバー全員の名前とサニピコールも完備されており、観客の声出し解禁となった今の状況で盛り上がらないはずがない。そして今回のライブのために北川勝利が書き下ろしたという新曲「Hi5でピースサイン」を歌唱。前日に続いて2回目の披露だったとはいえ、メンバーの「みんなも歌って!」という呼びかけに応えて、イントロからオーディエンスも一体になって「Wow Wow」と歌う対応力には驚かされる。サニピらしい躍動感あるサウンドもさることながら、明るいけれど胸がギュッと締め付けられるようなメロディが素晴らしく、さらにサビ入り前に「抱きしめて」(結城)というセリフを入れたり、高尾が指ハートでアピールしたりと、パフォーマンス面でも工夫が満載だ。ラスサビ前での菅野の「みんな、大好きだよ!」というセリフもすべてを明るく照らすようで、最後にピースサインを決める5人の姿は感動的ですらあった。その後のMCではいつも通りのワチャワチャした賑やかさを発揮しつつ(「Hi5でピースサイン」のソロパートを歌い忘れてしまった首藤が改めてそのフレーズを披露して土下座する場面もあった)、ラストはトロッコでファンのそばまで近づきながら「EVERYDAY! SUNNYDAY!」を歌って、最後まで明るく華やかに駆け抜けていった。

続いて豊崎・寿・相川が後方のステージに登場すると、今年4~5月にアプリゲームで開催された『けいおん!』とのコラボレーション企画発のユニット、HoshiMi Ambassadorによる「Don’t say “lazy”」のカバーを披露!原曲よりもギターのゴリゴリ感を増したラウドなアレンジもインパクト大だが、何より、TVアニメ『けいおん!』のオリジナルキャストでもある豊崎と寿がステージ上でこの楽曲を歌っていることがエモい(あくまでも赤崎こころと小美山 愛としてだが)。もちろん相川のすずらしい無邪気さを感じさせるパフォーマンスも素晴らしく、最後は3人でギターを弾くポーズをして締めくくるのも熱かった。

豪華な共演やユニット曲が満載だったライブの本編をオーラスを飾ったのは、ⅢX(スリーエックス)。前日の公演では村川梨衣(miho役)を含むメンバー3人が勢ぞろいしていたが、この日はLynnと田中あいみの2人でステージに上がる。とはいえ、BIG4の一角を担った実力派ユニットとしてのオーラは健在で、まずは先日にゲーム内のイベント「灼熱のBEACH~イライラMAX ⅢX~」で実装されたばかりの新曲「So What?」を披露して会場に熱気を注ぐ。ラテン調の情熱的なフレーズを差し色にしつつ、彼女たちらしいアッパーなEDMサウンドになっているのが特色で、「腰の動きがポイントなんです」(Lynn)、「腰が痛い(笑)」(田中)と語っていたようにクールなダンスでも魅せていた。続く「Top of the Tops」ではトロッコでアリーナを回りながらアグレッシブな歌を届け、ラストは彼女たちを象徴するようなハイパーなEDM「Bang Bang」で締め。ショットガンをバン!と撃つような仕草でファンの心を撃ち抜き、颯爽と去っていった。

琴乃=橘 美來が歌う特別な1曲、アイドルたち全員の輝きとプライド

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