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INTERVIEW

2023.08.16

富田美憂、市ノ瀬加那、EMA、りりあ。、Kotohaがボーカル参加!MIMiNARIの2人が2nd EP『厭わないEP』を語る

富田美憂、市ノ瀬加那、EMA、りりあ。、Kotohaがボーカル参加!MIMiNARIの2人が2nd EP『厭わないEP』を語る

“記憶を音楽にする”をコンセプトに掲げる2人組音楽ユニットMIMiNARIが2nd EP『厭わないEP』をリリース。表題曲「厭わない feat. 富田美憂,市ノ瀬加那」(TVアニメ『あやかしトライアングル』EDテーマ)、「とけないfeat. EMA」などを収めた本作について、メンバーのnari、shamに聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 森 朋之

富田美憂、市ノ瀬加那をフィーチャーしたTVアニメ『あやかしトライアングル』EDテーマ

――1st EP『言えないEP』から1年。前作からの1年はMIMiNARIにとってどんな期間でしたか?

nari 制作はずっと続けていたんですが、少しずつ僕たちのルーツにある要素を楽曲の中で表現できるようになって。だんだん幅が広がっているのかなと思っていますね。

sham 自分たちがやりたいことを盛り込むのもそうですし、今までやってなかった切り口だったり。実験的なことも含めて、色々なことに挑戦してきた1年でしたね。

nari 音楽的な引き出しはまだまだあるので。自分はバンドでの活動を経ているのでギターですけど、アプローチの方法も徐々に増えてますね。

――2nd EP『厭わないEP』にも、MIMiNARIの進化がはっきりと反映されていると思います。タイトル曲「厭わない feat. 富田美憂,市ノ瀬加那」はTVアニメ『あやかしトライアングル』EDテーマ。

sham まず『あやかしトライアングル』の原作を読ませていただいて。主人公の風巻祭里は風の術を使うキャラクターなので、テーマはやはり“風”かなと。その時点で和メロでいこうと決めてました。ボーカルには祭里役の富田美憂さん、花奏すず役の市ノ瀬加那さんなので、お二人の歌い分けも意識してました。

nari “ひゅうるらくるり”“ヒュルリラくるり”というフレーズもポイントですね。このフレーズをどう入れるかも重視していたいし、それに合わせてギターのリフやフレーズも構築したので。

――富田さん、市ノ瀬さんのボーカルの印象は?

sham お二人とも声優として活動されているので、歌詞を演じるように歌ってくれたんですよね。しかもアニメにも出演されていて、歌詞の深いところまで読み解いてくれて。

nari レコーディングの前にお話しさせていただいたんですが、「この歌詞は、こういうことですよね」って全部頭に入っていて。もちろん物語も入ってるので、それを踏まえたうえで細かくディレクションさせてもらえたのも良かったです。

――まさに作品に寄り添った表現ができた、と。「あやかしトライアングル」に対してはどんなイメージがありますか?

nari シーンごとにギャップがあるんですよ。戦闘シーン、色気のあるシーンの落差がすごくて。

sham すごく強い妖と対峙することもあるんですが、みんなで力を合わせて、それぞれの得意技を出し合って打ち勝っていくストーリーが少年漫画的だなと。キャラの個性も際立っているし、色んな見方ができる作品だと思います。

――エンディングの映像を観たときの感想は?

sham 戦闘シーン的なところと日常系のホッコリしたところ、ちょっとハレンチな部分も含めて、すごく曲とマッチした映像に仕上がっていて感動しました。アニメを観てくださる方にも楽しんでもらえるエンディングになったのかなと感じています。

nari いい意味で予想と違う部分もあって、素晴らしかったです。前回の「言えない feat.asmi」(TVアニメ「彼女、お借りします」EDテーマ)と同じで、「このアニメに関わらせてもらって良かった」と感謝がこみ上げてきましたね。

参加ボーカリストの普段とは違う一面を感じてほしい

――2曲目の「とけない feat.EMA」には、音楽ユニット・DUSTCELLのボーカル・EMAさんをフィーチャー。ビートのアレンジ、尖ってますね。

sham Aメロ、Bメロ、サビというシンプルな構成からちょっと外してみようと思ったのが起点で。今まではコード進行から作ることが多かったんですけど、「とけない」はリズムパターンが先なんですよ。1st EP『言えないEP』は全曲バンドサウンドで、リード曲の「厭わない」もそれを踏襲しているので、まったく違ったサウンドの曲が入っていても面白いんじゃないかなと。

nari うん。ギターに関しては、僕が今いちばんハマっているティム・ヘンソンというギタリストを意識していて。ヘッドフォンやイヤホンの左のほうで色々弾いてるので、そこもぜひ聴いてもらえたらなと。

――ラブソングと料理を混ぜた歌詞もユニークですね。

sham その辺りは歌詞を書く前の段階から話してますね。「料理の要素を入れたら面白いかもね」って、ポロッと出てきて。EMAさんのボーカルも最高でしたね。ラップパートが2番にあるんですが、その表情の出し方がすごく良くて。気だるさとクールさがあって、個人的にも気に入っています。

nari EMAさんからも「DUSTCELLでは歌ってない曲調で、楽しかったです」というコメントをSNS上でいただいて。

sham そこはめちゃくちゃ意識しているところなんですよ。そのボーカリストの方が普段歌っているような曲を作っても面白くないし、僕らと一緒にやっていただくことの理由をしっかり付けたいので。ボーカリストの普段とは違う一面が感じられるというのは、MIMiNARIのサブテーマですね。

――「褪せない feat.りりあ。」も、シンガーとしてのりりあ。さんの新たな魅力が感じられました。

nari りりあ。さんが参加してくれることになって、すぐに曲のイメージが浮かんで。完成までのスピードもいちばん早かったですね。歌詞については、歴史上のあるアニメーション作家の人物を思い浮かべながら、僕らのコンセプトである“記憶”を混ぜて書いています。歌詞のワードに(モデルとなった歴史上の人物の要素を)散りばめているので、色々想像してみてほしいです。

sham サウンドは1st EPに近いかもしれないですね。淡いけど、エモーショナルで疾走感があって。前作でMIMiNARIを知ってくれた人にも楽しんでもらえるんじゃないかなと。りりあ。さんの柔らかくて繊細な歌声があることで、切なくて夢見心地な世界に繋がっていて。すごくありがたかったですね。しかもこの曲、音程的にかなり上までいってるんですよ。でも、ぜんぜん声が固くならず、柔らかいまま歌ってくれて。そこも聴きどころだと思います。

nari そうだね。実は少しだけ不安だったんですよ。高い音程になると、どんな方でもどうしても声がキンキンしがちなんですけど、りりあ。さんは全然そんなことなくて。高い音の透明感がすごいんですよ。りりあ。さんが曲を完成させてくれた感じもありましたね。

――「足りない feat.Kotoha」は和のテイストを反映した楽曲。リード曲の「厭わない」と対になるような雰囲気があります。

sham まさにそのイメージで作り始めた曲なんですよ。「とけない」で今までとは違う面白いことをやって、「褪せない」で従来のMIMiNARIらしいことをやって。あと1曲は「厭わない」と対になるような世界観で作るのがいいんじゃないかなと。和メロをさらに濃く出してますね、「足りない」は。特にDメロは和の要素が強くて、童謡っぽいところもあって。

nari EP全体の作品性を考えたときに、和メロの曲がもう1曲あったほうがいいなと思ったんですよね。「足りない」には“風が吹いてひらり”という歌詞があって、ギターのフレーズも「厭わない」を踏襲しています。

――歌詞も「厭わない」の世界観に通じるような印象を受けました。

sham はい、片思いの恋愛とファンタジックで懐かしい世界観を混ぜている感じですね。Kotohaさんのボーカルもまさにイメージ通りで。レコ―ディングのとき、Kotohaさんのほうか「こういうふうに歌ってみたいです」と提案してくれたんですよ。こちらからも「ここにアクセントを入れてみてください」みたいなことをお伝えして、色々ディスカッションしながら進められたのも良かったですね。

nari ハコニワリリィ(Hanon、Kotohaによる女性ユニット)とは曲調が違うのでどうなるのかな?と思ってましたけど、かわいらしい声質を活かしつつ、曲に合うような懐かしさも表現してくれて。すごく楽曲にマッチしたボーカルだなと思います。

TVアニメ『ひきこまり吸血姫の悶々』EDテーマ「眠れない feat.楠木ともり」も担当

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