1996年8月16日生まれで、2019年8月14日にミニアルバム『くつひも』でソロデビューした斉藤朱夏。ソロとして5度目の夏を迎える彼女が、自身の誕生月&ソロビュー月である2023年8月9日に3枚目のミニアルバム『愛してしまえば』をリリースし、27回目の誕生日である8月16日からは全国ライブハウスツアー“朱演2023 LIVE HOUSE TOUR「愛のやじるし」”をスタートさせる。斉藤朱夏にとって“愛”とはなんなのか。「愛をテーマにした」というミニアルバムを軸に、愛について語ってもらった。
INTERVIEW & TEXT BY 永堀アツオ
――まずは先日出演された“リスアニ!LIVE SPECIAL EDITION ナツヤスミ”の感想からうかがえますか?
斉藤朱夏 アニメ音楽を愛するキミと“リスアニ!LIVE”という場所でお会いできたのがすごく嬉しかったです。今回はangela先輩の次に出演させていただきました。先輩が繋いでくれたバトンを大切に受け取ってステージに立ちました!最高な夏の始まりを、この「リスアニ!LIVE SPECIAL EDITION ナツヤスミ」でスタートダッシュをきめることができて嬉しかったですし、初めましての皆さんと最強になれて最高に楽しかったです!
――ありがとうございます。では今作のお話を。3rdミニアルバム「愛してしまえば」はテーマが先にあったんですか。
斉藤 元々は違うテーマがあったんです。制作を始める前に色々なお話しをするなかで「聴いてくれる人の胸をキュンとさせたいよね!」という想いに辿り着いて、愛をテーマにしたミニアルバムを制作していこうということになりました。最近はあまりラブソングを歌っていなかったこともあり、デビュー4周年目にして、改めて自分の中にあるラブ&ピースを音楽に乗せて歌えたらいいなと思って、今回はテーマを愛にしました。
――そのテーマなんですが、朱夏さんにとって愛とはどんなものですか。
斉藤 いやー、それが本当に答えがなくて。愛とか恋とかって難しいんですよね。様々な形があるし、幅広すぎて、多分一生考えていくテーマなんだろうなと思いました。だから、今もずっと探し続けてますね。愛って何なんだろう?って。
――では、斉藤朱夏がラブソングを歌うことに関してはどう感じてますか?
斉藤 久しぶりにラブソングを歌ったので、シンプルに楽しかったです。少女マンガをたくさん読んでいるので、少女マンガでこういう話ありそうだなって思ったり、自分の中でこういう気持ちはあるなって感じたりとか。自分で歌っていても、すごくキュンとするような楽曲が増えたなと思います。
――リード曲「愛してしまえば」はどんなところにキュンときましたか。
斉藤 「愛してしまえば」は楽曲自体の世界観がすごく大きいんですよね。
――サウンドもMVもミュージカルっぽい雰囲気があります。
斉藤 そうですね。斉藤朱夏としてあまり歌ってこなかったものだからこそ、まず、楽曲をもらったタイミングでキュンとしました。恋に落ちるような感覚があったというか、ワクワクしたんですよね。作曲と編曲が初めましてのPan(LIVE LAB.)くんで、新しいスパイスが加わって。斉藤朱夏にも魔法をかけてもらったなって感じたし、出会えて良かったなと思いますね。
――サビは合唱になっています。
斉藤 ミニアルバムを引っ提げたライブハウスツアーが、発売の1週間後から始まるのですが、まさにそのライブに向けて作った歌でもあります。ライブでどう聞こえるのかなっていうのがすごく楽しみです!
――“君を愛してしまえば 世界は変わるのさ”と歌詞で綴られていますが、どんなことを考えながら歌いましたか?
斉藤 独りよがりになってしまうこともあるかもしれないけど、一番の軸として、愛っていうものを持っているだけで、周りの景色の見え方や、感じ方がきっと変わるんだろうなって思うんです。そう信じたいし、そう願ってるっていうのもありますね。
――MVは朱夏さんがお家で1人、ミュージカルを繰り広げていますね。
斉藤 MVの中で踊っているんですけど、ライブの時にみんなと踊りたいなとおもって、振付の先生にお願いして作ってもらいました!ライブのときにみんなと一緒に何かをやることによって、よりフロアのまとまり感が出るし、距離がぐっと近くなるんですよね……なんていうか、ご飯を一緒に食べてる感じ。ご飯を食べてるときってどんどん距離が近くなるじゃないですか。
――それと一緒なの?みんなで一緒に踊るのは?
斉藤 そうです(笑)。個人的にはそういう気持ちです。みんなとは一緒にご飯を食べることはできないから、他に距離を縮める方法は何だろう?と考えたときに、一緒に同じことをする。という体験でより距離感が近くなったり、初めての人でも楽しかったと感じてくれるのかなと思って。かわいい振付が多いので、撮影ではずっと楽しく歌って踊っていましたね。
――料理をしたり、洗濯をしたりしながら。
斉藤 リスナーの方からは「洗剤のCMにしてほしい」っていうコメントをいただきました(笑)。撮影当日、実は雨予報だったんですけど、雨は降らず、むしろ暑いくらいの快晴で。
――そういえば、髪の毛伸びましたよね?
斉藤 久しぶりのロングヘアです!そこも1つの見どころポイントです!
――どうしてロングヘアにしたんですか?
斉藤 長い髪が揺れる女性らしさをビジュアル面でも見せたいよねっていう話になって。新ビジュアルを公開してからのみんなの反応は「大人っぽく見える」って言ってくれるんですよね。でも学生の頃に髪を伸ばしていたので、個人的には学生時代に戻った気分で。みんなに「大人っぽく見える」って言われるのが不思議で面白かったです。
――MVで特に印象に残ってるシーンはありますか?
斉藤 赤いドレスに変わるシーンかな。日常から夢みたいな空間に入って、しっかりとカメラ目線もあるなかで、歌って踊っている。斉藤朱夏っていう名前の“朱”色を着ると、やっぱりガラッと印象も自分の気持ちも変わるなって思いますね。
――朱で夏ですからね。ぴったりな名前ですよね。
――そして、2曲目にはポップロック「ベイビーテルミー」が収録されています。
斉藤 全5曲ある中で個人的に一番共感ができる楽曲だなと思っていて。それぞれに共感するポイントがあるんですけど、一番、私みたいだなって思いました。
――どこですか?振られっぱなしの人?
斉藤 片思いのときの自分ってもしかしたらこうなのかなって。何連敗していても、色んなことを考えて、あれやってみて、これやってみて、それでも全然上手くいかなくて、なんでよ……!みたいな(笑)。きっと共感する女の子は多いんじゃないですかね。こう言いたいけど、なかなか言えない、とか。恋になると、色んなマジックがかかるといいますか、ちょっと恥じらいがあって、いつも通りの自分でいられなかったりする。恋ってすごく不思議だなって思いますし、“相思相愛なんて期待してもいいかな”という気持ちも、片思いの時期は期待することが多いからこそ、女子の心をギュッと掴んでる楽曲だなと思います。
――サウンド的にも一番斉藤朱夏っぽいですよね。レコーディングはどんなアプローチでした。
斉藤 これは収録曲の中でも一番最後に録ったんですけど、連続で3回歌って終わりました。いつもはワンコーラスずつ歌うことが多いんですよ。でも、この曲のレコーディングはちょっと特殊で。スタッフさんに「とりあえず3回、全部歌ってみて」って言われて、3回歌って終わりましたね(笑)。不思議な録り方だなーって思いながら歌ってましたけど、勢いがある曲だからこそできたレコーディングの方法だなって。
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