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INTERVIEW

2023.08.02

NACHERRYは明るく元気なだけじゃない!? 2人の様々な新しい表情を切り取った3rdミニアルバム『POLAROID』を村上奈津実・田中ちえ美が語る!

NACHERRYは明るく元気なだけじゃない!? 2人の様々な新しい表情を切り取った3rdミニアルバム『POLAROID』を村上奈津実・田中ちえ美が語る!

声優の村上奈津実と田中ちえ美による音楽ユニット、NACHERRYがこの夏に届ける3rdミニアルバム『POLAROID』は、彼女たちの新たな魅力が詰まった一枚。フジファブリックの金澤ダイスケが作詞・作曲したリードトラック「テレポーテーション」は、今までの明るくて元気いっぱいなNACHERRYとは一味違うエモーショナルな青春ソングになっているし、その他にもNACHERRY流ヒーローソングから各自のソロ曲まで、2人の色んな表情が切り取られた、まさに“ポラロイド”のような作品だ。NACHERRYの輪を広げるべく、精力的に活動する彼女たちが今作で挑んだ新たな挑戦と大きな目標に迫る!

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創

新機軸のリード曲「テレポーテーション」から浮かぶ2人の絆と関係性

――今回の新作『POLAROID』は早くも3枚目のミニアルバムになりますが、ひと言で表すとしたらどんな作品になりましたか?

村上奈津実 過去も未来も現実もファンタジーも切り取って、写真集のような作品にする、というのがテーマなんですけど……他に何かあるかな?

田中ちえ美 今までの作品とは雰囲気が全然違う曲もあって、よりファンの人と1つになれるような作品、変化球ではなく割と王道のアルバムになったと思います。

村上 王道と言いつつ、NACHERRY的には新開拓だよね。

田中 うん。それこそ今までのNACHERRYらしさから少し冒険して、また新たなNACHERRYを見せる方向になっているので。もちろん今までのNACHERRYらしい楽曲もあるんですけど、例えばリード曲の「テレポーテーション」は、今までのNACHERRYを知っている人からすると意外に感じると思いますし。

村上 でも、「みんな、こういうの、好きやろ?」っていう(笑)。なので、ひと言で言うなら「皆さんの好きに寄り添ってみたアルバム」だと思います。

田中 「こういうの、好きでしょ?」って自信をもって言えるし、みんなに刺さるだろうことは、楽曲をいただいた時点で感じたので、自信作ではあります。ジャケットだけ見ると、いつもの元気で明るい感じなんですけど。

村上 確かに。常夏感があるよね。

――今お話にあがったリード曲の「テレポーテーション」は、確かに今までの元気でポップなNACHERRYとは一味違う、胸がギュッと締め付けられるような夏ソングに仕上がっています。

田中 爽やかで「水色」や「青春」というイメージがあるので、私の中では清涼飲料水のCMソングっぽいなと思いました。楽曲を聴いた瞬間、海の景色が浮かんだんですけど、MVも初の外ロケで海をバックに撮影していて、楽曲の世界観とピッタリな内容になっています。

村上 私も最初に聴いたとき、イントロから「これをNACHERRYで歌うんだ!」と思うくらい新しさを感じて。歌詞からも「青春の未熟さ」や「若者感」を感じたので、今までのNACHERRYの明るく元気になれる感じとは違う、その曲の世界観に浸ってエモーショナルな気持ちになれる楽曲だなあと思いました。

――その意味では、歌のアプローチもいつもと違うものになったのではないでしょうか?

村上 これまではパワフルな曲が多かったので、気持ちやノリで歌えた部分があったのですが、この曲は力に頼ってはいけないし、むしろ力を抜くことが大事だったので、たくさん練習をしたし、色々工夫するようにしました。レコーディングでも、最初は緊張もあって力んでしまっていたんですけど、その緊張をほぐしながら歌っていきました。この曲、リズムや譜割りが独特のところがあるので、そこは田中と合わせるのに苦戦しましたし、私の中では新たな挑戦でした。

田中 世界観がある楽曲だったので、それを音やメロディだけでなく我々の歌でも伝えられるようにしたくて、今回収録されている楽曲のなかでも、一番歌い方を考えました。例えば、歌い出しの“君は風の中で”の“き”の音は、優しい寄り添う感じにしたいけど(歌声が)弱すぎてもダメなので、何回か録ったうえで調整したり、サビやラスサビをより盛り上げるために、Aメロ・Bメロの部分はどの程度の落ち着きをもって歌うべきかを色々研究して。特に最初のサビの歌い出しの“走れ”は、全体的に優しい言葉遣いが多いなか、この部分だけ力強いフレーズだったので、ここを強調するために他の部分の歌い方のバランスを考えました。

村上 ここだけ命令形だもんね。

田中 でも、そこがいいんですよね。優しい言葉が多いなか、急に“走れ”と歌われることで、心がズシンとなりますし、メッセージ性の強さを感じるので。

――歌詞では過去に対する心残りが表現されていますが、共感できる部分はありましたか?

村上 この曲は過去を振り返っている部分が多いんですけど、サビは現在の私、最後は未来の話をする構成になっていて。私は「過去にテレポーテーションして自分の気持ちを伝えたい」とか「あのとき、ああ言っておけば良かった」みたいな経験があまりないので、物語として、そういう心情になりきって気持ちを作りました。なので感情面では、声優のお仕事に近い感じだったと思います。

田中 私は逆に過去を振り返ることの多い性格で、よく「ああしておけばよかった……」みたいにネガティブな気持ちになるんですけど、この曲は「それでも私たちはどんどん成長していく」という方向に持っていくので、自分自身も励まされた部分がありました。「たられば」を考えてしまう自分がすごく嫌だったんですけど、そう思いながらも自然と大人になっていくし、「そういう風に思っていてもいいんだ」と思うことができて。多分みんなもそういう部分があると思うんですよね……まあ、なっちゃん(村上)は過去を振り返らないらしいですけど(笑)。

村上 ウフフ(笑)。

田中 でも、過去を振り返ることは悪いことではないし、この曲を聴いた人にも、「もし過去にテレポーテーションできるとしたら、どんなことを伝えようかな」と想像してもらえると嬉しいです。

――ちなみにこの楽曲、お二人のソロ歌唱バージョンが【なっちゃん盤】と【ちぇみー盤】にそれぞれ収録されますが、お互いの歌の感想を聞かせてもらってもいいですか?

村上 上手い!

田中 えっ、上手いかな?(笑)。

村上 この曲にすごく合っていて、私は田中のバージョンのほうが好きです。レコーディング前から「この曲は田中にめっちゃ合うだろうな」と思っていたし、実際に聴いたら思った通りのものがきたので「これだ!」と思って。

田中 ずっと「この曲は特に田中の声が合う」って言ってくれているんですよ。私の感想は、別に自分を上げるわけではないんですけど、なっちゃんの歌を聴いたとき、自分がお姉さんでなっちゃんが妹みたいな感じに聴こえたんですよね。(村上の歌には)かわいさがすごくあるというか……。

村上 かわいさ……!? そんなのあったかな(笑)。

田中 切り取り方が違うというか。リズムの乗り方も、私はそのまま歌っているところを、なっちゃんはアクセントを入れたりしていて、それによってかわいく聴こえるんですよ。声質の問題ではなく、なっちゃんは歌い方がかわいいなと思っていて。だから同じ曲でも歌う人によって全然印象が変わることを、この曲でより感じました。

村上 へー。じゃあ(自分の歌を)妹として聴いてみようかな。

田中 なら私の歌はお姉ちゃんとして聴いてみて(笑)。

――ちなみに、もしお二人が実際に姉妹だとしたら、どちらが姉でどちらが妹だと思いますか?

村上 それはもう、田中が姉ですね。全体的にリードしてくれるので。このインタビューもまさにそうですし。ベースの部分は田中が作って、私はそこに茶々を入れていくっていう(笑)。田中には頼ってしまいます。

田中 でも、そういう感じになったのはNACHERRYになってからじゃない?だってNACHERRYを結成する前は、私のことをお姉ちゃん的ポジションで見てなかったでしょ?

村上 確かに見てなかったかも……!

田中 「友達」とか「飲み友」くらいだったと思う。

村上 あとは「おもしれー奴」とか(笑)。

田中 でも、そう言ってくれるのは嬉しい。自分は実際は末っ子で、しかも兄とは年が離れているので、お姉ちゃんのポジションに憧れはあったんです。ただ、私もなっちゃんに対して頼っている部分はあるから、あまりはっきりと私が姉でなっちゃんが妹って分かれている感じではないですけど。

村上 私、お姉ちゃんになってるときあるかな?

田中 なってるなってる。私は結構ぴえんってなることが多くて、思ったことを自分の中に溜めこむのが無理なので、そういうときはなっちゃんに「話を聞いてよ」ってなることが多いんです。そういうときのなっちゃんはお姉ちゃんですね。NACHERRYとして何か仕事をするとなったときは、私のほうから「どうする?」って動くことが多いけど、プライベートではもしかしたらなっちゃんのほうがお姉ちゃんかも。

村上 そうかな?私も実際は妹で根っからの末っ子気質だから。

田中 いや、私もそうだよ(笑)。

――「テレポーテーション」の話に戻しまして、MVの撮影はいかがでしたか?

田中 今回は室内のシーンもあるのですが基本外で撮らせてもらって。ロケーションも良くてすごく楽しかったです。

村上 楽しかったよね!

田中 1番のところはツーショットがないんですよ。こんなに1人ずつで撮ったMVも初めてのことで。私が歌っているときになっちゃんが映ったり、なっちゃんが歌っているところでは私が映っているシーンが多くて、お互いに歌っている感じがするんですよね。まだ1人ずつだけど……みたいな。

村上 そう、お互いに思いあって歌うっていう。MVを観て、この曲はそういう見方もできるんだと思いました。一方が撮っている間はロケバスの中で1人で待機していたんですよね。でも後半部分では2人で撮影して、(MVの中で)ようやく会うことができて。しかも最後の2人で海に向かって立っているツーショットは、いつの間にか撮られていたんですよ。夕日があったので、そこに2人で手をかざしていただけで。

田中 あれはカメラをセッティングしている間の待機の時間で、そのときに2人で雑談して遊んでいただけだったのに、それが最後のシーンに使われていました。

NACHERRY流ヒーローソングから大人の色気を追求したナンバーまで!

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