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INTERVIEW

2023.07.21

【連載】アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』第2回:立石 凛×青木陽菜、2人のギタリストから見た“迷子たち”の魅力とツインギター編成ならではのこだわり

【連載】アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』第2回:立石 凛×青木陽菜、2人のギタリストから見た“迷子たち”の魅力とツインギター編成ならではのこだわり

次世代ガールズバンドプロジェクト「BanG Dream!(バンドリ!)」発の“現実(リアル)”と“仮想(キャラクター)”が同期するバンド、MyGO!!!!!。彼女たちの“迷うことを迷わない”物語を描く新作アニメーション『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』が、この夏、ついに開幕した。

リスアニ!では、そんなアニメの魅力を音楽面を軸に掘り下げる連載特集を展開。連載第2回となる今回は、ツインギター編成となるMyGO!!!!!のギタリスト2名、千早愛音役の立石 凛と要 楽奈役の青木陽菜による対談をセッティング。性格もギタープレイも正反対の役を演じる2人から見た、アニメ本編やキャラクターの魅力、そしてツインギターならではのこだわりなどについて話を聞いた。

■【連載】アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』――“迷子たち”の音楽を徹底特集!

【特集】アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』――“迷子たち”の音楽を徹底特集!

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創

愛音と楽奈、正反対の役を演じる2人から見たアニメ版MyGO!!!!!の魅力

――アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』の放送が始まってからのファンの反応・反響について、どのように受け止めていますか?

立石 凛 私が担当する(千早)愛音ちゃんの過去が描かれた第5話の放送時は、ツイッターのハッシュタグでファンの方の感想をチェックしながらアニメを観ていたのですが、「つらかったんだね」とか「頑張ったんだね」という感想がたくさんあるのを見て、「愛音ちゃん良かったね」という気持ちになりました。ようやく皆さんにMyGO!!!!!のみんなのパーソナルな部分を知っていただける嬉しさを、毎週の放送を通じて感じています。

青木陽菜 私の担当する(要)楽奈ちゃんは、第6話まで放送された今もなお、情報が少なくて(苦笑)。でも、出番が短いながらもインパクトを残しているので、アニメをご覧いただいている皆さんも面白がってくださっているみたいです。特に(第4話の)「おもしれー女」というセリフは(高松)燈に向けた言葉だったのですが、「楽奈が一番おもしれー女じゃない?」みたいに言われていて(笑)。楽奈ちゃんのキャラクターをかわいがっていただいて私も嬉しいです。

――第6話までのストーリーの中で、ご自身が演じるキャラクターの見どころ、あるいは印象に残っているシーンを教えていただけますか?

立石 それこそ第5話は愛音ちゃんがメインで描かれるので、私の中でもすごく大切な回なのですが、特にお気に入りなのは、第1話の燈ちゃんとカラオケに行くシーンです。燈ちゃんが過去のバンド活動のことを思い出して落ち込んでいるのを見て、愛音ちゃんが元気づけようと思ってカラオケに連れて行くのですが、燈ちゃんが(落ち込んでいる理由を)話したくなさそうな様子を見て、「まあいっか」となる愛音ちゃんがすごく好きで。深くまでは聞かない優しさと言いますか、普段は結構ずけずけといくタイプなんですけど(笑)、意外と周りを見て気遣いができる一面があのシーンでは表れていて。すごく気に入っています。

――愛音は行動力もありますが、ちゃんと相手を見て接することのできる子ですよね。だからこそ燈も心を開いたんだろうなと思います。

立石 そうですよね。燈ちゃんもなついてくれていて。愛音ちゃんも意外と繊細な部分を持っていることは、アニメを観ていると伝わると思います。

――ただ、第6話までの時点では、愛音と楽奈がやり取りするシーンは多くありません。

立石 愛音ちゃんが一方的に、「うわ~、ギターめっちゃ弾ける子が来ちゃった、どうしよ~!?」みたいになっていて。

青木 愛音ちゃんとは、それこそ共通点がギターしかないですしね。多分、楽奈から愛音に対する感情の矢印みたいなものは、今のところ、あまりない気がします。

――現時点では、愛音のことをどちらかというと「つまんねー女」枠で捉えているんでしょうかね。

青木 もしかしたら、そうかも。

立石 愛音ちゃんは生きていく中で、世間から見た立ち位置みたいなものをすごく気にする女の子だけど、その一方で、楽奈ちゃんは本当に自由で、自分のしたいことをしたいときにやる、周りの目なんて一切気にしない子なので、2人は真逆のタイプなんですよね。だから楽奈ちゃんからしたら、「なんだこの子?」って思ったりしているのかなあって(笑)。

――そういう2人が今後どう交わっていくのか楽しみです。青木さんの印象深いシーンは?

青木 楽奈ちゃんの場合、印象深いシーンしかありません(笑)。まず、初登場の第2話からして、急に出てきて、(カフェのフリースペースで)ギターを弾いて、「満足」って言って帰っていくので、すごく印象的でしたし、第5話では4人がバンド練習しているスタジオに勝手に入ってきて「やらないの?」って、ちゃっかり自分もメンバーみたいなことを言い始めて。

立石 ね(笑)。

青木 第6話では中学3年生という設定がようやく判明して。楽奈ちゃんは(椎名立希から)「野良猫」と呼ばれていて、彼女自身も猫好きなのですが、愛音ちゃんと立希ちゃんが学校で追いかけっこをしているところに、野良猫のようにひょいっと現れて。

立石 しかも猫と共にね(笑)。

青木 楽奈ちゃんは学校で猫と遊んでたんですよね(笑)。そのときに初めて(花咲川女子学園の)制服を着て登場したのですが、既存の「バンドリ!」のキャラクターと同じ制服を着ていることにもインパクトがあったと思いますし、中学生だったことも判明して。なので印象的なシーンしかないですね。

――まあ存在自体が印象的ですからね(笑)。さて、今回、お二人が愛音・楽奈としてアニメのアフレコを行うのは初めてだったと思いますが、その前からショートアニメやラジオ番組などでキャラクターを演じてきたわけで。それらの経験を踏まえつつ、アニメのアフレコにはどのように取り組まれたのでしょうか?

立石 今までのショートアニメやラジオ、ライブのMCで愛音ちゃんを演じるときは、愛音ちゃんの「明るさ」や「元気」なところにフォーカスが当たっていて、私もそれを意識して演じてきていたので、アニメのアフレコで初めて、愛音ちゃんの冷静な部分や、落ち込んだり悲しい過去があった部分を演じることになったんです。そこで初めて愛音ちゃんのそういう一面を知ることができました。しかも彼女はすごく表情が豊かな女の子なので、数分のカットの中で、落ち込んだり、喜んだり、「え~!態度悪い!」って怒ったりするんです(笑)。そういう感情の起伏を演じることができたのもアニメが初めてだったので、すごく楽しかったです。

――でも、感情を作っていくのが大変だったのでは?

立石 そもそも私はアニメのアフレコ自体が初めてでしたし、しっかりキャラクターをいただいてお芝居に臨むのも初めてだったので、ずっと手探りな状態ではあったのですが、監督さんもすごく優しかったですし、周りにもそれこそ羊宮妃那ちゃんや林鼓子ちゃんといった経験豊富な子がいたので、色々教えてもらいつつ、なんとか頑張っていました。

――羊宮さんや林さんからはどんなことを教えてもらいましたか?

立石 言葉で教えてもらうというよりは、実際にお芝居が上手な2人と掛け合いをすると、「こんなにも気持ちが乗りやすくなるんだなあ」ということをアフレコで感じました。本番までに自宅でたくさん練習もするのですが、実際にスタジオでマイク前に立つと、すごく雰囲気が変わるんです。掛け合い相手がいて、その相手がすごく情熱的にお芝居をしてくれるので、私もすごく感情を出しやすくて。

――相手がいてこそ、なんですね。それこそ第5話での愛音と燈のやり取りはすごく良かったです。

青木 うん、良かったー!

立石 ありがとうございます(照)。羊ちゃんは、ひと言ひと言の音に乗る感情がすごく伝わるお芝居をしてくれるので、そのお芝居に引っ張られて、自分も感情を乗せることができました。

――青木さんはアニメのアフレコで改めて感じたことはありましたか?

青木 楽奈は一貫してあまり変わりがなくて。アニメの収録ではいつも、始める前に監督さんからお話いただくのですが、毎回、「楽奈さんはいつも通りでお願いします」というディレクションをいただいていました(笑)。多分周りが喧嘩していようが、落ち込んでいようが、楽奈ちゃんのテンションは変わらないので、そこまで他のメディアとの楽奈ちゃんを演じる際の差はなかったですし、戸惑いもなかったです。

――楽奈はアニメでも、ちょこっと出てきて、すごいインパクトを残して去っていくキャラクターですが、言葉数が少ないなかで楽奈らしさを表現するために心がけていることはありますか?

青木 ワードにインパクトがあるので、監督さんからも「楽奈の印象が残るお芝居でお願いします」とディレクションをいただくことが多くて。それこそ「おもしれー女」というセリフも、ぼそっとした言い方とか、ちょっとニヤニヤした感じの言い方とか、色々なパターンを試させていただきました。第6話の「3年生」というセリフも、さらっと言うのではなく、ちょっとかわいらしさのある言い方で印象を残せるようにお芝居をしていて。それこそ感情があまり表に出ないキャラクターなので、そのなかでどう表現するかを考えたら、周りのキャラクターよりも年齢が低いことや、ちょっと不思議ちゃんやネコちゃんっぽいところがあるので、そういう「かわいらしさ」や「あどけなさ」を足すように意識しています。

――ちなみにアニメをご覧になったうえでの、お互いの演技の印象はいかがですか?

立石 超かわいい。

青木 アハハ、嬉しい~!

立石 私、「3年生」のシーンが大好きなんですよ。本当にかわいくて。そもそもちょっと不思議で、そんなにテンションが高くなくて、かわいらしいキャラクターが私の好みというのもあるんですけど。アニメは結構ギスギスして辛いシーンも多いんですけど、楽奈ちゃんが出てくると「あ、楽奈ちゃんが来た……!」ってなります。

青木 癒しだ(笑)。私は愛音ちゃんの、テンションが高いときに目がハートになったりして、表情がコロコロ変わるところがすごくかわいいなと思っていて。でも、中の人の立石は、普段、結構テンション低めなんですよ。だからこそ、愛音ちゃんが家で「は~……」ってなっているシーンとかを観ると、いい意味ですごくナチュラルなお芝居になっているなと思います(笑)。

――立石さんは普段テンションが低いんですか?

立石 はい(笑)。すごく高くなることはあまりないです。

――その意味では、愛音を演じるときは、自分の中にない引き出しを出す感じなのでしょうか。

立石 愛音ちゃんの、みんなから陽キャと呼ばれるような感じだとか、転校してきたときに「自分から話しかけて、友達を作って、居場所を見つけなくちゃ!」みたいなところが、私にはあまりなくて。私はどちらかと言うと楽奈タイプなんです。「まあいっか」とか「1人でいいや」ってなるタイプなので。でも、別に愛音ちゃんのことが理解できないわけではないので、「私なら普段はやらないけど、こういうことをやる女の子なんだな」というのを理解したうえで演じるようにしていました。

青木 ライブのMCも大変だったもんね。

立石 最初は大変だった……!

青木 MyGO!!!!!の中の人で言うと、一番しゃべれるのは林 鼓子ちゃんなんですけど、立希ちゃんはライブで「盛り上がってるー?」みたいなことを言うキャラではないので、そういう役割は必然的に(長崎)そよさんか、愛音ちゃんになるんですけど……。

立石 私たち(立石と小日向美香)は2人ともそんなに積極的なタイプじゃないもんね。

青木 そう、おとなしいタイプなので。でも、彼女たちがライブで引っ張っていかないといけないことに、すごく苦戦していて。

立石 特に1st LIVEの頃は、まだキャラクターが自分に馴染んでいなかったので、例えばアドリブで間をつながなくちゃいけないときに「どうしよう……?」となってしまうんです。そこからライブを重ねたり、「迷子集会」(ラジオ番組)をやっていくことで、MCもちょっとずつ成長していくことができました。

青木 ラジオで鍛えられたところはあるよね。即興劇みたいな感じなので(笑)。

――完全にキャラクターとしてラジオ番組をやっていましたものね。今のお話に絡めてですが、連載の第1回で、羊宮さん・小日向さん・林さんはご自身のキャラクターを演じる際に、「憑依型」と「客観視型」のどちら寄りだと思うか、という話で盛り上がりまして。お二人はいかがでしょうか?

立石 ライブだと割と「憑依型」だと思いますけど、アニメのアフレコだと客観視している部分があって……明確に理由の説明はできないんですけど。普段は私もどちらかと言うと「客観視型」かもしれないです。

――逆に言うと、ライブでは「憑依型」になるんですね。

立石 ライブだと、私は声ではなくパフォーマンスで表現することのほうが多いので、その意味で「愛音ちゃんだったらこうするだろうな」という動きや仕草を入れるようにしていて。なので「今は愛音だから何をやってもいい!」という気持ちで、ちょっとかっこよく決めてみたり、ピースしてみたり、明るくパフォーマンスすることが多いです。

――青木さんはいかがですか?

青木 多分「客観視型」の気がしますね。私は常に「楽奈だったらどうするかな?」ということを考えながら動いているので。これまで1st LIVEから4th LIVEまでやってきて、ある程度のクセ、ステージに立っているときの振る舞い方は定着してきたのですが、しゃべるときや立ち姿は結構「楽奈だったら」というのを意識しながらやっています。

――確か楽奈としてステージに立つときは、手を後ろで組むようにしているんですよね。

青木 はい。基本はギターを触っているか、触っていないときは、手を後ろで組んで、ポーンって遠くを見つめている感じにしています。自分としてステージに立つときは、来てくださったお客さんの顔を1人1人見るようにしているんですけど、楽奈ちゃんは多分、周りのメンバーがトークしているときも、遠くを見ながら「早く次の曲始まらないかなあ」みたいなことを考えると思うので(笑)。そういうときはきっと目線を遠くにしてうろちょろ動かしながら、ふわふわしているだろうなと考えて、自発的にやっています。そういう特定のポーズがあったほうが、毎回来てくださるお客さんにも「楽奈はこんな感じなんだな」というのを認識してくださるかなと思って。

お互い異なるプレイスタイルだからこそ響き合う、MyGO!!!!!のツインギター

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