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INTERVIEW

2023.07.06

『Helck』と『AYAKA -あやか-』、2作品の主題歌を担当するsaji。アニメ音楽へのこだわり、バンドの在り方をボーカル・ヨシダタクミが語る

『Helck』と『AYAKA -あやか-』、2作品の主題歌を担当するsaji。アニメ音楽へのこだわり、バンドの在り方をボーカル・ヨシダタクミが語る

sajiが目指すバンド/アニメシーンにおける新たな立ち位置

――お話を聞いていると、ヨシダさんは「アニメタイアップ」ならではの楽曲作りということに、かなり意識的に取り組んでいる印象です。

ヨシダ そうですね。僕らのsajiとしてのデビュー曲「ツバサ」は『あひるの空』の第1 弾EDテーマだったんですけど、そのときは自分が『あひるの空』の原作コミックをリアタイで読んでいて大好きだったので、EDテーマとはいえOPテーマとして使われてもおかしくないような曲にしよう!っていう気持ちで作ったんです。でも、その後にもアニメの楽曲をいくつか担当させていただくなかで、オープニングとエンディングの役割は明確に違うことを意識するようになったし、あるいは僕らが参加させていただく作品の主題歌のラインナップを踏まえて、僕らには何を求められているのかを考えるようになりました。僕は外への楽曲提供でアニメのタイアップ曲を書くこともよくあるんですけど、やっぱり自分が歌うのと誰かが歌うのとでは明確に違いがあるので、僕らがわざわざやらせてもらえる意味がないといけなくて。そこは今もまだ挑戦中ですね。

――その意味では、sajiは色んなタイプの作品のアニメタイアップ曲を手がけていますし、先ほどお話いただいた通り、いわゆる「ロックバンドらしさ」だけに捉われない柔軟性があるので、バンドとして目指すべき方向性もだんだん見えてきたのではないかと思うのですが。

ヨシダ それで言うと逆で、僕らは当然どんな作品であれアジャストできるように頑張りたいし、バトル系でも、日常系でも、angelaさんがやっていた『生徒会役員共』みたいにド下ネタな作品にもハマれるようになりたい気持ちはあるんですけど、それがsajiの持ち味なのかはまだわからなくて。「何でもできる人」が市場価値になる場合もあれば、「恋愛ものならこの人!」みたいな生き方もあるわけじゃないですか。僕は「グラゼニ」というマンガが大好きなんですけど、あの作品の何がいいって、主人公はプロ野球選手として長く続けるためにはどうしたらいいか、ってことしか考えていないんですよ。最初は中継ぎ投手だったのが、後半では先発ピッチャーになって、その後に戦力外通告を受けるんだけど、もう一度復活するためにナックルボーラーになることを目指して。自分の武器は何かを考えながらプロ野球の社会にしがみつこうとしているのを見ていると、違う業界だけど僕もすごく感じ入るところがあって。

――生き残るためには自分の強みを自覚する必要があると。

ヨシダ 僕だって元々は楽曲提供の仕事をやるつもりはなかったけど、たまたまデモ曲をディレクターに渡したら、それが水樹奈々さんに歌ってもらえることになって、作家デビュー出来たっていう。だから異色なんですよね。当時、カップリング曲として刺さりそうなもの、そのアーティストのすそ野を広げるような楽曲の制作依頼があって。ただ、色気を出してコンペ用に書くとあまり刺さらないんですよね。でも、僕が自分で歌おうと思っていて作った曲は、ほぼ100%何かに使われるんですよ。

――オーダーに合わせて楽曲を作るよりも、自分のやりたいことを形にするほうが向いているんでしょうかね。

ヨシダ なるほどなあと思って。まあ、とどのつまり、せっかくこうしてアニメの業界に身を置けているので、僕らがこの業界における一定の立ち位置を築けたら面白いんじゃないかなと思っていて。先輩にSUPER BEAVERというバンドがいて、渋谷(龍太/ボーカル)くんとも昔から知り合いなんですけど、彼らは自分が学生の頃にソニーミュージックからメジャーデビューして、そこから2年で契約を切られたんですね。その当時、バンドってメジャーの契約を切られたら活動休止するか解散するのがほとんどだったので、どうするのかと思ったら、またインディーズで活動を始めて、そこから頑張って結果を出して、一度契約を切られたソニーミュージックと再契約したんですよ。そのドラマがすごくて。あれを見たときに、僕を含めて同業者は希望の指針が1つできたんですよ。僕らもそういう指針になれるような活動ができたらと思いますね。僕らみたいにバンド畑から思いっきりアニメの業界に入ってきた人っていないので。しかもレーベルメイトはほぼ声優さんですから(笑)。今はしがみつこうとしている最中です。

――今年は昨年に引き続き2度目の“アニサマ(Animelo Summer Live)”出演も決まっていますし、今夏のタイアップ2曲と共に、ますますアニメ音楽シーンでの存在感が増していくのではないかと。

ヨシダ “アニサマ”は楽しみですね。去年が初出場だったんですけど、「アウェイな空気感だったらどうする?」って周りに散々脅されていたんですよ。でも、恐る恐るステージに立ったら、それこそ2曲目に歌った「星のオーケストラ」(TVアニメ『かげきしょうじょ!!』OPテーマ)で手を挙げたらみんなが応えてくれたのを見て感動して。僕らはセンターの離れ小島みたいなステージでライブしたんですけど、ステージから降りたらお客さんがハイタッチしてくれて、プロレスみたいな感じでしたね(笑)。今年は去年よりも落ち着いてライブができると思うので楽しく遊んで帰りたいですね。それとチームsajiは“リスアニ!LIVE”のためのスケジュールも空けているので、オファーお待ちしています!(笑)。


●配信情報
Digital Single
「スターチス」

配信中

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Digital Single
「フラッシュバック」

配信中

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■mora
通常/配信リンクはこちら

●作品情報
TVアニメ『Helck』
2023年7月11日(火)深夜より日本テレビ・BS日テレにて連続2クールで放送開始!

<Introduction>
魔界のとある国。
一人の勇者の手によって魔王が倒され、新魔王の座をかけた競技会が開かれることとなった。大会責任者の帝国四天王ヴァミリオは、敵であるはずの人間の勇者ヘルクの参加に激怒する。決勝戦を前に魔王ウルムの城が陥落した一報を受け、ヴァミリオはヘルクを含む決勝に残った選手たちと共にウルム城奪還へと旅立った。笑顔で「人間を滅ぼそう」と語るヘルク。果たしてその言葉は本心か? 笑顔に隠された真実とは……

【キャスト】
ヘルク:小西克幸
ヴァミリオ:小松未可子
アズドラ:松岡禎丞
ホン:石田彰
アスタ:青木志貴
イスタ:白石晴香
ケンロス:吉野裕行
ヒュラ:前田玲奈
ドルーシ:中島卓也
ロココ:徳井青空
ピウイ:井澤詩織
クレス:小野元春
アリシア:近藤玲奈
ラファエド:宮内敦士
ミカロス:平川大輔
シャルアミ:花守ゆみり
エディル:七海ひろき
ゼルジオン:森嶋秀太
ハラオル:丹羽哲士
イーリス:愛美
魔女:ゆかな
ナレーション:池田秀一

【スタッフ】
原作:七尾ナナキ(小学館「マンガワン」連載)
原作協力:小林翔
監督:佐藤竜雄
シナリオ:根元歳三、広田光毅
アニメーションキャラクターデザイン:出野喜則
美術設定:滝口勝久(スタジオちゅーりっぷ)
美術監督:岩瀬栄治(スタジオちゅーりっぷ)
美術監督補佐:鈴木大介(スタジオちゅーりっぷ)
色彩設定:長谷川美穂(緋和)
撮影監督:志村豪(T2studio)
編集:兼重涼子
音響監督:高松信司
音響制作:三木プロダクション(チームカワドン)
音楽:平野義久
アニメーション制作:サテライト

●作品情報
『AYAKA ‐あやか‐』
2023年7月1日より毎週土曜25:00〜TOKYO MX/BS11他にて放送中!
FODにて〈地上波同時〉見放題最速配信中!

<Introduction>
GoRA×キングレコードがタッグを組む、完全新作オリジナルアニメーション『AYAKA ‐あやか‐』。
作家集団GoRAが、七つの島が連なる綾ヵ島を舞台に、相棒×師弟×好敵手×兄弟という関係性と、それぞれに宿命を背負った男たちの切なくも美しい絆の物語を描く。
シリーズ構成・脚本をGoRA、キャラクター原案を数々の著名作品の原案を担当するイラストレーターredjuice、監督は長山延好、キャラクターデザインを金子美咲、プロダクションデザインを田中直哉、アニメーション制作をスタジオブランが務める。
GoRA脚本による緻密なストーリーと、気鋭のスタッフ陣が織りなす完全新作アニメに、誰もが魅了され、宿命を背負う男たちの姿に心を揺さぶられる――。

<あらすじ>
八凪幸人は、本土の児童養護施設で育った少年だったが、ある時亡き父の弟子であるという傍若無人な青年・沙川尽義がやってきて、幸人を故郷である綾ヵ島に連れ出してしまう。
七つの島が連なる綾ヵ島は、火と水の龍の伝説が色濃く伝えられ、「ミタマ」と呼ばれる不思議な存在が当たり前のように生息する奇妙な島だった。
幸人は、綾ヵ島の調和を守る仙人であったという父の三人の弟子たちと関わりながら綾ヵ島で暮らし始める。だが尽義の二人の兄弟子である鞍馬春秋と伊吹朱の間には深い確執があった。
調和の崩れ始めた「あやかい」島で、幸人が直面する真実とは——

【STAFF】
原作:GoRA・KINGRECORDS
監督:長山延好
シリーズ構成:GoRA
アクション監修:柴田裕介
キャラクター原案:redjuice
キャラクターデザイン:金子美咲
モンスターデザイン:渋谷亮介
プロップデザイン:佐藤玲子
プロダクションデザイン:田中直哉
コンセプトアート:芳野満雄
3Dセットデザイン:榎本嘉輝
美術監督:海野よしみ
背景美術:プロダクション・アイ
色彩設計:田中英里那
撮影監督:豊岡茂紀
撮影:旭プロダクション
CGディレクター:中島 豊
編集:岡 祐司
音楽:澁江夏奈
音楽制作:キングレコード
音響監督:田中 亮
音響効果:武藤晶子
録音調整:太田泰明(ピーズスタジオ)
録音助手:西 美春
録音スタジオ:STUDIO T&T
音響制作担当:濱 亮平
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
アニメーションプロデューサー:江里口武志
設定制作:杉川竜太朗
アニメーション制作:スタジオブラン
製作:Project AYAKA

【CAST】
八凪幸人:上村祐翔
沙川尽義:寺島拓篤
鞍馬春秋:鳥海浩輔
伊吹 朱:梅原裕一郎
福分茶太郎:梶原岳人
天乃夜胡:榊原優希
一条いばら:花澤香菜
八凪真人:津田健次郎
尼宮百々子:早見沙織
稲生三次:飛田展男
薪田太平:福山 潤
ミタマ:椎名へきる

©GoRA・KINGRECORDS/Project AYAKA

関連リンク

saji オフィシャルサイト
https://saji.tokyo/

sajiオフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/c/sajiofficial

sajiオフィシャルTwitter
https://twitter.com/saji_official

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