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INTERVIEW

2023.07.05

待望のアーティストデビュー!デビューアルバム『day to YOU』に込めた想いを、岬なこがたっぷり語る

待望のアーティストデビュー!デビューアルバム『day to YOU』に込めた想いを、岬なこがたっぷり語る

『ラブライブ!スーパースター!!』の嵐 千砂都役として活躍中の岬なこが、7月5日(なこの日)にソロアーティストデビューを果たした。デビューアルバム『day to YOU』(でいとゆー)は、人気作品の楽曲で数々のヒットを飛ばしてきて渡辺翔や、伝説のボカロP、ナノウ、馬飼野康二など、豪華作家陣による楽曲を収録した1枚。デビューに対する思いや楽曲について話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 塚越淳一

ソロアーティストデビュー
背中を押してくれたのはファンのみんな

――ソロアーティストデビューが決まり、5月からMVなども先行して公開しています。デビューの話を聞いたときは、どう思いましたか?

岬なこ マネージャーさんを通して話が来ていますということは伺っていたんです。これは色々なインタビューでも答えていたことなんですけど、私は歌に対してトラウマがあって、あまりプラスのイメージを持っていなかったんですね。つまり歌に自信が持てていなかったということなんですけど、それでも色々な仕事を通して、自分の歌を聴いていただきたいと思えるようになってきて。

――そう思うようになれたきっかけはあったのですか?

 やっぱり日頃から応援してくださる皆さんが、私の歌を好きと言ってくださったことが大きかったです。ファンクラブなどでカバー曲を披露する機会があったんですけど、「なこちゃんの歌がすごくいい」とか、期待してくださる声が届くようになって、そこから少しずつ前向きに頑張ってみようと思えるようになりました。

――トラウマって、周りがなんと言おうと、すぐには解決できない問題でもあるから大変だったでしょうね。

 そうですね……。『ラブライブ!スーパースター!!』でライブを何度もさせていただいているから、それだけやっていれば大丈夫でしょうと思われがちなんですけど、マイナス期間が長かっただけに、すぐに気持ちを180度変えられるような素直な心を持っていなくて(笑)。でも、皆さんの言葉でちょっとずつトラウマもなくなってきたので、前を向けたらいいなという気持ちです。

――ソロアーティストは自己表現の場所になると思うのですが、声優は誰かの要求に最大限応える仕事だと思います。そのあたりの違いは感じましたか?

 歌で自分を表現するとなったときにつまずいたところもそこでした。これまでは担当メンバー(嵐 千砂都)を背負って、担当メンバーと一緒にステージに立つということをしてきたので、私自身ではなかったんです。そこから突然、「岬なこで歌いましょう」と言われたときに、私はどんなふうに歌うんだろうって、私が私の歌をわからなくて、レコーディングのときに力んでしまって歌えなくなってしまうんですよね。でも元々私は声のお芝居が好きなので、曲を1つの物語とかセリフと考えて、それを聴いてくださる方に届けると考えたら、自分なりの表現ができるのではないかと思いました。『ラブライブ!スーパースター!!』で培ってきた歌との向き合い方みたいなものもあるので、歌うのではなく読めばいいんだと思ったんです。なので、それを自分のソロではうまく活かすことができたのかなって、レコーディングを終えて思っています。自己表現でいうと、子供の頃からやっていたダンスになると思うんですけど、ダンスって言葉が通じなくても意思疎通ができたり一緒になって楽しむことができるところが魅力なので、形が変わっただけで、私がやることは変わらないなって思いながら、歌に挑んでいました。

――歌も世界共通というか、言葉がわからなくても伝わるものですからね。

 そうかもしれないですね。YouTubeにアップしたMVへのコメントも、私の想像を上回るくらい海外の方からのコメントも多くて、毎回翻訳しながら見ています!

――では、Liella!としての活動が活きた部分はかなりあったということですね。

 もう何曲歌ったんだろうっていうくらいリリースさせていただいたので、レコーディングの準備の仕方、歌うときのクセや苦手なところなどをわかっていたことは良かったです。でも、Liella!と違うのは、ソロって当たり前ですけど、1人なんですよね……。横で自分と同じようにパフォーマンスをする仲間がいないし、自分のために書いていただいた曲なので、お手本もないんです。だから何を基準にすればいいのかわからなくて。これまでは、先輩方が作ってくれた道があったんですけど、改めて自分を見たときに、どういう人間なのかわからなくなるし、ヒントを得たいと思っても、そのヒントがあまりにも広すぎてしまって。例えば、ほかのアーティストさんを見て、こういうところいいなと思っても、それを取り入れて試すにはあまりに時間が足りない、みたいな。でも、その手探り感とかもがいている感じが、デビューアルバムだからこそ出せたんじゃないかなと思っています。物は言いようなんですけどね。

――デビューがアルバムからというのも、相当大変ですよね(笑)。

 もうびっくりを通り越しました!曲数を聞いたら「10曲くらいあります」と言われて、「10曲!?」ってなりました。しかもそこに対して十分な時間があったわけではないので、準備にかけられる時間も多くはなかったんです。準備をする期間とレコーディング中に曲と向き合う感じだったんですけど、録る前に考えたことよりも、録りながら歌の意味とか、どういう想いを込めたいのかを見つけ出すことのほうが多かった気がします。

次ページ:印象的なレコーディングは意外なあの2曲

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